観光事業者のデジタル化促進事業補助金を徹底解説!採択率UPのポイントも紹介

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の概要

近年、観光業界においてもデジタル化の波が押し寄せています。顧客満足度向上や業務効率化のために、デジタル技術を活用したサービスの導入はもはや必須と言えるでしょう。

しかし、新しいシステムや機器を導入するには、コストがかかることも事実です。そこで、活用したいのが「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」です。

東京都および東京観光財団が実施するこの補助金は、都内の中小企業の観光事業者を対象に、デジタル技術を活用したサービスの導入にかかる費用の一部を補助するものです。

この記事では、本補助金について、東京観光財団の「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」ページや「【令和6年度】 観光事業者のデジタル化促進事業 募集要領(第2回募集)」をもとに、補助対象となる事業や申請資格、補助率、申請方法などを詳しく解説していきます。さらに、採択率を高めるのポイントもご紹介しますので、申請を検討するときの参考としていただけると幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。観光事業者のデジタル化促進事業補助金の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

もくじ

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の目的

観光事業者のデジタル化促進事業補助金とは、東京都内にある中小企業の観光事業者のデジタル化やDXを支援する補助金です。

具体的には、都内の観光産業の活性化と、旅行者の利便性の向上させるスマート観光を実現させるために、事業の生産性向上や新サービス・商品の開発などにかかる費用の一部を補助します。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助対象事業

観光事業者のデジタル化促進事業補助金は、都内の中小企業の観光事業者(これから観光事業を営む予定の者を含む)が、デジタル技術を活用し、自社の生産性向上や新たなサービス・商品の開発などを行うための取り組みを対象としています。募集要領では以下のような例が想定されています。

  • 業務の効率化を図るための独自システムの開発・導入
  • 直販比率拡大のための自社サイト内の予約販売・決済システムの構築・導入
  • AIや位置情報を活用した情報発信ツールの開発・導入
  • ロボットによる受付・案内・掃除・運搬等のためのシステム及び機器の開発
  • IoTを活用した混雑・空室情報サービスの提供
  • 旅行者の行動・購買履歴等のデータを活用した販売促進

補助金対象となるポイントは、「デジタル技術の活用」と「自社事業の強化」です。そのため、例えば単なる設備の老朽化に伴う買い替え、特定の顧客のみを対象とした汎用性のないサービス・商品開発などは対象外となります。

それ以外にも、公序良俗に反する事業、東京都外で利用されるデジタル化やDXへの取り組み、東京が目的地に含まれない旅行商品・サービスに係る取り組み、他県や海外の文化・風習などに強く紐づいたサービス・商品開発なども補助金対象事業にはなりません。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助対象者

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の対象者は、東京都内の中小企業の観光事業者で、以下のいずれにも当てはまる場合です。

中小企業基本法に定める中小企業者であることが必要です。具体的には、以下のような条件に該当し、大企業が実質的に経営に参画していない事業者であることが求められます。

業種資本金および従業員数
製造業、建設業、運輸業、その他の業種(下記以外)
-ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
3億円以下または300人以下
-3億円以下または900人以下
卸売業1億円以下または100人以下
小売業5,000万円以下または50人以下
サービス業(下記以外)
-ソフトウェア業、情報処理サービス業
-旅館業
5,000万円以下または100人以下
-3億円以下または300人以下
-5,000万円以下または200人以下
中小企業者の定義

大企業とは、上記以外の事業者(中小企業投資育成株式会社、投資事業有限責任組合を除く)のことです。この企業が、大企業が単独で発行済株式総数または出資総額の1/2以上を所有または出資しているなどの場合、実質的に経営に参画しているとみなされるため、本事業の対象者からは外れることになります。

東京都内で、旅行者向けにサービス・商品を販売・提供する事業を営む、または営む予定の事業者であることも必要です。具体的には、以下のいずれかに該当する事業者が対象となります。

  • 宿泊事業者:旅館業法に基づく許可を受け、東京都内で宿泊施設を運営する事業者。風俗営業などは除く
  • 飲食事業者:食品衛生法に基づく許可を受け、東京都内で飲食店を営業する事業者。風俗営業などは除く
  • 小売事業者:東京都内で販売場を設け、営業を行っている事業者
  • 旅行事業者:旅行業法に基づく登録を受け、東京都内で旅行業を営む事業者
  • その他:体験・アクティビティ提供事業者など、旅行者へ直接サービス・商品を提供する事業者で、東京観光財団理事長が認める者

以下のような事業実績と将来性があることも条件となっています。

  • 令和6年4月1日時点で東京都内に本店または支店があり、2年以上事業を継続して営んでいること(個人事業者を含む)
  • 補助事業の成果を活用し、今後も東京都内で事業を継続する予定であること

東京都内に登記上の本店または支店があり、納税証明書の提出が可能なことも条件です。

個人事業主の場合、事業税の課税対象者は「個人事業の開業・廃業等届出書」の写し、納税証明書(事業税)、住民税納税証明書を提出できることが求められます。非課税対象者は「個人事業の開業・廃業等届出書」の写し、所得税納税証明書、住民税納税証明書を提出できることが必要となります。

その他、以下のような条件も満たさなければいけません。

  • 同一内容の事業で、他の補助金を受けていないこと(ただし、補助対象経費が明確に区分できる場合は対象)
  • 暴力団関係者、風俗関連業、ギャンブル業、賭博業などに該当しないこと
  • 過去5年以内に刑事罰を受けていないこと(法人その他の団体の場合は代表者も含む)
  • 税金の未申告や滞納がないこと
  • 東京都や東京観光財団に対する債務の滞納がないこと
  • 過去に補助金の交付決定取消や法令違反などを起こしていないこと
  • 事業継続に不確実な状況が存在しないこと(民事再生法・会社更生法・破産法適用など)
  • 補助事業の実施に必要な許認可を取得していること、または取得予定であること
  • 東京観光財団の観光経営力強化事業と同一内容の申請を行っていないこと
  • 補助事業の進行管理などに対応できること
  • 補助事業の実施場所を東京都内に有していること
  • 過去に本補助金の交付決定を受けている場合、申請時点で当該補助事業を完了していること
  • 宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助率

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助率は、賃金引上げ計画の有無によって異なります。

賃金引上げ計画を掲げない場合は、補助対象経費の2/3以内となります。一方、賃金引上げ計画を掲げ、実際に達成した場合は補助対象経費の3/4以内と、より高い補助率が適用されます。

賃金引上げ計画を掲げて申請する場合、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 補助対象事業終了後に初めて到来する事業年度の給与支給総額が、申請時の直近決算書の給与支給総額と比べて2.0%以上増加すること。ただし、被用者保険の適用拡大について、制度改革に先立って任意適用に取り組む場合は1.5%以上の増加でよい
  2. 補助対象事業終了後、初めて到来する事業年度の全ての月において、補助対象事業を実施する都内事業場内の最低賃金が「地域別最低賃金+30円以上」を達成すること

なお、賃金引上げ計画を掲げて申請した場合、補助金は2回に分けて交付されます。1回目は補助率2/3以内で算出された金額、2回目は賃金引上げ計画達成後に残りの金額が交付されます。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助限度額

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助限度額は3,000万円で、下限額は100万円です。

ただし、広告費については別途上限が設けられており、補助金予定額の合計が500万円(補助対象経費では750万円)を超えることはできません。また、広告費が含まれる「集客・販路開拓費」のみの申請は受け付けられません。

なお、補助金の交付額は1,000円未満の端数が生じた場合、補助対象費目ごとに切り捨てて計算されます。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の事業実施期間

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の事業実施期間は、第2回募集の場合、令和7年1月1日から令和8年12月31日までの最長2年間です。この期間内に、契約、取得、実施、支払い(口座引き落とし)がすべて完了する経費が補助対象となります。

なお、事業実施期間は申請時に設定しますが、事業の進捗状況によって期間を変更しなければならなくなった場合は、事前に東京観光財団に正当な理由を伝え、承認を得る必要があります。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助対象経費

観光事業者のデジタル化促進事業補助金では、上記事業に当てはまる経費であればすべて補助の対象となるわけではありません。募集要項にて細かく規定されているので、事前によく確認するようにしましょう。

本補助金の補助対象となる主な経費は以下のとおりです。

経費区分補助対象となる具体的な経費例留意点
①ICT化・DX経費・新システム構築費
・ソフトウェア導入費
・クラウド利用費
・データ取得・解析経費
・システム構築は申請前に要件定義が完了し、仕様や機能が具体的に決まっていることが必要・ソフトウェア導入は、ワードやエクセルなどの汎用性のあるものは対象外
・クラウド利用費は、自社保有でないサーバーに接続して機能提供やデータ保存領域割り当てを受けるための費用であること
・データ取得・解析は、新規の場合であること
②機械設備導入費・生体認証に必要なカメラや周辺機器
・ロボット機器
・デジタル技術を活用した事業に直接必要な機械装置や備品の購入費、リース・レンタル費であること
・老朽化に伴う単なる買い替えや改装は対象外
・自ら調達して設置・工事を行う場合は対象外
・1件100万円(税抜)以上の購入は、単価、数量、規格、メーカー、型番等の記載が必要
・リース・レンタルは、補助対象期間内に新たに契約を締結したものに限る
③専門家指導費・デジタル技術導入に関する専門家からの指導・助言
・社員向けデジタル技術研修
・上記①②の経費申請が必須であり、そのシステムや機械設備についての指導・助言に限る
・補助金予定額は50万円(補助対象経費は75万円)が上限
・専門家へ事業の一部委託をする場合は「外注・委託費」に計上
・指導報告書の提出が必要
・公共交通機関の利用による交通費は対象(ただし、鉄道のグリーン車、航空機のプレミアムシートやファーストクラス・ビジネスクラスは対象外)
・交通費のうち、船舶運賃が複数段階に分かれている場合は、中級以下の等級の運賃が対象
・既存事業や経営に係る顧問契約は対象外
・事務手続きに係る指導・助言は対象外
④新サービス・商品開発費・開発の一部を外部事業者や大学などに外注・委託する費用
・産業財産権の出願(調査を含む)費用、および必要な産業財産権を他の事業者から譲渡または実施許諾を受けた場合の費用
・開発後の事業化(生産、販売など)に係る経費は対象外
・集客・販路開拓費用は「⑤集客・販路開拓費」で申請
・産業財産権の出願は、補助対象期間内に出願手続きが完了していることが必要
・出願後の費用(審査請求、登録料、維持年金など)は対象外
⑤集客・販路開拓費・展示会等出展経費(出展小間料、商談会参加費、資材費、運搬費、旅費、保険料、通訳・翻訳費など)
・イベント開催費(会場借上費、資材費、運搬費、保険料、通訳・翻訳費など)
・広告費(広告制作費、広告掲載料、屋外広告掲出費など)
・上記①②④のいずれかの経費申請が必須であり、その成果・成果物(開発したシステム、新サービス・商品など)の広報に限る。既存事業や補助対象事業以外のものは対象外
・展示会等出展経費、イベント開催費は、原則として出展・参加および支払いが補助対象期間内に行われるものに限る
・広告費は、補助金予定額が合計500万円(補助対象経費では750万円)が上限・旅費は、補助金予定額が20万円(補助対象経費は30万円)が上限
・広告掲載として利用するリスティング広告は「Yahoo!」「Google」への直接契約のみ対象
観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助対象経費

上記はあくまで一例です。詳細については、最新版の募集要領をご確認ください。

対象外となる主な経費は、以下のとおりです。

  1. 補助対象経費一覧に掲げられていないすべての経費
  2. 申請書に記載されていない物品の購入費
  3. 補助対象期間前または期間終了後に契約・支払いが行われた経費
  4. 補助事業に関係のない物品の購入、外注、業務委託などの経費
  5. 帳票類(見積書、契約書、納品書、請求書など)が不備の経費
  6. 業務内容や成果が不明確な経費
  7. 通常業務・取引と混合して支払われ、区分できない経費
  8. 他社発行の手形や小切手、クレジットカードなどによる支払経費
  9. 親会社、子会社、グループ企業等関連会社との取引
  10. 直接人件費
  11. 間接経費(消費税、振込手数料、交通費、通信費、家賃など)
  12. 資料収集業務、調査業務、会議費、消耗品などの事務的経費
  13. 保守に係る経費
  14. 汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用パソコン、プリンタ、タブレット端末など)
  15. 一般的な電化製品や家庭用機器の購入・設置費
  16. 不動産の取得費
  17. 一般的な市場価格や事業規模に対して著しく高額な経費
  18. 公的資金の用途として社会通念上不適切と認められる経費

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の補助対象者の流れ

観光事業者のデジタル化促進事業補助金は、賃金引上げ計画を掲げない場合と掲げる場合で、交付申請から補助金交付までの流れが異なります。

出典:【令和6年度】 観光事業者のデジタル化促進事業 募集要領(第2回募集)p.14丨東京観光財団

賃金引上げ計画なしの場合の交付申請から補助金交付までの流れは、以下の通りです(具体的な日付は第2回募集の場合)。

  1. 交付申請:令和6年10月11日(金)までに必要書類を東京観光財団に提出します。
  2. 一次審査(書類審査):令和6年11月上旬~中旬に実施されます。
  3. 二次審査(面接審査):令和6年12月上旬~中旬に実施されます。
  4. 交付決定・事業開始:東京観光財団による審査通過後、財団から交付決定通知を受け取り事業を開始します。
  5. 事業終了:最長2年間(令和8年12月31日まで)の期間内に事業を完了させます。
  6. 実績報告:事業終了後1ヶ月以内に、実績報告書を東京観光財団に提出します。
  7. 完了検査:東京観光財団が事業の完了を確認します。
  8. 額確定:補助金の交付額が確定し、確定通知書が東京観光財団から送付されます。
  9. 補助金請求:確定通知書受領後、補助金請求書を東京観光財団に提出します。
  10. 補助金交付:請求書提出から1~2週間程度で補助金が振り込まれます。
出典:【令和6年度】 観光事業者のデジタル化促進事業 募集要領(第2回募集)p.14丨東京観光財団

賃金引上げ計画ありの場合、補助金交付までの流れは2段階に分かれます(具体的な日付は第2回募集の場合)。

【第1段階:補助金交付①】

  1. 交付申請:令和6年10月11日(金)までに必要書類を東京観光財団に提出します。
  2. 一次審査(書類審査):令和6年11月上旬~中旬に実施されます。
  3. 二次審査(面接審査):令和6年12月上旬~中旬に実施されます。
  4. 交付決定・事業開始:東京観光財団による審査通過後、財団から交付決定通知を受け取り事業を開始します。
  5. 事業終了:最長2年間(令和8年12月31日まで)の期間内に事業を完了させます。
  6. 実績報告:事業終了後1ヶ月以内に、実績報告書を東京観光財団に提出します。
  7. 完了検査:東京観光財団が事業の完了を確認します。
  8. 額確定:補助率2/3を上限とした補助金交付額が確定し、確定通知書が東京観光財団から送付されます。
  9. 補助金請求:確定通知書受領後、補助金請求書を東京観光財団に提出します。
  10. 補助金交付①:請求書提出から1~2週間程度で補助金が振り込まれます。

【第2段階:補助金交付②】

  1. 賃上げ達成報告:「事業終了後、初めて到来する事業年度の決算月」から4ヶ月以内に、賃金引上げ計画達成報告書を東京観光財団に提出します。
  2. 審査:賃金引上げ計画の達成状況が東京観光財団で審査されます。
  3. 賃上げ達成確認:計画達成が確認されると、残りの補助金交付額が確定します。
  4. 差額分の請求:確定通知書受領後、残りの補助金分の請求書を東京観光財団に提出します。
  5. 補助金交付②:請求書提出から1~2週間程度で補助金が振り込まれます。

賃金引上げ計画ありの場合、補助率3/4が適用されますが、全額を受け取るまでに時間がかかる点に注意が必要です。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の申請方法

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の申請方法は、郵送による申請と電子申請の2種類があります。

郵送による申請の場合、申請期限は令和6年10月11日(金)消印有効です。必要書類をすべてそろえた上で、「簡易書留」などの追跡可能な方法で東京観光財団宛に郵送します。封筒に「観光事業者のデジタル化促進事業補助金 在中」と記載し、以下の宛先に送りましょう。

(書類郵送先)〒162-0801 東京都新宿区山吹町346番地6 日新ビル2階(公財)東京観光財団 観光産業振興部 観光産業振興課「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」担当 宛
観光事業者のデジタル化促進事業補助金の申請書類の宛先

電子申請の場合は、デジタル庁が提供する電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を利用します。申請期限は令和6年10月11日(金)16:00到着分までです。電子申請を行うには、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要となるため、余裕を持って準備することが重要です。

※令和6年9月10日現在、電子申請による受付は行われていませんが、9月中旬を目処に再開される予定となっています。

申請にあたっては、募集要領で指定された必要書類をすべて提出しなければいけません。書類に不備や漏れがある場合は申請を受け付けられないため、締切日前に余裕を持って提出することが推奨されています。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の必要書類

観光事業者のデジタル化促進事業補助金では、さまざまな書類の提出が求められます。「交付申請時」「実績報告時」「賃金引上げ計画達成報告時」に分けて紹介します。

なお、「第◯号様式」や「別紙◯」などについては、東京観光財団の「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」ページにある申請様式という項目からダウンロードできます。

交付申請時には、以下の書類が必要です。

必要書類備考
交付申請書(第1-1号様式)
事業計画書(第1-2号様式)必要書類チェックリストと申請前確認書を含む
資金計画書(別紙1)
収支計画書(別紙2)
賃上げ計画書・誓約書(別紙3)賃上げ計画を掲げる場合のみ
補足説明資料必要な場合のみ。A4用紙10枚以内
確定申告書直近2期分の写し。受付印または電子申告の受信通知が必要
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)発行後3ヶ月以内の原本。個人事業者の場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」の写し
印鑑証明書発行後3ヶ月以内の原本。電子申請では不要
社歴(経歴)書会社概要(パンフレット)でも可
事業税などの納税証明書直近の原本。個人事業者は個人事業税の納税証明書(もしくは代表の所得税納税証明書)と住民税の納税証明書
見積書発行日、宛名、見積者の会社名・住所・押印がある写し。1件100万円(税抜)以上は原則2社以上
各種許可書写し。該当する事業者のみ(例:旅館営業許可書)
建物の不動産登記簿謄本、または賃借契約書など登記簿謄本は原本、賃借契約書などは写し。補助金交付対象施設の改修などを行う事業を実施する場合のみ
交付申請時に必要な書類

実績報告時に必要な書類は、以下のように決められています。

必要書類留意事項
観光事業者のデジタル化促進事業実績報告書(第6号様式)本表、付表1、付表2、付表3を含む
見積書の写し宛先、金額、消費税額、発行日、発行者名、所在地、購入品などの内容がすべて明記されており、かつ発行者の押印がある写し
契約書または注文書+注文請書金額、消費税額、契約日、契約者名、所在地、購入品などの内容がすべて明記されており、かつ発行者の押印がある写し
納品書/工事完了報告書/業務完了届など契約先が作成した写し。完了日が記載され、かつ発行者の押印があるもの
契約先発行の請求書宛先、金額、消費税額、発行日、発行者名、所在地、購入品などの内容がすべて明記されており、かつ発行者の押印がある写し
領収書の写し、普通預金通帳または当座勘定照合表契約宛先、領収金額、消費税額、領収日、発行者名、所在地、購入品などの内容がすべて明記されており、かつ発行者の押印がある写し
補助事業の成果物システム作成の場合、画面遷移図などの写真
その他、東京観光財団理事長が必要とする資料
実績報告時に必要な書類

また、これらの書類を提出するときは、以下の点に注意しなければいけません。

  • 補助事業が完了してから1ヶ月以内に提出すること
  • 電子契約の場合は、電子契約関連の法律の要件を満たしていること
  • 海外で発行された書類を提出するときは、日本語訳と翻訳内容保証書を添付すること
  • 支払いは原則として振込払いとすること(クレジットカードなどでの支払いは対象外)

賃金引上げ計画を掲げて申請した事業者は、事業終了後に計画達成の報告を行う必要があります。この報告には以下の書類が必要です。

必要書類留意事項
賃金引上げ計画達成報告書(第6-2号様式)
決算報告書事業終了後に初めて到来する決算期のものの写し
賃金台帳上記の決算報告書の事業年度における、決算月のものの写し。代表者1名分
任意特定適用事業所該当通知書写し。該当する場合のみ。被用者保険の適用拡大について、制度改革に先立ち任意適用に取り組んだ場合に必要
その他、東京観光財団理事長が必要とする資料
賃金引上げ計画達成報告に必要な書類

提出期限は、事業終了後(補助対象経費の最後の振込・引き落しが完了)に初めて到来する決算月から4ヶ月以内です。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の交付決定の取り消しと補助金の返還

観光事業者のデジタル化促進事業補助金では、補助事業者、外注先、その他関係者が不正や違反を行った場合、交付決定が取り消される可能性があります。主な取り消し事由は、以下のとおりです。

  1. 交付決定内容と異なる事実が判明した場合
  2. 不正な手段による補助金受給や目的外使用
  3. 補助対象設備の無断処分や移設
  4. 暴力団関係者や不適切な業態と判明した場合
  5. 過去5年以内の刑事罰
  6. 補助対象要件を満たさないことが判明
  7. 交付決定の条件違反
  8. その他法令違反など

すでに補助金が交付されている場合は、期限を定めて返還が命じられます。返還命令を受けた場合、補助金受領日から返還日までの日数に応じて、年10.95%の割合で計算した違約加算金の納付も求められる可能性があります。

また、返還命令の納期日を過ぎても納付されない場合、納期日翌日から納付日までの日数に応じて、年10.95%の割合で計算した延滞金の納付も求められることがあります。

やむを得ない事情がある場合、東京都との協議により、違約加算金や延滞金が免除または減額されることもありますが、返還の対象とならないようにすることが肝要です。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金のその他の留意点

観光事業者のデジタル化促進事業補助金を受ける際には、補助金交付後も以下の点に注意する必要があります。

本補助金では、東京観光財団が補助事業者に対して現地調査を行う場合があります。調査では、補助事業の実施状況、補助金の収支状況、帳簿書類、取得した財産などについて確認されます。補助事業者は、調査に協力し、必要な情報を提供する義務があります。

補助事業者は、補助事業に関連する帳簿や領収書など、すべての関係書類を補助事業完了年度の翌年度から5年間保存する必要があります。

補助事業により取得した財産(設備、試作品など)のうち、単価50万円(税抜)以上のものについては、5年間、原則として処分(売却、譲渡、廃棄など)することができません。もし、やむを得ず処分する場合は、事前に東京観光財団に申請し承認を得る必要があります。承認を得ずに処分した場合、補助金の返還を求められる可能性があります。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の採択率UPのポイント

観光事業者のデジタル化促進事業補助金に採択されるには、募集要領に記載されている対象要件をクリアし、申請書類を漏れなく用意するだけでなく、いくつかの「コツ」を意識する必要があります。ここでは補助金申請のエキスパートである弊社が、多数の支援を行う中で感じてきた採択率UPのポイントを紹介します。

補助金申請において、募集要領を熟読することは当然ですが、単に字面を追うだけでは不十分です。重要なのは、補助金の目的を理解し、その意図を汲み取った事業計画を作成することです。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金であれば、単にデジタル化すれば良いのではなく、それがどのように東京の観光活性化や旅行者の利便性向上につながるのか、そのためになぜこの取り組みなのか、事業計画の中で明確に示す必要があります。

例えば、飲食店が、多言語対応のセルフオーダーシステムを導入する場合、単に「業務効率化のため」と記載するのではなく、「外国人旅行者の利便性を向上させることで、東京の飲食店全体の顧客満足度向上、ひいては観光客の増加、消費拡大による観光産業の活性化につながる」といった具合です。その上でシステム導入によって期待される効果を数値化したり、具体的なターゲット層を明確化したりすることが大切です。

募集要領をよく読み込み、具体的な数字を盛り込んだ事業計画は採択の可能性を高め、ひいては事業者の持続的な発展にも寄与します。

「観光事業者のデジタル化促進事業補助金」の審査では、大きく分けて「資格審査」「経理審査」「事業審査」「面接審査」の4つの視点から評価されます。この視点を把握することも採択率を高める重要なポイントです。

資格審査

補助金の交付要綱や募集要領に記載された申請資格を満たしているかを確認する審査です。具体的には、中小企業者であるか、東京都内で旅行者向けにサービス・商品を販売・提供する事業を営む観光事業者であるかなどがチェックされます。

これらの要件を満たしていない場合は、申請自体が受け付けられません。申請前に、自身の事業が補助対象者の要件を満たしているか、募集要領や交付要綱を熟読して確認しましょう。

経理審査

補助事業を適切に遂行できる財務基盤を持っているか、資金計画に無理がないかなどを評価する審査です。具体的には、以下の項目がチェックされます。

項目内容
資金調達の実現性自己資金や借入金など、補助事業に必要な資金を計画通りに調達できるか
事業の持続可能性補助事業終了後も、事業を継続できる経営状況にあるか
事業予算規模補助事業にかかる費用が、既存の事業規模に対して適切な金額であるか
収支計画補助事業によって収益が向上する見込みがあるか、費用対効果が見込めるか
経理審査の項目

過去の決算書や事業計画書などを参考に、財務状況が健全であることを示す必要があります。

事業審査

補助事業の内容が妥当であるか、実現可能性や効果、波及効果などを評価する審査です。具体的には、以下の項目がチェックされます。

項目説明
新規性デジタル技術を活用した事業であり、他の事業者と差別化できる新規性があるか
優秀性現状の課題を的確に分析し、デジタル技術を活用した具体的な解決策を提案しているか
市場性・競争優位性市場動向や顧客ニーズ、競合などを分析し、事業の成功が見込めるか
実現性必要な人材やノウハウ、設備などを確保し、計画通りに事業を実行できる体制が整っているか
波及性補助事業が、自社だけでなく、地域や観光産業全体に良い影響を与える可能性があるか
適合性東京の観光活性化や旅行者の利便性向上につながる事業内容であるか
事業審査の項目

事業計画書で、これらの項目を具体的に説明し、審査員に事業の意義や価値を理解してもらうことが重要です。

面接審査

一次審査(書類審査)を通過した申請者を対象に、事業計画の詳細や熱意などを直接確認するための審査です。事業計画の内容を簡潔に説明できるよう、事前に準備しておきましょう。また、審査員からの質問に対して、的確に回答できるようにしておくことも重要です。

補助金申請は、要件の確認や書類作成など、複雑な手続きが多く、初めての人にとってはハードルが高いものです。申請をスムーズに進め、採択率を上げるためには、専門家のサポートを受けることが有効です。

補助金申請支援の専門家には、主に中小企業診断士や行政書士などがいます。これらの専門家は補助金制度に精通し、申請書類の作成や事業計画のブラッシュアップ、面接対策など、多岐にわたるサポートを提供しています。

専門家に依頼することで、時間と労力を大幅に削減できるだけでなく、申請書類の質を高め、採択の可能性を高められるでしょう。また、専門家からの助言を受けることで、事業計画自体を見直し、より実現可能性の高いものへと改善できる可能性もあります。

補助金申請に不安を感じている人は、専門家への相談がおすすめです。

観光事業者のデジタル化促進事業補助金についてお悩みでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

観光事業者のデジタル化促進事業補助金の申請は、複雑な手続きや要件を満たす必要があり、初めての人にとっては負担が大きいため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

中小企業経営支援事務所では、補助金・助成金の申請サポートのエキスパートとして、数多くの支援を行ってきました。本補助金においても、当該事業が補助対象となるのか的確に判断し、補助金を受けるために必要な書類の準備の仕方にも精通しています。審査員の目に留まるような事業計画書を作るにはどうしたらいいのか、豊富な経験を持つ弊社であればそのポイントをお伝えすることができます。

補助金申請は、時間との勝負です。申請期限が迫っている場合でも、迅速かつ丁寧に対応しますので、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

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