省人化・省力化補助金とは?「中小企業省力化投資補助事業」の最新情報

中小企業の省人化・省力化への設備投資(AIやIoT、ロボットなど)を促進する補助金である「省人化・省力化補助金」。正式名称が「中小企業省力化投資補助事業」と「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」であることが分かりました。

今回は、この2つの補助金の内容や対象者、補助額などを紹介します。あわせて、申請に向けて今からできる準備についても解説するため、省人化・省力化補助金の採択を視野に入れている中小企業の経営者様は、ぜひご一読ください。

なお、この記事は事業再構築補助金の採択率97%(*1)を誇る経営コンサルタント・中小企業経営支援事務所が解説します。省人化・省力化補助金についてのご相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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*1:2021~2023年において

なお、この記事の内容は2023年11月17日時点の情報に基づくものです。

省人化・省力化補助金とは、中小企業の省人化・省力化につながるAIやロボットなどの導入を後押しする支援策です。11月10日の令和5年度補正予算案に盛り込まれたため、2023年度中に実施される見通しです。

11月2日に内閣府より発表された資料では、「中小企業等の人手不足対応・生産性向上への支援」と銘打ち、2つの支援策が紹介されています。

総合経済対策 政策ファイル

(画像引用:内閣府特命担当大臣(経済財政政策)「総合経済対策 政策ファイル」)

上記の資料から、省人化・省力化補助金には「省力化投資の支援」と「大規模成長投資の支援」の2つがあると分かります。

そして、11月10日に発表された「経済産業省関係令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)」において、省人化・省力化補助金の正式名称が公表されました。

11月2日発表の資料での「省力化投資の支援」は「中小企業省力化投資補助事業」、「大規模成長投資の支援」は「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」と呼ばれることになるようです。

続いて、中小企業省力化投資補助事業と中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金について、それぞれ詳しく説明します。

中小企業省力化投資補助事業

(画像引用:経済産業省「経済産業省関係令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)」)

中小企業省力化投資補助事業とは、中小企業の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業に対して、省力化への投資を支援する補助金です。省力化投資により、中小企業の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的とします。

「中小企業等事業再構築促進事業を再編」とあることから、既存の事業再構築補助金を再編し、新たに「省力化投資補助枠(カタログ型)」という申請枠ができるものと予想されます。

中小企業省力化投資補助事業では、IoTやロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品をカタログに掲載し、中小企業はそのカタログから設備を選択、導入する予定です。カタログからの選択式にすることで、簡易かつ即効性のある省力化投資を促進できます。

どのような製品がカタログに載るのかはまだ判明していませんが、以下のような労働時間の削減が可能になるロボットや設備が対象になるでしょう。

  • 製造業:生産工程を自動化できるロボットや、AIを搭載し人間の代わりに品質検査を行える設備
  • 宿泊・飲食サービス業:自動清掃機ロボットや自動配膳ロボット

中小企業省力化投資補助事業の対象者は、事業再構築補助金と同じく、日本国内に本社を有する中小企業等及び中堅企業等になると予想されます。

11月10日に発表された資料に基づくと、補助上限額と補助率は以下のとおりです。

補助上限額補助率
省力化投資補助枠【従業員5名以下】200万円(300万円)
【従業員6~20名】500万円(750万円)
【従業員21名以上】1,000万円(1,500万円)
※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ
1/2

人手不足が顕著になっている中小企業にとって、大きな補助金といえるでしょう。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

(画像引用:経済産業省「経済産業省関係令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)」)

省人化・省力化補助金の2つ目「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」とは、中堅・中小企業が、省力化による労働生産性の向上と事業規模の拡大を図るために行う大規模な設備投資への補助金です。

工場等の拠点新設や大規模な設備投資を補助することで、地方における持続的な賃上げの実現を目的とします

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の支援例には、以下のようなものが挙げられます。

  • 製造業における生産工程の抜本的改革でCO2の削減や生産性の向上を図る
  • 卸売業で最新設備を導入した物流センターを新設し生産性を向上させる

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の対象者は、中堅・中小企業と想定されますが、詳細は今後発表されていくと思われます。

補助上限額と補助率は以下のとおりです。

補助上限額補助率
50億円
※投資下限額は10億円
1/3

投資下限額が10億円とのことから、かなり大規模な投資に対する補助金になるとみられます。

そもそも、省人化や省力化とはどのような取り組みを指すのでしょうか。

省人化とは、業務を見直したり、人間が行っていた作業を機械に置き換えたりして、人員を減少させることです。人手不足に直面している日本では、無駄をできるだけ削減し、労働力のより効率的な活用が求められています。

省人化の例としては、製造業で人の代わりにロボットが組み立て作業を行う、物流業界でロボットに積み荷をさせるなどが挙げられます。

一方、省力化は人間が行う作業を見直し、人の労力を省いて業務効率化を図ることです。省人化は人員削減に重きを置いた取り組みですが、省力化は人の労力を減らすことが主眼である点で異なります

省力化の例としては、ITツールの導入でルーティンワークやタスク管理などを簡単な操作でスピーディーに完了できるよう業務効率化を図ることが挙げられます。

省人化・省力化のメリットは、主に以下の3つです。

  • 人手不足の解消
  • 生産性の向上
  • 品質の向上

省人化や省力化で人間が行う作業を減らし、人手が不足している部門に人材を配置することで人手不足の解消につながります。また、ロボットや機械の導入により作業の自動化や効率化が進むと、同じ時間でより多くの製品を生産できるようになり、生産性が向上するでしょう。

さらに、人間と異なりロボットや機械はうっかりミスをしないため、省人化と省力化には品質が向上するというメリットもあります。

省人化・省力化補助金の申請へ向けた準備は?

2023年11月時点では、「中小企業省力化投資補助事業」と「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」のいずれも、申請方法は明らかになっていません。

ただし、令和5年度中(2023年度中)に実施される見通しであるため、次々と経済産業省の発表により詳細が明らかになっていくと思われます。

省人化・省力化補助金を機に、IoTやロボット、AIを使った機械などの設備投資を図り、生産性を高めたい中小企業の経営者様は、以下のような準備を行っておきましょう

  • 補助金の最新情報をチェックする
  • 自社の業務フローを分析し、省人化・省力化できる部分を探す
  • ロボットやシステムなど、導入予定の製品を調査する
  • 補助金の申請を見据えて、認定支援機関を探す

中小企業省力化投資補助事業が事業再構築補助金と同じ枠組で実施されるなら、補助金の申請にあたり、事業計画を認定支援機関に確認してもらう必要があります。

続いて、中小企業省力化投資補助事業の申請に向けて力強いパートナーとなる認定支援機関について、解説します。

補助金採択へのパートナー「認定支援機関」の選び方

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業の経営課題の解決を支援する中小企業診断士や公認会計士などのコンサルタントです。事業再構築補助金の申請においては、必ず認定支援機関と協力して事業計画を策定することが求められています

認定支援機関を選ぶときは、必ず対面やWebでのミーティングを行い、以下のポイントを重点的にチェックして信頼できる事業者を選ぶようにしましょう。

  • 中小企業の経営全般についての知識があるか
  • 補助金の採択率や採択数などの実績が確かか
  • コミュニケーションがスムーズに取れるか
  • 補助金に必要な手続きをどこまで支援してくれるか

事業再構築補助金では、申請から採択、受け取りまで、認定支援機関と1年以上付き合うことになるため、コンサルタントとのコミュニケーションの取りやすさは重要です。人柄に違和感を覚えるようであれば、他のコンサルタントにも相談することをおすすめします。

認定支援機関の選び方については、「事業再構築補助金のコンサルの選び方は?注意点や費用相場を徹底解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

省人化・省力化補助金と呼ばれている補助金には、以下の2つがあると判明しました。

  • 中小企業省力化投資補助事業
  • 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

この中でも、金額面で使いやすいのは中小企業省力化投資補助事業です。中小企業省力化投資補助事業は、事業再構築補助金を再編して実施される見込みであるため、今から事業再構築補助金申請のパートナーとなる認定支援機関を探しておきましょう。

当社、中小企業経営支援事務所は中小企業診断士が代表を務める認定支援機関です。事業再構築補助金の採択率97%(*1)の中小企業診断士が、採択のポイントを押さえた事業計画の策定をサポートし、補助金の採択へ導きます

初回相談は無料です。中小企業省力化投資補助事業への申請をお考えの中小企業の経営者様は、まずはお気軽にご相談ください。

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