越境ECの中国進出はもう遅い!?まだまだ間に合う中国進出とその戦略とは?
いまさら越境ECで中国進出なんてもう遅い。そうお考えではありませんか?
実はこのまま日本市場のみで販売を継続する方が危ぶまれる時代となってきています。
なぜなら、日本は少子高齢化で新しいイノベーションもなかなか起きず停滞している状況。それに伴い廃業に追い込まれる中小企業も増加傾向となっています。
世界最大規模の中国市場への参入はまだまだ間に合います。
今回は中国市場へ参入するべき理由と、その戦略までお伝えします。未だなお。拡大傾向にある中国へ向けて販路拡大を目指しませんか?
越境ECにおける中国の市場規模
まずは日本と中国の越境EC市場の状況を確認してみましょう。
日本商品の購入額
令和二年、日本は約1兆9,499億円の商品やサービスを中国へ販売を行っております。中国の越境ECにおける総購入額の約45%を日本から購入しており、日本製品の人気の高さが分かります。
特に人気の高い商品としては化粧品や美容関連グッズで、レディース、メンズ用品ともに強く支持されています。
中国市場のEC市場推移
引用元:日本貿易振興機構 中国 EC 市場と活用方法
2010年より、EC小売り額とシェアは年々増加傾向にあります。
コロナウィルスのパンデミックの影響により、ECサイトでの購入額が爆発的に成長しました。そして止まることなく成長し続けています。
市場からの新しいサービスの立ち上げや、人気のKOLの登場など、状況は早いスピードで変化しながら加速度的に増加していくことが推測されます。
各モールのシェア率
中国国内における越境ECプラットフォームの使用シェア率です。
天猫国際と考拉海購はアリババが運営する巨大プラットフォームです。この2つで全体の49.1%を占めており、利用客数も多いプラットフォームです。
天猫国際 TMall Global
中国国内最大シェアのTMall。その中で越境ECに特化したプラットフォームが天猫国際(TMall Global)です。日本から出店する際も、天猫と違い現地に法人を作る必要が無いため、参入候補にまず入るモールです。
ただしライバル会社が多く、出店条件もしっかり確認する必要があります。
考拉海購
天猫国際に次いで中国の越境EC市場を引っ張るプラットフォームです。膨大な保税倉庫面積を確保しており、80カ国以上から1万点以上ものブランドを取り使う巨大プラットフォームです。主に日用品や雑貨が多く取り扱われています。
京東国際 JD Worldwide
マーケットプレイスだけではなく、直販モデルに特化させていること。消費者まで直接商品を届ける仕組みで天猫との差別化を行っています。家電、日用品が豊富で日本製品の取り扱いも年々増加傾向に有ります。
こちらもライバル会社が多く、熾烈な価格競争も理解する必要が有ります。
蘇寧国際(蘇寧易購)
蘇寧電気が運営する家電に強いECプラットフォームです。粗悪な家電が多く流通している中国にとっては日本製品家電の人気は非常に高いものとなっています。特に炊飯器、近年では血圧計などは高い人気です。
唯品国際(唯品会)
大型モールと比べ、小規模ではありますが正規品の仕入れルートの確立により、安心感を持って購入できるという消費者メリットがあります。短い期間内で一定の割引を行うフラッシュセールスにて、ブランド品を安価に購入出来る仕組みを強みとします。
中国の大型イベント
11月11日(Wイレブン)
アリババが始めた11月11日に行う販売促進イベントです。日本でよく聞く楽天のお買い物マラソンのような、大型イベントです。
ここでは多数の競合他社が、常識を超える価格帯での出品や多額の宣伝費を投入するなど、物と人が目まぐるしく動く時期です。
中国ではこの日が一番の山場といっても良いでしょう。この日に向けた準備や戦略は非常に重要となります。
618(618商戦)
6月18日
京東が始めたダブルイレブンに次ぐ大型の通販イベントです。この日も大きな山場となるため、ダブルイレブン同様に様々な企業が参戦するイベントです。
年間の通販イベント
Wイレブンや618商戦以外にも小規模から大型まで豊富な通販イベントを開催しています。
自社の販売する商品に適合するイベントは必ずあります。Wイレブンや618商戦では競合に負けてしまい、上手く結果が出せない場合は、どのイベントに焦点を当てて販売戦略を立てていくのかが重要となります。
中国の市場で商品を売る戦略
ライブコマース
【ライブコマースとは?】
オンラインで実際の店舗に訪れているかのような接客をしてくれるサービスです。
中国ではライブコマースが非常に普及しており、メディア宣伝に対して信用を欠く消費者の中で話題となっています。
ライブコマースにおいて、企業の社長が自ら宣伝を行ったり、KOLの活用により爆発的な売上を立てることも戦略の一つです。
中長期戦略
中国は大きな市場とはいえ、最初から物が売れるとは限りません。日本でも同様に、大きなモールへ出店したからといって、飛躍的に売上が伸びるケースは少ないのと同じです。
越境ECに参戦するにあたり、事前のマーケティングに時間をかけること。様々なチャネルでの宣伝。これらを愚直に継続することで顧客の信用性を勝ち取ることが可能となり、売上が伸びる結果へと繋がります。
ナショナルブランドからプライベートブランドへ
小売販売で一番悩まされる問題は価格競争です。特に大型イベント時には割引での集客は当たり前となっています。また、それ以外にも顧客からの値下げ要望も少なくありません。
価格を下げて戦う体力も延々と続けていれば、利益圧迫による退店を余儀なくされる企業も多いのが現実です。
利幅を稼ぐには、少しずつプライベートブランドのシフト戦略が大切です。他社がどのような商品を出しているのかを細かく分析し、差別化を自社のブランドとしていくことが非常に重要です。
ワントゥワンで接客する力
一つの宣伝で、顧客を大量に流入させ、一気に商品を出荷する。このような単純な方法では持続的な売上は見込めません。
一人一人のお客様に的確なアプローチをしていく地道な接客は、安定した顧客獲得に繋がります。
中国は情報検索よりも口コミ
中国では百度という検索エンジンが主に使われています。中国最大の検索エンジンにも関わらず、検索精度がGoogleよりも低いという声も少なくないようです。
口コミによる情報が重要視される要因の一つです。
中国の消費者は一体何の情報源を軸に商品を調べているのでしょうか?
公式アカウントを利用した商品販促が非常に効果的です。
ファッションやコスメ、ITや不動産など、多岐に渡る公式アカウントが開設されており、個人法人どちらにおいても開設可能です。
微博
中国版Twitterのようなアプリです。
微博熱捜という一分単位で更新される最新情報の提供から、常に新しい情報を収集することが可能です。
小紅書
2021年時点で3億人程利用しているアプリです。
若年層の女性に人気があり、ファッションコスメ特化しています。商品を実際に利用みてみた口コミを投稿することが一般的な使い方です。
中小企業経営支援事務所では、このようなSNSを活用したマーケティング戦略も行っております。越境ECに興味がある方は是非お問い合わせください。
まとめ
今回は越境ECで盛り上がりを見せる中国での市場規模から戦略まで解説しました。
中国のモールシェアでは、天猫を筆頭に、考拉、京東、蘇寧、唯品会がよく使われています。それぞれのモールには特色があり、自社の取り扱う商材に合わせて選んでいきましょう。
また中国の消費者は日本とは異なり、SNSを活用した情報収集が主流です。Wechat、微博、小紅書などを活用しながら、複数チャネルでの商品宣伝を行うことでより信頼を勝ち取ることが出来ます。
また、その市場特性を理解しながら、中長期の目線で経営していくことが、最終的な利益拡大に繋がります。