【2025年3月更新】中小企業成長加速化補助金とは?基本要件や対象経費を公募要領をもとに解説

物価高やエネルギー高、人手不足など、中小企業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中で、政府は中小企業の持続的な成長を促進するため、さまざまな支援策を打ち出しています。
その中でも2025年に新設される「中小企業成長加速化補助金」は、特に成長志向の高い中小企業に焦点を当てた新たな補助金です。この補助金は、売上高100億円を目指す企業の設備投資や賃上げなどを支援することにより、企業の成長を加速させ、ひいては日本経済全体の活性化を図ることを目的としています。
この記事では、中小企業成長加速化補助金の概要や申請方法、採択されるためのポイントなどを、2025年3月に公開された第1回公募要領をもとに詳しく解説していきます。
※本補助金の公募要領は下記ページからダウンロードできます。
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDKBeMAP
当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、各補助金のトータルサポートを行っています。本補助金の内容や投資計画の策定に不安や疑問があれば、ぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。策定のポイントから制度活用のコツまで、懇切丁寧に解説いたします。

もくじ
中小企業成長加速化補助金とは
中小企業成長加速化補助金とは、売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業に対して、最大5億円の大規模な設備投資支援を行う補助金制度です。
本補助金は中小企業全体の稼ぐ力2024年12月公表の「令和6年度補正・令和7年度当初予算案」に盛り込まれた中小企業生産性革命推進事業(3,400億円規模)のひとつとして2025年から実施されます。
地域経済に与えるインパクトが大きい売上高100億円の企業を創出し、日本経済の好循環を生み出すことが目的です。
本補助金の活用イメージとしては、「工場・物流拠点の新設・増築」「イノベーション創出のための設備導入」「自動化による革新的な生産性向上」などが挙げられています。
中小企業成長加速化補助金の役割
中小企業成長加速化補助金の役割について、本補助金と同様に大きな補助金額が狙えて補助対象経費に建物費が含まれる「中小企業新事業進出補助金」と比較しながら紹介します(当社独自の見解です)。
下記は、補助金別に、対象となる企業の売上高をまとめたグラフです。

大規模成長投資補助金における採択者の売上高の中央値は、おおよそ100億円です。この数値は、事務局公表の全社年平均売上高成長率と全社売上高増加額を基に、指数関数で処理して算出しています。また、公表されている採択企業も、資本金や従業員規模が大きい企業が中心です。こうしたことから、売上高10億円前後を下回る事業者様が採択される可能性は低いという実態がありました。
他方、新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継であり、昨年度までは売上規模の大小問わず採択されていました。一方、新事業進出補助金の補助上限額が9,000万円ですので、例えば大規模な設備投資(5億円程度の設備投資)を行う事業計画の場合、補助金額が不十分であったという問題がありました。
中小企業成長加速化補助金では、売上高100億円を目指す企業を対象としていると明記しています。現実的には、売上高10億円前後から100億円に満たない企業がターゲットになります。補助金額の上限額は5億円です。補助金上限額は、ちょうど、新事業進出補助金と大規模成長投資補助金の中間の金額帯を担っており、いわばブリッジのような役割を果たしています。
中小企業成長加速化補助金の補助対象者
では、中小企業成長加速化補助金を活用できるのは、具体的にどのような企業でしょうか。
本補助金の公募要領によれば、以下の3つの要件をすべて満たしている者です。
要件①補助事業要件を満たしている
中小企業成長加速化補助金の補助事業要件は、以下の4つが設定されています。
内容 | 補足 |
---|---|
①補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜)である | ・建物費、機械装置費、ソフトウェア費の合算額であること(外注費、専門家経費は含められない) ・事業実施場所が複数でも可。ただし事業目的・内容が一体的であること ・交付決定後の実施場所変更は原則不可 ・既存設備の単なる更新投資(生産能力等が向上しない投資)は認められない |
②補助金申請時までに100億宣言が100億宣言ポータルサイトで公表されている | ・第1回公募では申請時の同時申請も可能 ・100億宣言の概要については詳細後述 |
③一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画を策定する | ・補助事業終了後3年間で実施すること ・その他の要件については詳細後述 |
④補助事業を日本国内で実施する | ー |
100億宣言について
本補助金を受け取るためには、「100億宣言」をし、それがポータルサイトにて公表されている必要があります。
100億宣言とは、中小企業自らが「売上高100億円を超える企業になること」や「それに向けたビジョンや取り組み」を宣言することです。ポータルサイトは2025年春頃に開設される予定となっています。
下記でも詳しく説明していますので、あわせてご参考ください。
賃上げ要件について
本補助金の補助対象者となるためには、賃上げ要件も満たさなければいけません。
具体的には、以下のことが必要です。
- 補助事業完了年度(基準年度)を起点として、3事業年度後までの期間において、「給与支給総額」または「従業員及び役員の1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率を、事業実施場所の都道府県における直近5年間(2019年度~2024年度)の最低賃金の年平均上昇率以上にすることを目標に掲げる
※「給与支給総額」または「従業員及び役員の1人当たり給与支給総額」どちらにするかは応募申請時に選択 - 目標を従業員などに表明する
- 実際に達成する
給与支給総額には、給料、役員報酬、賞与のほか、残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族手当、住宅手当など、給与所得として課税対象となる経費が含まれます。
なお、年平均成長率の目標は、以下の計算式で算出されます。
都道府県別における最低賃金の年平均上昇率は、以下のとおりです。
例えば補助事業実施場所が石川県で、基準年度の1人当たりの給与支給総額が500万円だった場合、以下のように考えます。
なお、賃上げ要件では、以下に該当する場合には、受け取った補助金を返還しなければならないことも定められているため注意しましょう。
- 交付決定までに目標を従業員などに表明しなかった場合
- 基準年度の「給与支給総額」または「従業員及び役員の1人当たり給与支給総額」が、申請時の直近の事業年度の「給与支給総額」または「従業員及び役員の1人当たり給与支給総額」を下回っている場合
- 申請時に掲げた目標を達成できなかった場合(未達成率に応じて返還)※天災など事業者の責任ではない理由の場合は除く
要件②中小企業者である
本補助金の対象者になるには、中小企業者であることが求められます。ここでいう中小企業者とは、以下を満たす者です。
(1)「中小企業等経営強化法」第2条第1項各号にて規定される中小企業者であること(下表に該当するものであること)
業種 | 定義 |
---|---|
製造業、建設業、運輸業、その他 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下、かつ従業員数が300人以下 |
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く | 資本金の額または出資の総額が3億円以下、かつ従業員数が900人以下 |
卸売業 | 資本金の額または出資の総額が1億円以下、かつ従業員数が100人以下 |
サービス業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下、かつ従業員数が100人以下 |
ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 資本金の額または出資の総額が3億円以下、かつ従業員数が300人以下 |
旅館業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下、かつ従業員数が200人以下 |
小売業 | 資本金の額または出資の総額が5,000万円以下、かつ従業員数が50人以下 |
組織形態 | 定義 |
---|---|
事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会 | ー |
水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会 | ー |
商工組合、商工組合連合会 | ー |
商店街振興組合、商店街振興組合連合会 | ー |
生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業連合会 | 直接または間接の構成員の2/3以上が、5,000万円(卸売業を主たる事業とする事業者は1億円)以下の金額を資本金の額または出資の総額とする法人、あるいは常時50人(卸売業またはサービス業を主たる事業とする事業者は100人)以下の従業員を使用する者 |
酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会 | 直接または間接の構成員たる酒類製造業者の2/3以上が、3億円以下の金額を資本金の額または出資の総額とする法人、あるいは常時300人以下の従業員を使用する者 |
酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会 | 直接または間接の構成員たる酒類販売業者の2/3以上が、5,000万円(酒類卸売業者は1億円)以下の金額を資本金の額または出資の総額とする法人、あるいは常時50人(酒類卸売業者は100人)以下の従業員を使用する者 |
内航海運組合、内航海運組合連合会 | 直接または間接の構成員たる内航海運事業者の2/3以上が、3億円以下の金額を資本金の額または出資の総額とする法人、あるいは常時300人以下の従業員を使用する者 |
技術研究組合 | 直接または間接の構成員の2/3以上が中小企業者、企業組合、協業組合に該当する者 |
(2)売上高が10億円以上100億円未満であること
(3)日本国内で登記された法人で、国内に事業実施場所を有すること
(4)収益事業を行っていること
(5)国内金融機関に口座を有し、日本円での精算が可能なこと
(6)本事業を遂行できる組織、人員などを有していること
(7)本事業の遂行に必要な経営基盤を有し、資金などについて十分な管理能力を有していること
(8)経済産業省/中小企業基盤整備機構からの「補助金交付等停止及び契約に係る指名停止措置」を受けていないこと
(9)単独または複数の中小企業者であること
(10)経済産業省/中小企業基盤整備機構にすべての申請データを共有することに合意できること
(11)公募開始日時点において、直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円以下であること
(12)みなし大企業(発行済株式の総数、または出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有しているなど)でないこと
(13)同一法人とみなされた場合、いずれかの1社のみの申請すること(例えば親会社が議決権50%超を有する子会社が複数存在している場合、当該の親会社や子会社は同一法人とみなされる)
要件③不支給要件に該当しない
本補助金の対象者となるには、以下の不支給要件に該当しないことも求められます。
不支給要件の種類 | 詳細 |
---|---|
事業実施に関する要件 | ・企画のみで大半を外注する事業 ・実質的な労働を伴わない事業 ・資産運用的性格が強い事業 ・設備を第三者に長期貸与する事業 |
産業分野に関する要件 | ・1次産業(農業、林業、漁業)が主体の事業 |
雇用・賃金に関する要件 | ・従業員の解雇で賃上げ要件を達成する事業 ・補助事業期間中のみ従業員削減を行う事業 |
法令・社会規範に関する要件 | ・公序良俗に反する事業 ・法令違反や消費者保護の観点で不適切な事業 ・風営法対象の事業 ・暴力団関係の事業 |
申請に関する要件 | ・同一事業者による複数申請となる事業 ・他の補助金との二重受給となる事業 ・申請時に虚偽の内容を含む事業 |
上記に該当する場合は、補助金交付候補者として不採択となります。また、採択後や交付決定後であっても、これらの要件に該当することが判明した場合は取り消しとなる可能性があります。
共同申請の場合の要件
本補助金は、原則として事業者単独での申請が基本となりますが、より大きな相乗効果が期待できる場合には、複数事業者による共同申請(コンソーシアム)も認められています。
共同申請を行う場合は、以下の要件を満たす必要があります。
- 全ての共同申請者が要件②を満たすこと
- 各申請者が「100億宣言」と「賃上げ要件」に対応すること
- 少なくとも1者は投資額5,000万円以上(専門家経費・外注費を除く)の投資を行うこと
本補助金では、ほかに100億宣言を実施した企業のグループの全部あるいは一部での共同申請も、要件を満たせば可能です。
なお、設備を取得する際にリース会社を利用する場合、事業者とリース会社と共同申請という形になります。リースの場合は、リース会社が購入した設備機械装置のみが補助対象経費となり、手数料や保険料等は対象外です。また、建物の取得においてリース会社を利用した際は、建物費が補助対象になりません。
中小企業成長加速化補助金の補助対象経費
補助対象経費一覧
中小企業成長加速化補助金の補助対象経費は、大きく5つの項目に分類されます。
補助対象経費 | 概要 |
---|---|
建物費 | ・もっぱら補助事業のために使用される事務所や生産施設、加工施設、販売施設などの建設、増築、改修、中古建物の取得に関する経費 |
機械装置等費 | ・もっぱら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具の購入、製作、借用に関する経費 ・上記と一体で行う改良・修繕、据付または運搬に要する経費 |
ソフトウェア費 | ・もっぱら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムなどの購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費 ・上記と一体で行う改良・修繕に要する経費 |
外注費 | ・補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査などの一部を外注するときにかかる経費 |
専門家経費 | ・補助事業遂行のために依頼した専門家に支払う経費 |
なお、投資額要件である1億円以上の算定では、建物費・機械装置等費・ソフトウェア費のみが対象となります。外注費と専門家経費は含まれないため注意しましょう。
補助対象外経費一覧
中小企業成長加速化補助金において、補助対象外となる主な経費は以下の通りです。投資計画を検討する際は、これらの経費を除外して検討する必要があります。
- 補助事業期間中の販売を目的とした製品・商品などの生産にかかる機械装置・システム構築費以外の諸経費
- 売電を行うための発電設備および当該設備と一体不可分の附属設備(太陽光発電用ソーラーパネルなど)
- 家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
- 電話代、インターネット利用料金など(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費以外)
- 文房具などの事務用品などの消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体などの会費
- 飲食、奢侈、娯楽、接待などの費用
- 自動車等車両の購入費・修理費・車検費用(事業所内のみで走行し公道を自走できないものは除く)
- 税務申告、決算書作成などで支払う税理士・公認会計士費用、訴訟対応などで支払う弁護士費用
- 収入印紙、振込等手数料(代引手数料含む)、両替手数料
- 消費税および地方消費税等
- 各種保険料
- 借入金などの支払利息および遅延損害金
- 報告書などの事務局に提出する書類作成・申請に要する費用
- 事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット端末・スマートフォンなどの汎用品の購入費用
- 価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費用(中古市場において広く流通していない中古機械設備など)
- ソフトウェア開発など事業にかかる自社の人件費
- 同一代表者・役員が含まれている事業者、みなし同一法人内の事業者への支払い、同一企業の部署間の支払い
- 社会の一般常識と照らし合わせて適切とは言い難い経費
補助対象経費における注意事項について
補助対象経費においては、以下のような注意点があります。対象経費・対象外経費の種類とあわせておさえておきましょう。
主な注意事項 | 内容 |
---|---|
発生時期と支払方法 | ・交付決定日以降の経費のみ対象 ・銀行振込のみ対象(現金払い、手形払い不可) ・交付決定前の契約・発注は対象外 |
相見積の実施 | ・次の相見積必要金額(税抜)を超える場合、原則2者以上の相見積が必要 →建物、機械、ソフトウェア:100万円以上 →外注費、専門家経費:50万円/件以上 ・相見積不可の場合は理由書と価格妥当性の証明が必要・ペーパーカンパニーや販売実績のない業者による見積は不認可 |
契約先の選定 | 経済産業省または中小企業基盤整備機構から、「補助金交付等停止及び契約に係る指名停止措置」が講じられている事業者に発注・契約したときにかかる経費は対象外 |
経費計算 | ・消費税は原則除外(※免税・簡易課税事業者は含可) |
財産管理 | ・補助事業で取得した財産への抵当権設定には事前承認が必要 ・根抵当権の設定は不可 |
補助対象経費からの消費税額の除外について
本補助金では、応募申請時の補助金申請額の算定において、原則として消費税等を補助対象経費から除外する必要があります。ただし、以下の事業者は例外的に消費税等を補助対象経費に含めることができます。
- 消費税法における納税義務者とならない事業者
- 免税事業者
- 簡易課税事業者
- 国・地方公共団体(特別会計のみ)、消費税法別表第3に掲げる法人
- 国または地方公共団体の一般会計である事業者
- 課税売上割合が低いなどの理由で、消費税仕入控除税額確定後の返還を選択する事業者
なお、事業者側が希望する場合は、上記の例外対象者であっても消費税等を補助対象経費から除外することは可能です。
中小企業成長加速化補助金の補助率・補助上限額
中小企業成長加速化補助金の補助率は対象経費の1/2で、補助上限額は5億円です。
中小企業成長加速化補助金の補助事業実施期間
中小企業成長加速化補助金の補助対事業実施期間は、交付から24ヶ月以内となっています。この期間のうちに契約から導入までが済んだ設備の費用に対して、補助が行われます。
中小企業成長加速化補助金の大まかな流れ
中小企業成長加速化補助金は以下のような流れで進みます。

- 事前準備
まずは、GビズIDプライムアカウントの取得と「売上高100億円を目指す宣言」を行います。また、公募要領を確認して、事業計画書など必要な書類を準備します。 - 公募開始~交付候補者決定
公募が始まったら、締切前に余裕を持って申請を行います。申請すると事務局による審査が行われ、交付候補者が決められます。なお、審査は提出書類にもとづく書面審査である1次審査、定性面も含めたプレゼンテーション審査である2次審査があります。 - 交付決定~補助事業実施
交付決定を受けたら、補助事業を開始します。補助事業の実施期間は交付決定日から24ヶ月以内です。補助事業が終了したら、再度事務局による審査が入ります。審査結果を元に事務局が補助額を決めたら、事業者の方から事務局に支払請求をして補助金を受け取ります。 - 補助事業終了後
補助金を受け取ったあとは、5年間、事業化や賃上げの状況報告を定期的に行います。
申請方法
本補助金の申請は、必要書類を作成・準備の上、下記の「jGrants」のページを通じて電子申請で行います。
提出先:https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDKBeMAP
「jGrants」の利用には、GビズIDプライムアカウントの取得が必須となりますので、事前に取得しておきましょう。
必要書類
本補助金で必要な書類は、以下のとおりです。なお、申請様式は公募開始後、以下のページからダウンロードできるようになります。
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDKBeMAP
全申請者が必要な書類
申請フォーム名 | 注意点 | 提出ファイル名 |
---|---|---|
投資計画書(様式1) | ・35ページ以内で作成し、PDF形式に変換 ・共同申請は幹事企業が作成 ・決算資料と様式2の数値との整合性を確認 ・数値は指定の単位で記載 | 1_㈱○×_投資計画書(様式1).pdf |
投資計画書別紙(様式2) | ・Excel形式で提出 ・決算資料と様式1の数値との整合性を確認 ・数値は指定の単位で記載 | 2_㈱○×_投資計画書別紙(様式2).xlsx |
ローカルベンチマーク(様式3) | ・所定のExcelフォーマットを使用 ・共同申請は全事業者分を作成 ・事業者名の記載が必須 ・決算資料の数値との整合性を確認 ・数値は指定の単位で記載 | 3_㈱○×_ローカルベンチマーク(様式3).xlsm |
決算書等(3期分) | ・確定した決算資料をPDF形式で提出 ・3期分ない場合は不足分を白紙で提出 ・貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の明細が必須(製造業であれば製造原価明細書も) ・決算期ごとにファイルを分けて提出 | 4-1_㈱○×決算書(前々期決算分).pdf 4-2㈱○×決算書(前期決算分).pdf 4-3㈱○×_決算書(最新決算分).pdf |
特定の申請者が必要な書類
申請フォーム名 | 注意点 | 提出ファイル名 |
---|---|---|
金融機関による確認書(様式4) | ・金融機関から投資計画の確認を受けた場合に必要 ・所定の様式に金融機関が必要事項を記入したものをPDF形式で提出 | 5_㈱○×_金融機関による確認書(様式4).pdf |
リース取引に係る誓約書(様式5) | ・リース会社との共同申請をする場合に必要 ・所定の様式に必要事項を記入してPDF形式で提出 | 6_㈱○×_リース取引に係る誓約書(様式5).pdf |
リース料軽減計算書(様式6) | ・リース会社との共同申請をする場合に必要 ・所定の様式に必要事項を記入してPDF形式で提出 ※リース料から補助金相当分が減額されていることを証明する書類が必要な可能性あり | 7_㈱○×_リース料軽減計算書(様式6).pdf |
第1回公募のスケジュール
本補助金の第1回公募スケジュールは以下の通り計画されています。
時期 | 内容 |
---|---|
2025年4月下旬 | 公募説明会の実施 |
2025年5月8日(木) | 申請受付開始 |
2025年6月9日(月)17:00 | 申請受付締切 |
2025年7月上旬 | 1次審査結果の公表 |
2025年7月下旬~8月下旬頃※ | 2次審査(プレゼンテーション審査)実施 |
2025年9月上旬以降 | 採択結果の公表 |
なお、応募申請件数によって、採択結果の公表時期については前後する可能性があります。
中小企業成長加速化補助金において事業者に課される義務
中小企業成長加速化補助金において事業者に課される義務について解説します。
本補助金の交付を受けた事業者には、以下のような義務が課されます。これらの義務を怠ると、補助金の返還を求められる可能性があるため、注意が必要です。
義務の種類 | 詳細 |
---|---|
実績報告義務 | ・補助事業完了から30日以内、または補助事業期間終了日のいずれか早い日までに実績報告書を提出 ・消費税等仕入控除税額が明らかな場合は、その額を減額して報告 |
賃上げ・事業状況報告義務 | ・基準年度終了後から5年間(計6回)、事業化状況と賃金引上げ状況を毎会計年度終了後60日以内に報告 ・検査により返還命令等があった場合は従う必要あり |
実地検査等への協力義務 | ・事務局からの要求に応じて状況報告書を作成・提出 ・必要に応じた現地調査への協力 ・補助事業完了後の予告なし実地検査への対応 |
書類保管義務 | ・補助事業関係書類を事業終了後5年間保存 ・事務局や会計検査院からの求めに応じて閲覧提供できるよう保管 |
事業リスク等の報告義務 | ・倒産や事業撤退など、事業遂行に支障が出る可能性がある場合は速やかに報告 |
財産処分制限 | ・取得財産処分時は残存簿価相当額または時価での国庫納付が必要 ・取得財産のうち、単価50万円以上の機械などの財産や、効用の増加した財産を処分制限期間内に処分するときは事前承認が必要 |
不正防止への対応 | ・補助金の目的外使用や虚偽報告等の禁止 ・違反行為が発覚した場合は交付決定取り消しや補助金の返還が求められる場合あり |
EBPMへの協力 | ・補助金の採否にかかわらず、経済産業省などが行うEBPM(証拠に基づく政策立案)への継続的な情報提供が必要 |
これらの義務は、補助金の適正な執行と効果検証のために設定されています。特に賃上げ要件や書類保管、実地検査への対応など、長期にわたる対応が必要な義務もあるため、申請前に十分な理解と準備が求められます。
中小企業成長加速化補助金の採択率を上げるポイント
中小企業成長加速化補助金は、他の補助金と同様、支援を受けるには事務局に採択されなければいけません。採択率を上げるためにしておきたい方法を紹介します。
審査内容に沿って投資計画を作り込む
本補助金の公募要領には、採択にあたっての審査内容が記載されています。当該の内容を反映した投資計画を作成することが、採択を勝ち取る第一歩です。
審査内容
本補助金の審査は、「経営力」「波及効果」「実現可能性」の3つの観点から定量的・定性的に行われます。各項目の具体的な内容は以下の通りです。
観点 | 詳細 |
---|---|
経営力 | ・将来の売上高100億円に向けた中長期的なビジョン・計画はあるか。その上で、今後5年程度の具体的な事業戦略が論理的に構築され、当該事業が効果的に組み込まれているか ・市場・顧客動向などの外部環境、経営資源などの内部環境の分析が適切になされているか。その上で、当該事業が効果的に組み込まれているか ・適切な成果目標が示され、その達成に効果的な管理体制が構築されているか ・コンソーシアム形式の場合は、連携の意義や目的が明確で、連携による相乗効果が見込まれる内容となっているか |
波及効果 | ・具体的で妥当な賃上げ計画が立てられているか ・域内仕入拡大などに資する事業か ・取引先との適切な関係構築ができているか |
実現可能性 | ・計画を実行できる経営体制が構築されており、早期の投資実行と効果創出が見込まれるか ・事業遂行に十分な財務状況となっているか ・金融機関のコミットメントが得られているか |
審査では、まず提出書類による書面審査(1次審査)が行われ、通過した申請者に対して、定性面も含めたプレゼンテーション審査(2次審査)が実施されます。2次審査では経営者自身による説明が必須となり、外部有識者との質疑応答も行われます。
投資計画を作り込むときのコツ
投資計画を作り込むときは、以下のポイントをおさえるとよいでしょう。
「経営力」の観点では、売上高100億円達成への道筋を具体的に示すことが重要です。市場分析や自社の強み・弱みを明確にした上で、5年間の成長戦略と本補助事業の位置づけを論理的に説明できるようにしましょう。
「波及効果」では、従業員への還元としての賃上げ計画を都道府県別最低賃金上昇率以上で設定する必要があります。また地域経済への貢献として、地元サプライヤーとの取引拡大なども盛り込むと効果的です。
「実現可能性」については、投資計画の実現に向けた社内体制や財務状況の健全性を示す必要があります。特に金融機関による確認書の提出は加点要素となるため、金融機関との連携も検討すべきです。
また、2次審査では投資計画をわかりやすく伝えるだけでなく、経営者の本気度と熱意が伝わるように話すとなおよいでしょう。本番を想定した擬似プレゼンを社内で行うなど、準備を入念にすることをおすすめします。
補助金申請サポートの専門家に相談する
本補助金の申請は、複雑な手続きや要件、専門的な事業計画書の書き方など、多くの事業者にとって負担が大きいものです。これらの課題を解決するために、補助金申請サポートの専門家に相談することをおすすめします。
専門家は、補助金の公募要領を熟知しており、申請に必要な書類や手続きをスムーズに進めるためのサポートを提供してくれます。また、審査基準に合致した効果的な投資計画書の作成支援もしてくれます。
専門家への相談によって得られるメリットは、主に以下の通りです。
メリット | 詳細 |
---|---|
採択率の向上 | 知識と経験に基づいた申請サポートで、採択率を向上させることができる |
時間と労力の節約 | 複雑な手続きや書類作成を任せることで、時間と労力を大幅に節約できる |
最新情報の入手 | 最新情報を提供してもらうことで、制度の細かい変化に適切な対応が可能になる |
適切なアドバイス | 事業計画の内容や資金計画など、申請に関するさまざまな疑問や悩みに対して、適切なアドバイスを受けられる |
補助金申請は時間と労力を要する作業です。専門家のサポートの活用は、申請プロセスを効率化し、採択の可能性を高める有効な手段となります。
専門家を選ぶときは、実績や得意分野を確認し、自社の事業内容や課題に合ったサポートを提供してくれるかを見極めることが重要です。複数の専門家から話を聞き、費用やサービス内容を比較検討すると、最適なパートナーを見つけられるでしょう。
中小企業成長加速化補助金の申請チェックリスト
詳細 | チェック |
---|---|
事業概要 | |
事業の目的、補助対象、要件を理解しているか | ▢ |
補助事業実施場所(工場や店舗など)を有しているか | ▢ |
補助金上限額(5億円)・補助率(1/2)を確認したか | ▢ |
申請スケジュール(申請受付:2025年5月8日~6月9日)を確認したか | ▢ |
申請資格 | |
中小企業の要件を満たしているか | ▢ |
売上高が10億円以上100億円未満であるか | ▢ |
みなし大企業、みなし同一法人に該当していないか | ▢ |
補助金交付停止などの措置を受けていないか | ▢ |
基本要件 | |
補助対象経費のうち投資額が1億円以上(税抜)であるか | ▢ |
100億宣言が公表されているか | ▢ |
賃上げ要件を満たす5年程度の事業計画を策定しているか | ▢ |
補助事業を日本国内で実施するか | ▢ |
経費 | |
補助対象経費と補助対象外経費を理解しているか | ▢ |
建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計が1億円以上となっているか | ▢ |
見積書(原則2社以上)を取得しているか | ▢ |
申請準備 | |
GビズIDプライムアカウントを取得済みか | ▢ |
電子申請システムjGrantsの操作方法を確認済みか | ▢ |
必要書類一式をすべて用意したか | ▢ |
投資計画書 | |
売上高100億円達成に向けた具体的な計画を記載しているか | ▢ |
市場分析や自社の強み・弱みの分析を行っているか | ▢ |
投資計画の実現可能性を示す根拠を記載しているか | ▢ |
地域経済への波及効果を具体的に示しているか | ▢ |
事後義務 | |
実績報告の義務を理解しているか | ▢ |
賃上げ状況報告(5年間)の義務を理解しているか | ▢ |
証拠書類の保管(5年間)義務を理解しているか | ▢ |
財産処分制限を理解しているか | ▢ |
その他 | |
プレゼンテーション審査の対応準備ができているか | ▢ |
金融機関との連携を検討しているか | ▢ |
事業完了後のフォローアップ体制を検討しているか | ▢ |
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