【令和5年度】事業承継・引継ぎ補助金とは?申請のポイントを解説!

経営者の高齢化に伴い、後継者が見つからないために、高い技術を持っていたり黒字であったりする中小企業が廃業に追い込まれています。この状況を打開しようと、事業承継に関する悩みを抱える中小企業や小規模事業者を支援する制度が「事業承継・引継ぎ補助金」です。

この記事では、認定支援機関の中小企業経営支援事務所が、事業承継・引継ぎ補助金の概要や申請の流れ、申請にあたって意識すべきポイントを詳しく解説します。

当社では、日本M&Aアドバイザー協会正会員の中小企業診断士が、事業承継・引継ぎ補助金の申請から各種手続きまでトータルサポートいたします。初回相談は無料で承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

なお、この記事は事業承継・引継ぎ補助金の7次公募の公募要領を参考にしています。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。

事業承継・引継ぎ補助金とは、中小企業や小規模事業者の事業承継やM&Aを支援する補助金です。事業承継にかかる費用をはじめ、事業の再編や事業統合などの新たな取り組みを、費用の一部を補助することで支援します

事業承継・引継ぎ補助金が設けられた背景には、経営者の高齢化に加え、後継者がおらず廃業せざるを得ない中小企業の増加が挙げられます。

補助の対象者は中小企業や小規模事業者で、条件を満たせば個人事業主も対象です。事業承継・引継ぎ補助金は、支援の対象によって、以下の3つの事業に分かれています。

補助上限額補助率対象経費想定ケース
①経営革新事業600万円以内
賃上げ実施の場合:800万円以内
1/2以内設備投資費用
店舗・事務所の改築工事費用 など
事業承継やM&Aをきっかけに、経営革新に挑戦する場合
②専門家活用事業600万円以内2/3以内(買い手支援型)
1/2または2/3以内(売り手支援型)
M&A支援業者に支払う手数料
デューデリジェンスにかかる専門家費用
セカンドオピニオン など
M&Aにより経営資源を他社から引き継ぐ、あるいは他社に引き継ぐ場合
③廃業・再チャレンジ事業150万円以内2/3以内(再チャレンジ申請)
1/2または2/3以内(併用申請)
廃業支援費
在庫廃棄費
解体費 など
事業承継やM&Aに伴い既存の事業を廃業する場合や、廃業して新たなチャレンジをする場合

事業承継・引継ぎ補助金は事業承継(M&A)時から承継後の取り組み、承継に伴う廃業まで、事業承継に関わるさまざまな局面で活用できる補助金です。

事業承継・引継ぎ補助金①経営革新事業

経営革新事業は、事業承継後の設備投資や販路開拓などの取り組みにかかる費用を補助するものです。

経営革新とは、「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」であり、新事業活動は、以下のように定義されています。

  • 新商品の開発又は生産
  • 新役務の開発又は提供
  • 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
  • 役務の新たな提供の方式の導入
  • 技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動

事業承継・引継ぎ補助金の経営革新事業は、対象となるケースごとに、以下の3つの類型に分かれています。

  • 創業支援型
  • 経営者交代型
  • M&A型

一つずつ対象者や要件をみていきましょう。

創業支援型は、他の事業者の経営資源を引き継いで創業し、経営革新に取り組む場合が対象です。

要件は以下の2点です。

  • 事業承継対象期間内に法人の設立または個人事業主としての開業を行うこと
  • 創業にあたって廃業を予定している者から株式譲渡、事業譲渡などにより有機的一体としての経営資源を引き継ぐこと

ここでいう「有機的一体としての経営資源」とは、設備や従業員、顧客、資産など事業に関するすべてを一体としてみることを指します。そのため、特定の設備のみの引継ぎなどは要件を満たさないため注意が必要です。

経営者交代型は親族や従業員が経営資源を引き継ぎ、経営者が交代して経営革新に取り組む場合が対象です。

要件としては、以下の3点が挙げられています。

  • 親族内承継や従業員承継などの事業承継
  • 承継者が個人事業主の場合は事業譲渡、法人の場合は原則として同一法人内での代表者交代
  • 経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること

「経営等に関して一定の実績や知識等を有している者」とは、具体的に「産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者」などを指します。

M&A型はM&A(株式譲渡、事業譲渡など)により、経営資源を引き継ぎ、経営革新に取り組む場合が対象です。

要件は以下の3点です。

  • 事業再編・事業統合等のM&A
  • 経営等に関して一定の実績や知識等を有している者であること
  • 株式譲渡の場合、譲渡後に承継者が保有する被承継者の議決権が過半数超になること

「経営等に関して一定の実績や知識等を有している者」の定義は、経営者交代型(Ⅱ型)と同様です。M&A型では、事務局が親族内承継と判断した場合は対象外となります。

事業承継・引継ぎ補助金②専門家活用事業

専門家活用事業は、M&A時にかかる費用を補助するものです。M&Aによって経営資源を他の人から引き継ごうとしている、もしくは事業を売却しようとしている中小企業や小規模事業者が対象です。

経営革新事業のM&A型(Ⅲ型)は、承継後の取り組みにかかる費用を支援しますが、専門家活用事業は承継前の引継ぎにかかる費用を支援する点で異なります。

M&Aにかかる費用の中でも、フィナンシャルアドバイザーや仲介業務にかかる委託費用は、「M&A支援機関登録制度」に登録された専門家に委託した場合のみ補助対象となります。当社・中小企業経営支援事務所はM&A支援機関ですので、安心してご相談ください。

専門家活用事業は、買い手支援型と売り手支援型の2つの類型が用意されています。

買い手支援型は、事業再編・事業統合に伴い経営資源を引き継ぐ予定の中小企業などが対象です。

また、以下の2つの要件も必要とされます。

  • 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること
  • 事業再編・事業統合に伴い経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること

売り手支援型は、事業再編・事業統合に伴い、自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業などが対象です。

売り手支援型の要件は以下の1点です。

  • 地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合により、これらが第三者により継続されることが見込まれること
事業承継・引継ぎ補助金③廃業・再チャレンジ事業

廃業・再チャレンジ事業は、事業承継や事業再編成に伴う廃業にかかる費用を補助するものです。M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業の株主や個人事業主が、新たなチャレンジをするために既存事業を廃業する際にかかる経費の一部を補助します。

新たなチャレンジとは、新たな法人の設立や事業活動の開始などで、地域の需要の創造や雇用の創出に資するものを指します。

再チャレンジ申請は、M&Aで事業を譲り渡せなかった事業者が再チャレンジのために廃業する場合が対象です。

一定期間内にM&Aに着手していることが条件であり、7次公募では2020年1月1日から交付申請期日の間に、売り手として6か月以上M&Aに取り組んでいることが求められます。

M&Aの取り組みとは、具体的には以下のとおりです。

  • 事業承継・引継ぎ支援センターへの相談依頼
  • M&A支援機関との包括契約(着手を含む契約)
  • M&Aマッチングサイトへの登録

また、補助事業期間内に既存法人(事業)の廃業を完了した上で、新たな法人設立などの再チャレンジをする必要があります。この場合の廃業とは、一部の事業の廃業ではなく会社全体の廃業が要件です。

併用申請は、事業承継に伴う廃業や、事業の譲り渡し・譲り受けに伴う廃業が対象です。経営革新事業、専門家活用事業(買い手支援型)、専門家活用事業(売り手支援型)とのいずれかと併用して申請できます。

経営革新事業、専門家活用事業(買い手支援型)では、譲り受けた事業の一部や既存の事業を廃業する場合に、専門家活用事業(売り手支援型)では、M&Aによって事業を譲り渡した後に、残った事業を廃業する場合に活用できます。

事業承継・引継ぎ補助金の申請は、電子システム(jGrants)で行います。

jGrantsの利用には、gBizIDプライムのアカウントが必要です。アカウントの取得に1週間程度かかるため、早めに準備しておきましょう。

事業承継・引継ぎ補助金の申請の流れは、以下のとおりです。

  1. 補助金の対象であるか確認
  2. gBizIDプライムのアカウントの取得
  3. 公式サイトから認定支援機関による確認書のダウンロード※
  4. 認定支援機関の確認書を取得※
  5. 必要な書類の準備
  6. jGrantsの申請フォームに入力
  7. チェックリストで必要書類を確認
  8. 必要書類を添付し、申請

専門家活用事業の場合は、認定支援機関による確認が必要ないため、※の工程は不要です。

事業承継・引継ぎ補助金申請にあたってのポイント

事業承継・引継ぎ補助金は、交付決定率が約60%であり、申請すれば全員が交付されるものではありません。そのため、審査員がどのようなポイントを重点的に審査するのかをあらかじめ把握し、ポイントを押さえた事業計画を策定しましょう

経営革新事業の審査着眼点は、以下のとおりです。

  • 経営革新等に係る取組の独創性
  • 経営革新等に係る取組の実現可能性
  • 経営革新等に係る取組の収益性
  • 経営革新等に係る取組の継続性
引用:事業承継・引継ぎ補助金 経営革新事業【公募要領】7次公募

専門家活用事業の審査着眼点は、以下のように記載されています。

① 買い手支援型(Ⅰ型)

  • 経営資源引継ぎの計画が補助事業期間内に適切に取り組まれるものであること
  • 財務内容が健全であること
  • 買収の目的・必要性
  • 買収による効果・地域経済への影響
  • 買収実現による成長の見込み(自社の事業環境や外部環境を踏まえること)
引用:事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用事業【公募要領】7次公募

② 売り手支援型(Ⅱ型)

  • 経営資源引継ぎの計画が補助事業期間内に適切に取り組まれるものであること
  • 譲渡の目的・必要性
  • 譲渡による効果・地域経済への影響
引用:事業承継・引継ぎ補助金 専門家活用事業【公募要領】7次公募

廃業・再チャレンジ事業の審査着眼点は、以下のとおりです。

  • 再チャレンジに係る取組を実現するために事業を廃業する必要性
  • 廃業に向けた準備
  • 再チャレンジに係る取組の実現性
引用:事業承継・引継ぎ補助金 廃業・再チャレンジ事業【公募要領】7次公募

また、事業承継・引継ぎ補助金には、必須要件ではありませんが、実施していれば審査で加点を受けられる「加点事由」があります。

経営革新事業と専門家活用事業では、「経営力向上計画」の認定、「経営革新計画」の承認を受けていることなど、加点事由がいくつかあるため、公募要領をしっかり確認し、早めの準備を始めましょう。

事業承継・引継ぎ補助金とは、事業を引き継ぐ側、譲り渡す側のどちらも利用できる補助金です。①経営革新事業、②専門家活用事業、③廃業・再チャレンジ事業の3つの事業があり、①経営革新事業と③廃業・再チャレンジ事業に申請する際は、認定支援機関に事業計画の確認を受ける必要があります

認定支援機関とは、正式名称を「経営革新等支援機関」といい、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う認定を受けた中小企業診断士や税理士、公認会計士などです。

当社・中小企業経営支援事務所は経営革新等支援機関の認定を受けており、事業承継・引継ぎ補助金を申請から各種手続きまでトータルサポートいたします。事業承継に伴い、事業承継・引継ぎ補助金を活用したいとお考えの中小企業の経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

ブログ一覧へもどる

株式会社中小企業経営支援事務所

〒162-0802

東京都新宿区改代町27-4-1 クレスト神楽坂2F

TEL 03-5946-8609

もくじ