越境ECを始める前の注意点と解決策|世界最大の中国マーケットを知る

国内市場では既に天井を迎え、行き先が無くなってしまったところで越境ECの路線に切り替える方も多いのではないでしょうか?

しかし、参入しやすい反面、すぐに退店として追い込まれてしまう企業も多いことも事実です。なぜなら、日本国内の販売方法、物流、法律や競合が今までとは全く違うという環境だからです。

越境ECを行う上ではどのようなことに注意しなければならないのか。よくある注意点を紹介します。知識を付けて、越境ECを成功へと繋げましょう。

注意点①マーケット事情を知る

価格争い

ナショナルブランドを取り扱う小売業者は悩まされる問題です。

例えば中国市場では大きな山場となる独立の日、11月11日(ダブルイレブン)では、各社驚くような価格でシェアを争い、売り上げを立てます。

ナショナルブランドだけを、低単価かつ薄利多売していく方法は持続的な経営が非常に難しく、必ずどこかで他社との差別化を行わなければなりません。ここでは、いかにプライベートブランドへとシフトしていくのか、その戦略を初期的段階で考えておく必要があります。

方法の一つしては、海外モールと自社ECサイトの併用運用です。海外モールでの集客や信用性を集めながら、徐々に自社ECサイトへ誘導を行い、自社製品の販売で利益を稼ぐ方法です。

情報チャネルの重要性

現在の消費者は、一つのサイト情報だけで購入の決定を行いません。必ず他の情報とクロスチェックを行いながら購入決定します。

これは、その商品の価格を調べているだけではなく、商品の信用性も調べているからです。

色々な商品が絶えず開発され、出回っている中では商品の信用性に欠けていれば、消費者は買わない判断を下します。

ここで重要なのは様々なチャネルでの情報発信です。現地のSNSやアプリを通じた商品案内、各モールでの商品出店など、多角的に商品の情報発信をしていくことが大切です。

通常の宣伝は効果が薄い

メディアの広告や宣伝は、中国消費者にとっては信用性が薄いと感じている商品者は少なくありません。また中国の検索エンジンサイト百度での検索制度はGoogleと比較すると低いという声もあります。

その結果、SNSでの情報集収集はマストになってきているというわけです。口コミが一番の信用性に繋がっています。

中国では、小紅書も有効なツールです。2021年時点で3億人程利用しているアプリです。若年層の女性に人気があり、ファッションコスメ特化しています。商品を実際に利用みてみた口コミを投稿することが一般的な使い方です。

中小企業経営支援事務所では小紅書を活用した販売戦略を行っています。越境ECを始めようとしている方々へのサポートを行っておりますので、是非お声がけ下さい。

注意点②短期で売り上げは伸びない

中長期戦略|マーケティング

越境ECを行うにあたり、売上を伸ばしていくには1日2日の短期間で攻略出来るものではありません。そのためには市場規模の大きい中国やアメリカにとりあえず出店する。これでは失敗してしまいます。

その国や地域ではどのような物の人気が高いのか、その価格。取り扱い商品を将来的にどのように拡大していくのか。越境ECをスタートさせるタイミングで、最終ゴールまで見据えることも大事です。

①市場規模、競合他社の把握
②商品のニーズ、ターゲットの選定
③販売方法や販売地域の選定

出店するまでにもこのようなマーケンティングフローがあることを知っておきましょう。

中長期戦略|予算と決定力

中国の海外モールを例に挙げると、広告宣伝には非常に速い決定力が必要になります。広告宣伝費の決定に稟議を通して追って連絡。

このようなスピード感では他社に広告を奪われ機会ロスを招く結果となるだけではなく、広告案内が以後来ないというリスクがあります。

広告メディアの信用性に伴い、良い広告、悪い広告の見極めは非常に重要ですが、認知させるための窓口として有効活用出来るツールです。

短期間で区切った損益ではなく、長い目でプラスに持っていく考えが重要です。

注意点③物流と法的理解

輸送費

国内の販売とは異なり、輸送費用が高コストになります。主な配送キャリアはEMSやDHLの利用です。

関税

商品を海外へ発送する場合は、商品に応じて関税が発生するケースがあります。さらに、インボイスと呼ばれる通関用書類を用意しなければならないことも知っておきましょう。

関税にまつわる消費者間とのトラブルは良く起こる問題の一つです。
支払い者は消費者なのか、販売側なのか、事前にサイト上の明記しましょう。

禁制品

国や地域によっては輸入不可の商品があります。薬物や危険物に関しては予測がつくと思いますが、食品関連や日用品でも意外な物まで禁制品となっているケースがあります。

違法とはされていないバスソルトやアロマオイルなども、禁制品対象となるケースもあります。

取り扱い商品が輸出入可能かどうかの確認は必ず事前に行いましょう。

まとめ

今回は越境ECを行う上での注意点を紹介しました。

①マーケット事情を知る
日本国内の販売環境と全く性質が異なることを理解しましょう。熾烈な価格競争に負けないプライベートブランドへのシフト、信用を勝ち取るためのSNSの活用が非常に重要です。

②短期で売上は伸びない
既に圧倒的な人気を誇る商品以外、中長期的な目線で越境ECに取り組むことを推奨します。マーケティングをしっかり行った上で、予算内でのスピード感のある意思決定が必要になります。

③物流と法的理解
国をまたいだ配送には様々な弊害があります。輸送費、関税、禁制品などは事前に調査を行いましょう。

越境EC市場への参入はこれからの時代に避けては通れない道となりそうです。まずは実際に挑戦し、その感覚を実際に掴んでいくことが重要です。

中小企業経営支援事務所では越境ECを始めるためのサポートを行っております。何から初めていいか分からない方は是非お気軽にお声がけ下さい。

ブログ一覧へもどる

株式会社中小企業経営支援事務所

〒162-0802

東京都新宿区改代町27-4-1 クレスト神楽坂2F

TEL 03-5946-8609

もくじ