【2024年保存版】農業の補助金・助成金13選│初めての申請でも安心の手続き解説つき

【2024年版】農業の補助金・助成金13選

近年の農業を取り巻く環境は、地球温暖化による気候変動や、農家の高齢化・後継者不足、ウクライナ紛争に端を発する肥料や飼料の高騰など、さまざなな課題に直面しています。これらの困難を乗り越え、持続可能な農業経営を実現するための手段のひとつが補助金・助成金制度です。

この記事では、農業経営に欠かせない補助金・助成金制度について、2024年最新の情報に基づき、種類や申請方法、活用方法などをわかりやすく解説します。農業に携わる人の一助となれば幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。設備投資緊急支援事業の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

なぜ今、農業において補助金・助成金活用が重要なのか

農業を取り巻く経営環境は、さまざまな課題に直面しています。高齢化や担い手不足、地球温暖化による気候変動、農作物価格の低迷など、農業経営を圧迫する要因は枚挙にいとまがありません。これらの課題を乗り越え、持続可能な農業経営を実現するためには、補助金・助成金を戦略的に活用することが重要です。

補助金・助成金は、初期投資や設備投資の負担を軽減したり、経営の安定化を図ったり、新たな技術や販路の開拓を支援したりするものです。これにより、農業経営者は経営リスクを軽減し、競争力を強化することができます。

例えば、新規就農者や農業を始めて間もない人であれば、農業次世代人材投資資金の就農準備資金を活用することで、生活費や研修費用の負担を軽減し、スムーズに農業を始められます。また、既存の農業経営者であれば、強い農業づくり総合支援交付金や産地生産基盤パワーアップ事業などの設備投資向けの補助金を活用することで、スマート農業の導入や農産物加工施設の整備などを進め、生産性向上や高付加価値化を実現できます。

補助金・助成金の種類は多岐にわたり、それぞれに目的や要件が異なります。自らの経営課題や目標に合った補助金・助成金を選択し、適切に活用することが、農業経営の成功につながります。

農業における補助金・助成金活用の3つのメリット

農業における補助金・助成金活用の主なメリットは、以下の3つです。

農業を始めるには、多額の初期投資が必要になります。農地、農業機械、施設などの費用は高額で、新規就農者にとって大きな負担となるでしょう。また、農作物の収穫・販売が始まるまでの間は収入がないため、運転資金も必要です。これらの資金を自己資金のみで賄うことは難しいでしょう。

新規就農者向けの補助金・助成金を利用すれば、資金面での不安を軽減し、農業経営をスムーズにスタートさせることが可能になります。

農業経営は、さまざまなリスクと隣り合わせです。天候不順による不作や、市場価格の変動による収入減、病害虫の発生による損失など、予測できない事態がしばしば起きます。補助金・助成金を活用すれば、これらのリスクを軽減し、より安定した事業運営を実現できる可能性が高まります。

補助金・助成金活用によって設備投資や人材確保がスムーズにできれば、事業拡大のチャンスも広がるでしょう。

最新の農業機械や設備の導入すれば、作業効率を大幅に改善するだけでなく、より高品質な農産物の生産や、これまで手がけていなかった作物や加工品の生産にチャレンジが可能になります。

また、人材の確保・育成ができれば、農業経営の多角化や規模拡大が実現しやすくなります。例えば、販路開拓の専門家を雇用することで、新たな取引先の開拓や輸出事業への挑戦が可能になるでしょう。

このように、補助金・助成金を受給すれば、農業経営者は設備と人材の両面から事業拡大の機会を得ることができます。

目的別!農業の補助金・助成金13選【2024年最新】

農業で活用できる主な補助金・助成金を、目的別に紹介します。

補助金・助成金名内容支給額主な活用シーン
就農準備資金新規就農を目指す研修生を支援月12.5万円・農業大学校での研修
・先進農家での実践的研修
・就農に向けた技術習得
経営開始資金新規就農者の経営確立を支援月12.5万円・新規就農時の生活費確保
・経営基盤確立期の運転資金
・設備投資の自己資金確保
経営発展支援事業就農後の経営発展に必要な機械などの導入を支援1,000万円(最大)・農業機械や施設の導入
・家畜の導入
・果樹、茶の新植、改植
・農地の造成や改良
青年等就農資金新たに農業経営を始める人向けの融資制度3,700万円(最大)・農業用施設や機械の導入
・加工施設や販売施設の整備
・家畜購入、果樹や茶の新植・改植
・借地料などの一括支払い
強い農業づくり総合支援交付金産地の収益力強化と持続的な発展を支援各タイプによって異なる・産地基幹施設の整備
・農業用機械や設備の導入
・スマート農業の推進
・環境負荷低減の取り組み
・輸出拡大に向けた整備
産地生産基盤パワーアップ事業農業の国際競争力強化と産地の収益力向上を支援事業費の1/2以内など
※事業内容により異なる
・農業機械のリース導入・取得
・集出荷施設等の整備
・ヒートポンプなどの省エネ設備導入
・生産資材の導入
農地耕作条件改善事業地域の多様なニーズに応じた耕作条件の改善を支援事業費の1/2など
※型により異なる
・畦畔除去による区画拡大
・暗渠排水の整備
・高収益作物への転換
・スマート農業の導入
・病害虫対策
・水田貯留機能向上
ものづくり補助金生産性向上のための設備投資を支援事業費の1/2など
※申請枠により異なる
・スマート農業を実現する設備投資
・農産物の加工や6次産業化
・輸出向けの農産物生産体制の強化
IT導入補助金ITツール導入費用の一部を補助事業費の1/2など
※申請枠により異なる
・生産管理システム導入
・在庫管理システム導入
・経理ソフト導入
・販売管理システム導入
農産物等輸出拡大施設整備事業産地基幹施設の整備を支援事業費の1/2以内・集出荷貯蔵施設の整備
・農産物処理加工施設の整備
・CA貯蔵施設などの導入
雇用就農資金農業就業や独立就農に必要な研修を支援各タイプによって異なる・新規就農者の雇用と育成
・独立就農に向けた研修
・次世代経営者の育成
キャリアアップ助成金非正規雇用労働者のキャリアアップの促進を支援各コースによって異なる・新規就農者の育成や定着促進
・後継者や若手従業員への農業技術や技能の継承
・スマート農業化のための設備投資と連動した人材育成
雇用調整助成金事業活動を縮小する事業者の雇用維持を支援賃金相当額の1/2など予期せぬ出荷制限や天候不順による不作、農産物価格の低迷で収入減が生じた際の雇用維持
農業の補助金・助成金一覧【2024年最新】

※2024年10月時点での情報です。時期によって実施されていない可能性もあるため、利用するときは必ず公式サイトを確認するか、問い合わせ窓口に確認することをおすすめします。

※補助金・助成金の中には他の補助金・助成金と併願ができないものもあります。

農業次世代人材投資資金(就農準備資金)

農業次世代人材投資資金(就農準備資金)は、新規就農を目指す研修生を対象とした支援制度です。最長2年間にわたり年間150万円を交付し、就農に必要な技術習得を支援します。農業大学校や先進農家などで、確かな技術を身につけてから独立・自営就農、あるいは雇用就農を始めたい人に適した制度といえます。

申請要件として、就農予定時の年齢が原則49歳以下であることや、年間1,200時間以上の研修を受けることなどが定められています。

項目内容
主な支給条件・就農予定時49歳以下
・約1年以上かつ年間約1,200時間以上の研修を受講
・常勤雇用契約を締結していないこと
・前年の世帯所得が600万円以下
・傷害保険に加入していること
支給額月12.5万円(150万円/年)
※交付期間:最長2年間(海外研修の場合は最長3年間)
主な活用シーン・農業大学校での研修
・先進農家での実践的研修
・就農に向けた技術習得
問い合わせ先最寄りの地方農政局
公式ページ就農準備資金・経営開始資金丨農林水産省
農業次世代人材投資資金(就農準備資金)の概要

農業次世代人材投資資金(経営開始資金)

農業次世代人材投資資金(経営開始資金)は、新規就農者の経営確立を支援する制度です。独立・自営就農者に対して、就農直後の経営確立に資する資金を最長3年間交付します。農業を始めてからの生活費や、運転資金の不安を払拭したいときに活用したい補助金です。

交付を受けるためには、就農時の年齢が原則49歳以下であり、独立・自営就農であること、青年等就農計画の認定を受けていることなどの要件を満たす必要があります。

項目内容
主な支給条件・独立・自営就農時49歳以下
・独立・自営就農する認定新規就農者であること
・経営計画が経営開始5年後までに農業で生計が成り立つものであること
・借り受ける農地が「目標地図」などに位置づけられていること
・前年の世帯所得が600万円以下
支給額月12.5万円(150万円/年)
※交付期間:最長3年間
※夫婦共同経営は1.5人分交付
主な活用シーン・新規就農時の生活費確保
・経営基盤確立期の運転資金
・設備投資の自己資金確保
問い合わせ先最寄りの地方農政局
公式ページ就農準備資金・経営開始資金丨農林水産省
農業次世代人材投資資金(経営開始資金)の概要

経営発展支援事業

経営発展支援事業は、就農後の経営発展のために必要な機械・施設などの導入を支援する事業です。都道府県が機械・施設などの導入を支援する場合、国が都道府県支援分の2倍支援します。より安定的な農業経営を確立したいときは、積極的に検討したい補助金制度です。

経営発展支援事業は、49歳以下で、次世代を担う農業者となることについて強い意欲を持ち、事業実施年度または前年度に農業経営を開始した人を対象としています。交付対象者は、農地の所有権や利用権を有し、主要な農業機械・施設を所有または借り受け、自らの名義で生産・販売を行っている必要があります。

項目内容
主な支給条件・49歳以下
・独立・自営就農する認定新規就農者であること
・経営計画が経営開始5年後までに農業で生計が成り立つものであること
・借り受ける農地が「目標地図」などに位置づけられていること
・金融機関から融資を受けていること
支給額1,000万円(最大)
※経営開始資金受給者は最大500万円
※補助率:最大1/2以内
※夫婦共同経営は1.5人分交付
主な活用シーン・農業機械や施設の導入
・家畜の導入
・果樹、茶の新植、改植
・農地の造成や改良
問い合わせ先最寄りの地方農政局
公式ページ経営発展支援事業丨農林水産省
経営発展支援事業の概要

青年等就農資金

青年等就農資金は、新たに農業経営を開始する人を支援する無利子の融資制度です。17年以内に返済が必要になるため、補助金・助成金とは異なりますが、新規就農者の支援する制度としてよく活用されています。

特徴的なのは、担保は原則として融資対象物件のみで済み、個人の場合は保証人が原則不要という点です。法人の場合でも、必要な場合は代表者のみが保証人となります。これにより、新規就農者の資金調達における負担を大きく軽減しています。

ただし、国の補助金を財源に含む補助事業は本資金の対象外となり、また毎年度の予算範囲内での実施となるため、実行時期によっては希望に添えない場合もあるとされています。

項目内容
主な支給条件・認定新規就農者であること
・経営改善資金計画の作成と特別融資制度推進会議の認定を受けていること
支給額3,700万円(最大)
※特認の場合1億円
※無利子
※17年以内に返済(うち据置期間5年以内)
主な活用シーン・農業用施設や機械の導入
・加工施設や販売施設の整備
・家畜購入、果樹や茶の新植・改植
・借地料などの一括支払い
問い合わせ先・農林水産省 経営局就農・女性課
 TEL:03-3502-8111(内線5195)
最寄りの日本政策金融公庫支店(農林水産事業)
公式ページ青年等就農資金(新規就農者向けの無利子資金制度)について丨農林水産省
青年等就農資金丨日本政策金融公庫
青年等就農資金の概要

強い農業づくり総合支援交付金

強い農業づくり総合支援交付金は、産地の収益力強化と持続的な発展を支援するための重要な補助金制度です。農業経営者の産地基幹施設の整備や農業の生産効率化を図るための設備投資を支援します。

強い農業づくり総合交付支援金には、さまざまなタイプがあり(例:令和6年度の場合は「先駆的モデル支援タイプ」「農業支援サービス事業支援タイプ」など)があり、活用するときは各タイプの特徴を把握した上での選択が重要です。

項目内容
主な支給条件各タイプによって異なる
支給額各タイプによって異なる
主な活用シーン・産地基幹施設の整備
・農業用機械や設備の導入
・スマート農業の推進
・環境負荷低減の取り組み
・輸出拡大に向けた整備
問い合わせ先各タイプによって異なる
公式ページ強い農業づくりの支援丨農林水産省
※「強い農業づくりの支援に係る関係通知について」に各年度で実施されている制度の詳細や問い合わせ窓口の記載あり
強い農業づくり総合支援交付金の概要

産地生産基盤パワーアップ事業

産地生産基盤パワーアップ事業は、農業の国際競争力強化と産地の収益力向上を目指す総合的な支援制度です。主に、新市場獲得対策、収益性向上対策、生産基盤強化対策の3つの柱で構成されています。

新市場獲得対策では、輸出や加工・業務用需要に対応するため、拠点事業者の育成や連携産地の体制強化を支援。具体的には、貯蔵・加工・物流拠点施設の整備や、園芸作物における新品目・品種の導入、国産農産物のシェア拡大に向けた取り組みなどが対象となります。

収益性向上対策では、産地の収益力強化に向けた計画的な取り組みを支援。高性能な農業機械の導入や集出荷施設の整備、施設園芸における省エネ設備(ヒートポンプ等)の導入などが含まれます。

生産基盤強化対策では、次世代への円滑な経営継承を見据え、農業用ハウスや果樹園・茶園などの生産基盤の再整備・改修を支援。また、持続可能な農業の実現に向けて、堆肥や緑肥を活用した土づくりの取り組みも支援対象となっています。

項目内容
主な支給条件各事業によって異なる
支給額事業費の1/2以内など
※事業内容により異なる
主な活用シーン・農業機械のリース導入・取得
・集出荷施設等の整備
・ヒートポンプなどの省エネ設備導入
・生産資材の導入
問い合わせ先各タイプによって異なる
公式ページ強い農業づくりの支援丨農林水産省
※「強い農業づくりの支援に係る関係通知について」に各年度で実施されている制度の詳細や問い合わせ窓口の記載あり
産地生産基盤パワーアップ事業の概要

農地耕作条件改善事業

農地耕作条件改善事業は、農地中間管理機構による担い手への農地集積を促進するため、地域の多様なニーズに応じた耕作条件の改善を支援する制度です。

本事業は6つの型で構成されています。「地域内農地集積型」では畦畔除去による区画拡大や暗渠(あんきょ)排水などのきめ細かな耕作条件の改善を支援。「高収益作物転換型」では基盤整備と一体的に行う輪作体系の検討や実証展示ほ場の運営などを支援します。

「スマート農業導入推進型」ではGNSS基地局の設置などのスマート農業導入を、「病害虫対策型」では病害虫の発生予防・まん延防止につながる農地の土層改良や排水対策などを支援。「水田貯留機能向上型」では田んぼダムの実施に必要な基盤整備を、「土地利用調整型」では多様で計画的な農地利用のためのゾーニングに必要な交換分合や基盤整備を支援します。

これらの支援により、農地の大区画化・汎用化等の基盤整備を行い、担い手への農地集積を推進するとともに、生産効率を向上させ、高収益作物等の営農定着を図ることができます。

項目内容
主な支給条件・総事業費200万円以上であること
・農業者数が2者以上であること
・使用する型の目標に沿った事業計画を策定すること
支給額事業費の1/2など
※型により異なる
主な活用シーン・畦畔除去による区画拡大
・暗渠排水の整備
・高収益作物への転換
・スマート農業の導入
・病害虫対策
・水田貯留機能向上
問い合わせ先農林水産省 農村振興局整備部農地資源課 担当者:経営体育成事業企画班
TEL:03-3502-8111(内線5613)
公式ページ農地の整備丨農林水産省
農地耕作条件改善事業の概要

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資を行う際に、費用の一部を補助する制度です。対象となるのは、革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセスの省力化・高度化を目指す取り組みです。

本補助金は、大きく分けて「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の3つの枠組みで構成されています。

省力化(オーダーメイド)枠では、デジタル技術を活用した専用設備の導入による生産性向上を支援します。農業であれば、スマート農業を実現する設備投資に活用できるでしょう。AIやIoT、センサーなどを活用した自動給水システムや生育状況管理システムを導入することで、人手不足の解消や労働時間の短縮、収穫量の安定化を図れます。

製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な製品・サービス開発に向けた設備投資を支援します。例えば、高付加価値な加工食品を製造するための設備や、農産物直売所における販売促進のためのシステム導入などが対象となります。

グローバル枠は、海外事業展開やインバウンド対応、海外企業との共同事業など、国際的な競争力強化を目指すための設備投資を支援します。農業であれば、輸出に対応した選果・包装ラインや、海外市場のニーズに合わせた加工施設の整備などが考えられます。

いずれの枠組みにおいても、事業計画期間における給与支給総額の増加や事業場内最低賃金の引き上げといった、従業員の処遇改善を図るための要件が設けられています。大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額の引き上げ措置も用意されています。

項目内容
主な支給条件・中小企業・小規模事業者等であること
・3~5年の事業計画期間において、付加価値額や給与支給総額の増加、事業場内最低賃金の引上げを達成すること
支給額事業費の1/2など
※申請枠により異なる
主な活用シーン・スマート農業を実現する設備投資
・農産物の加工や6次産業化
・輸出向けの農産物生産体制の強化
問い合わせ先ものづくり補助金事務局サポートセンター
TEL:050-3821-7013
公式ページものづくり補助金丨全国中小企業団
ものづくり補助金の概要

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援するための制度です。ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入費用の一部を補助することで、業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進します。

IT導入補助金には、「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の4種類があり、それぞれ異なる目的と要件が設定されています。農業分野では、生産管理システムや在庫管理システム、経理ソフトなどの導入に活用でき、業務の効率化や経営の可視化に役立ちます。

項目内容
主な支給条件・中小企業・小規模事業者等であること
・「SECURITY ACTION」宣言や「みらデジ経営チェック」を実施していること
支給額事業費の1/2など
※申請枠により異なる
主な活用シーン・生産管理システム導入
・在庫管理システム導入
・経理ソフト導入
・販売管理システム導入
問い合わせ先サービス等生産性向上IT導入支援事業コールセンター
TEL:0570-666-376
公式ページIT導入補助金2024丨TOPPAN
※中小企業基盤整備機構および中小企業庁監督
IT導入補助金の概要

農産物等輸出拡大施設整備事業

農産物等輸出拡大施設整備事業は、2030年までに農林水産物・食品の輸出額5兆円という目標達成に向けた支援制度です。国産農産物の輸出拡大に必要な集出荷貯蔵施設や処理加工施設などの産地基幹施設の整備を支援し、「強い農林水産業」の構築を推進することを目的としています。本事業は、海外展開を視野に入れている農業経営者の強い味方となるでしょう。

農産物等輸出拡大施設整備事業を活用するときは、施設整備とあわせて、輸出先の求める品質管理や衛生基準などにも対応しなければいけません。具体的には、GAP認証(GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAPなど)の取得、HACCP等認定の取得などです。

項目内容
主な支給条件・受益農業従事者が5人以上
・成果目標の基準を達成していること
・総事業費5,000万円以上であること
・輸出事業計画を策定していること
・GFPの会員であること
支給額事業費の1/2以内
主な活用シーン・集出荷貯蔵施設の整備
・農産物処理加工施設の整備
・CA貯蔵施設などの導入
問い合わせ先最寄りの地方農政局
公式ページ農産物等輸出拡大施設整備事業丨農林水産省
農産物等輸出拡大施設整備事業の概要

雇用就農資金

雇用就農資金は、農業法人等が49歳以下の就農希望者を新たに雇用し、農業就業や独立就農に必要な研修を実施する場合に交付される支援制度です。主に3つのタイプがあり、「雇用就農者育成・独立支援タイプ」「新法人設立支援タイプ」「次世代経営者育成支援タイプ」に分かれています。

申請には、農業法人等が正社員として期間の定めのない雇用契約を締結することや、労働環境の改善に取り組むことなどが求められます。また、新規雇用就農者は49歳以下で、支援開始時点で正社員として採用されてから4ヶ月以上12ヶ月未満である必要があります。

なお、就農希望者が障がい者や生活困窮者などの場合、年間最大15万円が加算される制度も設けられています。

項目内容
主な支給条件・49歳以下の就農希望者を新規雇用
・正社員としての雇用契約締結していること
・労働環境改善にすでに取り組んでいるor新たに取り組むこと
・研修内容などを「農業をはじめる.JP」に掲載していること
支給額・雇用就農者育成・独立支援タイプ
 年間最大60万円(最長4年間)
・新法人設立支援タイプ
 年間最大120万円(最長4年間)
・次世代経営者育成支援タイプ
 月最大10万円(最長2年間)
主な活用シーン・新規就農者の雇用と育成
・独立就農に向けた研修
・次世代経営者の育成
問い合わせ先・全国農業会議所
 TEL:03-6265-6891
各都道府県農業会議
公式ページ雇用就農資金丨農林水産省
雇用就農資金の概要

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者、短時間労働者などの非正規雇用の労働者のキャリアアップを促すために設けられた助成金制度です。企業がこれらの労働者を正社員化したり、処遇を改善したりする取り組みを実施した場合、その費用の一部を国が助成します。

この助成金は、大きく「正社員化支援」「処遇改善支援」の2つの支援に分かれています。正社員化支援では、非正規雇用労働者を正社員に登用する際に助成が行われます。処遇改善支援では、賃金規定の改定や共通化、賞与・退職金制度の導入、社会保険適用時の処遇改善など、さまざまな取り組みが助成対象となります。

キャリアアップ助成金を活用することで、農業経営者は新規就農者の育成や定着促進が期待できます。後継者や若手従業員への農業技術や技能の継承もスムーズに行えるでしょう。

項目内容
支給条件企業規模、取り組み内容、労働者数など、コースごとに異なる
支給額・正社員化コース
 中小企業:最大80万円/人
 大企業:最大60万円/人
・賃金規定等改定コース
 中小企業:最大6.5万円/人
 大企業:最大4.3万円/人
・賃金規定等共通化コース
 中小企業:60万円/事業所
 大企業:45万円/事業所
・賞与・退職金制度導入コース
 中小企業:最大56.8万円/事業所
 大企業:最大42.6万円/事業所
・社会保険適用時処遇改善コース
 中小企業:最大40万円/人
 大企業:30万円/人
※そのほか、コースによっては加算措置あり
主な活用シーン・新規就農者の育成や定着促進
・後継者や若手従業員への農業技術や技能の継承
・スマート農業化のための設備投資と連動した人材育成
申請先各都道府県労働局またはハローワーク
公式ページキャリアアップ助成金丨厚生労働省
キャリアアップ助成金の概要

雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済的な理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用維持を図るための休業、教育訓練、出向に要した費用の一部を助成する制度です。景気の変動や産業構造の変化など、さまざまな経済上の理由で事業活動が縮小した場合に活用できます。

農業であれば、鳥インフルエンザ発生などによる出荷制限や、異常気象による不作、価格低迷による収入減などで経営が苦しくなった状況において、従業員の雇用維持を実施する際に活用できるでしょう。

項目内容
主な支給条件・雇用保険適用事業主であること
・売上高や生産量などの事業活動指標が一定数減少していること
・雇用量指標の増加制限をクリアしていること
・労使協定に基づく雇用調整の実施していること
支給額・休業・教育訓練
 休業手当・賃金相当額 × 助成率
 中小企業:2/3
 大企業:1/2
・出向
 賃金負担額 × 助成率
 中小企業:2/3
 大企業:1/2
※休業・教育訓練の助成額について、令和6年4月1日以降開始の対象期間は、支給日数と教育訓練実施率により変動、加算あり。上限額あり
主な活用シーン予期せぬ出荷制限や天候不順による不作、農産物価格の低迷で収入減が生じた際の雇用維持
申請先各都道府県労働局またはハローワーク
公式ページ雇用調整助成金丨厚生労働省
雇用調整助成金の概要

農業の補助金・助成金 受給までに必要な基本6ステップ

農業の補助金・助成金を受給するときは、いくつかの手続きが必要です。各補助金・助成金によって異なる部分もありますが、共通の部分も多くあります。それをもとに、受給までの基本的な手順を以下で紹介します。

まずはどの補助金・助成金が適しているのかを選ぶ必要があります。現在抱えている課題や将来の計画を整理し、補助金・助成金を利用する理由や目的を明確にしましょう。その上で、申請資格、申請期限などを始めとする申請要件などの詳細を公式ページで確認します。

なお、時期によっては対象の補助金・助成金の公募が行われていない可能性があります。また、前回まではあった申請枠が今回はなくなっているケースもしばしば見られます。詳細を調べるときは、「◯◯補助金 令和◯年度」などと検索して、最新の情報にあたるようにしましょう。

申請したい補助金・助成金が決まったら、要件を満たしているかを確認します。主な要件としては、事業内容、規模、所在地などが挙げられます。

要件を満たしていることがわかったら、申請に必要な書類をリストアップします。補助金・助成金の種類によって必要な書類は異なりますが、一般的には以下のものが必要になります。

必要な書類補足説明
申請書各補助金・助成金専用の申請書
事業計画書事業の内容、目的、目標、計画などを記載
収支予算書事業にかかる収入と支出を予測
納税証明書納税状況を確認
その他個別で必要となる書類
申請に必要な書類一覧

これらの書類は、事前に準備できるものから着手しましょう。申請書類の中には、作成に時間がかかるものもあります。例えば、事業計画書は、事業の将来像を具体的に示す必要があり、綿密な計画と作成時間が必要です。また、収支予算書も、事業の収益性などを客観的に示す必要があり、正確な数字を把握しておくことが重要です。

加えて、申請書類の提出期限も事前に確認しておきましょう。締め切り間際になると、窓口が混雑したり、不備が見つかった場合の修正時間が不足したりする可能性があります。余裕を持って準備を進めることが大切です。

補助金・助成金の申請書類は、管轄の窓口や郵送、または電子申請システムなどを通じて提出します。提出方法は補助金・助成金の種類によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

補助金・助成金に申請書類を提出すると審査が行われます。審査は大きく分けて以下の3つのステップで進みます。

審査の種類内容
書類審査提出書類の内容が、補助金・助成金の要件を満たしているか、また事業計画が適切かを確認する審査
面接審査申請者と審査員が面談し、事業計画の詳細や熱意、実現可能性などを確認する審査
現地審査実際に事業を行う場所を審査員が訪問し、設備や運営体制などを確認する審査
審査の種類

書類審査では、提出した申請書類の内容に基づき、事業計画の実現可能性や妥当性、補助金・助成金の目的に合致しているかなどが審査されます。

面接審査が必要な補助金・助成金の場合は、申請者と審査員が面談し、事業計画の詳細や申請者の熱意、事業の実現可能性などを審査されます。面接審査では、事業計画についてしっかりと説明できるよう、事前に準備しておくことが重要です。また、質問にも的確に答えられるように、想定される質問と回答をまとめておきましょう。

現地審査が必要な補助金・助成金の場合は、審査員が実際に事業を行う場所を訪問し、申請内容と相違がないか、設備や運営体制が整っているかなどを確認します。現地審査でも、面接審査同様、審査員からの質問に適切に回答できるように事前に準備しておくことが大切です。

これらの審査ステップは、補助金・助成金の種類によって異なる場合や、追加の審査が行われる場合もあります。

補助金や助成金の交付決定通知を受け取ったら、いよいよ事業開始です。交付決定通知には、補助事業(助成事業)の内容や実施機関、支給金額、各種条件などが記載されています。これらの内容をよく確認し、事業計画に基づいて着実に事業を進めていきましょう。

事業開始にあたっては、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  1. 事業計画の遵守
    事前に策定した事業計画を遵守することが重要です。計画に変更が生じる場合は、速やかに交付機関に連絡し、変更承認申請の手続きを行う必要があります。無断で計画を変更すると、補助金の返還を求められる場合があります。
  2. 適切な経費管理
    補助金や助成金は、事業実施において生じた経費に対して支払われます。領収書などの証拠書類を適切に保管しましょう。
  3. 事業の進捗管理
    事業の進捗状況を定期的に確認し、計画通りに進んでいるかを確認しましょう。進捗が遅れている場合は、その原因を分析し、改善策を講じる必要があります。必要に応じて、交付機関に相談し、アドバイスを受けることも有効です。

これらのポイントを踏まえながら、事業を着実に進めていきましょう。

補助金・助成金の申請が採択され、事業が完了したら、速やかに実績報告書を提出する必要があります。実績報告書は、交付決定時に指定された期日までに提出するようにしましょう。

実績報告とは、補助事業で実際に行った内容や経費の使途などを報告することです。実績報告の内容に基づいて、補助金の額が確定します。

実績報告に必要な書類は補助金・助成金の種類によって異なりますが、一般的には以下の書類が必要になります。

書類名内容
実績報告書事業の実施状況、成果、経費の使途などを記載した報告書
収支決算書事業に係る収入と支出を記載した決算書
領収書の写し事業に係る経費の支出を証明する領収書
写真など事業の実施状況を証明する写真など
実績報告に必要な書類一覧

実績報告が承認されると、補助金・助成金が交付されます。交付された補助金・助成金は、事業の目的に沿って適切に使用しましょう。補助金・助成金は返済不要の資金ですが、不正受給が発覚した場合には、返還を求められるだけでなく、罰則が科される場合もあります。

農業の補助金・助成金の採択率を高めるコツ

農業の補助金・助成金を活用することは、農業経営の安定や発展に大きく貢献します。しかし、申請は複雑で、採択されるにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

採択率を高めるには、まず申請要件を徹底的に理解することが重要です。申請資格などに加えて、当該の補助金・助成金が目的としているところ(申請者に何を求めているのか)をしっかりと把握し、自身の目的と合致するか確認するようにしましょう。

また、事業者向けの補助金・助成金の場合は、事業計画書の作成が求められます。事業計画書の内容をもとに、事業の将来性や実現可能性、地域への貢献度などが評価され、採択するか否かが決まるため、計画書は論理的にわかりやすく、説得力のある内容でなければなりません。

具体的には、以下の点に注意して作成しましょう。

項目内容
背景なぜこの事業が必要なのか、現状の問題点や課題を明確にする
目的事業を通して何を達成したいのか、具体的な目標を設定する
内容どのような事業を行うのか、具体的な内容を説明する
方法どのように事業を進めるのか、具体的な手順やスケジュールを示す
効果事業によってどのような効果が期待できるのか、定量的な指標を用いて説明する
資金計画事業に必要な資金はどのくらいか、自己資金と補助金の割合を明確にする
事業計画書を作成するときの主なポイント

これらのポイントを踏まえ、事業者の思いを込めたオリジナルな事業計画書を作成することが、採択率を高める鍵となります。

さらに、事業者の場合は、専門家による支援サービスの活用も有効です。特に中小企業診断士は、補助金申請に関する豊富な知識と経験を持っています。中小企業診断士に相談することで、申請書類の作成支援や事業計画のブラッシュアップ、面接対策など、多岐にわたるサポートを受けられるでしょう。

農業の補助金・助成金申請でお悩みでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

補助金・助成金申請は、時間と労力を要する作業です。しかし、採択されれば大きな助けとなります。この記事で紹介したコツを参考に、積極的に補助金・助成金を活用していただけたら幸いです。

弊社・中小企業経営支援事務所では、補助金・助成金申請に悩む事業者に対して、さまざまなサポートを行っています。申請書類の準備だけでなく、採択につながりやすい事業計画書を作るためのアドバイスまで行い、これまで多くの事業者の採択を実現してきました。

農業の補助金・助成金の申請にお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。ご相談者様の場合はどのような補助金・助成金であれば採択につながりやすいのかなども含めて、懇切丁寧に説明いたします。初回相談は無料です。

【最新版】設備投資緊急支援事業とは?概要や申請方法、採択率を上げるコツを徹底解説

設備投資緊急支援事業の概要

働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制が強化され、2024年(令和6年)4月からは運輸・物流業や建設業などにも適用されることになりました。この規制強化は、長時間労働の是正を目的としていますが、企業にとっては人手不足の深刻化や売上の減少など、いわゆる「2024年問題」と呼ばれる課題への対応が迫られることになります。

このような背景から、東京都および東京都中小企業振興公社では、「2024年問題」への対策として、中小企業の生産性向上や競争力強化を目的とした「設備投資緊急支援事業」を実施しています。

この記事では、公社が公開している設備投資緊急支援事業の専用ページ第2回募集要項をもとに、「設備投資緊急支援事業」の概要や申請方法、採択率を上げるためのコツなどを詳しく解説します。「2024年問題」への対策として設備投資を検討されている事業者の方は、ぜひ参考にいただけると幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。設備投資緊急支援事業の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

設備投資緊急支援事業とは

設備投資緊急支援事業とは、東京都内で運送や物流、建設業などを営む中小企業者等を対象に、「2024年問題」対策として導入する機械設備費用の一部を助成する制度です。

「2024年問題」とは、働き方改革関連法の時間外労働の上限規制が、2024年(令和6年)4月から運送・物流、建設業などにも適用されることで、人手不足の深刻化や売上の減少などが懸念される問題を指します。

本事業では、機械設備の導入費用の一部を東京都が負担することで、都内中小企業の「2024年問題」対策を後押しし、生産性の向上や競争力の強化を支援します。

具体的には、以下の事業・業務を営む中小企業が対象です。

  • 工作物の建設の事業
  • 自動車運転の業務
  • 医業に従事する医師

これらの事業者は、時間外労働の上限規制によって、業務効率化や従業員の負担軽減が急務となっています。設備投資緊急支援事業は、最新の機械設備導入を促進してこれらの課題解決を支援し、ひいては都内経済の活性化に貢献することを目指しています。

項目内容
助成対象者東京都内で運送や物流、建設業などを営む中小企業者等
助成対象事業2024年問題対応に必要な機械設備を新たに導入する事業
助成対象期間交付決定日の翌月1日から1年6ヶ月間
助成対象経費機械装置、器具備品、ソフトウェアの導入費用
助成率4/5以内
助成限度額下限100万円 上限1億円
設備投資緊急支援事業の概要

設備投資緊急支援事業の申請要件

設備投資緊急支援事業の申請には、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

本事業の申請資格を得るには、2024年4月からの時間外労働の上限規制の対象となる事業・業務に従事していることが必須条件です。

具体的には、以下の表に示す3つの事業・業務のうち、いずれか一つ以上に該当している必要があります。

事業・業務具体的な内容例
工作物の建設の事業建築、土木、設備工事など
自動車運転の業務トラック、バス、タクシーなどの四輪以上の自動車運転業務
医業に従事する医師病院、診療所などで診療に従事する医師(個人開業医かつ本人以外に医師を雇用している場合のみ)
設備投資緊急支援事業の対象事業・業務

加えて、働き方改革関連法の時間外労働の上限規制適用猶予期間(令和2年4月~令和6年3月)中に該当業務に従事する従業員を雇用し、その期間の36協定届を提出できることが条件となります。

設備投資緊急支援事業の申請には、中小企業者または中小企業団体等のいずれかに該当することが条件です。

なお、下記基準に該当するかの判断が難しい場合は、募集要項のP.42「業種(大分類)と日本標準産業分類について」およびP.43「日本標準産業分類及び中小企業者の範囲」を参照するとよいでしょう。

中小企業者

中小企業者とは、中小企業基本法第2条第1項に規定されている資本金または従業員数の基準を満たし、大企業(中小企業投資育成株式会社や投資事業有限責任組合は除く)が実質的に経営に参画していない会社や個人事業者を指します。

業種資本金常用従業員数
製造業・建設業・運輸業・その他の業種
(ソフトウェア業・情報処理サービス業含む)
3億円以下300人以下
ゴム製品製造業の一部3億円以下900人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
小売業(飲食業を含む)5,000万円以下50人以下
中小企業者の要件

大企業が実質的に経営に参画していないとは、主に以下のようなことを指します。

  • 大企業が単独で発行済株式総数または出資総額の1/2以上を所有、または出資していないとき
  • 大企業が複数で発行済株式総数または出資総額の2/3以上を所有、または出資していないとき
  • 役員総数の1/2以上を大企業の役員または社員が兼務する形になっていないとき
  • そのほか、大企業が実質的に経営を支配・参画していると考えられないとき

中小企業団体等

中小企業団体等とは、中小企業等協同組合法に基づく組合や、中小企業団体の組織に関する法律に基づく中小企業団体で、構成員の半数以上が都内に主たる事業所を有する中小企業である場合が該当します。

本事業に申請するには、ほかにも以下のような条件があります。

要件内容
都内での事業活動の実態基準日(※)現在で東京都内に本店または支店があり、2年以上事業を継続していること。都外に機械設備を設置する場合は、都内に本店があること
納税状況法人事業税、法人都民税、都および公社に対する賃料などの滞納がないこと
過去の採択状況過去に本助成事業の採択を受けていないこと(申請の取り下げや中止は除く)
申請回数同一回において初めての申請であること(申請は同一回につき1企業1申請に限る)
重複助成の禁止同一設備で他の助成事業を受けていないこと
過去の助成事業における実績過去5年間に、都道府県や区市町村などが実施する助成事業で不正がなく、報告書を期日までに提出していること
事業の継続性会社更生法や民事再生法の申立・手続中ではなく、事業の継続に問題がないこと
法令遵守助成事業の実施に必要な許認可を取得しており、関係法令も遵守していること
反社会的勢力との関係申請者、設備購入先などが暴力団関係者ではなく、風俗営業など社会通念上不適切な業態も営んでいないこと
申請書類必要な書類をすべて提出できること
募集要項が示すそのほかの申請資格要件 (※)基準日は募集時期によって変わる

設備投資緊急支援事業の助成対象事業

設備投資緊急支援事業では、運送・物流、建設業およびその他業種において、働き方改革関連法の時間外労働の上限規制による人材不足などに対策するために、新たに機械設備を導入する事業が助成対象となります。

機械設備であれば、人材不足を解消するための自動化設備や省力化設備、工期短縮を実現する業務効率化設備の導入などが挙げられます。

重要なポイントは、導入する設備が2024年問題への対策として直接的に貢献するものでなければならない点です。

以下のような事業は助成の対象外となるため注意しましょう。

  1. 事業計画を伴わず、老朽化した設備を新しい設備に買い替えるだけの事業
  2. 研究開発を目的とし、量産・販売の目途が立っていない事業
  3. 自社工場などに自家発電設備を設置するだけの事業
  4. 助成事業完了後、導入した設備を一定期間継続して使用することが見込めない事業
  5. 運転資金など、設備投資以外の経費への助成を目的としている事業
  6. 申請者以外が事業計画の遂行や設備投資に関与している事業
  7. 助成事業者以外が助成対象設備を使用する事業
  8. 公序良俗に反する事業や公社が適切でないと判断する事業

設備投資緊急支援事業の助成対象経費

設備投資緊急支援事業の対象となる経費は、「2024年問題」対策として導入する機械装置・器具備品・ソフトウェアの新たな導入、搬入・据付などに要する費用です。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

助成対象経費の条件内容
事業への必要性生産やサービス提供に直接使用する設備やソフトウェアなど、事業目的達成に不可欠な経費であること
見積書の取得同一機種は、同一メーカー・同一型番で2社以上の見積書を取得し、安価な方を選定すること。入手できない場合は、「見積限定理由書」の提出が必要
助成対象期間内の支払い完了交付決定日の翌月1日から4年6ヶ月までに契約・納品・支払いを完了すること。分割払いも、期間内の完了が必須
使途の明確性カタログや仕様書、図面等で設備内容が確認できるもの、見積書にメーカー・型番・内訳が記載されているもの、契約書や振込控などの帳票類がそろっているものなど、経費の使途が明確に確認できるものであること
所有権の帰属リースやレンタルではなく、購入し、所有権が事業者に移転するものであること
設備投資緊急支援事業の助成対象経費の条件

また、1基あたりの下限額が50万円(税抜)以上である必要があります。1基とは、原則として法人税法上の減価償却単位を指し、機械装置であれば1台、器具備品であれば1個、1組、1揃いなどが該当します。ソフトウェアの場合は、1基あたりの下限額の条件に加えて、助成金交付申請額の範囲が300万円以上1,000万円以下と決められています。

なお、搬入・据付などに要する経費は、機械設備本体の購入先が行っていて、かつ機械設備の設置と一体で捉えられる軽微なものに限り対象です。

一方で、以下のような経費は、本事業の主旨から外れることから助成対象外となります。

  1. 申請内容と異なる機械設備や、デモンストレーション用の設備
  2. 既存設備の改良・修繕・撤去など、および中古品
  3. 不動産・構築物・車両・船舶・航空機など
  4. 事業計画に不必要な工具・消耗品など
  5. 資本関係のある会社などとの取引
  6. 消費税・関税・手数料・旅費などの間接経費
  7. 資料収集・調査・会議など事務経費や、内容が不明瞭な経費
  8. 設置場所の整備工事や、ソフトウェア設置後の保守費用など
  9. 目的外使用が可能な汎用的なパソコン・サーバーなど
  10. 市場価格や事業内容に対して高額な経費
  11. 所有権が移転しないリース・レンタルなど
  12. 通常業務と混合した経費や、他の取引と相殺した経費
  13. 現金・手形・クレジットカードなどによる支払い
  14. 実質的な支払金額が見積書と異なる取引
  15. 公的資金の用途として不適切な経費

上記以外にも助成対象外となる場合があります。

なお、助成事業にかかる経費の支払いは、金融機関・郵便局からの振込払い、送金口座は普通預金または当座預金のみと限定されています。

設備投資緊急支援事業の助成限度額

設備投資緊急支援事業の助成限度額は1億円です。助成下限額は100万円と定められています。

設備投資緊急支援事業の助成率

設備投資緊急支援事業の助成率は、助成対象と認められる経費の4/5以内です。1,000円未満は切り捨てとなります。

設備投資緊急支援事業の助成対象期間

設備投資緊急支援事業の助成対象期間は、交付決定日(採択者から交付決定通知書が交付された日)の翌月1日から1年6ヶ月間です。この期間内に、契約・納品・支払いを完了させなければいけません。

第2回募集の助成対象期間は、令和7年4月1日から最長令和8年9月30日です。

設備投資緊急支援事業の流れ

設備投資緊急支援事業の申請から交付後までの大まかな流れについて紹介します。

  1. 公募情報の確認
    公社が公開している設備投資緊急支援事業の専用ページで、最新の募集要項、申請書類を入手し、内容を確認申請要件や事業内容に関する疑問点は、公社や補助金・助成金の申請支援を行う専門家に事前相談をする
  2. ネットクラブ会員サービスへの登録
    本事業への申請予約に必要な「ネットクラブ会員サービス」会員登録を専用フォームから行う
  3. 申請予約
    公社が公開している設備投資緊急支援事業の専用ページにアクセスし、期限内に申請予約する
  4. 申請書類の提出
    デジタル庁の電子システム「jGrants(Jグランツ)」を使って申請書類を公社に提出(電子申請マニュアル)。jGrantsを利用するには「GビズIDプライムアカウント」が必要なので前もって作成する。
  5. 申請書類の準備
    申請に必要な書類を収集して正確に記入
  6. 公社が審査を実施
    公社が提出した申請書類に基づき、事業内容の実現可能性や妥当性などがあるか一次審査を行い、その後、面接審査や価格審査などの二次審査を実施する。審査では場合によって現地調査も行う
  7. 交付決定
    公社が、一次審査・二次審査の結果にもとづき、総合審査会で助成対象事業者を決定する。助成金事業者として採択された場合、企業名や所在地、テーマ名、成果などについて公社のホームページで公表される
  8. 事業の実施
    交付決定の内容に基づき事業を実施
  9. 完了報告書の提出
    助成対象期間内に事業が完了したら、事業実績や経費の執行状況などを記載した完了報告書を公社に提出
  10. 公社が完了検査を実施
    公社が完了検査を行い、事業内容や経費の執行状況などを確認する
  11. 助成金の交付
    完了検査後、助成金の額が確定し、事業者に交付される(完了検査から助成金交付までは約2ヶ月)
  12. 事業化状況報告書の提出
    事業完了後、翌年度以降5年間にわたり、事業の進捗状況などを記載した事業化状況報告書を公社に提出

設備投資緊急支援事業は、申請から助成金の交付まで、概ね上記のような流れで進みます。それぞれの段階で必要な手続きや提出書類が異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

企画管理部 設備支援課
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局 秋葉原庁舎
TEL:03-3251-7884
設備投資緊急支援事業の申請・問い合わせ先

設備投資緊急支援事業の第2回募集は、以下のスケジュールで実施されます。

項目時期
申請予約令和6年10月23日(水)9時~11月6日(水)17時
申請書類提出令和6年11月1日(金)9時~11月15日(金)17時
一次審査11月中旬~1月中旬
一次審査結果通知1月下旬
二次審査2月中旬~3月上旬
助成対象事業者決定3月中旬
事務手続き説明会3月下旬
助成事業開始令和7年4月1日~(最長令和8年9月30日まで)
設備投資緊急支援事業の第2回募集のスケジュール

上記は2024年10月7日現時点でのスケジュールであり、今後変更となる可能性があります。申請前に今一度公社のホームページなどで最新情報を確認することをおすすめします。

設備投資緊急支援事業の必要書類

設備投資緊急支援事業においては、さまざまな書類の提出が求められます。申請時・助成事業完了時・交付後の3つのタイミングに分けて紹介します。

申請書一式、完了報告書、事業化状況報告書については、設備投資緊急支援事業の専用ページからダウンロードすることが可能です。完了報告書、事業化状況報告書は、時期によってまだ公開されていない場合があります。

なお、提出書類は返却されないため、すべて原本の控えを取っておきましょう。日本語以外の場合は日本語訳の資料も添付する必要があります。

申請時の必要書類詳細備考
申請書一式(1部)・Excel形式とWord形式の両方の提出が必要
・Word形式はWord形式のまま、Excel形式はExcel形式のまま編集し、同じ形式提出する
・Excel形式の書類には外部参照リンクを含まないようにする
確定申告書(直近3期分の確定申告書の写し)【法人】
①税務署の受付印または電子申告の受信通知(メール詳細)
②別表1~16
③貸借対照表
④損益計算書
⑤販売費及び一般管理費明細表
⑥製造原価報告書(未作成の場合、省略可)
⑦株主資本等変動計算書
⑧勘定科目内訳明細書
⑨法人事業概況説明書(両面)

【個人】
①税務署の受付印または電子申告の受信通知(メール詳細)
②第一表~第五表(申告時に提出したもののみ)
③青色申告決算書(貸借対照表を作成している場合、それを含む)
各期ごとに書類を1つのPDFにまとめる
履歴事項全部証明書(1部)【法人】
発行後3ヶ月以内の履歴事項全部証明書

【個人】
開業届
・PDF形式での提出を推奨
・個人事業主は、開業届にマイナンバーが記載されている場合、該当箇所を削除の上、提出する
納税証明書(直近2期分)【法人】
法人事業税・法人都民税の納税証明書

【個人】
納税証明書(個人事業税の納税証明書および代表者の住民税納税証明書、もしくは代表者の直近の所得税納税証明書および代表者の住民税納税証明書)
PDF形式での提出を推奨
積算根拠書類(機種ごとに各1部)①導入機械設備1機種につき2社の見積書
②見積限定理由書
③機械設備の最新カタログ
④見積書採用予定の会社の会社案内
・①③④はPDF形式での提出を推奨、②はWord形式での提出を推奨
・見積限定理由書は相見積もりを入手できない場合のみ
・機械設備のカタログがない場合は、具体的な設計図面や仕様書など機械設備の詳細がわかるもの
機械設備設置場所関連書類(設置場所ごとに各1部)①機械設備を設置する建物の外観写真、および設置場所の写真
②機械設備設置場所の平面図や、それを明示した配置図
PDF形式での提出を推奨
会社関連書類(各1部)①会社案内
②法令上必要な事業許可書、工場設置認可書またはその写し
PDF形式での提出を推奨
休日労働・時間外労働に関する協定届(36協定届)(各1部)休日労働・時間外労働に関する協定届の控え
旧様式の様式第9号の4(労働基準監督署の受理印があるもの)
・PDF形式での提出を推奨
・様式は厚生労働省の「時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)」ページよりダウンロード可
設備投資緊急支援事業に申請するときの必要書類一覧

助成事業が完了したら、速やかに完了報告書を提出する必要があります。完了報告書とは、事業の実施状況や経費の執行状況を報告する書類です。

あわせて、経理関係の書類も必要となります。例えば、見積書、契約書、仕様書、導入機械設備の写真、機械設備メーカー発行の保証書などが挙げられます。

事業者は助成金を受け取ったあと、事業化状況報告書を事業完了年度の翌年度から5年間、毎年提出しなければいけません。事業化状況報告書とは、事業の成果や設備の活用状況に関して公社に報告する書類です。

設備投資緊急支援事業の交付決定の取り消しについて

設備投資緊急支援事業の交付決定は、虚偽の申請や要件違反など、不正が認められた場合、取り消されることがあります。

交付決定の取消事由としては、申請内容と異なる設備を導入した場合や、不正な手段で助成金を受け取った場合、助成金を他の用途に使用した場合、申請後に申請資格を満たさなくなった場合などが挙げられます。また、暴力団関係者との関与や、風俗営業等の公序良俗に反する事業への関与が判明した場合も、交付決定が取り消されます。

助成金の交付決定が取り消された際に、すでに助成金が交付されている場合は返還を求められ、違約金が加算される場合もあります。また、不正の程度によっては、刑事罰が適用される可能性もあります。

設備投資緊急支援事業の交付決定を受けた後も、以下の点に注意する必要があります。

本事業の交付決定後、事業の実施状況や助成金の収支、帳簿書類、取得した機械設備などに関して、公社の職員による調査や報告を求められることがあります。

本事業の交付が決定して助成金を受けた場合、前述したように事業完了年度の翌年度から5年間、事業化状況報告書を毎年提出する義務があります。それとあわせて、助成事業によって相当の収益を得た場合は、収益の一部を納付する義務が生じます。納付額は助成金額を上限とし、所定の計算式に基づいて算出されます。

本事業の交付が決定した事業者は、助成事業に関する関係書類や帳簿類を、事業完了年度の翌年度から起算して10年を経過する日、または法定耐用年数を経過する日のいずれか早い日まで保存しなければいけません。

助成事業で購入した機械設備は、処分制限期間中は適切に管理し、保存する必要があります。処分制限期間内に目的外使用、譲渡、交換、貸付、担保提供、廃棄、移設などを行う場合は、事前に公社の承認を得る必要があります。また、財産を処分した場合は、残存簿価相当額をもとに算定した金額を公社に納付することが求められます。

本事業の交付が決定した場合、助成を受けた事業者の企業名、所在地、テーマ名、事業内容などが、公社のホームページなどで公表される場合があります。

設備投資緊急支援事業の採択率を上げるコツ

設備投資緊急支援事業に申請するのであれば、審査員の心を掴み、採択につなげたいものです。採択率を上げるには以下のポイントをおさえておきましょう。

設備投資緊急支援事業の採択率を上げるためには、審査の視点を意識した事業計画を策定することが重要です。公社が掲げる審査は4つあり、それぞれ以下のような視点で実施されます。

資格審査(一次審査)

資格審査は、設備投資緊急支援事業の申請資格を満たしているかを確認する一次審査です。「中小企業の定義に合致しているか」「時間外労働の上限規制の対象となる事業・業務を営んでいるか」「東京都内に事業所があり、2年以上事業を継続しているか」などがチェックされます。

これらの要件を満たしていない場合は、申請資格がないと判断され、その後の審査に進めません。募集要項をよく確認し、必要書類を漏れなく提出することが重要です。

経理審査(一次審査)

経理審査では、企業の財務状況を分析し、健全な経営状態であるか、助成事業を適切に遂行できる財務基盤があるかを審査します。具体的には、提出された確定申告などの財務諸表に基づき、安全性、収益性、成長性といった観点から評価が行われます。

例えば、倒産リスクはないか、適切な利益が出ているか、売上高や利益は継続的に伸びているかなどがチェックされます。財務状況に問題があると判断された場合、助成対象事業の実施が困難とみなされ、採択されない可能性があります。

事業計画審査(一次審査・二次審査)

設備投資緊急支援事業の事業計画審査は、一次審査と二次審査の両方で行われ、事業計画の内容を多角的に評価します。主な審査の視点は以下の表の通りです。

審査の視点内容
目的との適合性2024年問題対策として妥当か
優秀性技術や市場での優位性があるか
実現性計画の遂行能力や資金調達の見込みがあるか
成長・発展性将来的な事業拡大が期待できるか
計画の妥当性導入設備の必要性や規模が適切か
事業計画審査の視点

そのため、以下のポイントをおさえながら事業計画書を作成することが重要となります。

  1. 2024年問題との関連性を明確に説明する
  2. 自社の強みや独自性を具体的に示す
  3. 数値目標を含めた実現可能な計画を立てる
  4. 導入設備の詳細とその効果を具体的に記述する
  5. 事業の将来性や社会的意義についても言及する

これらの点に留意し、論理的かつ具体的な事業計画を作成することが、採択率を高める近道です。また、審査員が理解しやすいよう、図表やデータを効果的に活用することも大切です。

価格審査(二次審査)

価格審査は、設備投資緊急支援事業の二次審査で行われる項目の一つです。この審査では、申請する機械設備などの価格が、一般的な市場価格と比較して著しく高額になっていないかを確認します。

審査では、提出された見積書やカタログ、市場調査データなどを参考に、妥当な価格設定が行われているかを判断します。高額な設備や、市場価格との乖離が大きい場合は、採択率が下がる可能性があります。

設備投資緊急支援事業に限らず、補助金・助成金の審査では、事業者の熱意や事業内容の新規性・独創性も重要な要素となります。単に募集要項を満たすだけでなく、これらの要素を加えることで審査員の目にとまりやすくなるからです。

例えば、「なぜこの事業に取り組むのか」「なぜこの設備が必要なのか」「この設備導入によって地域社会にどう貢献できるのか」などについて、事業者の想いやビジョン、事業の独自性を具体的に示すことで、審査員に強い印象を与えることができます。

以下は、事業計画書に事業者の思いやオリジナリティを盛り込む具体的な方法の例です。

項目内容具体例
事業の背景や動機なぜその事業に取り組むことになったのか、きっかけや背景、これまでの経験などを具体的に記述する・長年、地域物流を支えてきたが、2024年問題による人手不足の深刻化を課題に感じ、省人化・自動化を実現する事業に取り組むことを決意した
・従業員の高齢化が進み、技術継承が課題となる中、2024年問題も重なり、若手人材の確保と育成、労働環境改善のためにも、最新鋭の設備投資が必要不可欠だと感じている
事業の独自性や差別化他の事業と比べて、どのような独自性や差別化ポイントがあるのか、具体的な事例を交えて説明する・長年培ってきたノウハウとAI技術を融合させ、地域特性に最適化された独自の配送ルートを開発し、他社にはない効率的な物流サービスを提供する
・単なる運送業ではなく、顧客のニーズに合わせた保管・梱包・ラベル貼りなどの付帯サービスを充実させることで、顧客満足度を高め、差別化を図る
地域貢献事業を通じて、地域社会にどのように貢献できるのか、具体的な目標値などを設定して説明する・新規雇用を創出し、若者や女性の雇用機会の拡大に貢献する(目標値:3年間で10名の新規雇用)
・地域の運送事業者と連携し、共同輸送体制を構築することで、物流の効率化と地域経済の活性化に貢献する
将来展望事業を通じて、将来的にどのような企業を目指していくのか、具体的なビジョンを明確に示す・10年後には、地域物流のリーディングカンパニーとして、地域社会の発展に貢献する企業を目指す
・事業を通じて得られたノウハウを活かし、他の事業者へのコンサルティング事業も展開し、業界全体の底上げを図りたい
熱意や意気込み事業に対する熱い想いや意気込みを、具体的なエピソードなどを交えて訴求する・従業員一丸となって、新技術の習得や業務プロセス改善に取り組んでおり、働き方改革にも積極的に取り組んでいる
・地域住民や行政とも積極的に連携し、2024年問題の解決に貢献できるよう、誠心誠意努力していく所存だ
事業者の思いやオリジナリティを盛り込む具体的な方法の例

これらの要素を盛り込むことで、事業計画書はより魅力のあるものとなり、審査員の評価にもつながりやすくなるでしょう。

採択率を高めたいときは、補助金・助成金の申請支援を行う専門家に相談するのもポイントです。専門家へ相談すると、事業計画の策定や申請書類の準備などをする時間も削減できるため、特に初めて助成金事業を利用する事業者におすすめです。

専門家を探すときは、その専門家が信頼できるかどうかが重要です。以下のポイントを参考にしながら良きパートナーを探してみてください。

  • 補助金・助成金の申請支援実績は豊富か
  • 業種や事業内容に精通しているか
  • 相談しやすい雰囲気を持っているか
  • 費用体系は明確か

なお、専門家には税理士や行政書士などがいますが、できれば中小企業診断士に依頼することをおすすめします。中小企業診断士は経営全般の豊富な知識から、事業の特徴や魅力を的確に見抜き、それを事業計画という具体的な形にできる専門家です。

上記のポイントをクリアした相性の良い中小企業診断士を見つけられると、採択率もぐっと上がるでしょう。

設備投資緊急支援事業と他の事業の違いと併願に関する注意点

公社には、設備投資緊急支援事業と似た助成金制度があります。それが「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」と「デジタルツール導入促進緊急支援事業」の2つです。

それぞれ以下のような違いがあります。

事業名概要対象業種助成対象経費
設備投資緊急支援事業「2024年問題」に対応するための機械設備の導入経費を一部助成運輸・物流、建設業など機械装置、器具備品、ソフトウェアの導入費用
躍進的な事業推進のための設備投資支援事業業種を問わず、経営課題解決や成長戦略の実現に資する機械設備の導入経費を一部助成業種不問機械装置、器具備品、ソフトウェアの導入費用
デジタルツール導入促進緊急支援事業「2024年問題」に対応するためのデジタルツールの導入経費を一部助成建設業、運輸業デジタルツールの購入費用や初期設定・カスタマイズなどにかかる費用
「設備投資緊急支援事業」「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」「デジタルツール導入促進緊急支援事業」の違い

公社が実施している助成金制度は、基本的に併願申請ができません。そのため、どの助成金制度が自社に一番適しているか、よく見極めることが重要です。

例外的に、設備投資緊急支援事業と躍進的な事業推進のための設備投資支援事業については併願申請できますが、その際も各助成金制度の要件を満たしている必要があることに加え、助成対象期間や助成対象経費が重複しないように注意する必要があります。

設備投資緊急支援事業の申請チェックリスト

内容チェック
申請資格
令和6年4月から規制対象になる事業・業務を営んでいるか
時間外労働の上限規制の適用猶予期間に対象事業・業務を主として従事する従業員を雇用しているか
中小企業者または中小企業団体等であるか
時間外労働の上限規制の適用猶予期間に36協定届を提出できるか
基準日現在で、東京都内に登記簿上の本店または支店があるか
基準日現在で、都内事業所における常用の事業活動拠点としての事業継続が2年以上であるか
東京都に納税し、かつ税金などの滞納がないか
そのほか募集要項に記載されている要件を満たしているか
事業内容
働き方改革関連法の時間外労働の上限規制による人材不足などの対策に必要となる設備投資であるか
導入する設備が2024年問題への対策として直接的に貢献するものであるか
単なる機械設備の更新や、生産性向上に寄与しないものではないか
そのほか募集要項に記載されている事業要件を満たしているか
助成対象経費
助成対象期間内に契約、納品、支払いが完了する経費であるか
助成事業者が生産や役務の提供のために直接使用するものであるか
助成事業を遂行するために必要かつ必要最小限の経費であるか
消費税などの間接経費を除いているか
そのほか募集要項に記載されている対象経費の要件を満たしているか
必要書類
申請書一式(Excel形式とWord形式)は作成したか
直近3期分の確定申告書は用意したか
履歴事項全部証明書は用意したか
納税証明書は用意したか
積算根拠書類(見積書、カタログ、会社案内など)は用意したか
機械設備設置場所関連書類は用意したか
会社関連書類は用意したか
休日労働・時間外労働に関する協定届(36協定届)は用意したか
そのほか募集要項に記載されている必要書類は用意したか
その他
募集要項の内容をすべて確認したか
申請予約はしたか
電子申請システム「JGrants」のアカウントを取得したか
設備投資緊急支援事業の申請チェックリスト

設備投資緊急支援事業についてお困りでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

設備投資緊急支援事業の申請は、複雑な手続きを伴います。判断に迷うまま進めると、申請期限に間に合わない、時間をかけて書類を作成したのに採択されない、などの可能性を高めてしまうでしょう。もし少しでも不安があれば、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

当社・株式会社中小企業経営支援事務所は、数多くの企業の補助金・助成金申請を支援してきた実績を持つ申請のエキスパートです。中小企業診断士と補助金・助成金申請のエキスパートである当社は、これまで多くの事業者の悩みに寄り添ってきました。

設備投資緊急支援事業の申請でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。事業計画書を作成から申請、その後の手続きまで、手厚くサポートいたします。

動画でもわかりやすく解説をしておりますので、あわせてご覧をいただければ幸いです。

株式会社中小企業経営支援事務所

〒162-0802

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