スモールM&Aの進め方とは?3つのフェーズに分けて解りやすく解説

スモールM&Aは実際どのような手順で進めれば良いのでしょうか?
今回はスモールM&Aの進め方を3つのフェーズに分けて解説します。

フェーズ①事前準備

フェース②交渉

フェーズ③調査・契約

スモールM&Aでは全ての手順を踏まなくても、契約まで辿り着くケースも有りますが、今回は基本的な流れをご紹介します。

それでは細かく見ていきましょう。

M&Aの全体像

フェーズ①時前準備フェーズ 1ヶ月〜3ヶ月

目的の再確認

M&Aを進めるための目的を明確にしましょう。重要なことはM&Aが成立した後の展開です。

【売り手側】

売り手の場合、後継者問題による従業員の雇用確保。また事業売却による利益獲得など、なぜM&Aを行わなければならないのか、その方向性を決めることはM&Aを進めるにあたり非常に重要です。

【買い手側】

買い手側では、新規事業への参入など、自社の技術やノウハウだけでは困難な場合の、事業拡大ステップとなります。

事業立ち上げの時間短縮を狙いビジネスチャンスを失わないようにすることも重要です。時間短縮はビジネスの成功へと道筋となります。

企業価値の算出

非常上会社の場合、自社の時価が決まっておらず、企業価値を算出し直す必要があります。その場合、客観的に見て企業価値を算出する必要があります。

仲介会社の決定

M&Aの手続きには、非常に専門性の高い部分もあるため、基本的には仲介業者、もしくはアドバイザーに依頼して進めていくことを推奨します。ここでは仲介業者にフォーカスし、解説します。

仲介業者を選ぶポイント

【地の利】

買い手側の場合は地域に左右されることはあまりありません。売り手側なら近い場所の仲介業者を選ぶ方が、地域的な情報源も多く持つ業者が多いため有利になる場合が有ります。

【経験】

成立させた件数が多いところほど、優良アドバイザーに近づきます。企業の持つノウハウや、様々な状況下に対する知識、丁寧な説明などは経験から生まれるものです。

近年ではM&A成立件数の増加に伴い、仲介業者の数も多くなっている中、有名で大きな会社で選ぶのではなく、自分についた担当者の知識やノウハウを見極めましょう。

担当者には①経験年数、②成約数、③前職などの情報を質問してみましょう。

中小企業経営支援事務所では、国内だけにとどまらず越境ECへのサポートも充実しております。是非お気軽にお声がけ下さい。

【報酬】

譲渡額の10%〜15%以内を目安としましょう。ただし、報酬に対する相場の基準は無いため、最終的に取り返す見込みがあるかどうかが重要です。

【例】

譲渡額1009万

仲介料500万

500万の利益見込み

高額な仲介料の例ですが、この場合、3年でペイすることが出来るので、問題ありません。全体的なバランスを視野に入れることが大事になってきます。

フェーズ②交渉フェーズ 3ヶ月〜1年

ノンネームシート

会社名を伏せた企業情報を作成します。業務内容や業務エリア、譲渡理由などを大まかに表記した書類です。秘密保持を守るためとはいえ、あまり情報をぼかしすぎると不信感を与えてしまうので注意しましょう。

また、弱みを隠しすぎたり、嘘の情報は絶対に避けるべきです。話が進んだ時にトラブルになる可能性もあります。

ターゲットの選定

候補となる企業がリストアップされたロングリストと呼ばれるリストから検討していきます。そこから、さらに絞ったショートリストと呼ばれるものから、売却先を選んでいきます。

手法の選定

スキームを大きく分けると、

  • 買収
  • 合併
  • 会社分割

中小企業における売却の場合は、会社を全て売却する株式譲渡。あるいは事業の一部を売却する事業譲渡が一般的です。

トップ面談

今後の交渉に向けて基本合意書を結びます。話を進めるにあたり、この基本合意書をベースにお互いの合意を図ります。ここでの合意は今後の契約内容の軸にもなるため、重要な項目です。

フェーズ③調査・契約 3ヶ月

デューデリジェンス

対象企業に問題が無いか、調査を行います。

  • 財務デューデリジェンス
  • ビジネスデューデリジェンス
  • 法務デューデリジェンス等

このようにデューデリジェンスには様々な調査方法があり、専門性も高い他、非常に重要なフェーズとなります。

また、対象会社の理解をさらに深めるために、数万~数十万円の超小規模取引を除いて、実施することが一般的です。

そのため、専門家やアドバイザー、仲介業者への協力を要請が一般的です。

デューデリジェンスの報告後

調査報告を受けて、対象会社から発見された問題点をリスク許容度に応じて対応します。損害をもたらす致命リスクがある場合は中止する選択肢も持っておきましょう。

またリスク許容度の範囲内であれば、価格交渉を行うなどで解決に運ぶケースもあります。

最終成約

契約書にお互いの押印、またはサインで契約完了となります。

契約成立後 PMI

冒頭でも少し記載している通り、M&Aは自社の目標を達成するための手段の一つです。

入手した技術やノウハウを最大限に活かし、事業拡大へと進める一歩を踏み出しましょう。

まとめ

今回はスモールM&Aの進め方を、事前準備、交渉、契約の3つのフェーズに分けてご説明しました。

売り手側、買い手側における細かな手順は異なりますが、まずは全体的な流れを把握することで、円滑に進めていくことが出来ます。

現資本主義社会において、トレンドの流れやテクノロジーの進化は徐々にスピードを速めています。そんな中、長きに渡り会社を一人で守り抜いていく時代ではなく、経営のタスキを次の世代に託す、或いは相乗効果を生み出してくれる企業へ売却する。

それが当たり前の時代となってきているのかもしれません。

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