事業再構築補助金でリース取引は対象?公募要領をもとにわかりやすく解説

事業再構築補助金でリース取引は対象 ただし制限があるため要注意

近年、ウィズコロナ、そしてアフターコロナの社会を見据え、新しい事業に挑戦する企業が増えてきました。 そのような企業を後押しする補助金の一つに経済産業省の「事業再構築補助金」があります。

設備投資やシステム導入、広告宣伝など幅広い用途に活用できる補助金として注目されていますが、 「リース取引は補助金の対象になるのか?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、事業再構築補助金におけるリース取引の扱いについて、最新の公募要領に基づきながら解説します。 補助金申請を検討されている人はぜひ参考にしてみてください。

なお、当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請サポートを行っています。事業再構築補助金やものづくり補助金への申請をお考えの経営者様は、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、経済産業省が主導する補助金制度です。中小企業などに対し、新規事業の立ち上げや事業転換、業態転換、事業再編など、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した事業再構築の取り組みを支援することを目的としています。

事業再構築補助金は、これまで継続的に公募が行われています。新しい公募が始まる度に、そのときの状況に適した申請枠が新たに用意されたり、同じ名前の申請枠でも対象となる経費の種類など補助金交付(受け取り)の要件が細かく変更されたりしているため、申請するときは最新の公募要領をよく確認することが重要です。

最新の第12回公募については、下記記事でも詳しく紹介しています。

リース取引とは

リース取引とは、簡単に言うと「必要なモノを借りて使う取り引き」を指します。この「モノ」は、機械装置やシステム、建物、車両などさまざまです。

例えばある設備を利用したいとき、通常ならメーカーに要望を伝えて作ってもらったあと、メーカーから直接購入して導入します。一方、リース取引は、リース会社が代わりに設備を購入(※)し、事業者はリース会社に利用料金(リース料)を支払ってリース会社からその設備を借りる形で導入します。リース料は、契約月数で割って毎月均等にリース会社に支払うのが一般的です。

(※)代金の支払いはリース料が入金されたあとに行われるケースもあります。

リース取引は、高額な設備や建物などを、事前に資金を作らずに利用できるようになるのがメリットです。またレンタルと違い、自社だけに適したモノを借りれるという特徴もあります。

なお、リース取引には、ファイナンス・リース取引と、オペレーティング・リース取引の2種類があります。

ファイナンス・リース取引とは、フルペイアウト(リース会社にモノの購入金額やリース取引にかかる費用のおよそ全部をリース料として支払う)、かつリース期間の途中で解約ができない取引を指します。

一方、オペレーティング・リース取引は、ファイナンス・リース取引以外のリース取引であり、ノンフルペイアウトであるなどの違いがあります。

事業再構築補助金でリース取引は対象 ただし制限あり

事業再構築補助金ではリース取引も対象としており、「リース会社に支払うリース料」の負担を軽減できるようになっています。

ただし、補助金対象となるリース料には、以下のような制限があります。

  1. 機械装置やシステム構築の借用で発生したもののみ
  2. 補助金の交付が決まったあとに契約されたことが確認できる取り引きにかかるもののみ
  3. 補助事業実施期間(受け取った補助金を活用して事業を実施する期間。おおむね12カ月)中のもののみ

例えば、リース取引で利用するモノが建物や車両などの場合、補助金の対象になりません。

また、補助事業実施期間が12カ月、締結したリース契約が3年の場合、2年分のリース料については補助の対象外となります。

リース会社と共同申請して負担軽減する方法もある

事業再構築補助金では、第6回公募から、リース会社との共同申請を受け付けています。共同申請が通ると、リース会社が購入したモノの費用を対象として、リース会社に補助金が交付されます。適用される補助上限額や補助率は、各事業類型における中小企業等に準じます。

共同申請で補助を受ける場合、一般的な申請で対象となっている「リース会社に支払うリース料」はすべて補助対象外となります。

一方で、共同申請では、「リース会社に支払うリース料」から補助金相当分を事前に減額することが決められています。例えば6,000万円の設備がリースの対象であり、申請枠の補助率が1/2だった場合は、3,000万円の補助金が交付されることになりますが、実際に交付されるにはリース会社があらかじめリース料を3,000万円(補助金を控除した額)にしておかなければいけません。

このような仕組みから、基本的には共同申請のほうが、「リース会社に支払うリース料」の一部を補助してもらう一般的な申請よりも、リース料の負担を大きく減らすことができます

なお、共同申請では、以下のようなルールが決められています。

  1. 共同申請が認められるには、「申請する中小企業等がリース会社に支払うリース料」から補助金相当分が減額されていことがわかる証憑として、リース事業協会が確認した「リース料軽減計算書」を、共同申請時に事務局に提出する必要がある
  2. 対象となる取り引きは、ファイナンス・リース取引のみ
  3. 対象となる経費は、リース会社が機械装置やシステムの販売元に支払う購入費用のみ
  4. 共同申請が認められるには、機械装置やシステムなどを利用する企業が、それの見積もりを取得している必要がある
  5. 共同申請が認められるには、リース期間に財産処分制限期間が含まれている必要がある。財産処分制限期間内にリース契約の内容の変更をするときは、あらためて「リース料軽減計算書」を事務局に提出しなければならない
  6. 財産処分を行う場合は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)によって、処分にかかる補助金額を限度に返納する
  7. 共同申請が認められるには、リース会社が「リース取引に係る宣誓書」を提出する必要がある
  8. セール&リースバック取引(売却したモノをリース契約して引き続き利用する取り引き)や転リース取引(リースしているモノを第三者にリースする取り引き)は対象外
  9. 共同申請をするリース会社は、1回の公募回で申請できる件数や、通算の補助金交付候補者として採択・交付決定を受ける件数の制限がない
  10. 割賦契約(モノの所有権が契約終了後に分割払いをしていた側に渡る契約)は対象外。建物取得費も対象外

申請するときは、これらのルールをきちんと守れているか、公募要領をよく確認しましょう。

事業再構築補助金に関してお悩みでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

事業再構築補助金では、リース取引も対象となっていますが、いくつかの制限があります。最新の公募要領をよく確認するようにしましょう。

ただ、公募要領の内容には判断に迷う部分も多くあります。その場合はひとりで悩まず、事業再構築補助金を申請する際の伴走者となる、認定経営革新等支援機関に相談することをおすすめします。

当社・中小企業経営支援事務所は、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請をサポートしている経営コンサルタント・認定経営革新等支援機関です。事業再構築補助金への申請をお考えの中小企業の経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

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