ものづくり補助金に省力化(オーダーメイド)枠が新設!
ものづくり補助金が再編され、17次公募から省力化(オーダーメイド)枠が新設される見通しです。
この記事では、ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠について詳しく解説し、省力化に関する他の補助金や、申請までに準備すべきことも紹介します。省力化のために設備投資を予定している経営者様は、ぜひ参考にしてください。
なお、この記事はものづくり補助金の採択実績100%(*1)を誇る中小企業経営支援事務所が解説します。省力化(オーダーメイド)枠の申請をお考えの経営者様は、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
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*1:2021~2023年において
なお、この記事の内容は2023年12月22日時点の情報に基づくものです。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。
もくじ
ものづくり補助金とは?令和5年度補正予算でどう変わる

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業が取り組む新製品・新サービス開発や生産プロセスの改善のための設備投資を支援するものです。
2023年11月7日で応募が締め切られた16次締切では、以下の5つの申請枠がありました。
- 通常枠
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
- デジタル枠
- グリーン枠
- グローバル市場開拓枠
令和5年度補正予算により17次公募から新制度になると2023年12月に発表されました。枠や類型は以下のように再編されます。
- 省力化(オーダーメイド)枠
- 製品・サービス高付加価値化枠(通常類型・成長分野進出類型(DX・GX))
- グローバル枠
この記事では、省力化(オーダーメイド)枠について詳しく解説します。
ものづくり補助金「省力化(オーダーメイド)枠」

ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠は、令和5年度補正予算における見直しで新設された申請枠です。中小企業や小規模事業者が、人手不足の解消を目的として生産プロセスの省力化を図るため、個々に応じたオーダーメイド型の省力化投資を支援します。
省力化(オーダーメイド)枠は、中小企業庁の資料に「補助上限額を大幅に引き上げて」と記載されているとおり、16次締切までの枠と比較してもかなり大型です。
省力化(オーダーメイド)枠の基本要件
基本要件とは、ものづくり補助金の各申請枠に共通の要件で、以下のように設定されています。
引用:生産性向上を目指す皆様へ令和5年度補正予算「ものづくり・商業・サービス補助金」で雇用の多くを占める中小企業の生産性向上、持続的な賃上げに向けて、新製品・サービスの開発や生産プロセス等の省力化に必要な設備投資等を支援します!
- 付加価値額が年平均成長率+3%以上増加
- 給与支給総額が年平均成長率+1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
以上の条件を満たす3~5年の事業計画書を策定し、実行する必要があります。
また、毎年「事業化状況報告」の提出が求められるとともに、基本要件が未達の場合は補助金の返還義務があるため、注意が必要です。
省力化(オーダーメイド)枠の補助対象経費
省力化(オーダーメイド)枠の補助の対象となる経費は、以下のとおりです。
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
ものづくり補助金は設備投資を支援するものであるため、機械装置・システム構築費は必須となっています。
省力化(オーダーメイド)枠の補助上限額・補助率
ものづくり補助金省力化(オーダーメイド)枠の補助上限額と補助率は、以下のとおりです。
補助上限額 | 補助率 | |
省力化(オーダーメイド)枠 | 従業員数5人以下:750万円(1,000万円) 6~20人:1,500万円(2,000万円) 21~50人:3,000万円(4,000万円) 51~99人:5,000万円(6,500万円) 100人以上:8,000万円(1億円) ()内の数字は、大幅賃上げを伴う場合 | 1/2(※補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円を超える部分は1/3) 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者の場合:2/3 |
参考として、16次締切分の通常枠の補助上限額と補助率は、以下のとおりであるため、省力化(オーダーメイド)枠の補助上限額が大幅に引き上げられていることが分かります。
補助上限額 | 補助率 | |
通常枠(16次締切) | 従業員数5人以下:100~750万円6~20人:100~1,000万円21人以上:100~1,250万円 | 1/2 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者の場合:2/3 |
また、省力化(オーダーメイド)枠においては、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げ特例が拡充されており、従業員数が100人以上の場合は8,000万円から1億円まで引き上げられます。
省力化(オーダーメイド)枠の対象事業
省力化(オーダーメイド)枠の対象事業は、中小企業庁の資料において以下のように記載されています。
人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等を支援
引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について(Ver.1.0)
ここでいう「デジタル技術」とは、AIやロボット、センサーなどのことです。また、専用設備(オーダーメイド設備)はロボット単体の導入ではなく、外部のシステムインテグレータ(Sier)との連携などにより、ロボットシステム等を構築したものを指します。
詳細は追って公表されますが、省力化(オーダーメイド)枠は基本要件に加えた追加要件があるとのことです。
省力化(オーダーメイド)枠の活用イメージ
省力化(オーダーメイド)枠の活用イメージとして、以下のようなケースが挙げられています。
熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(SIer)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
引用:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について(Ver.1.0)
そもそも省力化とは?

省力化とは、従来人が行っている業務にロボットやITツールを導入し、人の労力を省いて業務効率化を図ることを指します。省力化は、人が行う業務を減らせるため、その分を創造性の高い業務や人手の足りていない分野に回すことができ、付加価値の向上や人手不足解消につながります。
また、ルーティンワークにロボットやITツールを導入して省力化すると、人にはつきもののうっかりミスを防ぐことができ、品質が向上する点もメリットです。
省力化に関する補助金は他にも

省力化に関する補助金は、ものづくり補助金の他にも準備されています。令和5年度中に事業再構築補助金が再編され、「省力化投資補助枠(カタログ型)」が新設される見通しです。
省力化投資補助枠(カタログ型)は、IoTやロボット等の人手不足解消に効果がある製品がカタログに掲載され、中小企業はそのカタログから設備を選択し、導入する形です。ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠とは、省力化のための設備をオーダーメイドするか、カタログに載っている既製品を選ぶかという点で異なります。
どのような製品がカタログに載るのかはまだ判明していませんが、以下のように労働時間を削減できるロボットや設備が対象になると考えられます。
- 生産工程を自動化できるロボット
- AIを搭載し人間の代わりに品質検査を行える設備
- 自動清掃機ロボット
- 自動配膳ロボット
省力化投資補助枠(カタログ型)の補助上限額と補助率は、以下のとおりです。
補助上限額 | 補助率 | |
省力化投資補助枠 | 従業員5名以下:200万円(300万円) 6~20名:500万円(750万円) 21名以上:1,000万円(1,500万円) ※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ | 1/2 |
省力化(オーダーメイド)枠と比べると、省力化投資補助枠(カタログ型)は補助額が小さいことが分かります。
省力化を行うために、大規模なオーダーメイド型の設備を導入したい場合は、ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠、カタログに載っている汎用製品で足りる場合は事業再構築補助金の省力化投資補助枠(カタログ型)を選ぶことになると考えられます。
省力化投資補助枠(カタログ型)については、「省人化・省力化補助金とは?「中小企業省力化投資補助事業」の最新情報」で詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
ものづくり補助金省力化(オーダーメイド)枠の申請に向けて準備できること

この記事の執筆時(2023年12月22日時点)では、ものづくり補助金の17次公募の詳細は発表されていません。公募要領が発表になったら、補助対象者や申請要件、対象経費、スケジュールなどを確認しましょう。
ものづくり補助金の申請は、電子申請システムで行われます。電子申請システムで必要になるGビズIDは、申請から取得まで2週間程度かかるため、ものづくり補助金の申請を予定している方は早めの準備がおすすめです。
また、昨今のものづくり補助金の申請においては、認定支援機関(コンサルタント)の確認書は不要であるため、自力での申請をお考えの経営者様もいることでしょう。
しかし、ものづくり補助金総合サイトでは、コンサルタントの支援なしの場合、採択率は36.6%であるのに対し、支援あり(報酬~10%)の場合は、採択率が58.5%まで上がっているとのデータが示されています。
(参照:データポータル|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト)
コンサルタントに支援を依頼することで、ものづくり補助金の採択に大きく近づくことができるといえます。コンサルタントを選ぶ際は、ものづくり補助金の採択実績や、書類手続きをどこまでサポートしてくれるかなどを確認するようにしてください。
ものづくり補助金省力化(オーダーメイド)枠の申請をお考えなら、中小企業経営支援事務所までご相談ください
ものづくり補助金は再編され、省力化(オーダーメイド)枠が新設される見通しです。省力化が可能になる設備を導入し、人手不足を解消したい、付加価値の高い業務に人手を回したいとお考えの経営者様は狙い目の補助金です。
詳細はものづくり補助金の17次公募の公募要領で発表されるため、動向を注視しておきましょう。
当社・中小企業経営支援事務所は2021~2023年において、ものづくり補助金の採択実績100%を誇る経営コンサルタントです。マーケティング戦略や財務戦略、市場分析などの経営コンサルタントならではの視点から、精度の高い事業計画を策定いたします。
当社は、事業計画書の作成から電子申請支援、採択後のフォローまで、トータルで承ります。初回相談は無料ですので、ものづくり補助金の申請をお考えの経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。