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最終更新日 

投稿日 2026.02.24

新事業進出・ものづくり補助金とは?補助対象事業や申請要件を解説

中小企業庁の令和7年度の補正予算で、令和8年度から中小企業の設備投資を支援する2つの補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」となることが発表されました。

統合されるのは以下の2つの制度です。

引き続き、何卒よろしくお願いいたします。

旧制度名主な目的
ものづくり補助金革新的な製品・サービス開発や生産性向上のための設備投資支援
新事業進出補助金新市場・高付加価値事業への進出に向けた設備投資支援
新事業進出・ものづくり補助金の元となる2つの補助金

新制度では、革新的な製品開発から新市場進出、さらには海外展開まで一体的に支援される見込みです。予算規模は約2,960億円と大型の枠組みが設けられており、中小企業にとって活用の幅が広がることが期待されています。

この記事では、新事業進出・ものづくり補助金の補助対象事業や申請要件について詳しく解説します。これから補助金の活用を検討している経営者・担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

なお、本記事の情報は、2026年2月24日現在で公表されている情報をもとにしています。要件などが詳しくまとめられた公募要領が未公表ですので、ご留意いただけますと幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、経営に関する専門知識や支援実績が一定以上あると国が認める「認定経営革新等支援機関」として、補助金申請支援のトータルサポートを行っています。

本補助金のポイントや採択を勝ち取るための事業計画のコツが知りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。豊富な経験を持つスタッフが、懇切丁寧にアドバイスいたします。初回相談は無料です。

新事業進出・ものづくり補助金とは

新事業進出・ものづくり補助金は、従来の「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」を統合し、中小企業等の売上拡大や生産性向上を一体的に支援することを目的とした補助金制度です。

本補助金は「ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業」の一環として、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営を担います。令和7年度予算規模は約2,960億円と大型の枠組みが設けられており、中小企業にとって活用の幅が広がることが期待されています。

出典:ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業|中小企業庁

新事業進出・ものづくり補助金の補助対象事業

新事業進出・ものづくり補助金では、以下の3つの事業を補助の対象としています(参照:「新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業」に係る事務局の公募要領|中小機構)。

  • 【類型①】技術的革新性のある製品・サービスの開発(旧ものづくり補助金の理念を継承)
  • 【類型②】新市場・高付加価値事業への進出(旧新事業進出補助金の理念を継承)
  • 【類型③】海外市場開拓(輸出)に向けた国内輸出体制の強化(旧ものづくり補助金グローバル枠の理念を継承)

いずれの類型も、補助事業を通じて中小企業等の付加価値額や生産性を向上させ、最終的に従業員の賃上げにつなげることが目的とされています。

新事業進出・ものづくり補助金の補助対象要件

新事業進出・ものづくり補助金を申請するには、以下の要件を満たす必要があります(参照:同上)。

基本要件

  • 補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年平均成長率を4.0%以上増加させる事業計画を策定すること
  • 補助事業終了後3~5年で、1人あたり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる事業計画を策定すること
  • 補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金が、毎年、事業実施都道府県における最低賃金より30円以上高い水準となる事業計画を策定すること
  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表、および職場環境改善に向けて追加的な取り組みを行うこと
  • 【類型①】については、技術的革新性のある製品・サービスの開発に取り組むこと
  • 【類型②】については、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行うこと
  • 【類型③】については、自発的な海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化に取り組むこと

申請を検討する際は、自社の経営計画と照らし合わせ、要件を満たせるか事前に確認しておくことが重要です。

なお、1人あたり給与支給総額または最低賃金に関する目標を達成できなかった場合、原則として補助金額の一部返還が求められます。ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ事業計画期間の過半数が営業利益赤字である場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還が免除される可能性があります。

大幅賃上げ要件

本補助金では、「大幅賃上げ要件」という特例要件が設けられています。この要件を満たすことで、各類型・従業員規模に応じた補助上限額の引き上げが適用されます。

【大幅賃上げ要件の詳細】

  • 補助事業終了後3~5年で、1人あたり給与支給総額の年平均成長率を6%以上増加させる事業計画を策定する
  • 補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金が毎年、事業実施都道府県における最低賃金より50円以上高い水準となる事業計画を策定する

なお、大幅賃上げ要件の目標を達成できなかった場合は、補助金額の返還を求められる可能性があるため注意が必要です。

最低賃金引上げ要件

もうひとつの特例要件として、「最低賃金引上げ要件」があります。この要件を満たすと、【類型①】および【類型②】において、補助率が1/2から2/3に引き上げられます。

【最低賃金引上げ要件の詳細】

  • 指定する一定期間において、事業実施都道府県の最低賃金から50円以内で3ヶ月以上雇用している従業員が、全従業員数の30%以上いる

なお、小規模事業者・再生事業者は元々補助率が2/3のため、本特例の対象外となります。

新事業進出・ものづくり補助金の補助対象経費

新事業進出・ものづくり補助金では、補助事業の実施に必要な以下の経費が補助対象となります(参照:同上)。

経費区分内容
建物費補助事業に必要な建物の建設・改修費用(類型②③のみ)
構築物費補助事業に必要な構築物の設置費用(類型②③のみ)
機械装置・システム構築費生産設備やシステムの導入費用(リース料を含む)
技術導入費特許権やノウハウ等の技術導入に係る費用
専門家経費コンサルタント等の専門家への謝金
運搬費機械装置等の運搬に係る費用
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用料
外注費製品開発等に必要な加工や設計等の外注費用
知的財産権等関連経費特許出願や商標登録等に係る費用
広告宣伝・販売促進費新製品・サービスの広告宣伝や販売促進に係る費用
海外旅費海外市場開拓のための渡航費用(類型③のみ)
通訳・翻訳費海外展開に必要な通訳・翻訳費用(類型③のみ)
新事業進出・ものづくり補助金の補助対象経費

補助対象経費は申請する類型によって一部異なります。建物費・構築物費は、【類型②】および【類型③】のみが対象です。また、海外旅費・通訳・翻訳費は、【類型③】のみが対象となります。

【類型①】を申請する場合は、建物費や海外旅費等は補助対象外となるため、申請前に自社の取り組みがどの類型に該当するかを確認し、対象経費を整理しておきましょう。

新事業進出・ものづくり補助金の補助上限額・補助率

本制度の補助上限額と補助率は、申請する類型と従業員規模によって異なります(参照:同上)。

【類型①】の補助上限額・補助率

従業員数補助上限額大幅賃上げ時補助率
5人以下750万円850万円1/2(小規模・再生は2/3)
6~20人1,000万円1,250万円同上
21~50人1,500万円2,500万円同上
51人以上2,500万円3,500万円同上
※最低賃金引上げ特例を満たす場合、補助率が2/3に引き上げ
※補助下限額は従業員数にかかわらず100万円

【類型②】【類型③】の補助上限額・補助率

従業員数補助上限額大幅賃上げ時補助率
20人以下2,500万円3,000万円【類型②】1/2
【類型③】2/3
21~50人4,000万円5,000万円同上
51~100人5,500万円7,000万円同上
101人以上7,000万円9,000万円同上
※類型②は最低賃金引上げ特例で補助率2/3に引き上げ可能
※補助下限額は従業員数にかかわらず750万円

大幅な賃上げに取り組む事業者には補助上限額の引き上げが適用されるため、賃上げ計画と併せて申請を検討することをおすすめします。

新事業進出・ものづくり補助金の補助事業実施期間

補助事業の実施期間は、申請する類型によって異なります(参照:同上)。

【類型①】 の場合は、交付決定日から10ヶ月以内(ただし採択発表日から12ヶ月以内)です。

【類型②】【類型③】 の場合は、交付決定日から14ヶ月以内(ただし採択発表日から16ヶ月以内)となります。

新市場への進出や海外展開を伴う事業は、革新的製品・サービス開発と比較して準備期間や実施工程が長くなる傾向があるため、類型②③には4ヶ月長い実施期間が設定されています。

新事業進出・ものづくり補助金の公募スケジュール

本補助金の公募は、令和8年6月より開始される予定となっています。令和8年度末までに公募は3回程度実施され、各回の採択予定件数は合計で約6,000件となる見込みです。

具体的な公募時期や申請受付期間、採択時期については、事務局が決定次第、公式サイトで発表されます。

なお、新規受付・採択に関しては原則令和9年度末を期限として終了し、補助金の交付は令和10年度末までに交付を完了するものとされています(参照:同上)。

新事業進出・ものづくり補助金の審査観点

新事業進出・ものづくり補助金の採択審査では、上記の補助対象要件を満たしているか確認されるだけでなく、補助事業が申請事業者の売上拡大や生産性向上に寄与し、最終的に従業員の賃上げにつながるかどうかが見られます。

具体的には、以下の3つの観点から事業計画の実現可能性が評価されます(参照:採択審査にかかる業務について|中小機構)。

事業者の経営戦略と補助事業との関係性

補助事業が申請事業者の経営戦略に沿ったものであり、付加価値額の向上や賃上げに結びつく計画となっているかが審査されます。単に設備投資を行うだけでなく、自社の成長戦略の中で補助事業がどのような役割を果たすのかを明確に示すことが求められます。

過去に活用した補助事業との整合性

過去5年程度の間に、ものづくり補助金や事業再構築補助金などを活用している場合、それらの事業計画との整合性が確認されます。過去の補助金が有効に活用されているか、今回の事業計画と矛盾がないかといった点が評価対象となります。

申請事業者の経営指標(トラックレコード)の評価

申請事業者の過去3年程度の経営指標(ROIやIRRなど)や、人材育成・先行投資といった定性的な取り組みが審査されます。補助事業を実施するための経営基盤が十分に整っているかどうかが判断材料となります。

新事業進出・ものづくり補助金の申請を検討しているなら中小企業経営支援事務所にご相談ください

新事業進出・ものづくり補助金について公募要領は未公表ですが、旧ものづくり補助金と旧新事業進出補助金の要件をある程度踏襲する形になると予想されます。

補助金申請の手続きには時間と手間がある程度かかりますので、過去の公募要領に目を通し、早めに準備を始めていきましょう。

また、少しでも申請に不安を感じていたら、補助金申請の専門家に早めに相談することをおすすめします。

中小企業経営支援事務所でも、認定経営革新等支援機関として、補助金申請に関する豊富な実績とノウハウを有しています。

「自社が補助対象になるかわからない」「事業計画書の書き方に不安がある」といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。専門コンサルタントが採択に向けて的確なアドバイスをいたします。

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