越境ECとは?国を越えた商品販売は当たり前の時代|海外に目を向ける重要性

越境EC、小売業を運営していると一度は聞いたことがあるかもしれません。
そんな越境ECとは、一体どのようなものなのでしょうか。

日本国内での販売でそれなりに回っているから自分には関係ない、そうお考えではありませんか?

残念なことに、日本の市場は縮小傾向にあり、数年先も同じ状況が続くとは限りません。日本だけではなく、海外の市場にも目を向ける時代が少しずつ近づいてきています。

この記事では、越境ECとは一体何なのか?その手順と販売戦略について解説します。

まずはその知識だけでも覚えておくと、今後の運営も有意義なものになるのではないでしょうか?

越境ECとは

越境ECが注目される背景

世界では越境ECをどれくらいの人が利用しているのでしょうか?

参考:経済産業省 令和元年電子商取引に関する市場調査資料から作成

日本の利用率が6%と著しく低いことに比べて、香港では一度でも越境ECを利用したことがある人が75%。市場規模の上位に位置する中国は42%、アメリカは34%となっています。

知らない間に、世界では海外から物を買う事が当たり前の世の中になっているということです。

これからのITテクノロジーの加速度的な発展が見込まれ、ますます越境ECの利用者が増加すると予測されています。

越境ECの拡大予測

参考:経済産業省 令和元年電子商取引に関する市場調査資料から作成

2027年には越境ECの拡大予測4兆8,561億USドルとされており、決済手段の簡素化、配送技術の発達により、更に越境ECが利用しやすくなる未来が見えてきます。

日本から世界へ目を向けるべき理由

ここで注目するべきは日本の越境EC利用者が著しく低いことです。実は日本において海外製品を買わずとも高品質な商品を比較的低価格で購入する環境が整っています。

そのため、越境ECの知識がまだまだ浸透しているとは言えません。

海外から日本へ目を向けると、コスメ、化粧品などの高品質な商品を必要としている人や正規品への安心感があると応える方が多く、日本から世界へ商品を販売するには最適の時代と言えるのではないでしょうか。

越境ECの重要性

少子高齢化という言葉は日頃ニュースでも良く話題となり、日本の問題の一つです。

少子高齢化は消費者減少に繋がり、経済的ダメージも大きなものとなります。

商品が今まで以上に売れない市場がすぐ近くまで来ているという現実に目を向ける必要が有ります。

現状は維持出来ているからといって、数年後も同じ状況が続くとは限りません。世界に目を向けると、市場が拡大している国や地域に向けての販路拡大は視野に入れておくべき重要なことだと言えるでしょう。

越境ECのスタートアップを支援します

中小企業経営支援事務所では、越境ECを始めようと思っている方をバックアップいたします。中国企業とのマッチングから、消費者対応まで幅広くサポートいたしますので、是非お気軽にご相談下さい。

越境ECの始め方

越境ECを始めるにあたり、運営プロセスは日本国内でのECサイト運営と大差はありません。海外から認知させるプラットフォームへの出店、自社サイトの構築が大切です。

ここでは大きく分けて以下2つの事業モデルをご紹介します。

①販売国又は日本のECプラットフォームに出店

アメリカならばamazonやWalmart、中国ならば天猫国際や京東国際など、販売国でのECモールに出店する方法です。

配送モデルとしては、消費者へ直送する方法が代表的です。モールが保有する倉庫へ納品し、出荷対応を行う保税区モデルと呼ばれる配送方法もあります。AmazonのFBAなどがその例です。

参考:各種公開情報より作成

②自社サイトからの直接販売

自社ECサイトを立上げ、運営販売する方法です。ECサイトを自国又は販売国で立ち上げる決定が必要です。

日本のプラットフォームから商品を販売することが一番ハードルが低く、テストマーケティングしやすい反面、自社製品を海外で認知させることも難しくなります。

最終的な運営方法としては、マーケティングを通じて土台と戦略を練りながら、海外モールと自社サイトの両方を展開する方法が良いでしょう。

参考:各種公開情報より作成

越境ECで失敗しないために

プライベートブランドの確立

越境ECの市場では、ライバルは世界です。参入企業が非常に多い市場の中では、熾烈な価格争いが行われています。

モールのみでの販売だけでは価格競争の波に負けてしまうリスクもあるため、自社サイトへの流入を行い、プライベンートブランドの販売を通じて利益を取ることが大切です。

売れた物や売れる物、時には顧客と直接の会話からニーズを読み解き、自社製品にとにかく取り入れ、商品開発にも力を注ぐ必要があります。

複数チャネルでの宣伝・販売戦略

モールに出店したからといって、すぐに商品が売れるわけではありません。日本でのECサイト運営と同じように、戦略を立て、地道な接客と宣伝活動は必要となります。

現在ではSNSからの流入が主流であり、より信頼性を高める口コミが非常に重要となっています。

販売国でのSNSの活用しながら、一つのモールだけで販売するのではなく、複数の販売箇所を作るなどして、より消費者に認知される商品を作りましょう。

越境ECの注意点

変わり続ける市場

越境ECの市場は日本の市場よりもはるかに早いスピードで動きます。

商品価格や禁制品で商品が売れなくなったり、時には物流のストップで供給が出来ないなど、状況は1日単位で変化すると考えなければなりません。

常に現状の把握をしなければならないため、情報収集は怠ることが出来ないのが注意点です。

禁制品と法的理解

日本では当たり前だったことは、販売国では法的に禁止されていることもあります。例えば加工食品に含まれる成分が、輸入禁止品目だった、等と言う事例もよくあることです。

事前に販売出来る商品かどうかを確認する必要があります。

物流

越境ECでは国をまたいだ配送になるため、不安を感じる人も少なくありません。

引用:経済産業省 越境 EC における配送について重視すること

特に配送料金に関してはとても重要と応える利用者が半数以上です。

海外への配送料金は、日本国内の配送と違い料金体系も複雑であり、理解に悩むところではありますが、消費者への安心感を与えるためには必ず明記しましょう。

例えば、ある程度の配送料金の平均値から一律の値段を表記すると分かりやすく、離脱率低下に繋がります。

まとめ

今回は越境ECとは一体どのようなものなのか?日本市場が縮小傾向にある中、世界へ目を向けると様々な可能性をつかむチャンスがあります。

越境ECは海外モール出店と自社サイト運営を併用して行いながら、一人一人の顧客に商品のレコメンドを行うことが大切です。

また信用性が重要視される中、SNSなどを活用した複数チャネルでの商品宣伝が有効です。

越境ECは、これからの時代には避けては通れない道となるかもしれません。是非、チャンスを掴んでみてください。

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