事業再構築補助金の採択事例から学ぶ|事業計画書作成の6つのポイント

事業再構築補助金ではどのような案件が採択されているのでしょうか?

実は、事業計画書の内容だけではなく補助金枠や業種によっても採択率は違います。では一体どういう案件が採択され、どういう案件が不採択なのでしょうか?

この記事では、過去の事例やデータを参考に、事業計画書の作り方のコツと採択されやすい業種を解説していきます。

事業計画書を作成する上での検討材料にしてみて下さい。

採択されるための6つのポイント

①分析

自社と市場、この2つの分析は徹底して行いましょう。

経営を回すことと同じように、この分析を怠ると方向性が一致せず、見込みの薄い内容になってしまい、審査員に伝わる内容になりません。

自社分析

SWOT分析を使い自社の強み、弱みを浮き彫りしましょう。この作業については1人で行うより、複数名で行うことでより明確な答えに辿り着きます。

【SWOT分析とは】
自社に影響を与える市場等の外部環境と自社の強み等の内部構成に対して、強みと弱みを分析する手法です。強み、弱み、機会、脅威の4つのポイントに分けて力を入れるべき要点を浮き彫りにする分析方法です。

市場分析

競合他社の存在、事業に対する需要の裏付けは、市場分析は欠かせません。競合は誰なのか?競合の戦略に対して差別化が行われているのかを明記しましょう。

②一貫したストーリーの構築

コロナ前からどのように回復し、利益を出すまでのストーリー(道筋)を明確にしましょう。

一貫した内容でなければ審査員も「本当にこの計画は成功するのだろうか?」という疑問が生まれます。

③事業戦略

どうやって、商品を作る又は仕入れ、どのように売り、誰が管理を行い、どうやって利益を出すのかを明確にしましょう。

また、他社との差別化が非常に重要であり、新規性をアピール出来る部分でもあります。未来の動向なども視野に入れ、事業成功の可能性を強く伝えましょう。

④課題解決

事業を進める上では必ずリスクが付きまといます。考えられるリスクを書き出し、その対処方法を明記していくことで、事業成功への信頼性がより高まります。

⑤事業計画の手引き項目は網羅

事業計画の指針にはそれぞれの類型と項目が明記されています。項目については全てを網羅していることが必須です。

資料中にもこの項目に該当している旨を細かく記載し、審査員に伝えることを心がけて下さい。

自分では伝えているつもり、では相手に伝わっていなければ意味がありません。細かく意識して明記していきましょう。

⑥分かりやすい資料を作る

専門用語に注意

専門用語の多用は厳禁です。

審査員は業種の知識が必ずあるわけではありません。その人たちが読む資料で、専門用語を連発させたり、文章だけの書類だと、理解に苦しむことは明らかです。

テンプレートの利用に注意

事業計画書は既にテンプレートがたくさん出回っているため、文章を打ち込めば完成するような、簡単なものまで有ります。

簡単に作れる反面、他社の資料に似たり寄ったりな資料になるため、目を引く資料になりません。

時間が無い中の資料作成なため、気持ちは分かりますが、出来るだけ自分で作成を心がけて他社資料との差別化を図ることを推奨します。

番外編

対話から生まれる発想を大事にしましょう。

出来上がった事業計画書に対して、もう一度内容の確認を複数人で行うことを推奨します。対話から生まれる新発想は時に資料のレベルを大きく伸ばしてくれます。

社内の人間や、サポートを行ってくれる認定機関との対話を積極的に行いましょう。

採択事例

採択されやすい業種

参考:事業再構築補助金
第3回公募の結果についてより作成

採択件数をベースとした割合は①製造業、②宿泊・飲食サービス、③卸売り、小売りとなりました。以上3種で全体の5割を超える採択率となっています。

ユーザーと直接接する機会が多い業種は、特にコロナの影響を大きく受けているため、新事業への取り組みへの意欲が認められるケースが多いのかもしれません。

コロナ禍における、環境の安全性や安心を届けるために事業を再構築していく内容は、事業計画立案に非常に有効と言えるでしょう。

採択事例の内容

事業再構築補助金の採択事例は本サイトに多数掲載されております。非常に優良な情報の提供にご協力いただいております。お礼と共に是非ご参考にして下さい。

採択事例一覧

【飲食業】
バーベキュースペース提供を行っていたところ、利用客が激減。提供していた商品の加工・個包装からの物販に事業転換。

【製造業】
リキュールの製造販売を行っていたところ、観光・インバウンド減による売上低下。自社開発の乳酸菌飲料の製造販売を手掛ける新分野展開を行う。

どちらも、現在の状況がコロナによる打撃が大きい中、事業の回復に向けた意欲ある内容であり今の事業のノウハウをベースにすることで見込み性を感じます。

まとめ

今回は第3回の公募結果から、採択の多い業種、また、採択事例を参考にどのように資料を作るのかを解説しました。

業種では、1位に製造業、2位に宿泊・飲食サービス、3位に小売業とこの3種で半分以上の採択率シェアとなっています。

事業所作成のポイントは6つ

①自社と市場の分析を徹底している
②コロナ前後の事業ストーリーが明確
③事業戦略が明確
④課題の発見と解決が出来ている
⑤事業計画の手引き項目を網羅している
⑥審査員に伝わりやすい資料作り

また資料は自分一人で作るのではなく、周りの意見も取り入れながら作成することで、新しい発想が生まれることもあります。是非仲間との対話を大事にしてみて下さい。

中小企業経営支援事務所では、補助金申請のサポートをワンストップで行っております。お困りの際はお気軽にお声がけ下さい。

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