事業再構築補助金の通常枠はツラい?第一回、第二回、第三回を振り返る採択率
令和3年度の補正予算額は6,123億円と、まだまだ経営回復のための後押しは依然として続いている状況です。そんな中、事業再構築補助金の通常枠は、非常に多くの企業がこの枠を狙っているため一番応募件数が多い枠となっています。
しかしながら不採択が続く、そんな方も少なくないのではないでしょうか?
実は通常枠は採択率3割と非常に厳しい結果となっています。
採択されるにはどうすれば良いのでしょうか?
事業再構築補助金では自社に適合した類型での申請を行うことで、採択率を大幅に上げる事が出来ます。
これから申請する方、リベンジする方も、第一回、第二回、第三回の過去の結果を分析しながら、もう一度申請方法を見直してみませんか?
もくじ
通常枠と特別枠の採択件数
採択件数推移
第1回目からの通常枠と特別枠の採択率の推移です。
通常枠はおおよそ3割の採択率となっており、結果としては厳しいと言えるのではないでしょうか。
特別枠の採択率
それに対して特別枠は、第1回目の公募から5割以上の採択率となっています。通常枠より可能性が高く、積極的に挑戦しても良いでしょう。
最低賃金枠
採択結果
第3回の公募から始まった、最低賃金枠は採択率は80%と非常に高い結果となりました。
採択率が高い理由
これらの申請類型の採択率が高い理由としては以下の理由が挙げられると推測します。
- 大前提であるコロナの打撃が明白に伝わる。
- 申請類型内で最も優遇されている。
事業再構築補助金の実施理由は、コロナの影響により経営が悪化していること。しかし事業回復の意欲、見込みがあり、失うべきではない生産性をサポートするためのものです。
コロナの中で苦しんだ経営状態から、社員一丸となるパワーを用いて新しい事業への挑戦のストーリーをしっかり伝えることで、高い可能性で採択されるということです。
しかし、採択件数には上限が設定されているため、採択率が高いとはいえしっかりとした事業計画書の作り込みは必須です。
狙うべき類型
①緊急事態宣言特別枠
要件
- 通常枠の要件を満たしている
- 令和3年1月から9月の任意の月が前年比30%減
概要
政府からの営業の時短要請や自粛、酒類の販売停止など、緊急事態宣言にて営業が著しく悪化した飲食店に向けた申請枠です。
また、緊急事態宣言特別枠が不採択となった場合、通常枠での再審査も行われるため、自動的に二重応募の形になります。
補助金額と補助率
従業員数によって補助金額が違います。通常枠と比べ少額ですが、通常枠の申請で不採択結果で終わるリスクと比べて、どちらに公募するべきか判断することも大切です。
② 最低賃金枠
要件
- 通常枠の要件を達成
- 2020年10月から2021年6月間、各地域の最低賃金にプラス30円の範囲内で雇用している社員が 全社員数の10%以上在籍している。(パートを含む)
- 2020年4月以降任意の月で、前年比又は前々年比30%減。
概要
最低賃金の引き上げに伴い、資金繰りが難しくなった方々に向けた補助金枠です。
補助金枠の中でも一番優遇されるため、採択率がグッと伸びる結果となっています。さらに不採択となった場合は通常枠での再審査が行われるため、同じく二重応募の形になります。
補助金額と補助率
緊急事態宣言特別枠と同じ条件です。同じく通常枠を狙うリスクと比較しながら、検討してみて下さい。
まとめ
今回の記事では、通常枠の採択率に比べ、緊急事態宣言特別枠と最低賃金枠の採択率が高いことについて解説しました。
- 緊急事態宣言特別枠は5割以上の採択率。
- 最低賃金枠は8割以上の採択率。
緊急事態宣言特別枠と最低賃金枠には、要件の縛りはもちろんありますが、適応するならば必ず狙っていきたい枠になります。
自社の状況において、当てはまる方がいるならば是非挑戦してみてください。