スモールM&Aが注目されている理由とは?時間と資産を増やして自由に生きる

スモールM&A注目され始めたのはここ数年の話です。一体なぜ加速度的に注目されているのでしょうか?

M&Aと聞くと、会社売却による経営者の身投げや、経営破綻、夜逃げ…。などなどマイナスイメージを持たれがちです。或いは、自分はこのまま経営を続けるため、関係の無い世界だと思っていませんか?

ここ数年の間で、飛躍的に注目を集めるM&A。中でも中小企業を中心とした、数百万円から成立するスモールM&Aが特に普及しています。

その理由について、解説していきたいと思います。

M&Aが注目される理由①ベンチャー企業のトレンド

海外、特にアメリカでは最終的に企業を売却するための戦略が一般的に広まっています。中でもベンチャー企業の多くがこの戦略を取り、成功を収める実例が数多く存在します。

日本では会社買収とは大企業間で行われるものだ、という固定概念が残っている中、新しい時代の波に乗るチャンスはまさに今、というわけです。

終身雇用や年功序列、ミレニアム世代には古いと言われる社会から脱却する、唯一の方法といっても過言ではありません。自分自身で起業、経営者になり、売却して資産を増やすという海外のトレンドが少しずつ日本にも浸透してきています。

M&Aが注目させる理由②税制優遇

現代の経営者には、戦後の日本経済を支えてきた方々も多く、経済成長に深く携わってきた自負から、第一線を退かないオーナーも多いようです。

その結果、後継者がいないまま今に至るという問題にも繋がっています。

このままでは日本経済にも大きな打撃を与えてしまう可能性もあることから、2014年に産業競争力強化法として、M&Aの規制緩和を行ってきました。

売却益にかかる税金負担減少により、最終的に手元に残る資金が大きく増加したことも、M&Aの注目を加速させました。

M&Aを活用するメリット

①多額の資産と大きな時間の入手

税制により、会社売却後にも手元に残りやすい。これは会社を経営していくよりも大きな利益になるケースがほとんどです。

売却益は、売却後の生活防衛資金としての活用だけではありません。

得た多額の資金により、新規事業への取り組み、新たな市場開拓や、社会支援への貢献など、自分自身のやりたい事の幅が、格段に広がります。

特に現代社会では、一つの会社で定年まで働き続けるという概念が崩れています。それにより、会社売却を狙って起業する人たちが増加傾向にあります。

②売却実績は大きなメリットになる

事業売却実績は、新規事業への開拓へ大きな影響を与えます。その実績から、周辺経営者からの相談に乗る機会も増えるのではないでしょうか?

例えば、そのようなアドバイスが出来るという事はコンサルティング業への移行も可能になってくるわけです。

③相乗効果による飛躍的な発展

売却により優秀な人材の確保、より時代に適した経営者への業務移管が実現します。

自分が企業した時には、自分の経営が最も優れていたとしても、時代が変わればがらりと変わるものです。

その時代に応じた経営を、一人で行えば行うほどリスクが伴います。それは時として倒産への道を歩むことも理解しなければなりません。

M&Aを活用は、自分が発展させてきた事業を、現在に合わせてさらに発展させることも可能であり、それは従業員への生活を守ることにも繋がります。

④後継者不足の問題の解決

現代社会における社長の平均年齢60.1歳。調査開始以来初めての60歳超えとなり、日本の少子高齢化を感じさせる結果となっています。

日本企業の約半数は後継者が未定というデータもあります。

多くの中小企業経営者で、廃業が視野に入っている中、売却だけではなく事業を上手く承継する方法もあります。

スモールM&Aの活用では、そのような後継者問題の解決も大きな注目集める理由となっています。また企業に対して売却という形で継承するだけではなく、親族への承継が最適解の場合もあります。

中小企業経営支援事務所では、様々なご相談をお受けしておりますので、お気軽にお声がけ下さい。

経営者が目指す3つの着地点

縛られない環境において、自分のやりたいように生きる。その上で必要な資産の確保。これは誰しもが手に入れたい生活ではないでしょうか?

その目標を達成するための方法の一つとして、経営者を目指すことは大きな要因の一つです。

しかし、起業するためのスタートダッシュを切るための準備にとらわれたり、起業すること自体を目的としている方も多いのではないでしょうか?

起業するなばら、そのゴールをしっかりと見据える事が、より良い未来を実現するために非常に重要といえます。

①IPO(新規上場)

非常にハードルが高く、経営者のほとんどがその門の狭さに目指すことを難しいと考えています。ベンチャー企業にとってはあまり現実的では無い選択肢です。

②会社・事業継承

代々、家業として継いできた事業ならば話は変わってきますが、自分の力で立ち上げたビジネスであれば、M&Aによる売却が唯一の選択肢となります。

③廃業

廃業は自分の計画通りに事業をたたむことが出来るというメリットがある反面、従業員雇用のトラブルや、廃業に関わる費用により負債が残ってしまうなど、リスクも大きいため、一般的な選択肢ではありません。

M&Aは黒字企業だけが成立するというわけではありません。実は赤字企業でも売買が成立するケースもあります。

まとめ

今回は、今スモールM&Aが注目される理由について解説しました。

一つの会社で定年まで働き続けるという概念から、自分の好きなことをしながら稼いでいく。そういう時代の変化に伴い、起業を目指す方が多くなっていること。

さらに起業するならば、売却する一つのゴールに向かって進んでいくことで、自己資産を増やす最適解の一つです。それはM&Aの普及を加速度的に早めていること、好きな生き方、自由な生き方今の時代の生き方の第一歩となっているのです。

事業再構築補助金 採択 採択率を上げる(採択されやすい事業計画書とは)

1.公募要領の「審査項目・加点項目」を読み込みましょう

事業再構築補助金の採択されやすい事業計画書を執筆するために、もっとも重要なことは、公募要領の「審査項目・ 加点項目」を読み込むことです。

審査項目については、審査項目で記載されている事項を正確に理解し、これから実施する事業の実態を照らして、審査項目で求められていることを、事業計画に落とし込むことが最も重要になります。

加点項目については、加点項目に記載された条件に合致すれば無条件で点数が加算されることになります。加点項目で記載されている事項を正確に理解して、条件に合致しているようであれば必ず申請をするようにしましょう。


以下が公募要領の「審査項目・加点項目」の抜粋です
令和二年度第三次補正 事業再構築補助金 公募要領 (第3回)1.2版 P33-P34
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo003.pdf

===以下抜粋===


審査項目
(1)補助対象事業としての適格性 「4.補助対象事業の要件」を満たすか。補助事業終了後3~5年計画で「付加価値額」年率平均3.0%((【グローバル V 字回復枠】については 5.0%))以上の増加等を達成する取組みであるか。

(2)事業化点
① 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。
② 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規 模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。

(3)再構築点
① 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
② 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
③ 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

(4)政策点
① 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
② 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
③ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
④ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
⑤ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

加点項目
(5)加点項目
【令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点】
①令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自 粛等により影響を受けたことにより、2021 年 1 月~8 月のいずれかの月の売上高が対前 年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していること。(又は、令和 3 年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・ 移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年 1 月~8 月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること。)

②上記①の条件を満たした上で、2021年1月~8月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同月に受給した協力金の額を上回ること。

【最低賃金枠申請事業者に対する加点】
③ 指定の要件を満たし、最低賃金枠に申請すること。

【経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点】
④ データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行うEBPM の取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

2.採択率の高い認定経営革新等支援機関と一緒に作成しましょう


事業再構築補助金は、認定経営革新等支援機関と事業計画を策定することが求められています。(事業者様単独で事業計画を策定することは認められません。)
 

事業再構築補助金は、競争倍率が高い(第2回 中小企業 通常枠採択率36%)補助金です。事業計画を完全代行で請け負うコンサルタントも多くいますが、完全代行で作成されえた事業計画では採択される可能性は低いでしょう。こうした計画書は、百戦錬磨の審査員の目にかかれば直ぐに代行だと見抜かれます。


経営者様がこれまで培ってきたバックグラウンド、事業再構築補助金でどんなことを実現したいのか、将来のビジョン、経営者様の想い等を、経営者様の生の声をしっかりと事業計画に落とし込むことが重要です。


また、認定経営革新等支援機関を選定する上で採択率も重要になります。必ず、認定経営革新等支援機関にこれまでの採択率を確認するようにしましょう。

参考までに、士業別の採択率をお示しいたします。
中小企業診断士 48% /行政書士 41%/公認会計士 39%/税理士 27%

事業再構築補助金 第2回公募の結果について P8

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou02.pdf

以上のデータより中小企業診断士は、他の士業に比べ事業再構築補助金の採択率が突出して高いことがわかります。

当社は、第1回、第2回採択率100%の中小企業診断士がお手伝いさせていただきます。相談無料です。当社お問い合わせフォーム又は電話(070-4155-5692)までお気兼ねなくお問い合わせください。

スモールM&Aの進め方とは?3つのフェーズに分けて解りやすく解説

スモールM&Aは実際どのような手順で進めれば良いのでしょうか?
今回はスモールM&Aの進め方を3つのフェーズに分けて解説します。

フェーズ①事前準備

フェース②交渉

フェーズ③調査・契約

スモールM&Aでは全ての手順を踏まなくても、契約まで辿り着くケースも有りますが、今回は基本的な流れをご紹介します。

それでは細かく見ていきましょう。

M&Aの全体像

フェーズ①時前準備フェーズ 1ヶ月〜3ヶ月

目的の再確認

M&Aを進めるための目的を明確にしましょう。重要なことはM&Aが成立した後の展開です。

【売り手側】

売り手の場合、後継者問題による従業員の雇用確保。また事業売却による利益獲得など、なぜM&Aを行わなければならないのか、その方向性を決めることはM&Aを進めるにあたり非常に重要です。

【買い手側】

買い手側では、新規事業への参入など、自社の技術やノウハウだけでは困難な場合の、事業拡大ステップとなります。

事業立ち上げの時間短縮を狙いビジネスチャンスを失わないようにすることも重要です。時間短縮はビジネスの成功へと道筋となります。

企業価値の算出

非常上会社の場合、自社の時価が決まっておらず、企業価値を算出し直す必要があります。その場合、客観的に見て企業価値を算出する必要があります。

仲介会社の決定

M&Aの手続きには、非常に専門性の高い部分もあるため、基本的には仲介業者、もしくはアドバイザーに依頼して進めていくことを推奨します。ここでは仲介業者にフォーカスし、解説します。

仲介業者を選ぶポイント

【地の利】

買い手側の場合は地域に左右されることはあまりありません。売り手側なら近い場所の仲介業者を選ぶ方が、地域的な情報源も多く持つ業者が多いため有利になる場合が有ります。

【経験】

成立させた件数が多いところほど、優良アドバイザーに近づきます。企業の持つノウハウや、様々な状況下に対する知識、丁寧な説明などは経験から生まれるものです。

近年ではM&A成立件数の増加に伴い、仲介業者の数も多くなっている中、有名で大きな会社で選ぶのではなく、自分についた担当者の知識やノウハウを見極めましょう。

担当者には①経験年数、②成約数、③前職などの情報を質問してみましょう。

中小企業経営支援事務所では、国内だけにとどまらず越境ECへのサポートも充実しております。是非お気軽にお声がけ下さい。

【報酬】

譲渡額の10%〜15%以内を目安としましょう。ただし、報酬に対する相場の基準は無いため、最終的に取り返す見込みがあるかどうかが重要です。

【例】

譲渡額1009万

仲介料500万

500万の利益見込み

高額な仲介料の例ですが、この場合、3年でペイすることが出来るので、問題ありません。全体的なバランスを視野に入れることが大事になってきます。

フェーズ②交渉フェーズ 3ヶ月〜1年

ノンネームシート

会社名を伏せた企業情報を作成します。業務内容や業務エリア、譲渡理由などを大まかに表記した書類です。秘密保持を守るためとはいえ、あまり情報をぼかしすぎると不信感を与えてしまうので注意しましょう。

また、弱みを隠しすぎたり、嘘の情報は絶対に避けるべきです。話が進んだ時にトラブルになる可能性もあります。

ターゲットの選定

候補となる企業がリストアップされたロングリストと呼ばれるリストから検討していきます。そこから、さらに絞ったショートリストと呼ばれるものから、売却先を選んでいきます。

手法の選定

スキームを大きく分けると、

  • 買収
  • 合併
  • 会社分割

中小企業における売却の場合は、会社を全て売却する株式譲渡。あるいは事業の一部を売却する事業譲渡が一般的です。

トップ面談

今後の交渉に向けて基本合意書を結びます。話を進めるにあたり、この基本合意書をベースにお互いの合意を図ります。ここでの合意は今後の契約内容の軸にもなるため、重要な項目です。

フェーズ③調査・契約 3ヶ月

デューデリジェンス

対象企業に問題が無いか、調査を行います。

  • 財務デューデリジェンス
  • ビジネスデューデリジェンス
  • 法務デューデリジェンス等

このようにデューデリジェンスには様々な調査方法があり、専門性も高い他、非常に重要なフェーズとなります。

また、対象会社の理解をさらに深めるために、数万~数十万円の超小規模取引を除いて、実施することが一般的です。

そのため、専門家やアドバイザー、仲介業者への協力を要請が一般的です。

デューデリジェンスの報告後

調査報告を受けて、対象会社から発見された問題点をリスク許容度に応じて対応します。損害をもたらす致命リスクがある場合は中止する選択肢も持っておきましょう。

またリスク許容度の範囲内であれば、価格交渉を行うなどで解決に運ぶケースもあります。

最終成約

契約書にお互いの押印、またはサインで契約完了となります。

契約成立後 PMI

冒頭でも少し記載している通り、M&Aは自社の目標を達成するための手段の一つです。

入手した技術やノウハウを最大限に活かし、事業拡大へと進める一歩を踏み出しましょう。

まとめ

今回はスモールM&Aの進め方を、事前準備、交渉、契約の3つのフェーズに分けてご説明しました。

売り手側、買い手側における細かな手順は異なりますが、まずは全体的な流れを把握することで、円滑に進めていくことが出来ます。

現資本主義社会において、トレンドの流れやテクノロジーの進化は徐々にスピードを速めています。そんな中、長きに渡り会社を一人で守り抜いていく時代ではなく、経営のタスキを次の世代に託す、或いは相乗効果を生み出してくれる企業へ売却する。

それが当たり前の時代となってきているのかもしれません。

M&Aに潜む注意点とトラブルとは?売買の前に必ず知っておきたい回避策

近年、国内のM&A牽引役は中小企業企業におけるM&Aであり、実施件数も年間3,000〜4,000件程度実施されていると言われています。

それに比例するかのようにトラブルの件数も増加、契約成立後に問題となるケースが後を絶たない状況です。

M&Aは非常に有効的な戦略である反面、慎重な精査も必要です。

トラブルのリスクを最小限に抑えるための注意点をピックアップしましたので、ご参考下さい。

買い手側の注意点

①買収した後のビジョンが見えない

直観的に感じた場合、その感覚は疑いようのない事実です。自分の思いは優先させる方が良いでしょう。

ビジョンが見えない代表的な理由としてあげられるのは、

  • 企業理念の理解が出来ない。
  • ビジネスモデルに不可解な点を感じる。

このような根本的な理由です。

いくら儲かっていようが、相乗効果が見えない場合は中止を検討するべきでしょう。

②株主が多い

例えば創業者が亡くなり、株を分配する場合に詳細がはっきりしない株主が多数いる。これは注意が必要です。

株式譲渡では、買い手側は最終的に全株取得が一般的です。最終的に株式が一箇所に集中出来るならば問題ありませんが、その見込みが無い場合は参考を中止しても良いでしょう。

③期待外れ

買収前までは、上手くいくはずと準備を進めていたにも関わらず、スタートさせるとなかなか軌道に乗らず、思ったより成果が出ないというケースがあります。

業種や、業態によって注意しなければならない項目は様々ではありますが、共通していることは以下のような内容です。

  • 社長以外のキーマンが複数人存在している。
  • 社長の顔で仕事を受けている。

このような場合は、社長が変わったタイミングで、上手く機能しなくなる可能性が高いです。営業肌が強い企業や、美容業界なども当てはまるケースが多いです。

売り手側の注意点

①面談での言葉を鵜呑みにしない

交渉を進めていく段階で、売り手の企業価値をとにかく高く見せようとする場合があります。

これは企業経営者の言葉だけではなく、アドバイザーが間に入る場合も注意が必要です。アドバイザーは、契約成立して最終的な報酬額が入るため、なんとかして契約させたい欲が強い方もおられます。

話は耳に入りやすいが、データや実績を基に分析する意識を強く持ちましょう。

②買い手側にも注意を払う

買い手側は、売り手側によりM&A、業界の情報や知識を持っているケースが多いです。

買い手側は主に上場企業であるケースも多く、M&Aは既に何度も繰り返している企業の場合、既に高い専門知識を持ち、なんとか有利に買収出来ないかとしているものです。

特に表明保証違反には注意しましょう。

最終契約時に、簿外債務は無いですか?など契約書を交わすことが出来なかった内容に対して表明を行うことです。

しかし、契約を交わした数ヶ月後に表明違反での賠償請求を行ったりする場合があります。表明保証は安易にせず、信頼出来る専門家への相談、しっかりと内容確認に時間をかけるべきです。

③素人への売買

親族の会社、または良く顔の知れた得意先や同業者などによくあるケースです。この場合、本来の対価より安く見積もられる恐れがあります。

本当に親密な関係性で、対価よりも対象の相手へ会社を譲渡することを優先しているのであれば、問題ありませんが、そうでない場合はきちんと企業算定をして売買単価を見積もるべきです。

早まってしまう前に、アドバイザーや仲介業者への相談も視野に入れても良いでしょう。

アドバイザーや仲介業者の選定

①成功報酬しか見てない

仲介会社の目的は、成約率を上げることに尽きます。専門知識も高く、情報量も豊富。売り手先や、買い手先の情報の財務なども全て把握している状態にあるため、自分の有利な形に持っていきやすい。

売り手側、買い手側の希望条件を大幅に変えて、成約まで早く導こうとする

このような仲介会社は要注意です。

②素人

M&Aの普及に伴い、仲介会社も非常に増えてきています。会社としては知名度も有り、実績もあるかもしれないが、結局は担当者が悪ければ結果マイナスです。

自分についた担当者へは、経歴や実績、前職の質問を投げかけながら、信用に値するのか否か判断することが重要です。

ほとんどの経営者は、M&A未経験にも関わらず、難しい専門用語で丸め込んでくる方もたまにおられます。こういったトラブルを防ぐためには、ある程度の知識と情報を仕入れておくことが大切です。

企業を売買するためのコツ

知識を付けるために学ぶ姿勢

全てを仲介会社に、またはアドバイザーに一任する。信頼のおける人ならばいいですが、ほとんどの経営者は第三者に依頼するケースが多いのではないでしょうか?

また買い手の策略にはまってしまわないようにするためには、やはり必要最低限の知識を付けることは重要です。

中小企業経営支援事務所では、未経験の経営者に寄り添うご提案とご相談を受け付けております。ご不明な点は分かりやすく解説しながら、ご希望のM&Aを実現させましょう。

仕組み化・可視化・言語化出来ているか?

【仕組み化】

承継した後に、いかに早くその事業を自分の会社なら溶け込ますことが出来るか。これは、業務が仕組み化されているかどうかが重要です。業務内容がマニュアル化され、第三者でも業務習得が早い環境は、大きな強みと言えるでしょう。

例えば、マクドナルドが由来となったマックジョブ。マクドナルドでは、全店舗が共通したクオリティの商品提供が行えています。これは全業務のマニュアル化が撤退されており、その教育方法も確立されているためです。

【可視化】

業績や業務内容が可視化されており、誰が見ても理解出来る環境です。

お客様別の売り上げ順位や、お客様満足の分析データなど、事業戦略が立てやすい環境ならば、その目標に向けた戦術も組み立てやすく、未来の売り上げ見込みも考えやすくなります。

【言語化】

業務を進めていく上で、社員間の伝達や報告におけるスピードに関わります。

例えば、クラウド保存で共有しているファイル名、使用するツールの呼び名の共通化などが挙げられます。

報告する内容や順序が定まっていなかったり、従業員一人一人がバラバラな用語を使ってしまうことで、上司への報告や同部署への伝達もバラバラになってしまい、時には違う伝わり方もしてしまう恐れもあります。

まとめ

M&Aにまつわるトラブルは絶えず起きているという事実を理解し、自分自身の知識や理解度を高めることでリスク回避をしていくことが大切です。

またリスク許容度の範囲内での判断を行なっていくことが重要です。

中小企業経営支援事務所では、未経験に寄り添うサポートを行ってまいります。

是非ご相談ください。

中小企業庁 M&A支援機関に登録されました

株式会社中小企業経営支援事務所は、新たに中小企業庁が設立したM&A支援機関に登録されました。


中小企業庁は中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するため、M&A支援機関に係る登録制度を創設しました。

事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)では、支援機関の活用に係る費用(仲介手数料やフィナンシャルアドバイザー費用等に限る。)について、予め登録されたM&A支援機関の支援に係るもののみを補助対象としています。

当社が提供するM&Aサポートサービスの費用の一部を補助金で充当することができます。

当社は、小規模事業者に専門特化したM&Aサポートサービスを提供しています。

経営者様に寄り添い親身になってご対応させていただきますので

お気兼ねなくご連絡をいただければ幸いです。

M&Aの種類を分かりやすく解説|知識ゼロでも分かるM&Aの基礎を学ぼう

近年では、大手企業だけではなく、中小企業や個人事業でも活用され始め、今やトレンドとなってきています。

M&Aと一言で言っても様々な種類、手法(スキーム)が存在します。
M&Aにはどんな種類があるのでしょうか?

この記事では、M&Aの種類を分かりやすく解説しています。また、それぞれのメリットデメリットを理解して、自社に最適な手法を取れるように準備をしていきましょう。

M&Aの種類と解説

株式譲渡

売り手企業の株式を、譲渡することです。株式の移管に伴い、企業の経営権を譲渡することになります。全ての事業を譲り渡すだけではなく、過去の責任も譲り渡すことになります。

相対取引

売り手側買い手側と直接交渉を行い、双方の合意の上で株式を売買する方法です。非上場企業の場合は、この方法しか取ることが出来ません。

市場買い付け

上場企業に対し、市場から株式を買い集める手法です。買い集めにより、株価高騰のリスクがあるため、広く使われる手法ではありません。

公開買い付け(TOB)

TOBとはTake Over Bitの略称です。取引する時期や価格などを予め公開した上で、証券取引所を通さずに取引を行うことです。 合意のもと、行われる取引を友好的TOB。一方的に経営権を取るための取引は敵対的TOBと呼ばれます。

事業譲渡

売り手企業の事業の一部を譲渡することです。売却する事業の財産を全て含みます。売買の対価は会社が受け取るため、個人株主ではありません。また売り手の手元に会社が残ることになります。

【事業の財産とは?】
財産とは、土地や建物などの有形財産だけではなく、人材や技術、ノウハウといった無形財産も含みます。

会社分割

一部の事業を別会社に承継させる「吸収分割」と、新たに会社を設立し、事業を承継させる「新設分割」に分かれます。

さらに、売却したくない事業を分割してから売却する「分割型分割」、売却する事業を子会社化してから売る「分社型分割」に分けられます。

分割型分割

売買したく無い事業や会社を分割してから売る手法です。

一部の事業のみ売却可能であり、対価は売り手側の株主が受け取ります。税金効率が高いことも利点です。また、売却する事業の責任も売買されます。売り手側に会社の経営権が残ります。

買い手側はのれん代で節税出来ない面も特徴です。

【のれん代とは?】
無形財産と有形財産の差額のことです。

分社型分割

売却する事業を子会社化してる売ることです。

この手法の場合、責任売買はありません。買い手側はのれん代で節税が可能であり、事業譲渡より手続きが少ないことも特徴です。売買の対価は売り手の会社に入り、売り手側に会社の経営権が残ります。

株式譲渡おけるメリット・デメリット

メリット

  • 売り手側と買い手側の優秀な人材や技術を組み合わせる事で、事業拡大の相乗効果を得ることが出来ます。
  • 後継者問題の解決に繋がります。跡継ぎ問題で悩む企業も多い中、企業存続の手法として有効です。
  • 創業者利益としてまとまった利益を得ることが出来ます。M&Aのトレンドとなっている理由として、莫大な利益を得ることが出来ることは一つの大きな要因です。
  • 事業継続による従業員雇用の確保も大きなメリットになります。

デメリット

  • 予想していた技術や人材が期待外れだったというケースもある。
  • 売買成立後に簿外債務の発覚するケースがある。
  • 買い手側の運営が上手く出来ず、技術やノウハウ、雇用の存続が出来なかったということもあります。
  • 売り手側は、株の譲渡に値がつかない。

事業譲渡におけるメリットデメリット

メリット

  • 企業の過去の責任まで売買が行われないため、買い手が見つかりやすい。
  • 買い手側はのれん代償却を損金計上出来るため、税務上の利益を圧縮することが出来ます。
  • 高値がつきやすい傾向にあるため、売り手買い手共にメリットとなるケースが多い。

デメリット

  • 会社が大きければ大きいほど、手続きが複雑になる。
  • 過去の責任は元の会社に残る可能性がある。
  • 取引先または従業員への適切な配慮が必要。

会社分割におけるメリットデメリット

メリット

  • 買い手側は自社株の割当を行うことで、資金が無くても買収できる。
  • 従業員の分割した後どこに所属させるか、この同意は不要。

デメリット

  • 過去の責任も一緒に譲り受けなければならない。
  • 株主総会や株式評価に伴い、大きな時間がかかってしまう。

M&Aのリスク回避するために

M&Aにおけるリスクを回避するためには、デューデリジェンスをしっかり行うことが重要です。

【デューデリジェンスとは?】

買収する企業の財務状況や価値等を予め調査をすることです。

デューデリジェンスを個人で行うには、時間や手間がかかり困難な場合も多いためM&A仲介業者を利用することをおすすめします。

中小企業経営支援事務所ではデューデリジェンスだけではなく、M&Aにまつわる様々な相談をお受けしておりますので、お気軽にご相談下さい。

中小企業経営支援事務所

まとめ

M&Aの種類を大きく分けて、株式譲渡、事業譲渡、会社分割について、それぞれを解説しました。

会社を売却するのか、事業を売却するのか、自社の売却する目的を明確にすることが重要です。

また近年トレンドになってきているM&A、「売却」企業の一つのゴールとして捉えている企業も増えてきております。企業価値を高めること、これもM&A成功に繋がる大きな要因です。

株式会社中小企業経営支援事務所

〒162-0802

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もくじ