ハードルが下がる?今後の事業再構築補助金から目を離すな【令和三年度補正予算】
2022年1月中に、第5回事業再構築補助金の公募が始まります。さらに令和4年内には3回の公募が予定されています。
その都度目まぐるしく変わるルールに、混乱されている方も少なくないのではないでしょうか?
第5回、第6回の事業再構築補助金の変更点の中には、売上に関する要件緩和が続いて行われます。これは申請側にとって追い風となる内容です。
今回の記事では、令和3年度の補正予算額と今後の事業再構築補助金の変更点について、解説していきたいと思います。
これから公募検討する方も、リベンジする方も是非チェックしてみてください。
もくじ
令和3年度補正予算額
財務省が発表している事業再構築補助金の補正予算額はなんと6,123億円にものぼります。
コロナショック後、回復の見込みが見えない中小企業や個人事業主はまだまだ多く、経済的な悪影響は依然として続いている状況です。
ビジネスモデルを転換するためのサポート、バックアップの必要性が高い状況にあるため、内容の見直しや拡充を行いながらこの補助金制度が継続されています
第5回事業再構築補助金の概要|変更点
新規事業売上高10%要件の緩和
今までの要件では3~5年間の事業終了後に新事業の売上高が全体の売上の10%以上にしなければなりませんでした。
しかし今回の要件緩和で、付加価値額15%でも要件を満たすこととなり、従来よりハードルが下がりました。
【付加価値額とは】
営業利益+人件費+減価償却費
また、2021年11月以前に終了する旧事業の売上が10億円を超える場合、新事業の売上が3億円以上であれば要件を満たすとなっています。
貸工場賃借料の経費見直し
製造業であれば、非常に追い風な運用見直しです。
新しい工場施設の設立の場合、補助期間内に改修などを完了して退去すれば、現工場の賃借料も補助対象経費となります。
※一時移転の場合、現在の貸工場の賃借料や移転費等は補助対象経費総額の2分の1を上限となります。
第6回以降の変更点
売上高10%要件の緩和
2020年の10月の前と後で2期間の売上減少データが必要でしたが、コロナが拡大して売上が10%以上減少しているならば、要件を満たすこととなりました。
さらに任意の3ヵ月の比較で良いので、参入しやすくなったと思われます。
回復・再生応援枠の新設
経営が著しく厳しい、また事業再生に取り組んでいる。このような企業に向けた新しい申請枠です。
今使っている主要設備を変更しなくて良いと要件が緩和されたことにより、現状設備を活かした事業構築が可能となります。
要件
- 通常枠の要件を満たしている
- 2021年10月以降と2020年又は2019年の同月で売上30%減
- 再生計画の策定※要件検討中(20221月19日時点)
グリーン成長枠の新設
SDG’sの普及に伴い、グリーン分野に取り組む企業が非常に注目集めている中、企業の応援を試みる申請枠です。
対象事業者
- 認定経営革新等支援機関と策定。3,000万超は金融機関と策定
- 補助事業終了後3~5年で年率平均5%以上の成長見込み
- グリーン戦略14分野への該当及び2年以上の開発に係る教育の実施
14分野の詳細は経済産業省、成長が期待される14分野をご確認下さい。
通常枠の補助上限枠の見直し
通常枠の上限枠に2000万円が追加されました。これは従業員が20人以下の場合に限ります。これにより、従業員規模が少ない企業にとっては通常枠への申請チャンスが大きく広がりました。
通常枠の要件の詳細については、事業再構築補助金 令和3年度補正予算の概要内、4.通常枠の補助上限額の見直しをご覧ください。
建物費・研修費の見直し
建物費
改修に限る。新築の場合は制限を加える。
研修費
補助対象経費総額の3分の1を上限とする。
複数企業等連携型の新設
申請枠の上限内であれば、20社までなら一緒に申請することが出来るようになります。ただし、売上高10%要件の達成として、各社で達成、合計で達成する必要があります。
事前着手の対象期間の見直し
対象期間を2021年2月15日からとする。
※既に事前着手を開始している事業者は、第6回公募以降は対象経費として認められなく なる場合がありますのでご注意ください。
まとめ
今回の記事では、令和3年補正予算と今後の事業再構築補助金について解説しました。
回数を重ねるごとに変更されてきた要件ですが、第5回、第6回と売上に関する要件の緩和が続いて行われます。
一度自社の経営状態を確認し、要件を満たせそうな状態であれば是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、中小企業経営支援事務所では今後の事業再構築補助金に関して相談を受け付けております。是非お気軽にお声がけ下さい。