大規模成長投資補助金 成長投資計画書作成のポイント ~審査基準 解説~

大規模成長投資補助金は、2024年度新設された補助金制度です。事業計画書の雛形や審査基準は、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」といった、これまでの大型補助金制度と大きく異なります。

本記事では、大規模成長投資補助金の採択・不採択を決める、事業計画書について審査基準を中心に解説いたします。

当社・中小企業経営支援事務所は、大規模成長投資補助金の申請サポートを行っています。大規模成長投資補助金への申請をお考えの経営者様は、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。不安や疑問があれば、懇切丁寧に解説いたします。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

本記事は1次公募要領を参考としています。2次公募以降に申請される場合は、最新の公募要領(公募要領は近日公開予定です。)をご確認ください。

 大規模成長投資補助金は、中小企業や中堅企業が、拠点設立や大規模投資を実施することで、事業拡大・生産性向上を実現し、従業員に持続的な賃上げを行うことで従業員への還元と優秀な人材確保を促進することを目的としています。

中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)

一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同申請(コンソーシアム形式:最大10社)も対象となります。

ただし、みなし大企業や実施する補助事業の内容が農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は補助対象外です。

  • 投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
  • 賃上げ要件(補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上)

投資額とともに、賃上げ要件を満たす必要があります。

事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上の賃上げが必須です。賃上げ目標が達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求められます。

最低賃金の年平均上昇率は、中堅・中小成長投資補助金事務局が基準値を公開しています。例えば、宮城県の場合3.0%、徳島県の場合3.2%というように、都道府県ごとに基準値が定められています。

賃上げ要件の、年平均上昇率は、補助事業が完了した年度から基準年度から起算して3年後までの期間の賃金の上昇率で判定されます。上の式、分母が基準年度の一人当たりの給与支給総額、分子が最終年度の一人当たりの給与支給総額、こちらを算出します。ここで算出した値を1/3乗して、1を引くことで算出します。

指数計算は、一般的な電卓では算出できませんがエクセルで算出することができます。基準年度は、補助事業が完了した年度です。つまり、機械や建物など契約をして納品をして支払いをして、国への報告が完了した会計年度です。最終年度は、基準年度を起点として3事業年度後の年度です。

  • 建物費(拠点新設・増築等)
  • 機械装置費(器具・備品費含む)
  • ソフトウェア費
  • 外注費
  • 専門家経費

建物費は生産設備等の導入に必要なものに限定されます。土地の取得費用は補助金対象外です。パソコンやタブレット等汎用性の高いものも対象外です。

また建物費+機械装置費+ソフトウェア費の合計額は、外注費+専門家経費の合計額よりも高額である必要があります。

補助率:1/3以内

補助上限額:50億円

投資額10億円以上が応募の条件です。

  • 工場や倉庫等の新設・増築

製造拠点などの新設、増築や改築などが対象です。土地の取得費用は補助金の対象外です。

  • 機械や設備の導入

最先端の機械や省力化できる設備等の導入にも利用できます。最新のロボットやIoT等を導入し、自動化や省力化を進める、最先端のマシニングセンターの導入することで、精密部品を製造するといった取り組みが対象になります。

  • ソフトウェアの購入や情報システムの構築

ソフトウェア関係も購入可能です。生産性を抜本的に向上させるような、大規模システム構築にも補助金を活用することができます。

採択・不採択は、公募締切から約3カ月後に発表されます。

大規模成長投資補助金では、プレゼンテーション審査があります。外部の専門家の同席はできませんが、金融機関の担当者が同席した場合、加点されます(採択率が上がります)。

  1. 公募開始(6月下旬開始予定)
  2. 公募締切(公募開始より約2カ月後)
  3. プレゼンテーション審査(公募締切から約2カ月後)
  4. 採択発表(プレゼンテーションから約1カ月後)

1 審査結果の発表

採択発表日に法人番号、採択者名、本社所在地等が公式サイトにて公表されます。また採択・不採択にかかわらず審査結果が通知されます。

2 交付申請・交付決定

審査結果で採択されても、事業を実施(契約・納品・検収・支払)することはできません。採択後、交付申請を行います。交付申請とは、補助対象経費を精査して、補助対象経費と補助金額を確定する手続きです。確定後交付決定がおります。交付決定が降りてはじめて、事業を実施することができます。

3 実施状況確認

補助事業を実施し、その状況を報告します。

4 補助額確定と交付

補助事業が終わった後、その事業のために支払った補助対象経費に対して、補助金額を確定します。確定した補助金額を申請することで、補助金の交付が行われます。

補助事業開始前には補助金は交付されません。補助事業終了後に、かかった経費を精算します。

5 事業化や賃上げ状況報告

補助事業終了後、賃上げ状況等について報告します。

報告は3事業年度分、合計4回実施します。

大規模成長投資補助金は、1次審査と2次審査が行われます。

1次審査:書面による事務局審査

適格性の確認と計画の効果・実現可能性について定量面の書面審査が行われます。

つまり公募要件を満たしているか否かの確認と、事業計画書の内容が問われる審査です。

2次審査:プレゼンテーションによる有識者審査

外部有識者による計画の効果・実現可能性等について定性面も含めた審査が行われます。

経営者自身により、事業計画のプレゼンテーションと、外部有識者との質疑応答がその内容です。経営者以外の役員や事業責任者が同席し補足説明することも可能ですが、経営者の出席・説明が必須です。

申請者以外のプレゼンテーション審査への同席は認められていません。外部コンサルティング会社の担当者も同席不可とされています。ただし「金融機関による確認書」を提出した申請者については、当該金融機関の担当者等の同席が可能です。

合計4〜7点の書類を提出します。

提出書類名該当者命名規則
成長投資計画書全申請者A001_成長投資計画書_事業者名.pdf
成長投資計画書蔑視全申請者A002_成長投資計画書別紙_事業者名.xlsx
ローカルベンチマーク全申請者A003_ローカルベンチ マーク_事業者名.xlsx
決算書等(3期分)全申請者A004_決算書等_事業者名.pdf
金融機関による確認書該当者のみA005_金融機関による 確認書_事業者名.pdf
リース取引にかかる誓約書該当者のみA006_リース取引に係る誓約書_事業者名.pdf
リース料軽減計算書該当者のみA007_リース料軽減計算書_事業者名.pdf

提出書類は最大7点です。書類に不備があると、審査されない可能性もございますので、複数回確認できるよう、余裕をもって準備しましょう。

各ファイルのサイズは10MB以下です。

大規模成長投資補助金の審査基準

補助金の採択を勝ち取る上で、審査基準をおさえた事業計画書を作成することが極めて重要です。事業計画書は、審査基準に基づいて採点され、点数が高い順に採択されるからです。

  1. 経営力

・5~10 年後の社会に価値提供する自社のありたい姿(長期成長ビジョン)が具体化されているか

・高い売上高成長率及び売上高増加額が示されているか

・今後3~5年程度の事業戦略が論理的に構築され、その中で補助事業が効果的に組み込まれているか

・売上高に対する補助事業の売上高は高い水準か

・成果目標に向けた管理体制が構築されているか

他の補助金制度よりも審査基準が明確です。

時流に乗っているか、現時点でのニーズがあるかどうかだけでなく、将来的にも高い収益を発生させる取り組みなのかが問われます。

審査基準の一番上に記載されていることから、計画書の中で最も見られるポイントと思われます。

 2.先進性・成長性

・競合他社と比較して計画が差別化されたものか

・労働生産性の抜本的な向上が図られ、人手不足の状況が改善される取組となっているか

・持続的な売り上げが見込まれるものか

単純な設備の入れ替え等ではなく、成長投資となるかがポイントです。商品やサービスへの高付加価値の追加や人員削減等に寄与できることが求められています。

3.地域への波及効果

・従業員 1 人あたり給与支給総額、雇用、取引額が申請時点と比べて増加している等、地域への波及効果が見込まれる取組か。特に賃上げ要件の水準を上回るものか

・地域の経済成長を牽引する、または取引先等との連携・共存を進める事業者か

・リーダーシップの発揮により、参加者や地域企業への波及効果、連携による相乗効果が見込まれるか(主にコンソーシアム形式の場合を想定)

従業員の賃上げや地域経済の活性化等が期待されています。

大規模投資を行うことによる、自社社員への影響だけでなく、取引先、地域や業界全体への波及効果を示しましょう。

4.大規模投資・費用効果

・企業規模に応じた大規模成長投資となっているか

・費用対効果が高いか

・企業の行動変容が示されているか

起業規模に応じた投資であるか、費用対効果が高い投資であるかがポイントです。

投資を実施したとしても、企業の売上、利益がそれほど伸びないならば、多額の補助金を投入する必要性に欠けると判断されます。

5.実現可能性

・補助事業を適切に遂行できると期待できるか

・中長期での補助事業の課題を検証できているか

・市場のニーズを検証できているか

財務状況に問題がないか、スケジュール管理が適切であるか否か等が見られます。

仮に素晴らしい事業計画だったとしても、資金面で行き詰まるようであれば実現不可能と判断される可能性があります。

金銭的にもスケジュール的にも問題なく遂行可能である旨を記載してください。

大規模成長投資補助金の事業計画書作成のポイント

大規模成長投資補助金の事業計画書を作成する前に、下記のポイントを知っておきましょう。

自社の既存事業や補助金を活用して行うビジネスプランを、自社の実態を、事業計画書に丁寧に落とし込むこと。御社のビジネスの実態が落とし込まれていなければ、いくら、コンサルタントが、荘厳華麗なテキストと図表でまとめ上げても、採択は難しいと考えます。

審査官は、経営コンサルタントなど、経営についての知見を一定程度有している方が担います。体裁が立派でも、中身がない計画書は一発で見抜きます。審査官に、御社特有の事業の実態や、皆様の光かがやく将来の姿をご理解頂けるよう、ひとつひとつ丁寧に計画書に落とし込んで、文章で紡いでいくことが極め重要です。社内の経営企画のスタッフや、信頼できるコンサルタントと一緒に、御社ならではの事業計画書を作り上げていくということが、採択を勝ち取る上での一番の近道であると考えています。

事業計画書の策定にあたり、最低1週間程度はかかります。ただし1週間で作成できたとしても、採択されるかどうかは別問題です。応募される事業者様は、最低でも10億円以上設備投資を行うことができるだけの体力をお持ちです。こうした事業者様同士の競争ですので、採択を勝ち取ることは極めて難しいと言わざるを得ません。御社のビジネスの実態が落とし込まれた精度の高い計画書を作成するためには、複数回にわたりすり合わせが必要です。必要書類の準備を含めますと最低でも30日は確保したいところです。現時点では、2次公募の発表はされていませんが、公募の発表を待っていますと、準備に十分な時間を取れない可能性がございます。公募の発表を待たずにご準備いただくことをお勧めいたします。

大規模成長投資補助金は、審査基準が明確かつ細かく設定されています。この審査項目は、一つ一つ、御社の事業の実態に照らして考えることが重要です。前述の通り、応募者のレベルは、他の補助金と比較しても極めて高いことが想定されます。一つの審査項目の見落としが、致命的になる可能性がございます。審査基準を盛り込むことは当然として、各項目で求められていることを正しく咀嚼し、御社の事業の実態に合わせて考え抜くことが重要と考えます。

まとめ

大規模成長投資補助金の事業計画書は、採択を勝ち取る上で重要な鍵をにぎります。十分な準備期間を確保し、御社ならではの事業の実態をしっかりと落とし込みましょう。

2次公募は6月に開始される予定ですが、申請をご検討されるている事業者様は、今のうちから準備をすすめましょう。

事業計画書の作成にあたり、サポートが必要な事業者様は、中小企業経営支援事務所にご相談ください。二人三脚で、御社の想いがつまった計画書の策定を支援いたします。初回相談は無料です。お気兼ねなくお問い合わせください。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

ブログ一覧へもどる

株式会社中小企業経営支援事務所

〒162-0802

東京都新宿区改代町27-4-1 クレスト神楽坂2F

TEL 03-5946-8609

もくじ