早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)とは?経営改善計画策定支援(405事業)との違いや申請方法、手続き時の注意点を解説

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)と経営改善計画策定支援(405事業)の違い

近年、中小企業を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの影響や物価高騰、人手不足、デジタル化の進展など、大きく変化しています。このような状況において、中小企業が生き残り、成長していくためには、環境変化に柔軟に対応し、事業の収益力強化や生産性向上に取り組むことが重要です。

しかし、経営資源が限られている中小企業にとって、自社の課題を詳細に分析し、具体的な経営改善計画を策定することは容易ではないでしょう。そこで、公的機関である中小企業活性化協議会は、中小企業の早期の経営改善計画の策定を支援するため、早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)を実施しています。

この記事では、本事業について、同協議会が実施する経営改善計画策定支援(405事業)と比較しながら特徴を紹介した上で、メリットや申請方法、実際に計画を策定する際のポイントについて解説します。

当社・中小企業経営支援事務所は、国が認定する認定経営革新等支援機関であり、補助金・助成金申請のエキスパートです。早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)とは

中小企業活性化協議会では、中小企業の収益力改善や再生支援、再チャレンジ支援に向けて5つのソリューションを展開しています。その中の「民間プレーヤーを活用した支援」の一つとして提供されているのが、早期経営改善計画策定支援(ポストコロナ持続的発展計画事業:ポスコロ事業)です。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の概要や補助対象事業者などについて、中小企業活性化協議会の「早期経営改善計画策定支援」のページや、「経営改善計画策定支援事業(早期経営改善計画策定支援)に関する手引き」をもとに紹介します。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)とは、事業環境の変化などによる経営上の支障(収益力の低下や資金繰りの悪化)の予防として、経営改善・事業再生に早期に取り組む中小企業・小規模事業者を支援する事業です。

具体的には、事業者が認定経営革新等支援機関と呼ばれる国認定の専門家の支援を受けながら早期経営改善計画を策定し、それを金融機関に提出することを通じて、事業者自らが経営を見直し、早めの経営改善を図れるように、計画策定に係る費用や専門家の伴走支援などに係る費用の一部を支援します。

なお、本事業における早期経営改善計画の策定は、中小企業収益力改善支援研究会が2022年12月に取りまとめた「収益力改善支援に関する実務指針」に基づく必要があります。これは従来の中小企業再生支援協議会が行っていた経営改善計画策定支援(405事業)の通常枠(詳細後述)と同じ指針ですが、本事業で策定する計画については「資金繰り管理や採算管理など基本的な内容」に限定されます。

本事業の対象者は、「資金繰り管理や採算管理といった基本的な経営改善に取り組む必要」があり、かつ「専門家の支援を受けながら早期経営改善計画を策定し、金融機関に提出するとともに、経営改善を実行する意思」のある中小企業・小規模事業者です。

ただし、過去に中小企業活性化協議会事業、経営改善計画策定支援、早期経営改善計画策定支援を利用した事業者は対象外となります(新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢、原油価格の高騰などの影響で業況が悪化した事業者は、2022年度または2023年度中の申請に限り1回のみ対象)。

本事業における補助対象費用・補助率・補助上限額は以下のとおりです。

支援枠補助対象経費(※1)補助率補助上限額
通常枠計画策定支援費用2/315万円
伴走支援費用(期中)2/35万円
伴走支援費用(決算期)2/35万円
金融機関交渉費用2/310万円(※2)
早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の補助対象費用・補助率・補助上限額

(※1)認定経営革新等支援機関が業務の委嘱に承諾した日以降に発生した費用に限る
(※2)金融機関交渉に対する補助金は、各補助金に上限10万円として加算可能

中小企業活性化協議会が展開するソリューションのうち、早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)と同様に、「民間プレーヤーを活用した支援」として展開されているものがあります。それが経営改善計画策定支援(405事業)です。

以下、経営改善計画策定支援(405事業)の概要や補助対象事業者などについて、中小企業活性化協議会の「経営改善計画策定支援」のページや、「経営改善計画策定支援事業(経営改善計画策定支援)に関する手引き」をもとに紹介します。

経営改善計画策定支援(405事業)とは、資金繰りに課題を抱え、自力で経営改善計画を策定することが難しい状況にある中小企業・小規模事業者を支援する事業です。

事業者が専門家である認定経営革新等支援機関の支援を受けながら経営改善計画を策定し、金融機関から融資などを受けて「経営改善・事業再生・再チャレンジ」を目指すために、計画策定に係る費用や専門家の伴走支援などに係る費用の一部を支援します。

本事業には、大きく分けて2つの枠組みがあります。

いずれの枠組みにおいても、専門家の支援を受けながら実現可能な計画を策定することで、事業者自らがPDCAサイクルを構築し、持続可能な経営体制を構築することを目指します。

本事業の対象者は、「通常枠」と「中小版GL枠」によって異なります。

  • 通常枠:借入金の返済負担などで財務状況が悪化し、自力での経営改善計画策定が困難な中小企業・小規模事業者。ただし、専門家の支援を受けることで、金融機関から融資の条件変更や新規融資などを受けられる見込みがあること
  • 中小版GL枠:「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」に基づき計画策定を実施する中小企業・小規模事業者

いずれも、過去に本事業を利用した場合は原則対象外となりますが、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響などで業況が悪化した場合は、再度利用できる場合があります。

なお、金融機関が1行のみで、かつ信用保証協会の保証付き借入がない場合は、金融機関調整が不要となるため、本事業の対象外です。

本事業で補助を受けられる主な費用は、以下のとおりです。

支援枠補助対象経費(※1)補助率補助上限額
通常枠DD(※2)・計画策定支援費用2/3200万円
伴走支援費用(モニタリング費用)2/3100万円
金融機関交渉費用(※3)2/310万円
中小版GL枠DD(※2)費用等2/3300万円
計画策定支援費用2/3300万円
伴走支援費用2/3100万円
経営改善計画策定支援(405事業)の補助対象費用・補助率・補助上限額

(※1)認定経営革新等支援機関が業務の委嘱に承諾した日以降に発生した費用に限る
(※2)デューデリジェンス(事業・財務の状況に関する調査分析)
(※3)経営者保証解除を目指した計画を作成し、金融機関交渉を実施する場合のみ(任意)。金融機関交渉に対する補助金は、各補助金に上限10万円として加算可能

【比較表】早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)と経営改善計画策定支援(405事業)の違い

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)と経営改善計画策定支援(405事業)の違いを以下の表にまとめました。

項目早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)経営改善計画策定支援(405事業)
目的収益力低下や資金繰り悪化を予防を検討する中小企業・小規模事業者が、早期に経営改善を図ることを支援深刻な財務問題を抱える中小企業・小規模事業者が、金融機関からの支援を受けながら本格的な経営改善計画を策定し、事業再生・再チャレンジを図ることを支援
対象となる事業者いずれの条件にも当てはまる中小企業・小規模事業者
・資金繰り管理や採算管理といった基本的な経営改善に取り組む必要がある
・専門家の支援を受けながら早期経営改善計画を策定し、金融機関に提出するとともに、伴走支援を受けながら経営改善を実行する意思がある
【通常枠】
専門家の支援を受けながら経営改善計画を策定し、金融機関からの支援(条件変更や新規融資など)が見込める中小企業・小規模事業者
【中小版GL枠】
「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」に基づき計画策定を実施する中小企業・小規模事業者
計画の内容「資金繰り管理や採算管理など基本的な内容」に限定された経営改善計画【通常枠】
「収益力改善支援に関する実務指針」に基づく経営改善計画
【中小版GL枠】
「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」に基づく計画
補助対象経費・計画策定支援費用
・伴走支援費用
・金融機関交渉費用
【通常枠】
・DD、計画策定支援費用
・伴走支援費用(モニタリング費用)
・金融機関交渉費用
【中小版GL枠】
・DD費用等
・計画策定支援費用
・伴走支援費用
補助率2/32/3
補助上限額・計画策定支援費用:15万円
・伴走支援費用(期中・決算期):各5万円
・金融機関交渉費用:10万円
【通常枠】
・DD、計画策定支援費用:200万円
・伴走支援費用:100万円
・金融機関交渉費用:10万円
【中小版GL枠】
・DD等:300万円
・計画策定支援費用:300万円
・伴走支援費用:100万円
早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)と経営改善計画策定支援(405事業)の違い

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)は、比較的早期の段階で経営課題に取り組む事業であるのに対し、経営改善計画策定支援(405事業)は、深刻な状況に陥っている事業者を対象とした、より手厚い内容の事業と言えるでしょう。

どちらの事業が適切かは、事業者の置かれている状況や経営課題の深刻度によって異なります。いずれの場合も、まずは専門家である認定経営革新等支援機関や、中小企業活性化協議会に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)のメリット

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)は、深刻な経営悪化に陥る前に、早めの対策を講じたい中小企業・小規模事業者にとって、多くのメリットがある事業です。主に以下の3つが挙げられます。

本事業を活用すると、国が認定した専門家である認定経営革新等支援機関のサポートを受けながら、自社の課題や改善策を分析し、具体的な計画を策定できるようになります。また、経営者自身の経営に関する知識やスキルの向上も期待できます。

専門家への費用の一部を国が補助してくれるため、費用負担を軽減しながら、専門家のサポートを受けることができます。計画策定支援だけでなく、計画実行の伴走支援、経営者保証解除に向けた金融機関との交渉支援も補助対象となるため、安心して経営改善に取り組むことが可能となります。

早期に経営課題に取り組み、具体的な改善計画を策定・実行することで、金融機関からの信頼獲得につながり、融資を受けやすくなる可能性があります。また、計画策定の段階から金融機関と情報共有することで、事業内容や今後の見通しについて理解を得やすくなるというメリットもあります。

これらのメリットを最大限に活かすためには、自社の状況を正しく把握し、適切な計画を策定することが重要です。専門家や金融機関と積極的にコミュニケーションを図りながら、計画を進めていきましょう。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の申請方法

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の申請の大まかな流れと必要な書類について紹介します。

本事業による支援を受けるには、申請から計画実行、補助金の受け取りまで、いくつかの段階があります。主な流れは以下の通りです。

  1. 支援内容の確認と専門家探し
    中小企業活性化協議会の「早期経営改善計画策定支援」のページや「経営改善計画策定支援事業(早期経営改善計画策定支援)に関する手引き」などで事業内容を確認し、要件に合致しているかを確認します。その後、「認定経営革新等支援機関」を探します。
  2. 専門家との相談・契約
    認定経営革新等支援機関と面談し、自社の経営状況や課題、改善計画策定支援の希望内容などを伝えます。専門家の支援を受けることが決まったら、正式に契約を締結します。
  3. 金融機関への事前相談
    認定経営革新等支援機関と連携し、早期経営改善計画策定支援を利用して計画を策定する予定であることを、メインバンクまたは準メインバンクに事前に相談します。
  4. 利用申請
    認定経営革新等支援機関と連名で、中小企業活性化協議会へ「早期経営改善計画策定支援事業利用申請書」などの必要書類を提出します。
  5. 審査・助言
    中小企業活性化協議会は、提出された申請書類に基づき、要件を満たしているか審査を行います。申請者や認定経営革新等支援機関に「収益力改善支援に関する実務指針」に関する留意事項を説明するとともに、必要に応じて面談やヒアリングを行い、計画策定に関する助言を行います。
  6. 通知・承諾
    中層企業活性化協議会が、早期経営改善計画策定支援に係る費用の一部を負担すると判断したら、認定経営革新等支援機関にその旨を通知します。
  7. 早期経営改善計画の策定
    認定経営革新等支援機関の支援を受けながら、自社の経営課題の分析、改善策の検討、数値計画などを盛り込んだ「早期経営改善計画」を策定します。
  8. 金融機関への計画提出
    策定した計画を、認定経営革新等支援機関とともに、事前に相談した金融機関に提出します。
  9. 計画に係る費用の支払申請
    早期経営改善計画を金融機関に提出したら、中小企業活性化協議会に必要書類を提出して、計画に係る費用の支払い申請をします。中小企業活性化協議会は、申請内容を審査し、問題がなければ費用を認定経営革新等支援機関に支払います。
  10. 伴走支援・報告
    計画策定後1年を経過した最初の決算時までの間、認定経営革新等支援機関による伴走支援を受けながら、計画を実行します。計画期間中は、定期的に認定経営革新等支援機関と面談し、進捗状況の確認やアドバイスを受けるとともに、実施状況を金融機関に共有します。
  11. 伴走支援に係る費用の支払申請
    伴走支援の実施を受けたら、中小企業活性化協議会に必要書類を提出して、伴走支援に係る費用の支払い申請をします(申請の有効期限は伴走支援対象期間最終日から6カ月を経過した日)。中小企業活性化協議会は、計画策定の支払申請のときと同様、申請内容を審査し、問題がなければ費用を認定経営革新等支援機関に支払います。

「早期経営改善計画策定支援」を受ける際に必要な書類は、大きく分けて「利用申請時」「計画費用支払申請時」「伴走支援費用支払申請時」の3つの段階で発生します。事前に内容を確認して準備を進めるようにしましょう。

なお、申請様式は「申請様式(利用申請・支払申請・伴走支援)」からダウンロードできます。

利用申請時

書類補足
早期経営改善計画策定支援事業利用申請書別紙①
申請者の概要(早期経営改善計画策定支援)別紙①-1
業務別見積明細書(早期経営改善計画策定支援)別紙①-2
履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)原本
個人事業主の場合は、開業届(写し)または確定申告書(写し)
認定経営革新等支援機関であることを証する認定通知書等写し
申請者に対する認定経営革新等支援機関の見積書及び単価表
金融機関(メイン行または準メイン行)の事前相談書金融機関が認定経営革新等支援機関として連名で申請する場合は不要
直近3年分の申告書写し
利用申請時の必要書類

計画費用支払申請時

書類補足
早期経営改善計画策定支援事業費用支払申請書別紙②
早期経営改善計画書別紙②-1
呼称は「事業計画書」などでも可
業務別請求明細書(早期経営改善計画策定支援)別紙②-2
従事時間管理表(業務日誌)(早期経営改善計画策定支援)別紙②-3
《計画策定支援》実務指針に基づく実施確認表別紙②-4
認定経営革新等支援機関の請求書類(中小企業活性化協議会宛)原本
申請者と認定経営革新等支援機関が締結する早期経営改善計画策定支援に係る契約書写し
申請者による費用負担額(3分の1)の支払を示す証憑類(振込受付書、払込取扱票など)写し
金融機関に早期経営改善計画を提出したことが確認できる書面(金融機関の受取書など)今後の金融支援を約束するものではなく、普段の業務で使用しているもので可
計画費用支払申請時の必要書類

伴走支援費用支払申請時

書類補足
早期経営改善計画策定支援事業伴走支援費用支払申請書別紙③
伴走支援報告書(早期経営計画策定支援)(金融機関交渉費用を活用した場合、金融機関交渉の報告書〈早期経営改善計画策定支援〉)別紙③-1
業務別請求明細書(早期経営改善計画策定支援)別紙③-2
従事時間管理表(業務日誌)(早期経営改善計画策定支援)別紙③-3
《伴走支援》実務指針に基づく実施確認表別紙③-4
申請者と認定経営革新等支援機関が締結する伴走支援(または金融機関交渉)業務に係る契約書写し
認定経営革新等支援機関の請求書類(中小企業活性化協議会宛)原本
申請者による伴走支援費用負担額(3分の1)の支払を示す証憑類(振込受付書、払込取扱票など)写し
伴走支援レポート(金融機関への報告に使用した書面の写し、または報告内容を記録した書面)
伴走支援費用支払申請時の必要書類

早期経営改善計画策定支援事業(ポスコロ事業)に申請するときのポイント

早期経営改善計画策定支援事業(ポスコロ事業)にはさまざまな留意点がありますが、特に以下のポイントをおさえることをおすすめします。

本事業は、あくまで「資金繰り管理や採算管理など基本的な内容の経営改善」を目的とする事業者向けです。より本格的な支援が必要な場合は、経営改善計画策定支援(405事業)の活用を検討しましょう。過去に本事業や類似事業を利用していないかも、重要な確認事項です。

本事業では、認定経営革新等支援機関といった専門家のサポートを受けられます。しかし、経営改善の主体は企業自身であることを忘れてはなりません。

専門家に任せきりになると、計画の内容が自社の状況に合わなかったり、計画を実行する上で当事者意識が薄れてしまったりする可能性があります。

経営者自身も経営課題や改善策を深く理解し、主体的に計画策定に関わることが重要です。専門家は、客観的な視点や専門知識を提供してくれる強力なパートナーですが、最終的な判断や実行は経営者が行うという意識を持ち続けるようにしましょう。

早期経営改善計画の策定に主体的に関わっていくには、経営者のほうでも事業の詳細な現状分析を行い、課題の明確にすることが重要となります。そのためには、「収益力改善支援に関する実務指針」を参考に以下の項目を分析する必要があります。

  • 会社基本情報
  • 財務状況
  • 商流
  • 業務フロー
  • 外部環境(顧客ニーズ、競合状況、市場動向など)
  • 内部環境(経営体制、組織文化、従業員意識など)

これらの観点から分析を行った上で、専門家の持つ客観的な視点を取り入れると、自社にとってより重要な課題を洗い出せるでしょう。

早期経営改善計画は、実行可能な内容にすることが重要です。そのためには、現状分析で明らかになった課題に対し、具体的な数値目標と、期限を定めた行動計画を盛り込む必要があります。

中小企業活性化協議会が「早期経営改善計画策定支援」のページで展開している「早期経営改善計画」の策定例や「資金予定表かんたん作成ツール」などを活用してたたき台を作り、その上で専門家の意見も踏まえながら無理のない現実的な計画を立てましょう。

また、計画は策定して終わりではなく、それを実行して進捗状況を定期的に確認・評価し、必要に応じて軌道修正を行うことが重要です。このPDCAサイクルを専門家のアドバイスを踏まえながら回すことで、事業の収益力改善を着実に実現していくことができます。

相性の良い認定経営革新等支援機関の選択方法

早期経営改善計画策定支援の成功には、伴走者である認定経営革新等支援機関との相性が重要です。相性の良い専門家を見つけるためのポイントは以下の通りです。

  1. 専門分野・経験:自社の事業内容や課題に精通した専門知識・経験を持つ機関を選びましょう。飲食店であれば、飲食業界に強い専門家や、実際に飲食店の支援実績がある専門家が考えられます。
  2. 地域性:自社の事業エリアに近い機関を選ぶことで、地域特性に合わせた支援を受けやすくなります。
  3. コミュニケーション:密なコミュニケーションは信頼関係構築に不可欠です。相談しやすい雰囲気があるか、熱意を持って対応してくれるかを見極めましょう。
  4. 費用:支援内容と費用が見合っているか、事前に見積もりを取ることが大切です。

これらのポイントを念頭に、複数の機関に相談し、比較検討することをおすすめします。

なお、中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」を活用すれば、専門分野や地域から機関を探すことができます。

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)などの申請にお困りでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)は、専門家の力を借りながら資金繰りや収益力改善への対策を早期に講じ、事業の安定化を図るための有効な事業です。

しかし、事業の利用要件や申請手続き、計画策定には専門的な知識が必要となるため、多くの経営者にとってハードルが高いと感じる部分もあるかもしれません。

もし、早期経営改善計画策定支援の利用や経営改善計画の作成にお悩みであれば、ぜひ一度、中小企業経営支援事務所にご相談ください。認定経営革新等支援機関であり、補助金申請の支援経験を豊富に持つ専門家が、貴社の状況に合わせて、わかりやすく丁寧にサポートいたします。

初回相談は無料ですので、お気軽に問い合わせいただけますと幸いです。

インバウンド対応力強化支援補助金とは?補助対象や申請方法、手続きのコツを解説

インバウンド対応力強化支援補助金の概要

日本に訪れる外国人観光客の数は、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年~2022年は大きく落ち込みましたが、2023年は復調の兆しを見せています。

JNTO(日本政府観光局)によれば、2020年の訪日外客数は約412万人(伸率-87.1%)、2021年は約25万人(伸率-94.0%)だったのに対し、2022年は人数は少ないものの約383万人(伸率1458.6%)と伸び、2023年は約2,507万人(伸率554.1%)まで増えました。2019年の約3,188万人には届いていないものの、訪日外国人が「戻りつつある」ということができます(参照:国籍/月別訪日外客数〈2003年~2024年〉丨JNTO)。

2014~2023年の訪日外客数の推移 参照:国籍/月別訪日外客数(2003年~2024年)丨JNTO

インバウンド対応力強化支援補助金とは、東京都にある宿泊施設や飲食店、観光施設などの観光関連事業者を対象に、外国人観光客の受け入れ環境整備を支援する補助金のことです。復調を見せるインバウンド需要に対応し、落ち込んだ事業の回復、持続的な成長を目指す事業者にとって本補助金は大きな支援となるでしょう。

この記事では、インバウンド対応力強化支援補の申請を考えている事業者向けに、東京観光財団が公開している「交付要綱」や「申請の手引」をもとに、本補助金の要点を紹介します。採択率を上げる手続きのコツも解説していますので、申請の参考資料としてご活用いただけますと幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

インバウンド対応力強化支援補助金とは

インバウンド対応力強化支援補助金とは、訪都外国人旅行者の受け入れ対応力の強化を目的とする、東京観光財団実施の補助金制度です。都内の宿泊施設や飲食店、観光事業者が、「外国人旅行者に安心・快適に過ごしてもらうための環境整備」を目指して設備投資やサービス拡充をする際にかかる費用の一部を補助します。

インバウンド対応力強化支援補助金では、東京都内にある以下の事業者を補助対象としています。

事業種別補助対象事業者
宿泊施設「旅館・ホテル営業」もしくは「簡易宿所営業」を行う施設
飲食店いずれの要件も満たしている店舗
①飲食店営業許可または喫茶店営業許可を受けている
②中小企業基本法が規定する中小企業者が経営している
③多言語メニュー作成支援ウェブサイト「EAT東京」の「外国語メニューがある飲食店検索サイト」に掲載されている
免税店いずれの要件も満たしている店舗
①一般型消費税免税店か手続委託型消費税免税店
②中小企業基本法が規定する中小企業者が経営している
体験型コンテンツ提供施設等いずれの要件も満たしている施設
①体験型コンテンツの提供を自ら行っている
②中小企業基本法が規定する中小企業者が経営している
観光バス事業者いずれの要件も満たしている事業者
①観光周遊及び空港アクセス等の事業を行っている
②道路運送法の許可を受けている
③車両全長7m以上かつ乗車定員30人以上などの要件を満たした車両を用いて事業を営んでいる
中小企業団体等東京都内に主たる事業者を有している中小企業等協同組合や商工組合及び商工組合連合会など
観光関連事業者グループいずれの要件も満たしているグループ
①東京都内で営業する施設等を有する4者以上の事業者で構成されている
②大企業が実質的に経営に参画していない中小企業者が構成の2分の1以上を占めている
補助対象事業者の一覧

なお、営業停止処分などを受けている場合や風俗営業を行っている場合、大企業が実質的に経営に参画している場合などは対象外となります。

また、補助事業の交付決定取り消しを受けたことがある、過去5年以内に刑事法令による罰則の適用を受けている、事業の継続性について不確実な状況(民事再生法や会社更生法、破産法にもとづく申立・手続中)が存在している場合も対象外です。

各対象事業者における補助対象経費、補助率、補助限度額は以下の通りです。

宿泊施設の補助対象事業・補助対象経費・補助率・補助限度額

補助対象事業と補助対象経費の例
事業内容補足補助対象経費の例
多言語対応施設の案内表示や館内設備の利用案内、ホームページ、パンフレットの多言語化など翻訳費、制作費、印刷製本費、機器購入費
公衆無線LANの設置ロビー、食堂、宴会場、客室などへの設置機器購入費、設置・工事費
クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入機器購入費、設置費
館内及び客室内トイレの洋式化和式トイレを洋式トイレに改修備品購入費、工事費
客室の和洋室化既存客室(和室・洋室)を和洋室に改修工事費、資材購入費
館内及び客室内テレビの国際放送設備の整備機器購入費、設置費
外国人旅行者の受け入れ対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成研修会の開催、外部セミナーの受講、接遇マニュアルの作成など講師謝金、会場使用料
災害時における外国人旅行者の受け入れ対応防災マップの作成、避難誘導訓練の実施・マニュアルの作成など翻訳費、制作費、印刷製本費、講師謝金
防犯カメラの設置出入口、ロビー、駐車場、フロントなどへの設置機器購入費、設置・工事費
その他、理事長が外国人旅行者の受け入れ対応の強化のために必要と認める事業
補助対象事業と補助対象経費の例
補助率

1施設当たりの補助対象経費の2分の1以内

補助限度額

1施設当たり上限300万円(公衆無線LANと防犯カメラの設置については下記)

事業補助限度額設置箇所数上限
公衆無線LANの設置設置箇所数×1万5,000円または補助対象経費の2分の1のいずれか低い額1施設当たり50箇所
防犯カメラの設置上限90万円1施設当たり15箇所
公衆無線LANと防犯カメラの設置の補助限度額

飲食店・免税店の補助対象事業・補助対象経費・補助率・補助限度額

補助対象事業と補助対象経費の例
事業内容補足補助対象経費の例
多言語対応店舗の案内表示や店内設備の利用案内、ホームページ、パンフレットの多言語化など翻訳費、制作費、印刷製本費、機器購入費
公衆無線LANの設置客席、その他多くの客が利用する場所への設置機器購入費、設置・工事費
クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入機器購入費、設置費
店内トイレの洋式化和式トイレを洋式トイレに改修備品購入費、工事費
外国人旅行者の受け入れ対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成研修会の開催、外部セミナーの受講、接遇マニュアルの作成など講師謝金、会場使用料
災害時における外国人旅行者の受け入れ対応防災マップの作成、避難誘導訓練の実施・マニュアルの作成など翻訳費、制作費、印刷製本費、講師謝金
外国人向けグルメサイトへの登録・掲載飲食店のみ。サイト登録費用(初期費用+初月利用料)、コンテンツ作成費用(情報ページ作成、翻訳など)サイト初期登録費、初月月額費、サイト掲載記事等に係る作成・翻訳費など
その他、理事長が外国人旅行者の受け入れ対応の強化のために必要と認める事業
補助対象事業と補助対象経費の例
補助率

補助率:1店舗当たりの補助対象経費の2分の1以内

補助限度額

1店舗当たり上限300万円(公衆無線LANの設置については下記)

補助対象事業補助限度額設置箇所数上限
公衆無線LANの設置設置箇所数×1万5,000円または補助対象経費の2分の1のいずれか低い額1施設当たり10箇所
公衆無線LANの設置の補助限度額

体験型コンテンツ提供施設等の補助対象事業・補助対象経費・補助率・補助限度額

補助対象事業と補助対象経費の例
事業内容補足補助対象経費の例
多言語対応施設の案内表示や施設内設備の利用案内、ホームページ、パンフレットの多言語化など翻訳費、制作費、印刷製本費、機器購入費
公衆無線LANの設置コンテンツの体験場所、その他多くの客が利用する場所への設置機器購入費、設置・工事費
クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入機器購入費、設置費
施設内トイレの洋式化和式トイレを洋式トイレに改修備品購入費、工事費
外国人旅行者の受け入れ対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成研修会の開催、外部セミナーの受講、接遇マニュアルの作成など講師謝金、会場使用料
災害時における外国人旅行者の受け入れ対応防災マップの作成、避難誘導訓練の実施・マニュアルの作成など翻訳費、制作費、印刷製本費、講師謝金
その他、理事長が外国人旅行者の受け入れ対応の強化のために必要と認める事業
補助対象事業と補助対象経費の例
補助率

1施設当たりの補助対象経費の2分の1以内

補助限度額

1施設当たり上限300万円(公衆無線LANの設置については下記)

補助対象事業補助限度額設置箇所数上限
公衆無線LANの設置設置箇所数×1万5,000円または補助対象経費の2分の1のいずれか低い額1施設当たり10箇所
公衆無線LANの設置の補助限度額

観光バス事業者の補助対象事業・補助対象経費・補助率・補助限度額

補助対象事業と補助対象経費の例
事業内容補足補助対象経費の例
多言語対応車両設備の利用案内、ホームページ、パンフレットの多言語化など翻訳費、制作費、印刷製本費、機器購入費
車両への公衆無線LANの設置機器購入費、設置・工事費
クレジットカードや電子マネーなどの決済機器の導入機器購入費、設置費
外国人旅行者の受け入れ対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成研修会の開催、外部セミナーの受講、接遇マニュアルの作成など講師謝金、会場使用料
災害時における外国人旅行者の受け入れ対応避難誘導訓練の実施・マニュアルの作成など翻訳費、制作費、印刷製本費、講師謝金
その他、理事長が外国人旅行者の受け入れ対応の強化のために必要と認める事業
補助対象事業と補助対象経費の例
補助率

1営業所当たりの補助対象経費の2分の1以内

補助限度額

1店舗当たり上限300万円(公衆無線LANの設置については下記)

補助対象事業補助限度額設置箇所数上限
公衆無線LANの設置設置箇所数×1万5,000円または補助対象経費の2分の1のいずれか低い額1車両当たり1箇所
公衆無線LANの設置の補助限度額

中小企業団体等、観光関連事業者グループの補助対象事業・補助対象経費・補助率・補助限度額

補助対象事業と補助対象経費の例
事業内容補足補助対象経費の例
多言語対応案内表示・利用案内・ホームページ・パンフレットの多言語化、多言語対応タブレットの導入、翻訳機の購入など翻訳費、制作費、印刷製本費、機器購入費
外国人旅行者の受け入れ対応、アクセシブル・ツーリズムに係る人材育成講師謝金、会場使用料
災害時における外国人旅行者の受け入れ対応翻訳費、制作費、印刷製本費、講師謝金
その他、理事長が外国人旅行者の受け入れ対応の強化のために必要と認める事業
補助対象事業と補助対象経費の例
補助率

1団体・グループ当たりの補助対象経費の2分の1以内

補助限度額

1団体・グループ当たり上限1,000万円

インバウンド対応力強化支援補助金を申請する際は、補助対象外となる経費も明確に把握しておくことが重要です。補助対象外経費としては、以下のようなものが挙げられます。

項目内容
1.間接経費補助金申請や事業準備段階で発生する費用(申請書作成代行費、各種証明書取得経費、送料、交通費・宿泊費、収入印紙代、通信費、水道光熱費、振込手数料など)
2.設備・機器設置後の維持費設備や機器導入後のランニングコスト
3.人件費従業員の人件費(給与、賞与、社会保険料など)
4.施設整備費施設全体の改修や修繕費用(不動産取得費、建物管理費、建築・土木委託費など)
5.中古品の購入中古品の購入費用
6.リース・レンタル費用リースやレンタルによる設置機器に係る費用
7.消耗品費一定期間継続して使用できない消耗品の購入費用
8.交付決定前の支出補助金交付決定前に発注・施工・導入した設備などに係る費用
9.不適切な取引親会社、子会社、グループ会社などとの取引や、著しく高額な経費、社会通念上不適切な経費
10.その他理事長が適切でないと判断する経費

インバウンド対応力強化支援補助金の事業実施期間は、交付決定の通知を受けた日から1年間です。この期間内に、事業を完了させ、実績報告書を提出する必要があります。

インバウンド対応力強化支援補助金の募集期間は、令和6年4月1日(月)から令和7年3月31日(月)までです。

ただし、補助金申請額が予算額に達した時点で受付終了となるので注意しましょう。受付終了の場合は、東京観光財団のホームページにて発表されます。

インバウンド対応力強化支援補助金の手続きの流れ

インバウンド対応力強化支援補助金の申請から交付、そして実績報告までの流れを、各ステップの詳細な説明とともに解説します。

①交付申請
指定の申請書類を作成・準備し、東京観光財団に提出します(申請方法・必要書類は詳細後述)。

②東京観光財団による審査
東京観光財団が、提出された申請書類に基づいて審査を行います。必要に応じて、現地調査が行われることもあります。

③交付決定、東京観光財団が申請者に通知
審査の結果、補助金の交付が決定されると、東京観光財団から交付決定通知書が送付されます。

④事業着手
交付決定通知書を受け取った後、補助事業に着手します。交付決定日より前に事業を開始した場合は、補助金の交付対象外となるので注意が必要です。

⑤実績報告
補助事業完了後30日以内、または事業実施期間満了日のいずれか早い期日までに、補助事業実績報告書を東京観光財団に提出します(詳細後述)。

⑥東京観光財団による実績の検査
東京観光財団が、実績報告書の内容に基づき、必要に応じて現地調査を行い、事業の成果が交付決定の内容や条件に適合しているかを確認します。

⑦補助金交付額確定、東京観光財団が申請者に通知
実績報告書の内容が適切と認められると、補助金の交付額が確定し、東京観光財団から交付額確定通知書が送付されます。

⑧補助金請求
交付額確定通知書を受け取った後、東京観光財団に補助金の請求書を提出します。

⑨東京観光財団から補助金支払い
東京観光財団は、請求書を受理後、速やかに補助金を支払います。

⑩受入対応状況報告
実績報告の日から1年後、受入対応状況報告書を東京観光財団に提出します。ただし、災害時における外国人旅行者の受け入れ対応、公衆無線LANの設置、防犯カメラの設置のみを実施した場合は、提出は不要です。

インバウンド対応力強化支援補助金の申請手続きと必要書類

インバウンド対応力強化支援補助金の申請方法は、郵送と電子申請システムの2種類があります。

郵送による申請

必要書類をすべてそろえ、「簡易書留」や「レターパック」など、追跡可能な方法で下記の宛先まで郵送します。

項目内容
申請期限令和7年3月31日(月)当日消印有効
書類郵送先〒162-0801東京都新宿区山吹町346番地6日新ビル2階
公益財団法人 東京観光財団 観光産業振興部 観光インフラ整備課
「令和6年度インバウンド対応力強化支援補助金」担当者宛て
申請様式等のダウンロード先https://www.tcvb.or.jp/jp/project/infra/welcome-foreigner/

電子申請システム(JGrants)による申請

デジタル庁が提供する電子申請システム「JGrants」を利用した申請も可能です。

JGrantsを利用するには、「GビズID」のアカウント(gBizIDプライム)を取得する必要があります。アカウント発行には審査があるため、時間に余裕をもって手続きを行いましょう。

項目内容
申請期限令和7年3月31日(月)当日消印有効
JGrants上の申請URLhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0W5h00000UdEtHEAV
申請様式等ダウンロード先JGrants上の申請URLと同じ ※郵送による申請とは様式が異なるので要注意

なお、JGrantsではシステムの仕様上、代理人による申請代行ができません。申請代行を希望する場合は、郵送で申請してください。

インバウンド対応力強化支援補助金の交付申請には、多数の書類が必要です。

ここでは、宿泊施設・飲食店・免税店・体験型コンテンツ提供施設等・観光バス事業者の提出書類を紹介します。中小企業団体等、観光関連事業者グループについては、「交付要綱」と「申請の手引き」をご参照ください。

書類名備考
交付申請書(第1号様式)印鑑証明書と同じ印鑑を使用
補助事業計画書(別紙1)複数施設等を申請する場合は、施設等ごとに作成
補助事業企画書(別紙2)・公衆無線LANおよび防犯カメラ設置事業は専用の補助事業企画書(別紙3または別紙4)を使用
・複数事業を実施する場合は、事業ごとに作成
・HPやチラシの多言語化などは、同一の多言語化でも別事業として、それぞれ補助事業企画書が必要
代行申請に係る委任状(別紙5)・代行を受けた者は、補助対象事業を請け負うことはできない
・JGrants申請の場合は提出不要
誓約書(第2号様式)・申請書に押印したものと同じ印鑑を使用
・JGrants申請の場合は自署が必要
★印鑑証明書<原本>・申請書および誓約書に押印したものと同じ印鑑のものを提出
・JGrants申請の場合は提出不要
★登記簿謄本等→法人:★履歴事項全部証明書<原本>→個人:★開業等届出書<写し>
社歴書・経歴書
→法人:社歴書
→個人:経歴書
書式任意
直近2期分の確定申告書<写し>→法人:貸借対照表、損益計算書→個人:税務署による収受印を確認できる税務申告書類・当期純利益が2期連続赤字の場合は、経営(改善)計画書(様式任意・原則1年分)を添付
・新規創業した施設や店舗などの場合、創業・経営計画書を提出
納税証明書<原本>
→法人:直近の法人都民税および法人事業税(都税事務所発行)→個人:直近の個人都民税(区市町村発行)および個人事業税(都税事務所発行)
最新の納税証明書(納税直後で発行が受けられない場合は直近納付時の領収証書の写し)を提出
申請内容が確認できる書類申請事業によって提出書類が異なる(詳細は後述)
見積書(経費の積算内訳書または見積内訳書)各事業に係る経費が50万円(税込)以上の場合は、複数の見積書を提出
利用者向けパンフレット施設・店舗の概要がわかるもの。ホームページの写し可
営業許可書<写し>補助金申請後に許可を受ける予定のときは、許可申請書の写し(保健所の収受印があるもの)を提出
EAT東京(飲食店のみ)「EAT東京」の「外国語メニューがある飲食店検索サイト」に掲載されていることがわかるもの(登録ページの写しなど)を提出
交付申請時に必要な書類 ※★…申請日から3ヶ月以内のものに限る

この他、申請する事業内容によって、以下のような書類を提出する必要があります。

【工事を伴う事業の提出書類】

1.公衆無線LAN

  • 設置・施工前後の最新の状況を反映した図面
  • 仕様書(工事内容などがわかるもの)
  • 工程表(スケジュール)
  • 購入機器のカタログ(希望小売価格が記載されているもの)
  • 設置・施工前の最新の写真(しるし付き)
  • 設置前速度写真(更新の場合は必須)

2.防犯カメラ

  • 設置・施工前後の最新の状況を反映した図面
  • 仕様書(工事内容などがわかるもの)
  • 工程表(スケジュール)
  • 購入機器のカタログ(希望小売価格が記載されているもの)
  • 設置・施工前の最新の写真(しるし付き)
  • 防犯カメラ管理規程

3.その他

  • 設置・施工前後の最新の状況を反映した図面・展開図
  • 仕様書(工事内容などがわかるもの)
  • 工程表(スケジュール)
  • 購入資材のカタログ(希望小売価格が記載されているもの)
  • 設置・施工前の最新の写真(しるし付き)

【研修事業の提出書類】

  • 開催日・開催時間・開催場所がわかるもの
  • 参加者リスト
  • 研修の内容が確認できるもの
  • 使用予定テキストの写し
  • 講師プロフィールなど

【その他事業の提出書類(多言語化など)】

  • 仕様書
  • 工程表
  • 設置・施工前の最新の写真(しるし付き)
  • 施工前のホームページ・パンフレット・メニューなどの写し
  • サイトマップや画面イメージなど

インバウンド対応力強化支援補助金の実績報告と必要書類

インバウンド対応力強化支援補助金の実績報告は、補助事業完了後30日以内、または事業実施期間満了日のいずれか早い期日までに、東京観光財団に必要書類を送付する形で行います。

実績報告は、補助事業を適切に実施したことを証明し、補助金の交付を受けるために非常に重要です。不備や遅延があると、補助金の減額や交付取り消しになる可能性もあります。

以下、実績報告に必要な書類です。事業内容によって追加で必要な書類もありますので、「交付要綱」と「申請の手引き」をよく確認しましょう。

書類名備考
実績報告書(第7号様式、別紙1)
契約書または注文書の写し
契約金額明細書または内訳書の写し個人への支払いの場合は、源泉徴収税分を補助対象外経費として控除
納品書の写しまたは施工業者発行の完了届の写し
請求書の写し
銀行振込受領書または契約先発行の領収書の写し
寄付金その他の収入について、内容及び内訳のわかる資料該当する場合のみ
成果物各種以下を参照
公式ホームページやSNSなどで補助事業実施を周知していることがわかる資料補助金名の記載有無は不問
その他理事長が必要とする資料
実績報告時に必要な書類

成果物各種としては、以下のようなものが挙げられます。

【工事を伴う事業】

1.公衆無線LAN

  • 完了届
  • 施工業者からの工事竣工報告書および引渡書の写し
  • 購入資材のカタログ
  • 保証書の写し
  • 全設置・施工前後の最新の写真(しるし付き)
  • シリアル№が確認できる書類
  • 全設置前後速度写真

2.防犯カメラ

  • 完了届
  • 施工業者からの工事竣工報告書および引渡書の写し
  • 購入資材のカタログ
  • 保証書の写し
  • 全設置・施工前後の最新の写真(しるし付き)
  • シリアル№が確認できる書類

3.その他

  • 完了届
  • 施工業者からの工事竣工報告書および引渡書の写し
  • 購入資材のカタログ
  • 保証書の写し
  • 全設置・施工前後の最新の写真(しるし付き)
  • シリアル№が確認できる書類

研修事業

  • カリキュラム
  • テキスト
  • マニュアル
  • 講師一覧、参加者一覧(出欠を確認した出欠表やタイムレコーダーなどの写し)
  • 開催日・開催時間・開催場所のわかるもの
  • 開催の様子がわかる写真(日付入りで講師と参加者全員が映っている様子がわかるもの)
  • 外部セミナー受講の場合は、外部セミナーで受講したことが確認できる書類(受講証など)

その他事業

  • パンフレット・メニュー等の成果物
  • 施工後のホームページの写し
  • 設置・施工後の最新の写真(しるし付き)

インバウンド対応力強化支援補助金の受け入れ対応状況の報告と必要書類

インバウンド対応力強化支援補助金では、補助事業の効果を測定するため、実績報告書提出から1年後に、受入対応状況報告書(第10号様式、別紙1)を提出する必要があります。

ただし、以下の事業のみを実施した場合は、提出が免除されます。

  • 災害時における外国人旅行者の受け入れ対応
  • 公衆無線LANの設置
  • 防犯カメラの設置

インバウンド対応力強化支援補助金の留意点

インバウンド対応力強化支援補助金では、他にもさまざまな留意点があります。ここでは4点を紹介します。

補助事業者様は、インバウンド対応力強化支援補助金の申請に関わる手続きを、他の事業者に代行させることができます。

ただし、代行を依頼された事業者は、補助対象事業を請け負うことはできません。

また、電子申請システム(JGrants)は、システムの仕様上、代理人による申請代行ができないため、申請代行を希望するときは郵送で申請する必要があります。

事業者は、補助事業の内容を変更・中止する場合、または補助事業が予定期間内に完了できない見込みとなった場合、速やかに東京観光財団に申請書類(第4号様式)を提出し、承認を得なければいけません。

期間内に補助事業を完了できない場合も同様です。この場合は、申請書類(第6号様式)を東京観光財団に提出します。

以下のような行為をした場合、補助金の交付決定の取り消しが行われる場合があります。

  • 不正な手段で補助金を交付を受けた、あるいは受けようとしたとき
  • 補助金を別の用途に使用した、あるいは使用しようとしたとき
  • 交付決定を受けた者が暴力団員等に該当することになったとき
  • 補助金の交付決定の内容やそれに関する条件などに違反したとき
  • 実績報告書の提出がなかったとき
  • その他、理事長が補助事業として不適切と判断したとき

すでに補助金が公布されている中で交付の取り消しが決定されたときは、東京観光財団への返還が求められます。その際は、補助金を受け取った日から返還する日までの日数に応じて違約加算金が発生します。

また決められた返還日までに納付しなかった場合は、返還日の翌日から実際に返還した日までの日数に応じて延滞金が発生します。

インバウンド対応力強化支援補助金の採択率を上げるポイント

最後に、インバウンド対応力強化支援補助金の採択率を上げるポイントを3つ紹介します。

インバウンド対応力強化支援補助金の申請では、東京観光財団が公開している交付要綱と申請の手引を読み込むことが重要です。この記事で触れていない注意点も多くありますので、必ず目を通すことをおすすめします。

また、目を通すときは、本補助金の目的や東京観光財団が事業者に対して求めていることを意識することが大切です。そうした姿勢が、審査員に高く評価される申請書類の作成や、必要書類のヌケモレの予防に自ずとつながります。

インバウンド対応力強化支援補助金に採択されるためには、事業の現状と課題を分析し、実現可能な事業計画を立てることが重要です。

例えば、以下のような項目を検討してみましょう。

検討項目具体的な内容
現状分析外国人旅行者の来店状況、国籍や地域、ニーズに加え、自社のインバウンド対応の現状における課題や競合店のインバウンド対応状況を分析する
課題の抽出と優先順位付け現状分析の結果、明らかになった課題を具体的に列挙し、課題の重要度や緊急性を評価して優先順位をつける
事業内容と目標の設定課題を解決するために、どのような事業を行うか具体化するとともに、事業の目標を数値化して設定する
事業の効果と評価方法事業による効果の見込みや、測定・評価方法を明確にする
スケジュールと体制事業のスケジュールを具体的に立て、誰がどのような役割を担うのかを明確にする
補助金の活用計画明確にした事業の詳細に対して、補助金をどのように活用するか計画を立てる
事業の継続性と発展性補助金の交付期間終了後も、事業をどのように継続・発展させていくのかも言語化する
実現可能な事業計画を立てるときの検討ポイント

上記はあくまで一例ですが、これらの項目を検討した上で作成した事業計画書は、審査員にも良い印象を与えることができます。

インバウンド対応力強化支援補助金に申請するときは、補助金申請の専門家にサポートを依頼することも有効です。

専門家には税理士や行政書士などさまざまですが、おすすめは中小企業診断士や補助金申請に精通した経営コンサルタントです。これらの専門家は、中小企業の経営支援の経験が豊富であり、事業の深い部分まで理解した上で、説得力のある事業計画を立てる能力に長けています。

採択されるか不安がある、作成した事業計画に説得力があるかわからないなど、少しでも悩んだときはぜひ相談してみてください。

インバウンド対応力強化支援補助金の申請にお困りでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

インバウンド対応力強化支援補助金は、東京都内の宿泊施設や飲食店、免税店などを対象に、外国人旅行者の受け入れ環境の整備を目的とした補助金です。

一方、本補助金では非常に多くの申請書類が求められ、また注意しなければいけない点も少なくありません。本記事で紹介したとおり、特に初めて補助金申請をする事業者は、中小企業診断士や補助金申請に精通した経営コンサルタントのサポートを受けることをおすすめします。

中小企業経営支援事務所では、補助金申請のエキスパートが事業者の思いや悩みにしっかり寄り添った上で、事業計画書の作成や申請のサポートを実施しています。採択率を上げるだけでなく、補助金を活用して事業を継続・発展できるように支援を行っているのが当社の特徴です。

初回相談は無料ですので、もし申請を検討していましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

【令和6年度】中小企業生産性向上促進事業費補助金とは?概要から採択率を上げるまで徹底解説

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の概要

神奈川県が実施している「令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金」は、人手不足解消や売上アップを目指すなら、ぜひ活用を検討したい補助金制度です。

生産性向上につながる設備投資やITシステム導入などを補助対象とし、補助率は最大で経費の3分の2。採択を通して補助金を受け取ることができれば、経営にとって大きな支えとなるでしょう。

この記事では補助金や申請方法から、採択されるためのポイントやコツまで、最新の公募要領をもとにわかりやすく解説しています。「申請が難しそう……」と感じている人は、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金とは?

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金とは、神奈川県が実施する、物価高騰や人手不足といった厳しい経済環境にある県内の中小企業を支援するための補助金です。

具体的には、中小企業者が行う「生産性向上や業務プロセスの改善、人手不足の解消に資する設備導入等」を支援するものです。

補助金の申請を考えている事業者は、まず自身が補助の対象となる事業者であるかを確認する必要があります。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の概要は以下の通りです。

項目内容
補助金の目的中小企業者の「稼ぐ力」の安定・強化
補助金の対象者神奈川県内に事業所を有する中小企業者
補助対象事業生産性向上や業務プロセスの改善、人手不足の解消に資する設備の導入等
補助率補助対象経費の2分の1以内(小規模事業者は3分の2以内)
補助上限額500万円(下限は25万円)
事業実施期間交付決定日から令和7年1月31日まで(2次公募の場合は、令和7年2月28日まで)
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の概要

以下、最新の公募要領(令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金〈2次公募〉の公募要領)をもとに詳しく説明します。

本補助金は、中小企業の生産性向上を支援することを目的としています。

目的内容
中小企業の「稼ぐ力」の安定・強化生産性向上に資する設備導入等を支援することで、収益力向上を図る
賃上げによる成長と分配の好循環の創出賃上げの原資となる収益を獲得することで、従業員へ還元し、更なる企業の成長へとつなげる
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の目的

本補助金を通して、中小企業が厳しい経済環境を乗り越え、持続的な成長を実現することが期待されています。

本補助金は、神奈川県内に事業所を持ち、かつ「中小企業支援法(昭和38年法律第147号)」第2条第1項に規定する中小企業者が該当します。

ただし、補助金の対象となる事業を行う事業所が神奈川県内でなければなりません。

補助率と補助上限額は以下のようになっています。

区分補助率補助上限額
生産性向上促進事業補助対象経費の2分の1以内(小規模事業者は3分の2以内)500万円(下限は25万円)
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の補助上限額・補助率

例えば、1,000万円の設備投資を行う場合、中小企業であれば最大500万円、小規模事業者であれば最大666万円が補助されます。

本補助金における補助対象経費は以下の3つです。

費目補助対象経費の内容
①機械装置等費補助事業を実施するために必要な機械装置等の購入費用。中古品も補助対象。リースやレンタルは対象外
②ITサービス導入費補助事業を実施するために必要なITサービスやシステムの導入・開発費用。ソフトウェア、クラウドサービスの購入費用や、導入するITサービスやシステムの月額・年間の利用料・契約料も補助対象
③施設工事費①機械装置等費や②ITサービス導入費で導入する機械やサービスのために必要な施設工事費用。外注費用のみが対象。施設工事費のみの申請は不可
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の補助対象経費

補助対象となる経費は、補助事業を遂行するために必要かつ明確に特定できるもので、交付決定日以降に開始し、補助事業完了日までに完了した経費です。支払金額が証明書類で確認でき、事業実施の証明書類で適切な実施が確認できること、具体的で数量等が明確であること、価格が一般価格や市場価格と比較して適正であると認められることも条件となります。

一方、補助対象外となる経費は、補助対象経費として認められない費用です。例えば、土地や建物の購入費、賃借料、修繕費、人件費、補助事業期間内に使い切らない消耗品費、交際費、既存設備の撤去費用や廃棄費用などが挙げられます。

本補助金の公募は、1次公募と2次公募に分かれており、それぞれ以下の表の通り日程が設定されています。

公募期間備考
1次公募令和6年4月1日(月)9時~令和6年5月31日(金)17時申請は締め切りました
2次公募7月締切分令和6年7月10日(水)9時~令和6年7月31日(水)17時申請は締め切りました
2次公募8月締切分令和6月8月1日(木)9時~令和6年8月30日(金)17時
2次公募9月締切分令和6月9月2日(月)9時~令和6年9月30日(月)17時
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の公募期間

郵送の場合は、当日消印有効となります。8月31日(土)消印の分は8月締切分、9月1日(日)消印の分は9月締切分として審査されます。

1次公募に申請した方は、2次公募に申請することはできません。

本補助金の事業実施期間は、1次公募と2次公募で異なります。

公募事業実施期間
1次公募交付決定日~令和7年1月31日(金)
2次公募交付決定日~令和7年2月28日(金)
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の事業実施期間

補助金の対象となる事業は、交付決定日から上記期間内に実施した事業のみです。交付決定日より前や、1次公募の場合は令和7年2月1日(土)、2次公募の場合は令和7年3月1日(土)以降に実施した事業は補助の対象になりません。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の申請手続きについて

本補助金の申請方法は、原則としてe-kanagawa電子申請システムを利用します。電子申請システムが使えない場合は、郵送での申請も可能です。

e-kanagawa電子申請システムを利用する場合

  1. e-kanagawa電子申請システムにアクセスする
  2. 利用者登録を行う(GビズIDアカウントを持っている場合はログイン)
  3. 申請書類をダウンロードする
  4. 必要事項を入力し、添付書類をアップロード
  5. 内容を確認し、送信する

郵送で申請する場合

  1. 申請書類をダウンロードする
  2. 必要事項を記入し、必要書類を添付する
  3. 以下の提出先へ郵送する
【令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金 申請書類提出先】
〒231-0033 神奈川県横浜市中区長者町5-60 NTT長者町ビル 2Fテルウェル東日本株式会社内 生産性向上補助金事務局 宛

申請に必要な書類は、大きく分けて以下の3種類です。これらの書類は、すべて正確かつ詳細に記入することが重要です。誤りや不足があると、申請が受理されない場合や、審査に不利になる可能性があります。

チェックリスト

補助金交付申請に用いるチェックリストです。郵送の場合のみ提出が必要となります。神奈川県のホームページからダウンロード可能です。

交付申請書類

交付申請書類は、補助金の申請内容や事業計画を具体的に記載する書類です。申請書の様式は、神奈川県のホームページからダウンロードできます。

・様式1:補助金交付申請書
・様式1-2:役員等氏名一覧表
・様式1-3:補助事業計画書
・様式1-4:経費予算書
・様式1-5:県外調達理由書(県外事業者から調達する場合のみ)
交付申請書類

添付書類

添付書類は、補助対象となる経費の根拠となる見積書や企業の現状を示す決算書など、補助金交付の可否を判断するために必要な書類です。

・申請する経費の見積書等
・工事前の現況写真(該当する場合のみ)
・更新前のECサイトの画面(該当する場合のみ)
・決算書等(直近2期分)
・履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書(法人のみ)
・県税の未納がないことを証する納税証明書営業許可証等(該当する場合のみ)
・パートナーシップ構築宣言にかかる宣言書(加点を受ける場合のみ)
・事業継続力強化計画の認定を受けていることを証する書類または申請していることがわかる書類(加点を受ける場合のみ)
添付書類

本補助金の申請から支払いまでの流れは、以下の表の通りです。

手続き内容期間の目安
①申請書類の提出公募期間内に、神奈川県の生産性向上補助金事務局に申請書類を提出
②審査神奈川県が提出された申請書類に基づき、審査を実施1~2カ月程度
③交付決定通知審査の結果、補助金の交付が決定したら、神奈川県が当該事業者に「交付決定通知書」を郵送交付決定後、1週間程度
④補助事業の実施事業者は交付決定通知書を受領したら、補助事業に着手交付決定日から令和7年1月31日まで
2次公募の場合は、令和7年2月28日まで
⑤実績報告書の提出事業者は補助事業完了後、神奈川県の生産性向上補助金事務局に実績報告書を提出補助事業完了後、速やかに
⑥補助金の交付実績報告書の内容に基づき、補助金の額が確定したら、事業者に交付される実績報告書提出後、1~3カ月程度
令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の申請から支払いまでの流れ

補助金を受けるためには、それぞれの段階で適切な手続きを行う必要があります。また、審査や交付決定、補助金交付にはそれぞれ期間を要しますので、余裕を持って申請を進めるようにしましょう。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の実績報告について

本補助金を受給した場合、交付申請の内容に基づき、補助事業を適切に実施したかどうか、補助金の交付条件どおりに事業が遂行されたかどうかを事務局に報告する義務があります。これを実績報告と言います。

実績報告は、補助金の交付決定を受けた後、事業完了日から起算して30日以内に行わなければいけません。実績報告を怠ったり、虚偽の内容を報告したりすると、補助金の返還を求められる可能性があるため注意しましょう。

項目内容
補助事業の実施状況補助事業の内容を具体的に実施期間、場所、内容の詳細
補助対象経費の支出状況補助金の交付申請書に記載した経費と実際に支出した経費を比較した内容
補助事業の成果補助事業により期待された成果(数値を用いての具体的な内容)
補助事業の今後の活用計画補助事業の成果を踏まえ、今後どのように事業に活用していくか、その具体的な計画

実績報告は、規定の書類を事務局に提出する形で行います。提出書類は大きく分けて、以下の3種類です。

実績報告チェックリスト

実績報告チェックリストは郵送の場合のみに提出する書類です。神奈川県のホームページからダウンロードできます。

実績報告書類

実績報告書類は、補助事業が申請内容や事業計画通りに実施されたかを証明する書類です。こちらも神奈川県のホームページからダウンロードできますので、事業内容に合わせて作成しましょう。

・様式5:補助金実績報告書(電子申請システムで自動作成)
・様式5-2:補助事業報告書
・様式5-3:経費決算書
・様式5-4:補助金取得財産管理台帳
実績報告書類

添付書類

添付書類は、実績報告書類の内容を補足する書類です。補助事業で実際に経費を使用したことを証明する書類や、事業の成果物を示す書類など、さまざまな書類があります。

・補助金の振り込みを受ける金融機関の通帳
・補助対象経費の支出を証する書類(請求書、領収書、契約書など)
・事業の実施状況を証する書類(写真、作業日報など)
添付書類

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金においては、ほかにも以下のような留意点があります。

補助事業を進めていく中で、変更が必要になった場合には、事業実施前かつ令和7年1月17日までに、「補助金変更承認申請書」などの必要書類を提出することが求められます。提出前に、必ず生産性向上補助金事務局に連絡を取り、変更内容について相談するのを忘れないようにしましょう。

補助事業を完全に中止する場合や、令和7年2月28日までに事業が完了しなかった場合、補助金の支払いは行われません。特別な事情により事業完了が遅れる場合は、令和7年1月17日までに生産性向上補助金事務局に連絡する必要があります。

補助金を利用して取得した財産の「処分」とは、補助事業目的以外で使用する、譲渡、交換、貸付、担保権設定、取壊、廃棄、移転等することをいいます。

補助金を使って取得した財産のうち、単価が50万円(税抜)以上のものは「処分制限財産」に該当し、補助事業が完了した後も一定期間は処分が制限されます。例えば、補助金で購入した機械を、別の会社に売却したり、別の事業で使用したりする場合は、処分に該当するため、事前に許可を得る必要があります。

処分制限期間は、原則として10年です。ただし、取得した財産の耐用年数が10年未満の場合は、その耐用年数が処分制限期間となります。

処分制限期間中に処分制限財産を処分する場合は、事前に「補助金取得財産等の処分承認申請書」を生産性向上補助金事務局へ提出し、承認を得る必要があります。

無断で処分した場合は、補助金の返還を求められる可能性があります。返還額は、原則として、処分時の時価に補助率を乗じた金額となります。

ほかにも以下のような留意点があります。

  • 補助金の不正使用の禁止:補助金は、交付決定を受けた事業の遂行のためにのみ使用することができ、他の目的への使用は認められていません。
  • 交付決定内容の遵守:補助事業の内容や経費の使い道は、交付決定の内容に厳格に従う必要があります。
  • 補助対象経費の厳格な管理:補助対象となる経費とそうでない経費を明確に区別し、適切な会計処理を行う必要があります。
  • 関係書類の適切な保管:補助事業に関する書類は、事業完了後も一定期間保管する義務があります。

これらの留意点を守らない場合、補助金の返還を請求されたり、今後の補助金の交付が制限されたりする可能性があります。

また、補助事業の実施期間中は、県の職員による実地検査が行われる場合があります。これは、補助事業が適切に進められているかを確認するために行われるものであり、補助金受給者は、検査に協力する義務があります。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金は、申請したら必ず受け取れるわけではありません。また受給後も、さまざまな点に注意する必要があります。

申請を考えている事業者の人に向けて、特におさえておきたいポイントを三つ紹介します。

補助金に申請するときは、公募要領をよく読み込み、その目的や意図を汲み取ることが大切です。単にルールのクリアだけを意識していると、書類を審査する側に響かない事業計画書になってしまったり、必要な書類の用意を忘れてしまったりする可能性が高くなります。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金補助金は、人手不足や生産性向上といった課題を抱える中小企業を支援し、県経済全体の活性化を目指しています。そのため、補助金を受け取る事業者には、補助金を有効活用し、持続的な成長を実現していくことが求められています。

このことを前提に、なぜこの要件なのか、なぜこういった必要書類が求められているのか、などを意識しながら公募要領を読み込むことをおすすめします。

この補助金を受け取るために重要になってくるのが、申請時に提出する事業計画書のクオリティです。事業計画書をどれだけ作り込めているかが採択の鍵を握ります。

そのためにも、以下の点を意識することが重要となるでしょう。

審査項目・加点項目

公募要領に示されている審査項目・加点項目は、審査側が重要視するポイントを明確に示しています。これらの項目を深く理解し、事業計画書に具体的に反映させることで、採択の可能性を高めることができます。

審査項目には要件審査と事業有効性審査の2つがあります。

1.要件審査

まずは、補助を受けるための基本的な要件を満たしているかどうかの確認が行われます。具体的には、以下の点が挙げられます。

・対象となる事業者であるか
・補助金の要件を満たしているか
・申請書類に不備や不足がないか
・補助事業に必要な経費として認められるか
・見積もりの内容が適正で、補助対象外の経費が含まれていないか
要件審査

2.事業有効性審査

事業の有効性については、提出された事業計画の内容を精査し、実現可能性や収益性、そして生産性向上への効果などが総合的に判断されます。

・事業計画は公募要領に沿っているか、具体的で実現可能な内容となっているか
・社会通念上、問題のない事業内容であるか
・自社の強みや弱みを分析し、それを活かした計画となっているか
・事業収支計画は実現可能で、継続的に収益を上げられる見込みがあるか
・付加価値額を3年間で4.5%以上増加させることができるか
・増加した付加価値額は、従業員の給与にも適切に分配される計画となっているか
・生産性向上に必要な投資であり、費用対効果に見合ったものとなっているか
・資金計画は実現可能で、無理なく事業を進められるものとなっているか
事業有効性審査

また、以下の項目を満たしている場合は、審査において加点される可能性があります(加点項目)。

・「パートナーシップ構築宣言」を行い、宣言日が申請日までであること
・「事業継続力強化計画(単独型・連携型)」の認定を受けている、または申請中であること
加点項目

事業者の事業に対する思い

補助金申請は、単なる事務手続きではありません。事業者の熱い思いや将来へのビジョンを伝える絶好の機会です。審査項目にとらわれすぎることなく、自社の強みや独自性を活かした、魅力的な事業計画書を作成しましょう。

事業者の情熱や具体的な目標が伝わることで、審査側の心を動かし、採択へとつながる可能性が高まります。

各種必要書類は、事業計画の内容を裏付ける根拠となるものです。それぞれの書類がなぜ必要なのか、審査側へどのような情報を伝えるためなのかを理解し、丁寧に準備することが重要です。

例えば、見積書は補助対象経費の妥当性を判断するための資料となります。相見積もりを取得することで、価格の妥当性をより明確に示すことができます。また、事業実施の証明書類(写真等)は、補助事業が実際に実施されたことを証明するための重要な資料となります。写真の内容や撮影方法にも注意を払い、事業内容が明確に伝わるように準備しましょう。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金の申請は、複雑で時間と労力を要します。思った以上に大変……という声は少なくありません。

そこで、おすすめしたいのが、補助金申請の専門家にサポートを依頼することです。ここでは相談するメリットや専門家の探し方について紹介します。

専門家のサポートを受けるメリットは多岐にわたります。特に大きいのが以下の4つです。

メリット説明
時間と労力の削減申請書類の作成や手続きを効率的に進められるようになる
採択率の向上事業計画や申請書類の的確なブラッシュアップによる採択率の向上が期待できる
最新情報の入手頻繁に改定される補助金制度の最新情報を得られる
申請後のフォローアップ採択後に求められる実績報告や精算手続きなど、複雑な手続きのサポートも受けられる
専門家に相談するメリット

このように、専門家のサポートを受けると、時間と労力の削減、採択率の向上、最新情報の入手、申請後のフォローアップといった多くのメリットが得られます。

補助金申請を専門家に依頼するメリットは多岐に渡りますが、いざ専門家を探そうとすると思わぬ苦労をするかもしれません。

大きく分けて、以下の3つの手段があります。

手段具体的な方法メリットデメリット
公的機関の窓口を利用する各都道府県の中小企業支援センターや商工会議所などに相談相談は無料で行うことができたり、専門家を紹介してもらえたりする地域や機関によっては、専門家の数が限られている場合があり、希望する専門家が見つからない可能性がある
インターネットで検索する補助金申請や経営コンサルティングなどのキーワードで検索全国各地の専門家を比較検討することができる情報が多すぎるため、自分に合った専門家を見つけるのが難しい場合がある
紹介を受ける銀行や税理士、弁護士など、普段から付き合いのある専門家に相談して紹介してもらうすでに信頼関係が構築されている専門家を紹介してもらえる可能性が高い必ずしも希望する専門家を紹介してもらえるとは限らない
専門家の見つけ方

どの方法で専門家を探す場合でも、複数の専門家に相談し、実績や費用、対応などを比較検討することが大切です。

面談を通して、自分の事業内容や課題を理解し、親身になって相談に乗ってくれる専門家を選びましょう。

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金をお考えでしたら、中小企業経営支援事務所にご相談ください

令和6年度中小企業生産性向上促進事業費補助金は、中小企業の生産性向上を目的とした神奈川県主催の制度です。

中小企業の大きな助けとなる制度ですが、受給するためにはさまざまな点に留意する必要があります。そのため、申請したいけれど、なかなか時間が作れない……と悩んでいる事業者もいるでしょう。

もし申請に関して悩んでいる場合は、ぜひ一度、中小企業経営支援事務所への相談をご検討ください。

中小企業経営支援事務所は、中小企業の経営課題解決をサポートする専門機関です。補助金申請についても豊富な知識と経験を持つ専門家が在籍しており、採択率を高めるための支援体制が整っています。

相談は無料ですので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業とは?申請方法と採択されるコツを解説

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業

「事業環境の変化にうまく対応できない」「思い描く経営戦略を実行に移すための資金が足りない」

このような悩みを抱えている経営者も多いのではないでしょうか。

急速に変化する現代社会において、企業が持続的な成長を遂げるためには、時代の流れをいち早く察知し、柔軟かつ戦略的に事業を展開していくことが求められます。

しかし、中小企業やスタートアップ企業にとって、必要な資金やノウハウを確保することは容易ではありません。

そこで、東京都中小企業振興公社では、「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」を通じて、都内の中小企業の挑戦を力強く後押ししています。

この記事では、「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の概要や申請方法、採択されるためのポイントなどを具体的に解説していきます。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金・助成金申請のエキスパートです。新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。採択のコツについて懇切丁寧に解説いたします。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業とは

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(経営改善計画策定による経営基盤強化支援)(一般コース)とは、新型コロナウイルス感染症の影響や、その後の物価高騰など、企業を取り巻く事業環境の激変に対応し、事業の強化を図る中小企業を支援するために、東京都が実施している助成事業です。

具体的には、これまで営んできた事業のさらなる深化や発展に取り組み、経営基盤の強化を図る企業に対して、設備投資や人材育成、販路開拓など、その取り組み内容に応じて経費の一部を助成します。

この事業を活用することで、企業は以下のようなメリットを得られます。

  • 助成金により、設備投資や人材育成、販路開拓など、さまざまな取り組みへの資金調達をスムーズに行うことができる
  • 事業の強化や経営基盤の強化を図り、変化の激しい事業環境においても持続的な成長を実現できる

以下、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の詳細や申請方法を、東京都中小企業振興社のWebサイトに公開されている概要や募集要項などをもとに、詳しく解説します。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業では、ポストコロナ時代を含む新たな事業環境の変化に対応し、事業者がこれまで行ってきた事業のさらなる深化や発展に取り組むことで、経営基盤の強化につなげることを目的としています。

具体的には、以下のような取り組みが助成対象となります。

項目具体的な取り組み例
既存事業の深化・高性能な機器や設備を導入して競争力を強化する
・既存の商品やサービスの品質を向上させる
・高効率機器や省エネ機器を導入して生産性を向上させる
既存事業の発展・新たな商品やサービスを開発する
・商品やサービスの提供方法に新たなものを導入する
・既存事業で培った知識や経験を活かした、新規事業展開(フランチャイズ展開、海外展開なども含む)
助成対象となる具体的な取り組み例

反対に、以下のような取り組みは助成対象外となるので注意が必要です。

  • 申請者がこれまで行ってきた事業内容との関連性が薄い、または全くない取り組み
  • 法改正への対応など、義務的な取り組み
  • 単なる老朽設備の維持更新など、競争力や生産性の向上に寄与しない取り組み

これらの内容を参考に、自身の事業が助成対象となるか検討してみましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、中小企業であればどんな企業でも対象となるわけではありません。申請するためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。

例えば、都税を滞納なく納めていること、事業を継続して営んでいることなどが挙げられます。これらの要件を満たしていない場合、残念ながら助成を受けることはできません。

具体的な対象者は以下の表の通りです。

区分条件
企業規模中小企業基本法第2条に規定する中小企業者
資本金や従業員業種によって異なる
製造業や情報通信業の場合は3億円以下、または従業員数300人以下
サービス業の場合は5,000万円以下、または100人以下
所在地東京都内に事業所を有し、都税を滞納なく納めていること
その他経営革新計画の承認を受けていること、事業を継続して営んでいること、暴力団と関係がないことなど
対象者概要

上記の表を参考に、自身の企業が助成対象に当てはまるかどうか、事前に確認しておきましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業では、対象となる取り組みのために支出する経費の一部が助成対象となります。具体的には、以下の表に示すような種類があり、それぞれの項目で認められる具体的な内容が細かく定められています。

経費の種類内容
原材料・副資材費事業を行うために必要な原材料や部品などの購入費用
機械装置・工具器具費事業に必要な機械や装置、工具、器具などの購入費用やリース費用
委託・外注費事業の一部を外部に委託する場合の費用(市場調査、専門家指導、販売促進、その他)
産業財産権出願・導入費新しい技術やデザインの保護のための特許や意匠などの出願費用、あるいは外部からの技術導入費用
規格等認証・登録費新しい製品やサービスを市場に投入するために必要な規格の認証や登録費用
設備等導入費事業に必要な設備の購入や設置費用
システム等導入費業務効率化やサービス向上のためのシステム開発や導入費用
専門家指導費専門家から事業に関する指導や助言を受けるための費用
不動産賃借料事業を行うために必要な事務所や工場などの賃借費用
販売促進費新しい商品やサービスの販売促進のための広告宣伝費や広報費(既存事業に係る販売促進は対象外)
その他経費上記のいずれにも該当しない経費で、事業を行うために必要と認められる費用
助成対象経費一覧

ただし、すべての経費が助成対象となるわけではなく、事業内容との関連性や必要性などについて審査が行われます。

例えば、委託・外注費のうちの市場調査費や、専門家指導費、販売促進費、その他経費は、それのみでは申請できず、これらの費用とその他の対象経費を組み合わせる必要があります。また、販売促進費については、あくまで新規事業に関するものが対象となり、既存事業の販売促進は認められません。

助成を希望する際には、どのような経費がどの程度認められるのか、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業では、対象となる経費に対して、一定の割合で助成が行われます。助成率は対象経費の2/3以内と定められており、上限は800万円です。

項目内容
助成率助成対象経費の2/3以内
助成限度額800万円
助成率と助成限度額

例えば、600万円の対象経費が発生した場合、助成額は最大で400万円(600万円×2/3)となります。

一方で、対象経費1,800万円の場合、2/3の金額は1,200万円ですが、助成限度額が800万円なので、800万円のみしか受け取れません。

つまり、事業計画が大きくなっても、受け取れる助成金には上限があるため、事業計画の規模に応じた資金調達計画を立てることが重要になります。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業では、助成金の対象となる期間が事業開始日から最長1年間と定められています。

例えば、2023年10月1日に事業を開始し、2024年9月30日に完了する計画の場合、2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間が助成対象期間となります。

助成対象となる経費は、この期間内に発注または購入したものが対象です。交付決定前に発注したものや、クレジットカードの引き落とし日が対象期間を超えるものは対象外となるため注意しましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請要件 チェックリストで確認

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請には、いくつかの要件を満たしている必要があります。

まずは、以下のチェックリストで、申請資格があるかを確認しましょう。

項目チェック
都内の中小企業者である
大企業が実質的に経営に参画していない
東京都暴力団排除条例に規定する暴力団関係者ではない
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する風俗関連業、ギャンブル業、賭博など、支援の対象として社会通念上適切でないと判断される業態を営むものではない
同一テーマ・内容で、他の助成金などを受けていない
事業税等を滞納していない
東京都および公社に対する債務を滞納していない
過去5年間に、助成事業などに関して不正などを起こしていない
過去に公社から助成金の交付を受け、
必要な報告書の提出が完了している
民事再生法または会社更生法による申立てなど、助成事業の継続に不確実な状況が存在しない
助成事業の実施に必要な許認可を取得し、
関係法令を遵守している
公社が適切でないと判断する業態を営むものではない
申請要件チェックリスト

すべてチェックが入れば、申請資格を満たしている可能性があります。

ただし、上記以外にも、所在地や売上高に関する要件、申請書類、実施場所に関する要件など、さまざまな要件がありますので、必ず最新の募集要項をご確認ください。

申請から交付までの流れ

助成事業への応募を検討するにあたって、気になるのは申請から交付までのプロセスではないでしょうか。大まかな手続きの流れを紹介します。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請は、電子申請システム「jGrants」を通じて行います。なお「jGrants」を利用するには、GビズIDのWebサイトで「GビズID(プライムアカウント)」を事前に取得しておく必要があります。

GビズID(プライムアカウント)を取得したら、「jGrants」にアクセスし、画面の指示に従って必要書類を送付します。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請には、いくつかの書類を提出する必要があります。主な必要書類は以下の通りです。

書類名内容入手方法
申請書助成金の交付を申請するための書類。事業計画の概要や助成金の申請額などを記載する東京都中小企業振興公社のWebサイトからダウンロード
事業計画書事業の内容、目標、計画などを具体的に記載した書類東京都中小企業振興公社のWebサイトからダウンロード
見積書機械装置や設備などの購入、工事などの費用を証明するための書類各業者から入手
登記事項証明書企業の情報が記載された書類法務局で取得
市町村発行の直近3期分の納税証明書(その1)税金の滞納がないことを証明する書類各市町村の窓口で取得
主な申請書類

他にも多様な書類が必要となりますので、早めの準備が重要です。

jGrantsを利用して電子申請をすると書類審査が行われ、書類審査を通過すると専門家による面接審査が行われます。書類審査および面接審査では、以下の5つの項目を中心に申請書類の内容が見られます。

  • 発展性:既存事業の深化・発展に資する取り組みであるか
  • 市場性:ポストコロナなどにおける事業環境の変化前後の市場分析は十分にされているか
  • 実現性:取り組むための体制は整っているか
  • 優秀性:事業者としての創意工夫や今後の展望はあるか
  • 自己分析力:自社の状況を適切に理解しているか

審査が通り、交付決定通知を受けたら、いよいよ事業開始です。この交付決定以後から1年の間に契約や支払いを行った経費が、助成事業の対象となります。

交付決定後から完了検査までの流れは以下のとおりです。

  1. 交付決定通知の受領
  2. 事業の実施
  3. 事業完了
  4. 完了実績報告書の提出
  5. 完了検査(書類審査、現地調査)
  6. 交付額確定通知書の受領
  7. 助成金の請求

上記を見て気づくように、交付が決定されたといっても、助成金を必ずしも満額受け取れるとは限りません。提出された完了実績報告書に基づき、書類審査や現地調査が行われ、それをもとに初めて実際に交付される助成金の額が決まります。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業への申請は、余裕を持った準備が重要です。特に、GビズIDプライムの取得には時間がかかる場合があるため、注意する必要があります。

申請準備から事業実施までの一般的なタイムラインは以下の通りです。

準備期間内容留意点
3カ月前~GビズIDプライムの取得開始審査に1週間程度かかる場合があり、アカウント発行までに時間を要する可能性がある
2カ月前~募集要項の確認、事業計画の検討開始募集要項は、公社のWebサイトで見られる。事業内容が要件に合致しているか、しっかりと確認すること
1カ月前~事業計画書の作成、必要書類の準備事業計画書は、審査の重要なポイント。具体性、実現可能性を意識して作成する
2週間前~電子申請システム(jGrants)への入力jGrantsの操作に慣れておくことも重要。入力内容に誤りがないか、最終確認を忘れずに
申請受付期間(約2週間)電子申請システム(jGrants)から申請申請期間は、公社のWebサイトで確認可能。締切間際は混雑が予想されるため、余裕を持った申請を
申請後~(審査期間:約3カ月)書類審査、面接審査審査結果が出るまでは、事業計画の内容について、あらためて整理しておくと◎
交付決定後~交付決定通知書の受領、事業開始、事業実施、完了検査交付決定後、速やかに事業に着手。事業実施中は、計画の進捗状況や経費の支出について、こまめな管理が必要。事業完了後は、完了検査を受けること
申請準備から事業実施までの大まかなスケジュール

このように、申請から事業開始、完了までには、数カ月かかる場合もあります。計画的に準備を進め、スムーズな事業の実施を目指しましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、申請が集中しており、募集期間が短くなっています。令和6年度は毎月募集が行われていますが、申請件数が各月の予定数に到達すると、当初の申請受付期間が来る前に募集が締め切られることもあります。

令和6年7月14日時点では、以下のスケジュールで募集が予定されています。

募集回申請受付期間
第4回(終了)令和6年7月1日~7月12日まで
第5回令和6年8月1日から8月15日まで
第6回令和6年9月2日から9月13日まで
第7回令和6年10月1日から10月15日まで
第8回令和6年11月1日から11月15日まで
第9回令和6年12月2日から12月13日まで
第10回令和7年1月6日から1月15日まで
第11回令和7年2月3日から2月14日まで
第12回令和7年3月3日から3月14日まで
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の募集予定表

ただし、予算の都合などにより、予告なく募集予定が変更される場合もあります。最新の情報は、東京都中小企業振興公社のWebサイトで必ず確認するようにしてください。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の採択率を上げるポイント

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業に申請するのであれば、採択の可能性を最大限に高めたいものです。

ここでは採択率を上げるためのポイントを、事業計画書作成のコツ、書類不備の対策、面接対策、専門家活用の4つの観点から詳しく解説していきます。

事業計画書は、事業計画が新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の趣旨に合致しているか、実現可能性が高いか、そして経営基盤の強化につながるのかを審査員に理解してもらうための重要な書類です。

採択率を高めるためには、以下のポイントを押さえながら作成しましょう。

項目説明
1.事業の背景と目的なぜこの事業に取り組むのか、その背景や目的を明確に記述する。市場の現状やニーズ、競合との差別化などを分析し、事業の必要性を具体的に示すことが重要
2.事業内容具体的な事業内容をわかりやすく説明。どのような商品・サービスを提供するのか、ターゲットは誰か、どのような方法で販売・展開するのかを明確にする。図表などを活用すると、よりわかりやすい
3.目標と評価指標事業を通じて達成したい目標を具体的かつ定量的に設定。売上目標だけでなく、新規顧客獲得数、市場シェア、顧客満足度など、事業の成功を測る指標を明確にする
4.実施体制事業を推進する体制について説明します。誰がどのような役割を担うのか、社内外の協力体制はどうなっているのかを明記。特に、専門性の高い分野については、外部の専門家との連携体制をアピールすることで、事業の実行可能性を高められる
5.資金計画事業に必要な資金と調達方法、資金の使い道を明確に示す。「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の助成金をどのように活用するのか、具体的な計画を立てることがポイント
6.予想される効果事業の実施によって、自社の経営基盤がどのように強化されるのか、具体的な効果を記述しておく。売上増加、利益率向上、新規市場開拓、雇用創出など、定量的なデータに基づいた予測を示すことが重要
事業計画書を作成するときのポイント

これらのポイントを踏まえ、審査員があなたの事業計画を理解し、共感し、その成長性を確信できるような説得力のある事業計画書を作成しましょう。

申請書類には、事業計画書以外にも、誓約書や申請要件確認チャートなど、さまざまな書類があります。これらの書類に不備があると、審査に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。例えば、誓約書では記入漏れや押印漏れといった不備がしばしば見受けられます。提出前に必ず確認し、漏れなく記入・押印をしておきましょう。

さらに、その他の添付書類においても、形式が指定と異なる、または期限切れの書類を提出してしまうといったケースがあります。募集要項で指定された形式・期限の書類を提出するように心がけましょう。最新の情報を確認し、必要があれば更新することが大切です。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の採択を勝ち取るためには、書類審査を通過した後に行われる面接審査の対策も重要です。面接では、提出した事業計画書の内容をより具体的に説明するだけでなく、審査員からの質問に的確に答える能力も求められます。

面接審査を突破するために、以下のポイントを踏まえ、しっかりと準備しておきましょう。

項目内容
事業計画への深い理解事業計画書の内容を改めて精査し、事業の目的や目標、具体的な内容、予想される効果などを深く理解しておく
想定される質問への回答準備審査員からのさまざまな角度から質問にスムーズに答えられるように、質問を想定し、回答を事前に準備しておく
熱意と明確なビジョン事業にかける熱意や、将来に対する明確なビジョンを審査員に伝えるようにする
質問には正直かつ具体的に回答わからないことや曖昧な点は、正直に伝え、審査員の説明に耳を傾ける。回答は具体的であるように心がけ、根拠やデータを示すと◎
落ち着いて丁寧な受け答えを心がける面接官の目を見て、ハキハキと話すことも大切
面接審査に挑むときのポイント

面接審査は、審査員と直接対話できる貴重な機会です。積極的にコミュニケーションを取り、事業内容への理解を深めてもらい、採択へとつなげましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請は、複雑な手続きや書類作成が求められます。そのため、専門家のサポートを受けることは、採択率を上げるための有効な手段です。

例えば、以下のような専門家が考えられます。

専門家サポート内容
補助金申請に精通したコンサルタントや中小企業診断士事業計画のブラッシュアップ、事業の課題や改善策の提案、事業計画に基づいた実行支援など
税理士助成対象経費の判断、事業計画の財務面の精査、確定申告サポートなど
行政書士助成金申請書類の作成代行、提出書類のチェックなど
助成金申請の主な専門家

これらの専門家は、豊富な知識と経験に基づいて、事業者にとって最適なアドバイスやサポートを提供してくれます。

特に、補助金申請に精通したコンサルタントや中小企業診断士は、採択率を左右する事業計画のブラッシュアップに強みを持っています。これから初めて申請する場合や、なかなか採択されずに悩んでいる場合は、ぜひ積極的に検討することをおすすめします。

経営展開サポート事業に関してよくある質問

事業の深化・発展につながる場合に限り、従業員への教育研修費用は助成対象となります。ただし、すべての教育研修費用が対象となるわけではありません。

助成対象となるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 教育研修の目的が、既存事業の深化・発展や新規事業開拓につながること
  • 教育研修の内容が、専門性の高い技術・知識の習得など、事業の深化・発展に直接的につながる内容であること
  • 教育研修の実施方法が、外部研修や社内研修など、適切な方法で実施されていること
  • 教育研修の費用が、妥当な金額であること

例えば、新製品開発のための技術研修や、海外進出のための語学研修などは、助成対象として認められる可能性があります。

個別のケースについては、東京都中小企業振興公社に相談することをおすすめします。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請は、電子申請のみです。郵送やFAXでの提出は受け付けていません。

申請には、国が提供する電子申請システム「jGrants」を利用します。jGrantsの利用には、「GビズIDプライム」アカウントが必要です。アカウント発行には1週間程度かかる場合があるので、余裕を持って手続きを行いましょう。

個人事業主も新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業に申請可能です。

この事業の対象者は「中小企業者」となっていますが、中小企業基本法では、個人事業主も従業員数に応じて「中小企業者」に該当すると定義されています。

つまり、従業員数が一定数以下の個人事業主であれば、本事業の対象となります。ただし、その他の要件も満たしている必要がありますので、申請前に募集要項などで詳細を確認しましょう。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請をお考えでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業は、東京都の中小企業が変化をチャンスに変え、持続的な成長を遂げるための大きな支えとなるでしょう。

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中小企業経営支援事務所は、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業に熟知している経営コンサルタントです。事業計画書作成のアドバイスをはじめ、申請に際してのお困りごとに丁寧に寄り添い、採択の可能性を高めるためのサポートをしています。これから申請を考えている方や採択されずに悩んでいる方は、ぜひお気軽に当社にご相談ください。初回相談は無料す。

また、以下の動画でも解説をしていますので、合わせてご覧をいただければ幸いです。

【2次公募開始】大規模成長投資補助金ガイド|採択率UPの秘訣も解説

近年、深刻化する人手不足や生産性向上は、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。そこで注目されているのが、政府が推進する「大規模成長投資補助金」です。この補助金は、中堅・中小企業の設備投資やシステム導入を支援し、企業の成長と賃上げを後押しすることを目的としています。

この記事では、令和年6月26日から開始された2次公募の申請を検討している企業経営者に向けて、2次公募の概要や対象経費の例、申請の流れなどをわかりやすく解説します。

当社・中小企業経営支援事務所は、大規模成長投資補助金の1次公募で不採択となった事業者様から多くの相談をいただいています。その豊富な経験を踏まえて2次公募の採択に向けての適切なアドバイスを行っておりますので、申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。懇切丁寧に解説いたします。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

【最新情報】大規模成長投資補助金2次公募の概要

大規模成長投資補助金は、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の略称で、経済産業省が推進する補助金制度です。

中堅・中小企業の生産性向上や事業規模拡大を目指して行う大規模な投資を支援し、当該企業に勤める労働者の持続的な賃上げを目指すことを目的としています。

大規模成長投資補助金は、1次公募は令和6年3月6日から4月30日までだったため終了していますが、2次公募が令和年6月26日から始まっています。公募締め切りは令和6年8月9日です。

項目内容
補助金名中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金
公募期間令和6年6月26日(水)~令和6年8月9日(金)17:00
補助事業期間交付決定日から最長で令和8年12月末まで
(特別枠の場合、令和7年3月31日まで)
補助上限額50億円
補助率1/3以内
補助対象者常時使用する従業員数が2,000人以下の会社または個人など
補助事業の要件投資額10億円以上であること、賃上げ要件を満たすことなど
補助対象経費建物費、機械装置費、システム構築費など
大規模成長投資補助金2次公募の概要

2次公募の内容は、1次公募とそれほど大きく変わりません。

ただし、補助金による効果を最大化する観点から、令和6年度内に投資する事業者向けの特別枠を新設したり、同年度内の投資比率が大きい計画に対しては優遇措置を講じたりすることが決められています。

以下、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金公募要領(2次公募)」をもとに詳しく説明します。

大規模成長投資補助金2次公募の補助上限額・補助率

2次公募の補助上限額は50億円です。補助率1/3以内となっています。例えば、3億円の設備投資が認められた場合、補助金は最大1億円まで補助されます。

大規模成長投資補助金2次公募の補助事業期間

交付決定日から最長で令和8年12月末までです。ただし、特別枠の場合、令和7年3月31日までとなっています。

大規模成長投資補助金2次公募の補助対象者

大規模成長投資補助金の2次公募における主な補助対象者は、以下の通りです。

  • 日本国内に本社および補助事業実施場所を有する事業者
  • 常時使用する従業員数が2,000人以下の会社または個人等
  • 政策目的に沿った収益事業を行う会社・個人以外の法人

ただし、「みなし大企業」と呼ばれる一定の条件に該当する事業者は補助対象外となります。例えば、発行済株式の過半数を大企業が所有している場合や、役員の半数以上が大企業の役員を兼務している場合などが該当します。

申請に関しては、同一公募において1事業者1件のみの申請が可能で、みなし同一法人についても同様です。なお、1次公募で交付決定を受けた事業者は2次公募への申請はできません。

また、補助対象外となる事業者も明確に定められています。経済産業省から補助金交付停止措置を受けている者、従業員数を意図的に操作している者、日本円での精算ができない者、事業の大半を外注する者、1次産業のみの事業者などが該当します。

なお、申請にあたっては、EBPM(証拠に基づく政策立案)への協力が求められます。これは、効果的な政策立案や効果検証のためのデータ活用に同意することを意味します。

以上の要件を踏まえ、自社が補助対象者に該当するか慎重に確認した上で、申請を検討することが重要です。

大規模成長投資補助金2次公募の補助事業の要件

大規模成長投資補助金2次公募では、企業の投資計画が補助対象となるかを見極める「補助事業の要件」が重要となります。特に2次公募では、早期の投資効果を重視した「特別枠」が新設され、要件を満たせば、交付決定から短期間での事業完了が可能となりました。

ここでは、一般枠・特別枠の要件について詳しく解説します。

  1. 投資額10億円以上(税抜き。外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)であること
    ※投資場所が複数地域になる場合も対象となるが、補助事業の目的・内容が一体的でなければならない
    ※共同申請も可能
  2. 賃上げ要件を達成すること
  1. 一般枠の要件を満たすこと
  2. 令和6年度中(令和7年3月31日まで)に補助事業の完了が見込まれること
    ※対象となる経費は令和6年度中に支払予定のもののみ

一般枠にしても特別枠にしても、大規模成長投資補助金を受け取るためには賃上げ要件を達成する必要があります。賃上げ要件は、企業の持続的な成長と従業員の待遇改善を両立させることを目的としたものです。この要件を達成するには、以下を満たす必要があります。

項目要件
賃上げ目標補助事業終了後3年間の1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、都道府県の最低賃金上昇率以上
対象者補助事業に関わる従業員(非常勤含む)および役員
給与支給総額の範囲給料、役員報酬、賞与、各種手当等の給与所得として課税対象となる経費
目標達成義務・申請時に目標を掲げ、従業員等に表明
・未達成の場合、補助金返還(天災等除く)
その他の条件・基準年度の給与支給総額が申請時点の直近事業年度以上
・目標水準を事務局ホームページで公表
・「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」遵守
賃上げ要件のポイントまとめ

申請を検討する企業は、自社の現状と将来計画を踏まえ、これらの要件を達成できるか慎重に検討しなければいけません。また、要件達成のための具体的な施策(例:生産性向上による利益増、人材育成による付加価値向上など)もあわせて検討することが重要です。

大規模成長投資補助金2次公募の補助対象経費

大規模成長投資補助金では、設備投資やシステム導入など、幅広い経費が補助対象となります。

区分補助対象経費具体例
建物費事業を行うための事務所、工場などの建設、増築、改修費用新工場の建設、事務所のリノベーション
機械装置費事業に必要な機械装置や工具の購入、設置費用最新鋭の生産ロボット導入、省力化のための工作機械導入
システム構築費業務効率化、生産性向上のためのシステム開発、導入費用販売管理システム導入、在庫管理システム導入
ソフトウェア費業務効率化、生産性向上のためのソフトウェア購入、導入費用CAD/CAMシステム導入、生産管理ソフトウェア導入
外注費補助事業遂行に必要な加工、設計などを外部に委託する費用システム開発の一部外部委託、工場レイアウト設計の外部委託
専門家経費補助事業遂行に必要な専門家への謝金、旅費など経営コンサルタントへの依頼、システム導入コンサルタントへの依頼

大規模成長投資補助金の補助対象経費一覧

ただし、すべての経費が補助対象となるわけではありません。補助対象とならない経費もあるので、事前に公募要領をよく確認しましょう。不明点があれば、専門家へ相談することをおすすめします。

大規模成長投資補助金の申請ステップ

次に、申請から採択までの流れや必要書類を紹介します。要点をおさえてスムーズな申請を目指しましょう。

大規模成長投資補助金の申請から採択までの流れは、以下のようになっています。

  1. 公募申請
    申請者は、電子申請システムを通じて申請書類を作成・提出します。この際、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。
  2. 審査
    審査は2段階で行われます。まず書面審査(1次審査)で、形式要件の確認や計画の定量的な評価が行われます。次に、プレゼンテーション審査(2次審査)で、外部有識者による計画の定性的な評価が行われます。この審査は地域ブロック単位で開催されます。
  3. 採択
    審査結果に基づき、採択される事業者が決定され、結果が通知されます。
  4. 補助事業の実施
    採択された事業者は交付申請を行い、事務局による交付決定を受けます。その後、補助事業を実施し、事務局による実施状況の確認を受けます。事業完了後、事業報告と証憑類の提出を行い、補助額が確定します。最後に補助金が交付されます。
  5. 事業化・賃金引上げ状況などの報告
    補助事業者は、補助事業期間終了後、3事業年度にわたり(計4回)、事業化の状況や賃上げの状況などについて報告を行います。

この流れに沿って、申請から補助金受給、そして事後報告までの一連のプロセスが進められます。

大規模成長投資補助金2次公募において、特に重要な日程は以下の通りです。

工程日程
2次公募申請受付期間令和6年6月26日(水)~令和6年8月9日(金)17時
プレゼンテーション審査9月上中旬頃(予定)
採択発表9月中下旬頃(予定)

申請受付期間は上記の通りですが、申請が集中しやすいため、余裕を持った申請が重要です。

プレゼンテーション審査は、2次審査通過者を対象に実施されます。1次審査を通過した場合には、速やかにプレゼンテーション資料作成などの準備を始めましょう。

採択発表は9月中下旬頃を予定していますが、変更となる可能性もあります。最新情報は事務局ホームページを確認するようにしてください。

大規模成長投資補助金の申請には、企業の現状や成長投資計画を具体的に示す書類が必要です。主な必要書類は以下の通りです。

資料名対象ファイル形式命名規則
1. 成長投資計画書(様式1)全申請者PDFA001_成長投資計画書_事業者名.pdf
2. 成長投資計画書別紙(様式2)全申請者ExcelA002_成長投資計画書別紙_事業者名.xlsx
3. ローカルベンチマーク(様式3)全申請者Excel (.xlsm)A003_ローカルベンチマーク_事業者名.xlsm
4. 決算書等(3期分)全申請者PDFA004_決算書(前々期決算分)_事業者名.pdf
A004_決算書(前期決算分)_事業者名.pdf
A004_決算書(最新決算分)_事業者名.pdf
5. 金融機関による確認書(様式4)該当者のみPDFA005_金融機関による確認書_事業者名.pdf
6. リース取引に係る誓約書(様式5)該当者のみPDFA006_リース取引に係る誓約書_事業者名.pdf
7. リース料軽減計算書(様式6)該当者のみPDFA007_リース料軽減計算書_事業者名.pdf
大規模成長投資補助金に公募申請するときの必要書類一覧

これらの様式は、大規模成長投資補助金の資料ダウンロードページから入手することができます。

なお、申請にあたっては、最新の2次公募用の様式を使用し、各資料のファイルサイズを10MB以下に抑えることが重要です。ファイル名は表に示した命名規則に厳密に従い、成長投資計画書は35ページ以内でPDF形式で提出します。様式1、2、3の数値は確定した決算資料と整合させ、決算書は直近3期分を提出(不足分は白紙のPDFを提出)する必要があります。コンソーシアム形式の場合は幹事企業が代表して提出します。

効率的な申請のために、公募締切日の5営業日前までに提出すると事前チェックが可能です。資料の再提出が必要な場合は、事務局サポートセンターへの事前連絡が必須となります。最後に、提出前に不備や不足がないか十分確認することで、スムーズな申請プロセスを実現できます。特に様式や数値の整合性、ファイル形式などに注意を払うことが重要です。

大規模成長投資補助金の申請は、電子申請システム「jGrants」にある申請用ページを通じて行います。

jGrantsは、政府が提供する補助金申請の統一プラットフォームです。初めてjGrantsを利用する場合は、アカウント登録が必要となります。企業情報、代表者情報などを登録し、GビズIDプライムアカウントを取得しましょう。

GビズIDプライムアカウント発行後、jGrantsにログインし、必要書類をアップロードして申請します。

操作方法に関するマニュアルは、経済産業省のウェブサイトで公開されています。不明点があれば、jGrantsヘルプデスクへ問い合わせも可能です。

採択率UP!審査基準と成長投資計画書作成のポイントとプレゼン審査対策

大規模成長投資補助金の採択を目指す上では、審査基準を理解し、それに合致した効果的な計画書を作成したり、プレゼンテーション審査に臨んだりする必要があります。

ここでは、採択率を向上させるための審査基準の詳細と、説得力のある成長投資計画書を作成するためのポイント、プレゼンテーション審査の対策方法を解説します。

審査基準は、「経営力」「先進性・成長性」「地域への波及効果」「大規模投資・費用対効果」「実現可能性」の5つの評価軸からなります。

評価軸内容
経営力長期的な成長ビジョン、事業戦略との整合性、管理体制
先進性・成長性競争優位性、労働生産性の向上、売上高の持続的成長
地域への波及効果雇用創出、賃金上昇、地域経済への貢献
大規模投資・費用対効果投資規模の妥当性、費用対効果の高さ
実現可能性事業計画の具体性、実現可能性、資金計画の妥当性

高評価を得るには、各評価軸を意識し、具体的な数値目標や根拠に基づいた説得力のある成長投資計画書を作成することが重要です。例えば、最新の技術導入や独自のビジネスモデル構築など、他の模倣が困難な事業内容であることを具体的に示しましょう。

審査員が納得できる説得力のある成長投資計画書を作成するには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。

項目具体的な内容
論理性市場分析や競合分析を基に、なぜその投資が必要なのか、具体的な根拠を明確にする
具体性設備投資の内容や新規雇用の計画など、事業内容を出来るだけ具体的に記載する。数値目標は明確に示し、実現可能な範囲で意欲的な目標を設定する
波及効果単なる売上拡大だけでなく、地域経済への貢献や雇用創出など、補助事業の成果がどのように波及するかを具体的に説明する
成長投資計画書の作成ポイント

これらのポイントを踏まえ、各項目を丁寧に記述することで、審査員に事業の将来性や補助金の必要性を効果的に伝えられるでしょう。

例えば、「既存設備の老朽化に伴う最新鋭の省エネ設備への投資」という内容であれば、単に「最新鋭の省エネ設備導入による生産性向上と環境負荷軽減」と書くのではなく、設備の具体的な性能や導入による生産量増加、CO2削減目標などを数値で示し、説得力を高めることが重要です。

具体的な内容を盛り込みながら作成すると高評価につながりやすいため、ぜひ参考にしてみてください。

なお、当社では、1次公募で不採択となった事業者様向けに、不採択となった成長投資計画書を見て、不採択の理由や改善すべき点を分析しています。よければあわせてご参考ください。

プレゼンテーション審査における審査員との質疑応答は、経営者の熱意と計画の具体性を伝える貴重な機会です。以下のポイントを押さえ、自信を持って回答しましょう。

ポイント内容
簡潔明瞭に要点を絞って分かりやすく説明する
具体的な数字や事例を交えて説得力が増し、審査員の理解を深める
熱意を込めて事業への想いや将来展望を語る
質問の意図を汲み取る曖昧な場合は、確認してから回答する
誠実にわからない場合は、正直に伝える
プレゼンテーション審査 質疑応答のコツ

事前に想定される質問への回答を準備しておくことが重要です。また、模擬プレゼンテーションなどで練習を重ねることで、落ち着いて対応できるようになります。

大規模成長投資補助金の申請時の注意点とよくある失敗例

大規模成長投資補助金の申請は、書類作成や手続きに手間と時間がかかるため、注意が必要です。特に、初めて申請する場合は、要件の解釈や書類作成の仕方に迷うこともあるでしょう。

ここでは申請時の注意点とよくある失敗例を具体的に紹介します。

申請書類に不備があると、審査対象外となってしまう可能性があります。よくあるミスとして下記のようなものが挙げられます。

よくある申請ミス内容例対策例
対象外の経費を計上している公募要領で補助対象経費をしっかりと確認する
必要書類が不足しているチェックリストを活用する
記入内容に誤りや漏れがある複数人でダブルチェックを行う
賃上げ目標が基準を満たしていない都道府県別の最低賃金の上昇率を考慮する
事業計画の内容が曖昧で、実現可能性が低い具体的な数値や根拠に基づいた計画を立てる
申請ミスの内容例と対策例

特に、補助対象経費や賃上げ要件は、公募要領でしっかりと確認することが重要です。不明点があれば、専門家に相談するなどして、疑問点を解消してから申請するようにしましょう。

賃上げ要件を達成するには、戦略的な賃金設計と、従業員のモチベーション向上を両立させることが重要です。

項目具体的な内容
賃金テーブルの見直し職務等級制度を導入し、役割や責任に応じた賃金体系を構築する
成果に基づく報酬制度の導入業績や貢献度に応じた賞与やインセンティブ制度を導入し、従業員のモチベーション向上を図る
人材育成制度の充実従業員のスキルアップを支援することで、生産性向上による賃上げを図る
働き方改革の推進業務効率化やワークライフバランスの推進により、従業員の定着率向上と人材確保を強化する
賃上げ要件達成のための戦略例

これらの取り組みを通して、従業員の成長と企業の成長を結びつけ、持続的な賃上げを実現していくことが重要です。

大規模成長投資補助金を受けた後も、以下の義務と注意点があります。

  1. 事業実施状況の報告 • 補助事業終了後5年間、毎年度の事業化状況を報告 • 賃上げ目標の達成状況を含む
  2. 財産処分の制限 • 取得価格50万円以上の財産は、一定期間処分禁止 • やむを得ず処分する場合は事前承認が必要
  3. 書類の保管 • 補助事業に関する書類を事業終了後5年間保管
  4. 会計検査への対応 • 会計検査院による実地検査に協力する義務あり

これらの義務を怠ると、補助金の返還を求められる可能性があります。計画的な事業実施と適切な記録管理を心がけましょう。

大規模成長投資補助金活用のメリットやリスク

大規模成長投資補助金は、企業の成長を力強く後押ししてくれる魅力的な制度です。

しかし、メリットばかりではありません。補助金の活用には、申請の手間や採択されない可能性、交付決定後の計画変更の難しさなど、いくつかのリスクも伴います。そこで、次に、補助金活用におけるメリットとリスク、そしてリスクへの対策を解説します。

大規模成長投資補助金を活用するメリットは以下の3つです。

メリット内容
自己資金の確保補助金は返済不要な資金のため、自己資金を温存できます。他の事業展開や緊急時の資金繰りにも余裕が生まれます。
投資リスクの軽減補助金によって事業資金の一部を賄うことで、投資による損失リスクを軽減できます。安心して挑戦的な投資に取り組めます。
企業価値の向上設備投資や人材育成を通して企業競争力を高め、中長期的な成長を実現できます。結果として、企業価値向上に繋がります。
大規模成長投資補助金のメリット

補助金を効果的に活用することで、企業の成長を力強く後押しすることができます。

補助金活用はメリットばかりではありません。事前にリスクを理解し、対策を講じておくことが重要です。

リスク対策例
申請の手間や時間がかかる専門家への依頼、情報収集の徹底
採択されない可能性がある計画のブラッシュアップ、複数補助金の検討
交付決定後に計画変更が難しい柔軟性のある計画策定、事務局への相談
補助金に依存した経営になる中長期的な視点に立った事業計画
補助金受給に伴う義務の発生会計処理の徹底、報告書作成
大規模成長投資補助金のリスク

リスクを最小限に抑え、補助金を最大限に活用するために、専門家の知見を借りることも有効です。

補助金申請サポートで採択率UP!専門家に依頼するメリットと選び方

大規模成長投資補助金の申請は、書類作成や手続きに手間と時間がかかるため、専門家のサポートを受ける企業が増えています。専門家の知見を活用することで、申請書類の質を高め、採択率の向上につなげることが期待できます。

補助金申請における専門家のサポートはさまざまです。主なサービス内容とメリットを表にまとめてみました。

サービス内容例効果
成長投資計画書の作成支援説得力のある計画書作成による採択率向上
申請書類のチェック及び修正ミスや漏れを防ぎ、スムーズな申請を実現
補助金事業計画のブラッシュアップ事業計画の精度向上による、採択率向上、および事業成功の可能性のアップ
補助金関連情報の提供最新情報や変更点の把握による、申請の円滑化
補助金交付後の実績報告サポート正確な報告による、補助金受給の確実化
補助金申請サポートの主な内容と受けるメリット

これらのサービスを活用することで、企業は本業に集中しながら、補助金の申請プロセスをスムーズに進めることができます。

補助金申請を専門家に依頼する際は、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 専門性
    大規模成長投資補助金の申請に精通しているか、豊富な実績を持つ専門家を選びましょう。
  • コミュニケーション能力
    企業の状況やニーズを丁寧にヒアリングし、分かりやすく説明してくれるかを確認しましょう。
  • 費用
    事前に費用体系や追加費用の有無を確認し、予算と照らし合わせて検討しましょう。

専門家の活用方法としては、申請書類の作成サポートだけでなく、事業計画のブラッシュアップやプレゼンテーション審査対策なども依頼することで、より効果的に補助金獲得を目指せます。

大規模成長投資補助金の申請でお悩みなら中小企業経営支援事務所に相談を

大規模成長投資補助金は、単なる資金援助ではありません。企業の未来を創造するための強力なパートナーといえます。

設備投資や人材育成などを積極的に行うことで、企業は生産性向上とコスト削減、新規事業の創出と市場拡大、従業員の待遇改善と人材育成、企業価値の向上と競争力強化といった効果を生み出し、持続的な成長と発展を実現できます。

ただ、大規模成長投資補助金は、事業再構築補助金等で求められる事業計画書と一線を画し、極めて高いレベルの計画書の策定が求められます(パワーポイントで35枚程度のプレゼン資料が必須です。士業であっても、経営コンサル経験やピッチの支援経験がなければ、対応が難しいと言わざるを得ません)。

当社(中小企業経営支援事務所)では、大規模成長投資補助金の申請支援において、

  1. 中小企業診断士、またはMBA取得者
  2. 大手コンサルファーム出身者、大企業の本社で事業戦略立案の経験を有する者、補助金の制度設計(立案)経験者のいずれか
  3. 1、2の両方の条件を満たすコンサルタント

が担当いたします。

※採択後の手続き(交付申請、実績報告)は、上記以外の中小企業診断士や行政書士、あるいは補助金支援業務の経験者が対応することがあります。

成長投資計画書の作成にあたり、サポートが必要な事業者様は、中小企業経営支援事務所にご相談ください。二人三脚で、御社の想いがつまった計画書の策定を支援いたします。初回相談は無料です。お気兼ねなくお問い合わせください。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

大規模成長投資補助金で不採択になったら 6月下旬開始予定の2次公募で採択されるための3つのポイント

大規模成長投資補助金の2次公募で採択を勝ち取るためのポイント

大規模成長投資補助金(中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)に応募したものの、残念ながら不採択となってしまった事業者も多いのではないでしょうか。

しかし、大規模成長投資補助金は6月下旬に2次公募が予定されています。1次公募で不採択となった事業者は申請することが可能ですので、落胆する必要はありません。

この記事では、2次公募で採択を勝ち取るためのポイントを解説していきます。

当社・中小企業経営支援事務所は、大規模成長投資補助金の1次公募で不採択となった事業者様から多くの相談をいただいています。その豊富な経験を踏まえて2次公募の採択に向けての適切なアドバイスを行っておりますので、申請に不安や疑問があればぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。懇切丁寧に解説いたします。

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第1回公募で不採択となりました事業者様向けに、不採択となった成長投資計画書をもとに、コンサルタントが、不採択となった理由やどう改善すべきかについて分析しています。こちらの記事も合わせてご覧ください。

2次公募で採択を勝ち取るには、まずなぜ不採択になってしまったのか、要因を探ることが重要です。以下の方法を取ってみましょう。

まずは、補助金の事務局に問い合わせをし、不採択の詳細を聞くようにしましょう。

事務局に問い合わせると、不採択業者の中で、大規模成長投資補助金の審査基準である「経営力」「先進性・成長性」「地域への波及効果」「大規模投資・費用対効果」「実現可能性」がどの程度だったのか、相対評価を知ることができます。

審査基準概要
経営力社会課題や顧客ニーズの変化、外部環境の状況などに対して適切に分析され、具体的な数字を用いて論理的に今後の事業展開が構築されているか
先進性・成長性競合他社と差別化が図れた計画となっているか、補助事業が市場規模全体の伸びを上回る勢いで成長することをきちんと説明できているか
地域への波及効果補助事業によって従業員一人あたりの給与支給総額や雇用、取引額が増えているなど、地域への波及効果が見込まれる内容になっているか
大規模投資・費用対効果企業の収益規模と比較してリスクのある投資内容になっているか、補助金交付による付加価値の増加を追求する取り組みになっているか
実現可能性自社の体制や財務状況が整っている、補助事業実施で生じうる課題と解決方法について妥当なものを把握している、など補助事業の実現に必要な準備ができているか
大規模成長投資補助金の5つの審査基準 参照:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の 大規模成長投資補助金 公募要領 p.17、18丨中堅・中小成長投資補助金

この相対評価から、2次公募に向けてどこを重点的に見直すべきなのか、効率よく分析することが可能になります。

事務局から相対評価を得たら、特に評価が低かったところを中心に、提出した成長投資計画書と公募要領に記載されている審査基準との間にズレがなかったかを客観的に検証します。

具体的には、以下の表などを活用しながら、項目ごとに確認していくと良いでしょう。

審査項目審査基準の内容成長投資計画書の内容例ズレの例
経営力(ア)長期成長ビジョン5~10年後の社会に価値提供する自社のありたい姿(長期成長ビジョン)が具体化されているか当社は、今後5年間で、我が国の高齢化社会における医療課題解決に貢献するため、AIを活用した革新的な医療機器を開発し、国内トップシェアを目指しますビジョンは抽象的に記載されているものの、具体的な製品・サービス、ターゲット市場、目標とする市場シェアなどの記載がなく、実現可能性や目標達成に向けた具体性に欠ける
経営力(イ)事業戦略市場・顧客動向を始めとした外部環境と、自社経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)等にかかる強み・弱みの内部環境を分析した上で、今後3~5年程度の事業戦略が論理的に構築され、その中で、補助事業が効果的に組み込まれているか高齢化が進む我が国において、医療現場の負担軽減が喫緊の課題となる中、AIを活用した医療機器の需要は今後ますます高まると予想されます。そこで、当社はこれまでの医療機器開発のノウハウを活かし、AI医療機器開発に参入しますI医療機器開発への参入表明にとどまっており、市場分析や競合分析、具体的な開発計画、売上目標、収益計画、必要な人員や資金の調達計画、補助事業との連携などが具体的に示されておらず、事業戦略としての具体性に欠ける
先進性・成長性 (ア)差別化された計画ターゲットとするマーケットにおける競合他社の状況を把握し、競合他社の製品・サービスを分析した上で、継続的に自社の優位性が確保できる差別化された計画となっているか当社が開発するAI医療機器は、既存製品と比較して、診断精度が20%向上しており、医療現場の負担軽減に大きく貢献できます競合製品との差別化ポイントは記載されているが、競合他社の製品・サービスに対する詳細な分析や比較が不足しており、優位性を客観的に示す根拠が乏しい
地域への波及効果(ア)地域への経済効果補助事業により、従業員1人あたり給与支給総額、雇用、取引額が申請時点と比べて増加している等、地域への波及効果が見込まれる取組か本事業の推進により、今後3年間で10名の新規雇用を創出します新規雇用数は記載されているものの、具体的な雇用計画 (職種、雇用形態、雇用期間、採用方法など)や雇用創出効果の根拠、地域経済への波及効果 (地域企業との取引増加など)の記述が不足している
実現可能性(イ)事業計画の具体性本事業の実施に向けて、中長期での補助事業の課題を検証できているか。また、事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当かAI医療機器の開発は、20XX年X月に開始し、20XX年X月に完了予定です開発スケジュールは記載されているものの、具体的な開発体制 (開発チームの構成、役割分担、責任者など)や開発工程、課題発生時の対応策に関する記述がなく、実現可能性に疑問が残る

上記はあくまで一例であり、ズレが生じているポイントは企業ごとに異なります。

審査基準をあらためて見直し、作成した成長投資計画書と照らし合わせることで、何が原因で評価が低かったのかを具体的に把握できるようになります。

不採択の要因分析は、基本的に1次公募の際に相談していた専門家と一緒に進めましょう。

詳細は後述しますが、事務局からのコメントはあくまで成長投資計画書をブラッシュアップするための材料の一つですので、必ずしもそれに従って分析を進める必要はありません。事務局に問い合わせて自分でも改善点を探しつつ、専門家の意見を積極的に取り入れながら二人三脚で進めることをおすすめします。

ただ、相談したときに納得のいくアドバイスがもらえない場合は、別の専門家を検討したほうがいいかもしれません。

大規模成長投資補助金の申請に関してアドバイスができる専門家にはコンサルタントや金融機関などさまざまな事業者がいますが、おすすめは中小企業診断士です。

中小企業診断士の中には成長投資計画書の改善点を的確に見つけられるだけでなく、2次公募の採択を勝ち取るのに必要な経営コンサル経験ピッチの支援経験を豊富に持っている人も多く、適切なアドバイスを受けることができます。

2次公募で採択を勝ち取るための3つのポイント

不採択の要因を徹底的に分析し、成長投資計画書を見直します。

当社では、事務局の相対評価は成長投資計画書をブラッシュアップするための材料の一つに過ぎず、私的された点を修正するだけでは不十分と考えています。不採択となった事業者の成長投資計画書を見ると、事業の根幹となる戦略設計や事業の大義などが十分に練られていないこともしばしばあります。

そのため、2次採択のために成長投資計画書を作り直すときは、以下のポイントを意識することをおすすめします。

大規模成長投資補助金の審査において肝となる部分である、事業の将来性に関する説明を充実化させましょう。以下のポイントを踏まえて、より具体的かつ明確に将来性を証明することが重要です。

項目説明
将来ビジョンの提示事業を通じて実現したい世界観や社会貢献、中長期的な展望を具体的に示す
例えば、5年後、10年後、そしてその先に、事業を通じてどのような未来を描いているのか、社会にどのような変化をもたらしたいのかを明確にする
市場規模の推移将来的な市場の成長が見込める客観的なデータや分析結果を提示する
市場規模の推移を示すグラフやデータ、将来予測に関する第三者機関のレポートなどを活用し、客観的な視点から将来性を証明する
ターゲット顧客の明確化誰に、どのような価値を提供するのか、具体的な顧客像を明確にする
年齢、性別、職業、居住地、年収、家族構成、趣味嗜好など、具体的な顧客像をペルソナとして設定する
競合との差別化既存の競合企業やサービスとの違いを明確化し、優位性をアピールする
SWOT分析などを用い、競合と比較した自社の強みを明確にするとともに、模倣困難な独自性や優位性をアピールする
売上目標と達成根拠具体的な数値目標と、その根拠となる市場分析や販売戦略を明確に示す
市場参入から売上目標達成までの道筋を、具体的な販売計画やマーケティング戦略とともに示す

これらの要素を盛り込み、説得力のある成長投資計画書を作成することで、2次公募では審査員の心を掴むことができるはずです。

理想の未来だけを思い描いていても、審査員は納得してくれません。審査員に「この事業は計画通りに進まないのではないか」「実現は難しいのではないか」という懸念を抱かせないよう、以下のポイントを踏まえて計画を練り直しましょう。

項目説明
スケジュール管理の具体化工程ごとに具体的なスケジュールと達成目標を設定する
各工程の担当者を明確にする
進捗管理の方法を具体的に示す
実現可能な計画人員、資金、設備など、必要な資源を明確化し、現実的に調達可能な計画にする
外部委託などを活用し、自社の能力を超えた計画にならないようにする
リスク対策の検討事業を進める上で想定されるリスクを洗い出す
リスク発生時の対応策を具体的に検討する
対応策の提示リスク発生の可能性を最小限に抑えるための予防策も合わせて提示する

これらのポイントを盛り込み、成長投資計画の実行可能性を明確に示すことで、審査員の懸念を払拭し、採択へと近づきます。

1次公募で採択を得られなかった成長投資計画でも、補助事業の必要性を効果的に訴求することで、2次公募での採択に近づきます。

審査員は、数多くの応募の中から、補助金の交付対象としてふさわしい成長投資計画かどうかを見極めようとしています。そのため、補助金が事業にもたらす効果を明確に示すことが重要です。

具体的には、以下の内容を盛り込むようにしましょう。

項目説明
事業の目的補助事業を通して何を達成しようとしているのか、具体的な目標を数値を用いて明確に記述する
補助金の活用方法補助金をどのように活用して事業目標を達成するのか、具体的な項目と金額を提示する
期待される効果事業の実施により、企業自身にもたらされる効果を具体的に示す。売上増加、コスト削減など、数値を用いるとより効果的
地域経済への貢献事業が地域経済にどのような影響を与えるのか、新規雇用創出、地域産業の活性化などを具体的に示す

これらの要素を盛り込み、補助事業の必要性をしっかりと訴求することで、審査員の心を動かし、採択へと導きましょう。

専門家のサポートは、2次公募での採択率を向上させるうえで欠かせませんが、誰に依頼するかが重要になります。

以下の点を確認し、信頼関係を築ける専門家を選び、2次公募に向けて万全の準備を進めましょう。

注意点説明
専門分野大規模成長投資補助金の申請に精通しているか
成長投資計画策定や財務分析などの専門知識を持っているか
実績過去の採択実績や支援実績は十分か
コミュニケーション能力相談しやすく、事業内容や想いを理解してくれるか
密なコミュニケーションが取れるか
料金体系料金体系が明確で、予算に見合っているか

何人かの専門家に相談をし、上記のポイントを確認していくと、納得のいく相談先が見つかるでしょう。

なお、専門家によっては、初回相談を無料としているところもあります。

2次公募を検討しているときは中小企業経営支援事務所にご相談を

大規模成長投資補助金の1次公募で不採択となってしまった場合でも、諦める必要はありません。2次公募に向けて、成長投資計画の見直しや改善を図ることで、採択の可能性は高まります。

ただ、一度「これでよし」と自分で納得して作成した成長投資計画の改善点を見つけるのは、なかなか難しいものです。2次公募を検討している人は、ぜひ専門家の力を借りてみてください。

大規模成長投資補助金の申請に関する専門家にはさまざまな人がいますが、2次公募の採択を狙う人におすすめなのが中小企業診断士です。中小企業診断士は、その名のとおり中小企業経営の支援に長けたエキスパートであり、成長投資計画の内容を客観的に分析する力を持っています。中でも特に補助金申請に強い中小企業診断士であれば、その分析結果をもとに、採択につながりやすい成長投資計画書の作成方法を伝えることができます。

大規模成長投資補助金は、事業再構築補助金等で求められる事業計画書と一線を画し、極めて高いレベルの計画書の策定が求められます。(パワーポイントで35枚程度のプレゼン資料が必須です。士業であっても、経営コンサル経験やピッチの支援経験がなければ、対応が難しいと言わざるを得ません

当社(中小企業経営支援事務所)では、大規模成長投資補助金の申請支援において、

A  中小企業診断士 または MBA取得者

B 大手コンサルファーム出身者  または 大企業の本社で事業戦略立案の経験を有する者 

  または 補助金の制度設計(立案)経験者

A 及び B 両方の条件を満たすコンサルタントが担当いたします。

*採択後の手続(交付申請、実績報告)は、上記以外の、中小企業診断士、行政書士または、補助金支援業務の経験者が対応することがございます。

成長投資計画書の作成にあたり、サポートが必要な事業者様は、中小企業経営支援事務所にご相談ください。二人三脚で、御社の想いがつまった計画書の策定を支援いたします。初回相談は無料です。お気兼ねなくお問い合わせください。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

大規模成長投資補助金 第1次公募不採択となった事業者様 成長投資計画書

 

 大規模成長投資補助金 第1次公募の応募者は、736社となりました。5月下旬に、1次審査(書面審査)が終了しており、残念ながら不採択となりました事業者様には、その通知が送達されています。本記事では、不採択となった事業者様が2次公募に再チャレンジするにあたり、成長投資計画書をどう改善すべきか?そのヒントについて解説いたします。

当社は、第1次公募の結果、不採択となった事業者様から多くの相談をいただいています。ご相談をいただいた事業者様の不採択となった成長投資計画書を分析すると、以下のポイントについて十分に検討されていないケースが散見されます。

成長投資計画書では、PEST分析、SWOT分析、PPM分析、5フォース分析といったフレームワークを用いて、自社や事業について分析をすることが求められています。不採択の計画書には、所謂、MBAの教科書に書いてある内容をコピペしたようなものが散見されています。例えば、PEST分析のTechnologicalの箇所で、「自動化技術や人工知能の導入により、製造プロセスが高度化し、労働生産性が向上している。」といった分析は、不十分かもしれません。誤解を恐れずにいうと、「空は青い」と書いているのと同義と感じる方もいるかもしれません。

 フレームワークは、第三者に対して、御社の経営実態(他社でも当てはまるような実態ではありません。)を正しく伝えるためのツールです。PEST分析のPolitical(政治的要因)であれば、御社が、実際に影響を受けている要因について、記載すべきです。御社の実態に照らし合わせると、より直接的に影響を受けているのは、国政ではなく県政や市政かもしれません。御社のビジネスモデルを審査員に正しく伝えるために、粒度は適切か?過不足はないか?因果関係に無理はないか?という点を踏まえて検証すべきです。

 例えば、工場を新設し新たな製造設備を導入する効果が、自社の従業員の賃金上昇(カネ)に留まるような場合、計画を見直す必要があると考えます。本補助金は、最低でも約3.3億円が給付されることになります。補助金の趣旨を鑑みると、税金を原資とする補助金が、申請した会社にその便益が限られるような計画では、高い評価を得にくいと考えられます。

大規模成長投資補助金の成長投資補助金のフォーマットはワードではなくパワポです。フォーマットが異なることからも、ワード形式で審査される、事業再構築補助金やものづくり補助金とは、作成方法も大きく異なります。パワポ形式の場合、簡潔かつ要点を押さえて記載することが一般的です。パワポ形式で計画書を策定した経験が乏しいコンサルタントは、①蓋然性が乏しい情報が無駄に含まれている②情報が整理されていない③要点が不明確 といった致命的なミスをしがちです。難解なビジネスモデルを説明する場合は、文量を要すこともあります。こうした場合であっても、図表を活用することで視覚的に整理できるよう工夫する必要があります。

 

その他、大規模成長投資補助金で不採択となった計画書では、

(4)計画書全体を通じて戦略性に欠けている

(5)事業の大義が乏しい

(6)数値計画の根拠が弱い

(7)誇張のしすぎで、事業の実態がよくわからない

(8)審査項目で求められている事項について、正しく表現できていない

こうした傾向があります。

 当社分析(4)〜(8)について、もう少しお話を聞いてみたい、不採択となった計画についてフィードバックを受けたい方は、お問い合わせフォームよりお気兼ねなくご連絡ください。簡単なフィードバックであれば、初回相談(無料)でお受けできます。もちろん、2次公募で初めて挑戦される方も、お気兼ねなくご相談ください。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

 不採択となりました事業者様には、大規模成長投資補助金事務局より、不採択理由が送達されています。

大規模成長投資補助金事務局が公表している以下の審査基準の中から、得点の低い項目について指摘を受けます。

 ①経営力(高い売上高成長率及び売上増加額が示されているか、会社全体の売上高に対する補助事業の売上高は高い水準か等

② 先進性・成長性(労働生産性の伸び率及び付加価値額の増加額が十分に高いか、市場の伸びを上回るものとなっているか等)

③ 地域への波及効果(給与支給総額の増加額は大きく、賃上げ要件の水準を大幅に上回るものとなっているか等)

④ 大規模投資・費用対効果(事業者全体の売上高における設備投資額の比率が高い水準か、補助金の交付額に対して付加価値額の増加は高い水準か等)

⑤ 実現可能性(最近の財務状況(自己資本比率等)等から補助事業を適切に遂行できると期待できるか、金融機関による確認書が提出されているか等)

例えば、

①経営力 ③ 地域への波及効果 の項目が芳しくありませんでした。

といったフィードバックを受けることができます。

 当社は、事務局からのコメントは、あくまでも、計画書をブラッシュアップするための材料の一つであると考えています。2次公募に向けて、事務局のコメントのみを検討し修正するだけでは不十分です。不採択となった事業者様の事業計画書を拝見すると、事務局のフィードバック以前に、「計画書全体を通じて戦略性に欠けている」「事業の大義が弱い。」「フレームワークが適切に使えていない。」といったケースがほとんどです。

当社分析について、もう少しお話を聞いてみたい、不採択となった計画についてフィードバックをご要望の方は、お問い合わせフォームよりお気兼ねなくご連絡ください。簡単なフィードバックであれば、初回相談(無料)でお受けできます。もちろん、2次公募で初めて挑戦される方も、お気兼ねなくご相談ください。

大規模成長投資補助金は、事業再構築補助金等で求められる事業計画書と一線を画し、極めて高いレベルの計画書の策定が求められます。(パワーポイントで35枚程度のプレゼン資料が必須です。士業であっても、経営コンサル経験やピッチの支援経験がなければ、対応が難しいと言わざるを得ません

当社(中小企業経営支援事務所)では、大規模成長投資補助金の申請支援において、

A  中小企業診断士 または MBA取得者

B 大手コンサルファーム出身者  または 大企業の本社で事業戦略立案の経験を有する者 

  または 補助金の制度設計(立案)経験者

A 及び B 両方の条件を満たすコンサルタントが担当いたします。

*採択後の手続(交付申請、実績報告)は、上記以外の、中小企業診断士、行政書士または、補助金支援業務の経験者が対応することがございます。

大規模成長投資補助金の申請をお考えの中小企業の経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

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事業再構築補助金でリース取引は対象?公募要領をもとにわかりやすく解説

事業再構築補助金でリース取引は対象 ただし制限があるため要注意

近年、ウィズコロナ、そしてアフターコロナの社会を見据え、新しい事業に挑戦する企業が増えてきました。 そのような企業を後押しする補助金の一つに経済産業省の「事業再構築補助金」があります。

設備投資やシステム導入、広告宣伝など幅広い用途に活用できる補助金として注目されていますが、 「リース取引は補助金の対象になるのか?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、事業再構築補助金におけるリース取引の扱いについて、最新の公募要領に基づきながら解説します。 補助金申請を検討されている人はぜひ参考にしてみてください。

なお、当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請サポートを行っています。事業再構築補助金やものづくり補助金への申請をお考えの経営者様は、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、経済産業省が主導する補助金制度です。中小企業などに対し、新規事業の立ち上げや事業転換、業態転換、事業再編など、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した事業再構築の取り組みを支援することを目的としています。

事業再構築補助金は、これまで継続的に公募が行われています。新しい公募が始まる度に、そのときの状況に適した申請枠が新たに用意されたり、同じ名前の申請枠でも対象となる経費の種類など補助金交付(受け取り)の要件が細かく変更されたりしているため、申請するときは最新の公募要領をよく確認することが重要です。

最新の第12回公募については、下記記事でも詳しく紹介しています。

リース取引とは

リース取引とは、簡単に言うと「必要なモノを借りて使う取り引き」を指します。この「モノ」は、機械装置やシステム、建物、車両などさまざまです。

例えばある設備を利用したいとき、通常ならメーカーに要望を伝えて作ってもらったあと、メーカーから直接購入して導入します。一方、リース取引は、リース会社が代わりに設備を購入(※)し、事業者はリース会社に利用料金(リース料)を支払ってリース会社からその設備を借りる形で導入します。リース料は、契約月数で割って毎月均等にリース会社に支払うのが一般的です。

(※)代金の支払いはリース料が入金されたあとに行われるケースもあります。

リース取引は、高額な設備や建物などを、事前に資金を作らずに利用できるようになるのがメリットです。またレンタルと違い、自社だけに適したモノを借りれるという特徴もあります。

なお、リース取引には、ファイナンス・リース取引と、オペレーティング・リース取引の2種類があります。

ファイナンス・リース取引とは、フルペイアウト(リース会社にモノの購入金額やリース取引にかかる費用のおよそ全部をリース料として支払う)、かつリース期間の途中で解約ができない取引を指します。

一方、オペレーティング・リース取引は、ファイナンス・リース取引以外のリース取引であり、ノンフルペイアウトであるなどの違いがあります。

事業再構築補助金でリース取引は対象 ただし制限あり

事業再構築補助金ではリース取引も対象としており、「リース会社に支払うリース料」の負担を軽減できるようになっています。

ただし、補助金対象となるリース料には、以下のような制限があります。

  1. 機械装置やシステム構築の借用で発生したもののみ
  2. 補助金の交付が決まったあとに契約されたことが確認できる取り引きにかかるもののみ
  3. 補助事業実施期間(受け取った補助金を活用して事業を実施する期間。おおむね12カ月)中のもののみ

例えば、リース取引で利用するモノが建物や車両などの場合、補助金の対象になりません。

また、補助事業実施期間が12カ月、締結したリース契約が3年の場合、2年分のリース料については補助の対象外となります。

リース会社と共同申請して負担軽減する方法もある

事業再構築補助金では、第6回公募から、リース会社との共同申請を受け付けています。共同申請が通ると、リース会社が購入したモノの費用を対象として、リース会社に補助金が交付されます。適用される補助上限額や補助率は、各事業類型における中小企業等に準じます。

共同申請で補助を受ける場合、一般的な申請で対象となっている「リース会社に支払うリース料」はすべて補助対象外となります。

一方で、共同申請では、「リース会社に支払うリース料」から補助金相当分を事前に減額することが決められています。例えば6,000万円の設備がリースの対象であり、申請枠の補助率が1/2だった場合は、3,000万円の補助金が交付されることになりますが、実際に交付されるにはリース会社があらかじめリース料を3,000万円(補助金を控除した額)にしておかなければいけません。

このような仕組みから、基本的には共同申請のほうが、「リース会社に支払うリース料」の一部を補助してもらう一般的な申請よりも、リース料の負担を大きく減らすことができます

なお、共同申請では、以下のようなルールが決められています。

  1. 共同申請が認められるには、「申請する中小企業等がリース会社に支払うリース料」から補助金相当分が減額されていことがわかる証憑として、リース事業協会が確認した「リース料軽減計算書」を、共同申請時に事務局に提出する必要がある
  2. 対象となる取り引きは、ファイナンス・リース取引のみ
  3. 対象となる経費は、リース会社が機械装置やシステムの販売元に支払う購入費用のみ
  4. 共同申請が認められるには、機械装置やシステムなどを利用する企業が、それの見積もりを取得している必要がある
  5. 共同申請が認められるには、リース期間に財産処分制限期間が含まれている必要がある。財産処分制限期間内にリース契約の内容の変更をするときは、あらためて「リース料軽減計算書」を事務局に提出しなければならない
  6. 財産処分を行う場合は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)によって、処分にかかる補助金額を限度に返納する
  7. 共同申請が認められるには、リース会社が「リース取引に係る宣誓書」を提出する必要がある
  8. セール&リースバック取引(売却したモノをリース契約して引き続き利用する取り引き)や転リース取引(リースしているモノを第三者にリースする取り引き)は対象外
  9. 共同申請をするリース会社は、1回の公募回で申請できる件数や、通算の補助金交付候補者として採択・交付決定を受ける件数の制限がない
  10. 割賦契約(モノの所有権が契約終了後に分割払いをしていた側に渡る契約)は対象外。建物取得費も対象外

申請するときは、これらのルールをきちんと守れているか、公募要領をよく確認しましょう。

事業再構築補助金に関してお悩みでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

事業再構築補助金では、リース取引も対象となっていますが、いくつかの制限があります。最新の公募要領をよく確認するようにしましょう。

ただ、公募要領の内容には判断に迷う部分も多くあります。その場合はひとりで悩まず、事業再構築補助金を申請する際の伴走者となる、認定経営革新等支援機関に相談することをおすすめします。

当社・中小企業経営支援事務所は、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請をサポートしている経営コンサルタント・認定経営革新等支援機関です。事業再構築補助金への申請をお考えの中小企業の経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

【最新】事業再構築補助金の加点項目一覧 種類と条件をわかりやすく解説

事業再構築補助金加点項目一覧(第12回公募の場合)

事業再構築補助金は、新分野展開や業態転換、事業・業種転換などによって事業再構築を目指す企業の新たな挑戦を支援するものです。

この補助金には、一定の要件を満たすと採択につながりやすくなる「加点項目」があります。採択率が決して高くない事業再構築補助金を活用するためには、ぜひ意識しておきたい制度といえるでしょう。一方で、加点項目の内容は年度によって変わることもあるため、最新情報を確認しておくことが重要です。

この記事では、【最新】の事業再構築補助金の加点項目について、一覧形式でわかりやすく解説していきます。

なお、当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請サポートを行っています。事業再構築補助金やものづくり補助金への申請をお考えの経営者様は、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

事業再構築補助金の加点項目とは

事業再構築補助金の加点項目とは、事業再構築補助金の申請時に、一定の条件を満たすことでプラスの評価が得られる項目のことを指します。加点項目に該当することで、応募書類の審査時に事務局からより高い評価を得られ、補助金の採択可能性が高まります。

事業再構築補助金の採択率は50%前後で推移していましたが、第11公募は約26%でした。事業再構築補助金を活用したいと考えているのであれば、加点項目も意識することが大切です。

ただし、加点項目を満たす内容で採択されながら、目標未達だった場合などは、減点対象となることがあります。条件によく目を通し、慎重に手続きを進めましょう。

【最新】事業再構築補助金の加点項目一覧

2024年5月時点での最新の事業再構築補助金は、2024年4月23日に始まった第12回公募です。

第12回の加点項目には、以下の12個があります。

加点項目加点要件注意点
コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点申請時にコロナ借換保証等で既往債務の借り換えを実施している借り換えの実績があっても、応募時に完済している場合は対象外エビデンスとなる添付書類の提出が必要
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)申請事業者に対する加点同類型に申請する事業再構築要件や金融機関要件、付加価値額要件などを満たす必要がある
経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点電子申請時に、該当箇所にチェックする採否にかかわらず、情報提供をし続ける必要がある
パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点ポータルサイトに宣言公表後、電子申請時に、該当箇所にチェックする宣言をしてからポータルサイトに登録されるまで、3~4日ほどかかる
事業再生を行う者に対する加点以下2つの要件をクリアする
①特定の団体から再生計画に関する支援を受けている
②申請時に再生計画等を「策定中」、もしくは「策定済」かつ一定期間内に再生計画の成立等をしている
エビデンスとなる添付書類の提出が必要
特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点以下2つの要件をクリアする
①従業員数が特定の人数以下、かつ資本金の額か出資の総額が10億円未満など、特定事業者の条件を満たす
②中小企業者に該当しない
中小企業者ではない者は、公募要領が定義する【中小企業者】と【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】ではない者
サプライチェーン加点同じサプライチェーンに属する事業者が、以下2つの要件をクリアする
①直近1年間の連携体の取引関係がわかる書類を、証憑とともに提出する
②電子申請時に、該当箇所にチェックする
連携体に含まれるすべての事業者が、連携体内での取引関係がなければならない
健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点認定後、電子申請時に該当箇所にチェックする申請期間終了(2024年5月現在)
大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点成長分野進出枠に申請する事業者で、事業実施期間終了後3~5年で基準以上の賃上げを実施エビデンスとなる添付書類の提出が必要
事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点コロナ快速加速化枠の最低賃金類型に申請する事業者のうち、事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を規定の水準とする場合事業再構築要件や金融機関要件、付加価値額要件などを満たす必要があるエビデンスとなる添付書類の提出が必要
ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点以下の要件をクリアしたうえで、電子申請時に該当箇所にチェックする
①女性活躍推進法にもとづく認定を受けているか、従業員数100人以下かつ「女性の活躍推進データベース」に一般事業主行動計画を公表している
②次世代育成支援対策推進法にもとづく認定を受けているか、従業員数100人以下かつ「一般事業主行動計画公表サイト」に一般事業主行動計画を公表している
これから申請期間終了時までに認定取得や一般事業主行動計画の公表するのは難しい
技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点成長分野進出枠に申請するときに、経済産業省の技術情報管理認証制度の認証を取得していたら、電子申請時に該当箇所にチェックするこれから申請期間終了時までに認証を取得するのは難しい
参照:事業再構築補助金 【サプライチェーン強靱化枠を除く】 公募要領(第12回)p.47~50

最新の公募要領をもとに詳しくご紹介します。

加点項目加点要件注意点
コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点申請時にコロナ借換保証等で既往債務の借り換えを実施している借り換えの実績があっても、応募時に完済している場合は対象外エビデンスとなる添付書類の提出が必要

事業再構築補助金の申請時に、コロナ借換保証等で既往債務(以前にあった債務)を借り換えている場合、加点されます。コロナ借換保証等に当てはまるのは、主に以下の制度です。

  1. 伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
  2. コロナ経営改善サポート保証
  3. 新型コロナウイルス感染症特別貸付
  4. 生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
  5. 新型コロナ対策資本性劣後ローン
  6. 生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
  7. [新型コロナ関連]マル経融資
  8. [新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
  9. [新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金 など

上記制度を利用していたとしても、すでに完済している場合は対象外となりますので注意しましょう。

加点項目加点要件注意点
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)申請事業者に対する加点同類型に申請する事業再構築要件や金融機関要件、付加価値額要件などを満たす必要がある

第12回公募において新たに設けられたコロナ回復加速化枠の最低賃金類型に申請する事業者の場合、加点されます。

同類型に申請するには、事業再構築要件や金融機関要件、付加価値額要件、給与増額要件、最低賃金要件を満たす必要があります。詳しくは下記記事をご参照ください。

加点項目加点要件注意点
経済産業省が行うEBPMの取組への協力に対する加点電子申請時に、該当箇所にチェックする採否にかかわらず、情報提供をし続ける必要がある

EBPMとは、合理的な根拠にもとづく政策立案のことで、政策を考えるときにきちんとしたデータにもとづいて行うということを示す言葉です(参照:EBPM〈Evidence-Based Policy Making〉に関連する取組丨経済産業省)。

経済産業省のEBPMの取組を支援するために同省にデータの提供を行うと、加点対象となります。

データの提供においては特別な手続きは必要なく、事業再構築補助金の申請時に、電子申請システム上でチェックをすればOKです。

ただし、チェックを入れて申請した場合、採択された・されていないにかかわらず、経済産業省運営の「ミラサポPlus」で事業財務情報を登録し続け、継続的にデータの提供を行うことが求められます。

加点項目加点要件注意点
パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点ポータルサイトに宣言公表後、電子申請時に、該当箇所にチェックする宣言をしてからポータルサイトに登録されるまで、3~4日ほどかかる

パートナーシップ構築宣言とは、発注を行う事業者が、取引先と健全な関係を築き上げることを約束する、という宣言です。この宣言が 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト応募締切日までに公表されている場合、補助金申請時の電子システム上のチェックを入れれば加点対象となります。

なお、まだ宣言を行っておらず、これを機に宣言の公表を希望する場合は、ポータルサイトで登録手続きをする必要があります。登録後、公表されるまで3~4日ほどかかるので注意しましょう(参照:登録方法丨パートナーシップ構築宣言)。

加点項目加点要件注意点
事業再生を行う者に対する加点以下2つの要件をクリアする
①特定の団体から再生計画に関する支援を受けている
②申請時に再生計画等を「策定中」、もしくは「策定済」かつ一定期間内に再生計画の成立等をしている
エビデンスとなる添付書類の提出が必要

事業再生を行う者にも加点が行われます。ここでいう事業再生を行う者とは、以下の2点を満たす者を指します。

  1. 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)などから再生計画に関する支援を受けている
  2. 申請時に再生計画等を「策定中」である、あるいは再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(2021年7月27日以降)に再生計画等が成立等をした

「再生計画」や「策定中」の定義については、公募要領で細かく決められているので必ず確認するようにしましょう。

加点項目加点要件注意点
特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点以下2つの要件をクリアする
①従業員数が特定の人数以下、かつ資本金の額か出資の総額が10億円未満など、特定事業者の条件を満たす
②中小企業者に該当しない
中小企業者ではない者は、公募要領が定義する【中小企業者】と【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】ではない者

特定事業者であり、中小企業者でない者も加点対象になります。

特定事業者とは、以下のいずれかに該当する者です。

  1. 従業員数(常勤)が下記の数字以下となる会社または個人のうち、資本金の額または出資の総額が10億円未満であるもの
    ・製造業、建設業、運輸業:500人
    ・卸売業:400人
    ・サービス業または小売業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く):300人
    ・その他の業種(上記以外) :500人
  2. 生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
  3. 酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
  4. 内航海運組合、内航海運組合連合会
  5. 技術研究組合

「特定事業者」の定義については公募要領で細かく決められているので、事前によく確認するようにしましょう。

一方、中小企業者でない者も、具体的には公募要領が定義する【中小企業者】と【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】ではない者を指します。

そのため、例えば従業員数200人、資本金3億円の製造業の場合、特定事業者の条件に当てはまりますが、中小企業者の条件にも当てはまるため加点対象とはなりません。

加点項目加点要件注意点
サプライチェーン加点同じサプライチェーンに属する事業者が、以下2つの要件をクリアする
①直近1年間の連携体の取引関係がわかる書類を、証憑とともに提出する
②電子申請時に、該当箇所にチェックする
連携体に含まれるすべての事業者が、連携体内での取引関係がなければならない

複数の事業者が連携して事業に取り組む場合に、同じサプライチェーンに属する事業者が、「直近1年間の連携体の取引関係(受注金額あるいは発注金額)がわかる書類を、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出する」とともに、「電子申請時に、該当箇所にチェックする」と加点対象になります。

加点項目加点要件注意点
健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点認定後、電子申請時に該当箇所にチェックする申請期間終了(2024年5月現在)

健康経営優良法人に2023年度に認定された事業者は加点対象となります。電子申請時に該当箇所にチェックしましょう。

2024年5月現在は申請期間が終了しているため、認定されていない事業者は活用できません。

加点項目加点要件注意点
大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点成長分野進出枠に申請する事業者で、事業実施期間終了後3~5年で基準以上の賃上げを実施エビデンスとなる添付書類の提出が必要

第12回公募の成長分野進出枠の通常類型もしくはGX進出類型に申請する事業者で、事業実施期間終了後3~5年で以下の基準以上の賃上げを実施すると、加点対象になります(賃上げ幅が大きいほど追加で加点)。

  1. 給与支給総額年平均成長率3%
  2. 給与支給総額年平均成長率4%
  3. 給与支給総額年平均成長率5%
加点項目加点要件注意点
事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点コロナ快速加速化枠の最低賃金類型に申請する事業者のうち、事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を規定の水準とする場合事業再構築要件や金融機関要件、付加価値額要件などを満たす必要があるエビデンスとなる添付書類の提出が必要

コロナ快速加速化枠の最低賃金類型に申請する事業者のうち、事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準とする場合は、加点対象になります(水準が高いほど追加で加点)。

  1. 地域別最低賃金より+30円以上
  2. 地域別最低賃金より+50円以上
加点項目加点要件注意点
ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点以下の要件をクリアしたうえで、電子申請時に該当箇所にチェックする
①女性活躍推進法にもとづく認定を受けているか、従業員数100人以下かつ「女性の活躍推進データベース」に一般事業主行動計画を公表している
②次世代育成支援対策推進法にもとづく認定を受けているか、従業員数100人以下かつ「一般事業主行動計画公表サイト」に一般事業主行動計画を公表している
これから申請期間終了時までに認定取得や一般事業主行動計画の公表するのは難しい[前後の文章との接続]この加点項目の要件を満

応募申請時点で、以下のいずれかに該当する場合、電子申請時に該当箇所にチェックすると加点されます。

  1. 女性活躍推進法にもとづく認定(えるぼし1段階目~3段階目、またはプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者。もしくは従業員数100人以下、かつ厚生労働省の「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法にもとづく一般事業主行動計画を公表している者
  2. 次世代育成支援対策推進法にもとづく認定(くるみん、トライくるみん、またはプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けている者。もしくは従業員数100人以下、かつ厚生労働省の「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法にもとづく一般事業主行動計画を公表している者
加点項目加点要件注意点
技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点成長分野進出枠に申請するときに、経済産業省の技術情報管理認証制度の認証を取得していたら、電子申請時に該当箇所にチェックするこれから申請期間終了時までに認証を取得するのは難しい

成長分野進出枠の通常類型もしくはGX進出類型に申請した事業者のうち、経済産業省の技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者は、電子申請時に該当箇所にチェックすると加点対象になります。

事業再構築補助金の減点項目に要注意!対象となる5つのケース

事業再構築補助金の審査には加点項目がある一方、減点項目もあるため注意しましょう。

第12回公募の減点項目は以下のとおりです(参照:事業再構築補助金 【サプライチェーン強靱化枠を除く】 公募要領〈第12回〉p.50)。

採択後に申請した加点要件を達成できなかった場合は、事業化状況報告において未達が報告されてから18カ月間、補助金の審査において大幅な減点が行われます。対象となる補助金は、中小企業庁が所管するもので、事業再構築補助金やものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金などです。

成長分野進出枠のGX進出類型に申請した事業者のうち、過去の公募回で補助金交付候補者として採択されている、あるいは交付決定を受けている事業者は一定の減点を受けます。

なお、GX進出類型では、過去の公募回で補助金交付候補者として採択されていても、別事業要件や能力評価要件を満たせば申請できます(グリーン成長枠の候補者として採択されている場合を除く)が、もし上記の減点対象となった場合、これらの要件についても審査され、さらに減点が行われる可能性もあります。

  • 別事業要件:すでに事業再構築補助金で取り組んでいる、または取り組む予定の補助事業(とは異なる事業内容であること
  • 能力評価要件:既存の事業再構築を行いながら、新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること

複数の事業者が連携体を構成して事業に取り組む場合、申請時に「そもそもその連携体を構成するときに、すべての事業者が必要不可欠なのか」審査されますが、もしそれによって必要不可欠ではないとみなされた場合、程度に応じて減点が行われます。

事業再構築補助金を使って補助事業を実施したときに発生した利益が、補助事業者(従業員や株主を含む)に還元されず、第三者を潤すものになる事業の場合、減点対象となります。

申請内容が過剰投資と判断されると、大幅な減点が行われます。

過剰投資とは、消費を上回る勢いで投資が行われることです。過剰投資が進むと供給過多となり、補助金を出しても事業の再構築が実現されにくくなってしまうことから、厳しい審査対象となっています。

過剰投資の判断は、類似のテーマや設備などに関する申請が一定期間内に集中して行われた際に実施される「別途審査」でくだされます。

事業再構築補助金に採択されるにはまず審査項目の把握から

事業再構築補助金の申請では、加点項目や減点項目への意識も重要ですが、審査項目をそもそもクリアしないと採択に結びつきません。

第12回公募の審査項目は、公募要領にて以下のように決められています(参照:事業再構築補助金 【サプライチェーン強靱化枠を除く】 公募要領〈第12回〉p.45~47)。

  1. 補助対象事業としての適格性
  2. 新規事業の有望度
  3. 事業の実現可能性
  4. 公的補助の必要性
  5. 政策点
  6. GX進出点(成長分野進出枠のGX進出類型への申請する事業者が対象)
  7. 大規模な賃上げに取り組むための計画書の妥当性(成長分野進出枠で補助率引上げを希望する事業者が対象)
  8. 卒業計画の妥当性(卒業促進上乗せ措置の活用を希望する事業者が対象)
  9. 大規模賃上げおよび従業員増加計画の妥当性(中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置の活用を希望する事業者が対象)

審査項目をきちんとおさえて事業計画書を作り込むとともに、必要書類をもれなく用意することが採択への第一歩となります。そのうえで「加点項目」や「減点項目」を意識するようにしましょう。

事業再構築補助金の申請については中小企業経営支援事務所にご相談ください

加点項目をできだけ利用しつつ、減点リスクを避けることで、補助金採択の可能性がグッと高まります。もちろん、まずは審査項目をしっかり把握するのが重要です。

当社・中小企業経営支援事務所は、事業再構築補助金やものづくり補助金の申請をサポートしている経営コンサルタント・認定経営革新等支援機関です。ものづくり補助金・事業再構築補助金への申請をお考えの中小企業の経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

お問い合わせ先:https://www.sme-support.co.jp/contact/

大規模成長投資補助金 成長投資計画書作成のポイント ~審査基準 解説~

大規模成長投資補助金は、2024年度新設された補助金制度です。事業計画書の雛形や審査基準は、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」といった、これまでの大型補助金制度と大きく異なります。

本記事では、大規模成長投資補助金の採択・不採択を決める、事業計画書について審査基準を中心に解説いたします。

当社・中小企業経営支援事務所は、大規模成長投資補助金の申請サポートを行っています。大規模成長投資補助金への申請をお考えの経営者様は、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。不安や疑問があれば、懇切丁寧に解説いたします。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

 第1回公募で不採択となりました事業者様向けに、不採択となった成長投資計画書をもとに、コンサルタントが、不採択となった理由やどう改善すべきかについて分析しています。こちらの記事も合わせてご覧ください。

本記事は1次公募要領を参考としています。2次公募以降に申請される場合は、最新の公募要領(公募要領は近日公開予定です。)をご確認ください。

 大規模成長投資補助金は、中小企業や中堅企業が、拠点設立や大規模投資を実施することで、事業拡大・生産性向上を実現し、従業員に持続的な賃上げを行うことで従業員への還元と優秀な人材確保を促進することを目的としています。

中堅・中小企業(常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等)

一定の要件を満たす場合、中堅・中小企業を中心とした共同申請(コンソーシアム形式:最大10社)も対象となります。

ただし、みなし大企業や実施する補助事業の内容が農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合は補助対象外です。

  • 投資額10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
  • 賃上げ要件(補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上)

投資額とともに、賃上げ要件を満たす必要があります。

事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上の賃上げが必須です。賃上げ目標が達成できなかった場合、未達成率に応じて補助金の返還を求められます。

最低賃金の年平均上昇率は、中堅・中小成長投資補助金事務局が基準値を公開しています。例えば、宮城県の場合3.0%、徳島県の場合3.2%というように、都道府県ごとに基準値が定められています。

賃上げ要件の、年平均上昇率は、補助事業が完了した年度から基準年度から起算して3年後までの期間の賃金の上昇率で判定されます。上の式、分母が基準年度の一人当たりの給与支給総額、分子が最終年度の一人当たりの給与支給総額、こちらを算出します。ここで算出した値を1/3乗して、1を引くことで算出します。

指数計算は、一般的な電卓では算出できませんがエクセルで算出することができます。基準年度は、補助事業が完了した年度です。つまり、機械や建物など契約をして納品をして支払いをして、国への報告が完了した会計年度です。最終年度は、基準年度を起点として3事業年度後の年度です。

  • 建物費(拠点新設・増築等)
  • 機械装置費(器具・備品費含む)
  • ソフトウェア費
  • 外注費
  • 専門家経費

建物費は生産設備等の導入に必要なものに限定されます。土地の取得費用は補助金対象外です。パソコンやタブレット等汎用性の高いものも対象外です。

また建物費+機械装置費+ソフトウェア費の合計額は、外注費+専門家経費の合計額よりも高額である必要があります。

補助率:1/3以内

補助上限額:50億円

投資額10億円以上が応募の条件です。

  • 工場や倉庫等の新設・増築

製造拠点などの新設、増築や改築などが対象です。土地の取得費用は補助金の対象外です。

  • 機械や設備の導入

最先端の機械や省力化できる設備等の導入にも利用できます。最新のロボットやIoT等を導入し、自動化や省力化を進める、最先端のマシニングセンターの導入することで、精密部品を製造するといった取り組みが対象になります。

  • ソフトウェアの購入や情報システムの構築

ソフトウェア関係も購入可能です。生産性を抜本的に向上させるような、大規模システム構築にも補助金を活用することができます。

採択・不採択は、公募締切から約3カ月後に発表されます。

大規模成長投資補助金では、プレゼンテーション審査があります。外部の専門家の同席はできませんが、金融機関の担当者が同席した場合、加点されます(採択率が上がります)。

  1. 公募開始(6月下旬開始予定)
  2. 公募締切(公募開始より約2カ月後)
  3. プレゼンテーション審査(公募締切から約2カ月後)
  4. 採択発表(プレゼンテーションから約1カ月後)

1 審査結果の発表

採択発表日に法人番号、採択者名、本社所在地等が公式サイトにて公表されます。また採択・不採択にかかわらず審査結果が通知されます。

2 交付申請・交付決定

審査結果で採択されても、事業を実施(契約・納品・検収・支払)することはできません。採択後、交付申請を行います。交付申請とは、補助対象経費を精査して、補助対象経費と補助金額を確定する手続きです。確定後交付決定がおります。交付決定が降りてはじめて、事業を実施することができます。

3 実施状況確認

補助事業を実施し、その状況を報告します。

4 補助額確定と交付

補助事業が終わった後、その事業のために支払った補助対象経費に対して、補助金額を確定します。確定した補助金額を申請することで、補助金の交付が行われます。

補助事業開始前には補助金は交付されません。補助事業終了後に、かかった経費を精算します。

5 事業化や賃上げ状況報告

補助事業終了後、賃上げ状況等について報告します。

報告は3事業年度分、合計4回実施します。

大規模成長投資補助金は、1次審査と2次審査が行われます。

1次審査:書面による事務局審査

適格性の確認と計画の効果・実現可能性について定量面の書面審査が行われます。

つまり公募要件を満たしているか否かの確認と、事業計画書の内容が問われる審査です。

2次審査:プレゼンテーションによる有識者審査

外部有識者による計画の効果・実現可能性等について定性面も含めた審査が行われます。

経営者自身により、事業計画のプレゼンテーションと、外部有識者との質疑応答がその内容です。経営者以外の役員や事業責任者が同席し補足説明することも可能ですが、経営者の出席・説明が必須です。

申請者以外のプレゼンテーション審査への同席は認められていません。外部コンサルティング会社の担当者も同席不可とされています。ただし「金融機関による確認書」を提出した申請者については、当該金融機関の担当者等の同席が可能です。

合計4〜7点の書類を提出します。

提出書類名該当者命名規則
成長投資計画書全申請者A001_成長投資計画書_事業者名.pdf
成長投資計画書蔑視全申請者A002_成長投資計画書別紙_事業者名.xlsx
ローカルベンチマーク全申請者A003_ローカルベンチ マーク_事業者名.xlsx
決算書等(3期分)全申請者A004_決算書等_事業者名.pdf
金融機関による確認書該当者のみA005_金融機関による 確認書_事業者名.pdf
リース取引にかかる誓約書該当者のみA006_リース取引に係る誓約書_事業者名.pdf
リース料軽減計算書該当者のみA007_リース料軽減計算書_事業者名.pdf

提出書類は最大7点です。書類に不備があると、審査されない可能性もございますので、複数回確認できるよう、余裕をもって準備しましょう。

各ファイルのサイズは10MB以下です。

大規模成長投資補助金の審査基準

補助金の採択を勝ち取る上で、審査基準をおさえた事業計画書を作成することが極めて重要です。事業計画書は、審査基準に基づいて採点され、点数が高い順に採択されるからです。

  1. 経営力

・5~10 年後の社会に価値提供する自社のありたい姿(長期成長ビジョン)が具体化されているか

・高い売上高成長率及び売上高増加額が示されているか

・今後3~5年程度の事業戦略が論理的に構築され、その中で補助事業が効果的に組み込まれているか

・売上高に対する補助事業の売上高は高い水準か

・成果目標に向けた管理体制が構築されているか

他の補助金制度よりも審査基準が明確です。

時流に乗っているか、現時点でのニーズがあるかどうかだけでなく、将来的にも高い収益を発生させる取り組みなのかが問われます。

審査基準の一番上に記載されていることから、計画書の中で最も見られるポイントと思われます。

 2.先進性・成長性

・競合他社と比較して計画が差別化されたものか

・労働生産性の抜本的な向上が図られ、人手不足の状況が改善される取組となっているか

・持続的な売り上げが見込まれるものか

単純な設備の入れ替え等ではなく、成長投資となるかがポイントです。商品やサービスへの高付加価値の追加や人員削減等に寄与できることが求められています。

3.地域への波及効果

・従業員 1 人あたり給与支給総額、雇用、取引額が申請時点と比べて増加している等、地域への波及効果が見込まれる取組か。特に賃上げ要件の水準を上回るものか

・地域の経済成長を牽引する、または取引先等との連携・共存を進める事業者か

・リーダーシップの発揮により、参加者や地域企業への波及効果、連携による相乗効果が見込まれるか(主にコンソーシアム形式の場合を想定)

従業員の賃上げや地域経済の活性化等が期待されています。

大規模投資を行うことによる、自社社員への影響だけでなく、取引先、地域や業界全体への波及効果を示しましょう。

4.大規模投資・費用効果

・企業規模に応じた大規模成長投資となっているか

・費用対効果が高いか

・企業の行動変容が示されているか

起業規模に応じた投資であるか、費用対効果が高い投資であるかがポイントです。

投資を実施したとしても、企業の売上、利益がそれほど伸びないならば、多額の補助金を投入する必要性に欠けると判断されます。

5.実現可能性

・補助事業を適切に遂行できると期待できるか

・中長期での補助事業の課題を検証できているか

・市場のニーズを検証できているか

財務状況に問題がないか、スケジュール管理が適切であるか否か等が見られます。

仮に素晴らしい事業計画だったとしても、資金面で行き詰まるようであれば実現不可能と判断される可能性があります。

金銭的にもスケジュール的にも問題なく遂行可能である旨を記載してください。

大規模成長投資補助金の事業計画書作成のポイント

大規模成長投資補助金の事業計画書を作成する前に、下記のポイントを知っておきましょう。

自社の既存事業や補助金を活用して行うビジネスプランを、自社の実態を、事業計画書に丁寧に落とし込むこと。御社のビジネスの実態が落とし込まれていなければ、いくら、コンサルタントが、荘厳華麗なテキストと図表でまとめ上げても、採択は難しいと考えます。

審査官は、経営コンサルタントなど、経営についての知見を一定程度有している方が担います。体裁が立派でも、中身がない計画書は一発で見抜きます。審査官に、御社特有の事業の実態や、皆様の光かがやく将来の姿をご理解頂けるよう、ひとつひとつ丁寧に計画書に落とし込んで、文章で紡いでいくことが極め重要です。社内の経営企画のスタッフや、信頼できるコンサルタントと一緒に、御社ならではの事業計画書を作り上げていくということが、採択を勝ち取る上での一番の近道であると考えています。

事業計画書の策定にあたり、最低1週間程度はかかります。ただし1週間で作成できたとしても、採択されるかどうかは別問題です。応募される事業者様は、最低でも10億円以上設備投資を行うことができるだけの体力をお持ちです。こうした事業者様同士の競争ですので、採択を勝ち取ることは極めて難しいと言わざるを得ません。御社のビジネスの実態が落とし込まれた精度の高い計画書を作成するためには、複数回にわたりすり合わせが必要です。必要書類の準備を含めますと最低でも30日は確保したいところです。現時点では、2次公募の発表はされていませんが、公募の発表を待っていますと、準備に十分な時間を取れない可能性がございます。公募の発表を待たずにご準備いただくことをお勧めいたします。

大規模成長投資補助金は、審査基準が明確かつ細かく設定されています。この審査項目は、一つ一つ、御社の事業の実態に照らして考えることが重要です。前述の通り、応募者のレベルは、他の補助金と比較しても極めて高いことが想定されます。一つの審査項目の見落としが、致命的になる可能性がございます。審査基準を盛り込むことは当然として、各項目で求められていることを正しく咀嚼し、御社の事業の実態に合わせて考え抜くことが重要と考えます。

まとめ

大規模成長投資補助金の事業計画書は、採択を勝ち取る上で重要な鍵をにぎります。十分な準備期間を確保し、御社ならではの事業の実態をしっかりと落とし込みましょう。

2次公募は6月に開始される予定ですが、申請をご検討されるている事業者様は、今のうちから準備をすすめましょう。

事業計画書の作成にあたり、サポートが必要な事業者様は、中小企業経営支援事務所にご相談ください。二人三脚で、御社の想いがつまった計画書の策定を支援いたします。初回相談は無料です。お気兼ねなくお問い合わせください。

初回相談無料のお問い合わせフォームはこちら⇒ https://www.sme-support.co.jp/contact/

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