大規模成長投資補助金で不採択になったら 6月下旬開始予定の2次公募で採択されるための3つのポイント

大規模成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)に応募したものの、残念ながら不採択となってしまった事業者も多いのではないでしょうか。
しかし、大規模成長投資補助金は6月下旬に2次公募が予定されています。1次公募で不採択となった事業者は申請することが可能ですので、落胆する必要はありません。
この記事では、2次公募で採択を勝ち取るためのポイントを解説していきます。
当社・中小企業経営支援事務所は、大規模成長投資補助金の1次公募で不採択となった事業者様から多くの相談をいただいています。その豊富な経験を踏まえて2次公募の採択に向けての適切なアドバイスを行っておりますので、申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。懇切丁寧に解説いたします。
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第1回公募で不採択となりました事業者様向けに、不採択となった成長投資計画書をもとに、コンサルタントが、不採択となった理由やどう改善すべきかについて分析しています。こちらの記事も合わせてご覧ください。
なぜ不採択になったのか?要因分析の重要性
2次公募で採択を勝ち取るには、まずなぜ不採択になってしまったのか、要因を探ることが重要です。以下の方法を取ってみましょう。
事務局に問い合わせる
まずは、補助金の事務局に問い合わせをし、不採択の詳細を聞くようにしましょう。
事務局に問い合わせると、不採択業者の中で、大規模成長投資補助金の審査基準である「経営力」「先進性・成長性」「地域への波及効果」「大規模投資・費用対効果」「実現可能性」がどの程度だったのか、相対評価を知ることができます。
審査基準 | 概要 |
---|---|
経営力 | 社会課題や顧客ニーズの変化、外部環境の状況などに対して適切に分析され、具体的な数字を用いて論理的に今後の事業展開が構築されているか |
先進性・成長性 | 競合他社と差別化が図れた計画となっているか、補助事業が市場規模全体の伸びを上回る勢いで成長することをきちんと説明できているか |
地域への波及効果 | 補助事業によって従業員一人あたりの給与支給総額や雇用、取引額が増えているなど、地域への波及効果が見込まれる内容になっているか |
大規模投資・費用対効果 | 企業の収益規模と比較してリスクのある投資内容になっているか、補助金交付による付加価値の増加を追求する取り組みになっているか |
実現可能性 | 自社の体制や財務状況が整っている、補助事業実施で生じうる課題と解決方法について妥当なものを把握している、など補助事業の実現に必要な準備ができているか |
この相対評価から、2次公募に向けてどこを重点的に見直すべきなのか、効率よく分析することが可能になります。
成長投資計画書の内容と審査基準とのズレを洗い出す
事務局から相対評価を得たら、特に評価が低かったところを中心に、提出した成長投資計画書と公募要領に記載されている審査基準との間にズレがなかったかを客観的に検証します。
具体的には、以下の表などを活用しながら、項目ごとに確認していくと良いでしょう。
審査項目 | 審査基準の内容 | 成長投資計画書の内容例 | ズレの例 |
---|---|---|---|
経営力(ア)長期成長ビジョン | 5~10年後の社会に価値提供する自社のありたい姿(長期成長ビジョン)が具体化されているか | 当社は、今後5年間で、我が国の高齢化社会における医療課題解決に貢献するため、AIを活用した革新的な医療機器を開発し、国内トップシェアを目指します | ビジョンは抽象的に記載されているものの、具体的な製品・サービス、ターゲット市場、目標とする市場シェアなどの記載がなく、実現可能性や目標達成に向けた具体性に欠ける |
経営力(イ)事業戦略 | 市場・顧客動向を始めとした外部環境と、自社経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)等にかかる強み・弱みの内部環境を分析した上で、今後3~5年程度の事業戦略が論理的に構築され、その中で、補助事業が効果的に組み込まれているか | 高齢化が進む我が国において、医療現場の負担軽減が喫緊の課題となる中、AIを活用した医療機器の需要は今後ますます高まると予想されます。そこで、当社はこれまでの医療機器開発のノウハウを活かし、AI医療機器開発に参入します | I医療機器開発への参入表明にとどまっており、市場分析や競合分析、具体的な開発計画、売上目標、収益計画、必要な人員や資金の調達計画、補助事業との連携などが具体的に示されておらず、事業戦略としての具体性に欠ける |
先進性・成長性 (ア)差別化された計画 | ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サービスを分析した上で、継続的に自社の優位性が確保できる差別化された計画となっているか | 当社が開発するAI医療機器は、既存製品と比較して、診断精度が20%向上しており、医療現場の負担軽減に大きく貢献できます | 競合製品との差別化ポイントは記載されているが、競合他社の製品・サービスに対する詳細な分析や比較が不足しており、優位性を客観的に示す根拠が乏しい |
地域への波及効果(ア)地域への経済効果 | 補助事業により、従業員1人あたり給与支給総額、雇用、取引額が申請時点と比べて増加している等、地域への波及効果が見込まれる取組か | 本事業の推進により、今後3年間で10名の新規雇用を創出します | 新規雇用数は記載されているものの、具体的な雇用計画 (職種、雇用形態、雇用期間、採用方法など)や雇用創出効果の根拠、地域経済への波及効果 (地域企業との取引増加など)の記述が不足している |
実現可能性(イ)事業計画の具体性 | 本事業の実施に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か | AI医療機器の開発は、20XX年X月に開始し、20XX年X月に完了予定です | 開発スケジュールは記載されているものの、具体的な開発体制 (開発チームの構成、役割分担、責任者など)や開発工程、課題発生時の対応策に関する記述がなく、実現可能性に疑問が残る |
上記はあくまで一例であり、ズレが生じているポイントは企業ごとに異なります。
審査基準をあらためて見直し、作成した成長投資計画書と照らし合わせることで、何が原因で評価が低かったのかを具体的に把握できるようになります。
専門家の意見を聞く
不採択の要因分析は、基本的に1次公募の際に相談していた専門家と一緒に進めましょう。
詳細は後述しますが、事務局からのコメントはあくまで成長投資計画書をブラッシュアップするための材料の一つですので、必ずしもそれに従って分析を進める必要はありません。事務局に問い合わせて自分でも改善点を探しつつ、専門家の意見を積極的に取り入れながら二人三脚で進めることをおすすめします。
ただ、相談したときに納得のいくアドバイスがもらえない場合は、別の専門家を検討したほうがいいかもしれません。
大規模成長投資補助金の申請に関してアドバイスができる専門家にはコンサルタントや金融機関などさまざまな事業者がいますが、おすすめは中小企業診断士です。
中小企業診断士の中には成長投資計画書の改善点を的確に見つけられるだけでなく、2次公募の採択を勝ち取るのに必要な経営コンサル経験やピッチの支援経験を豊富に持っている人も多く、適切なアドバイスを受けることができます。
2次公募で採択を勝ち取るための3つのポイント
不採択の要因を徹底的に分析し、成長投資計画書を見直します。
当社では、事務局の相対評価は成長投資計画書をブラッシュアップするための材料の一つに過ぎず、私的された点を修正するだけでは不十分と考えています。不採択となった事業者の成長投資計画書を見ると、事業の根幹となる戦略設計や事業の大義などが十分に練られていないこともしばしばあります。
そのため、2次採択のために成長投資計画書を作り直すときは、以下のポイントを意識することをおすすめします。
ポイント1:将来性の証明をより具体的かつ明確にする
大規模成長投資補助金の審査において肝となる部分である、事業の将来性に関する説明を充実化させましょう。以下のポイントを踏まえて、より具体的かつ明確に将来性を証明することが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
将来ビジョンの提示 | 事業を通じて実現したい世界観や社会貢献、中長期的な展望を具体的に示す 例えば、5年後、10年後、そしてその先に、事業を通じてどのような未来を描いているのか、社会にどのような変化をもたらしたいのかを明確にする |
市場規模の推移 | 将来的な市場の成長が見込める客観的なデータや分析結果を提示する 市場規模の推移を示すグラフやデータ、将来予測に関する第三者機関のレポートなどを活用し、客観的な視点から将来性を証明する |
ターゲット顧客の明確化 | 誰に、どのような価値を提供するのか、具体的な顧客像を明確にする 年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成、趣味嗜好など、具体的な顧客像をペルソナとして設定する |
競合との差別化 | 既存の競合企業やサービスとの違いを明確化し、優位性をアピールする SWOT分析などを用い、競合と比較した自社の強みを明確にするとともに、模倣困難な独自性や優位性をアピールする |
売上目標と達成根拠 | 具体的な数値目標と、その根拠となる市場分析や販売戦略を明確に示す 市場参入から売上目標達成までの道筋を、具体的な販売計画やマーケティング戦略とともに示す |
これらの要素を盛り込み、説得力のある成長投資計画書を作成することで、2次公募では審査員の心を掴むことができるはずです。
ポイント2:成長投資計画書の実行可能性を向上させる
理想の未来だけを思い描いていても、審査員は納得してくれません。審査員に「この事業は計画通りに進まないのではないか」「実現は難しいのではないか」という懸念を抱かせないよう、以下のポイントを踏まえて計画を練り直しましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
スケジュール管理の具体化 | 工程ごとに具体的なスケジュールと達成目標を設定する 各工程の担当者を明確にする 進捗管理の方法を具体的に示す |
実現可能な計画 | 人員、資金、設備など、必要な資源を明確化し、現実的に調達可能な計画にする 外部委託などを活用し、自社の能力を超えた計画にならないようにする |
リスク対策の検討 | 事業を進める上で想定されるリスクを洗い出す リスク発生時の対応策を具体的に検討する |
対応策の提示 | リスク発生の可能性を最小限に抑えるための予防策も合わせて提示する |
これらのポイントを盛り込み、成長投資計画の実行可能性を明確に示すことで、審査員の懸念を払拭し、採択へと近づきます。
ポイント3:補助事業の必要性を訴求する
1次公募で採択を得られなかった成長投資計画でも、補助事業の必要性を効果的に訴求することで、2次公募での採択に近づきます。
審査員は、数多くの応募の中から、補助金の交付対象としてふさわしい成長投資計画かどうかを見極めようとしています。そのため、補助金が事業にもたらす効果を明確に示すことが重要です。
具体的には、以下の内容を盛り込むようにしましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
事業の目的 | 補助事業を通して何を達成しようとしているのか、具体的な目標を数値を用いて明確に記述する |
補助金の活用方法 | 補助金をどのように活用して事業目標を達成するのか、具体的な項目と金額を提示する |
期待される効果 | 事業の実施により、企業自身にもたらされる効果を具体的に示す。売上増加、コスト削減など、数値を用いるとより効果的 |
地域経済への貢献 | 事業が地域経済にどのような影響を与えるのか、新規雇用創出、地域産業の活性化などを具体的に示す |
これらの要素を盛り込み、補助事業の必要性をしっかりと訴求することで、審査員の心を動かし、採択へと導きましょう。
専門家を選ぶ際の注意点
専門家のサポートは、2次公募での採択率を向上させるうえで欠かせませんが、誰に依頼するかが重要になります。
以下の点を確認し、信頼関係を築ける専門家を選び、2次公募に向けて万全の準備を進めましょう。
注意点 | 説明 |
---|---|
専門分野 | 大規模成長投資補助金の申請に精通しているか 成長投資計画策定や財務分析などの専門知識を持っているか |
実績 | 過去の採択実績や支援実績は十分か |
コミュニケーション能力 | 相談しやすく、事業内容や想いを理解してくれるか 密なコミュニケーションが取れるか |
料金体系 | 料金体系が明確で、予算に見合っているか |
何人かの専門家に相談をし、上記のポイントを確認していくと、納得のいく相談先が見つかるでしょう。
なお、専門家によっては、初回相談を無料としているところもあります。
2次公募を検討しているときは中小企業経営支援事務所にご相談を
大規模成長投資補助金の1次公募で不採択となってしまった場合でも、諦める必要はありません。2次公募に向けて、成長投資計画の見直しや改善を図ることで、採択の可能性は高まります。
ただ、一度「これでよし」と自分で納得して作成した成長投資計画の改善点を見つけるのは、なかなか難しいものです。2次公募を検討している人は、ぜひ専門家の力を借りてみてください。
大規模成長投資補助金の申請に関する専門家にはさまざまな人がいますが、2次公募の採択を狙う人におすすめなのが中小企業診断士です。中小企業診断士は、その名のとおり中小企業経営の支援に長けたエキスパートであり、成長投資計画の内容を客観的に分析する力を持っています。中でも特に補助金申請に強い中小企業診断士であれば、その分析結果をもとに、採択につながりやすい成長投資計画書の作成方法を伝えることができます。
大規模成長投資補助金は、事業再構築補助金等で求められる事業計画書と一線を画し、極めて高いレベルの計画書の策定が求められます。(パワーポイントで35枚程度のプレゼン資料が必須です。士業であっても、経営コンサル経験やピッチの支援経験がなければ、対応が難しいと言わざるを得ません)
当社(中小企業経営支援事務所)では、大規模成長投資補助金の申請支援において、
A 中小企業診断士 または MBA取得者
B 大手コンサルファーム出身者 または 大企業の本社で事業戦略立案の経験を有する者
または 補助金の制度設計(立案)経験者
A 及び B 両方の条件を満たすコンサルタントが担当いたします。
*採択後の手続(交付申請、実績報告)は、上記以外の、中小企業診断士、行政書士または、補助金支援業務の経験者が対応することがございます。
成長投資計画書の作成にあたり、サポートが必要な事業者様は、中小企業経営支援事務所にご相談ください。二人三脚で、御社の想いがつまった計画書の策定を支援いたします。初回相談は無料です。お気兼ねなくお問い合わせください。
初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/