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最終更新日 

投稿日 2026.04.21

【2026年4月最新】ものづくり補助金とは?23次公募の要件や採択率を上げるポイントを徹底解説

「ものづくり補助金って聞いたことはあるけど、うちの会社でも使えるの?」
「設備投資を考えているけど、補助金の仕組みがよくわからない……」

このような疑問をお持ちの経営者の方は多いのではないでしょうか。

ものづくり補助金は、中小企業の設備投資を国が後押しする心強い制度です。しかし、申請要件や手続きが複雑なため、「難しそう」と敬遠してしまう事業者も少なくありません。

この記事では、ものづくり補助金の概要と、2026年2月に開始された23次公募の詳細、採択率を上げるポイントをわかりやすく解説します。

なお、本記事は2026年4月20日時点での最新情報にもとづいています。申請時は公式サイトもあわせて確認してください。

当社・中小企業経営支援事務所では、経営に関する専門知識や支援実績が一定以上あると国が認める「認定経営革新等支援機関」として、補助金の申請支援のトータルサポートを行っています。

ものづくり補助金の申請ポイントや採択を勝ち取るための事業計画のコツが知りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。豊富な経験を持つスタッフが、懇切丁寧にアドバイスいたします。初回相談は60分無料です。

目次

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)とは

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者が革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓を行う際にかかる設備投資等の経費を一部補助する制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、全国中小企業団体中央会が事務局を担当しています。

本補助金では、設備投資を後押しすることで中小企業者等の生産性向上を促進し、経済活性化を実現することを目的としています。

【最新】ものづくり補助金の23次公募のスケジュール

ものづくり補助金では、2026年4月20日現在、23次公募の申請受付が行われています。具体的なスケジュールは以下のとおりです。

  • 公募開始:2026年2月6日(金)
  • 申請受付:2026年4月3日(金)17時
  • 応募締切:2026年5月8日(金)17時
  • 補助金交付候補者の採択発表:2026年8月上旬頃(予定)

採択結果の公表は2026年8月上旬頃を予定しています。なお、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要であり、発行には一定期間を要するため、早めの準備が必要です。

【比較】ものづくり補助金の22次と23次の違い

ものづくり補助金の23次公募は、2025年10月24日に開始された22次公募から、以下のような変更が行われています。

項目22次公募23次公募
賃金の増加要件給与支給総額の年平均成長率2.0%以上増加、または1人あたり給与支給総額の年平均成長率を地域最低賃金の直近5年間成長率以上増加1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増加
算出対象従業員及び役員従業員のみ(役員報酬は除く)
大幅賃上げ特例の要件給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上1人あたり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上(基準値3.5%+追加2.5%)
加点項目「賃上げ加点」給与支給総額の年平均成長率4.0%以上増加、および事業所内最低賃金を地域別最低賃金より+40円以上削除
ものづくり補助金の22次と23次の違い
参照:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(第22次公募)同(第23次公募)

上表のとおり、22次公募では「給与支給総額」と「1人あたり給与支給総額」の2つの目標値を設定し、いずれかを達成すればよい仕組みでしたが、23次公募では1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上という単一基準に統一されました。また、算出対象から役員報酬が除外され、従業員のみが対象となったことで、計算や管理の負担が軽減されています。

加点項目についても、22次にあった「賃上げ加点(給与支給総額4.0%以上+事業所内最低賃金+40円)」が23次では削除されています。ただし、「地域別最低賃金引上げに係る加点」や「事業所内最低賃金引上げに係る加点」は両公募で継続されています。

補助上限額や補助率、補助対象経費などの基本的な枠組みに大きな変更はありませんので、22次で申請を検討されていた事業者は、賃金要件の変更点を中心に計画を見直すことで23次への対応が可能です。

2026年度にものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金が統合

ものづくり補助金は、2026年度以降に中小企業新事業進出補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」として再編される予定です。

統合後は、以下の3つの申請枠が設けられる見込みです。

申請枠補助上限額補助率
革新的新製品・サービス枠従業員数5人以下:750万円(850万円)
従業員数6~20人:1,000万円(1,250万円)
従業員数21~50人:1,500万円(2,500万円)
従業員数51人以上:2,500万円(3,500万円)
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
1/2(2/3)
小規模・再生は2/3
※カッコ内は最低賃金引上げ特例適用時
新事業進出枠従業員数20人以下:2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人:4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人:5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上:7,000万円(9,000万円)
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
1/2(2/3)
※カッコ内は最低賃金引上げ特例適用時
グローバル枠2/3
参照:ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業|中小企業庁

現行のものづくり補助金における「製品・サービス高付加価値化枠」は「革新的新製品・サービス枠」に、中小企業新事業進出補助金は「新事業進出枠」に引き継がれる形となります。グローバル枠は引き続き設けられる予定です。

なお、統合に伴い、現行のものづくり補助金は今回の23次公募が、中小企業新事業進出補助金は第4回公募がそれぞれ最後の公募となる見込みです。

統合後の詳細な要件や申請方法については、2026年度の公募開始時に公表される予定ですので、最新情報を確認するようにしましょう。

ものづくり補助金を活用するメリット

ものづくり補助金を活用することで、中小企業・小規模事業者は、設備投資の負担を軽減できるのに加えて、生産性向上の実現や海外展開のきっかけづくり、従業員の待遇改善などのメリットが得られます。

本補助金は設備投資の資金面での支援にとどまらず、企業の成長戦略を後押しする総合的な制度となっているのが特徴です。

設備投資の負担を大幅に軽減できる

本補助金では、従業員規模に応じて最大2,500万円(グローバル枠では最大3,000万円)の補助上限額が設定されています。これにより、生産性向上に必要な機械装置やシステム構築費用の負担を大きく軽減できます。

生産性向上と競争力強化を実現できる

本補助金は、単なる設備更新ではなく、革新的な新製品・新サービスの開発を目的としています。補助金を活用して最新の機械装置やシステムを導入することで、生産性を飛躍的に向上させるとともに、他社との差別化を図り、市場での競争力を強化することが可能です。

海外展開のきっかけを作れる

グローバル枠を活用すれば、海外への直接投資、輸出、インバウンド対応、海外企業との共同事業など、多様な形態での海外展開を支援してもらえます。海外旅費や通訳・翻訳費、広告宣伝費なども補助対象となるため、海外市場への進出を検討している事業者にとって大きな後押しとなります。

従業員満足度の向上につながる

本補助金では、付加価値額や賃金の増加が要件として設定されています。本補助金を活用する際、従業員の給与に還元する仕組みを構築することから、従業員満足度の向上を同時に実現できます。

ものづくり補助金の活用事例

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の革新的な製品開発や生産プロセス改善を支援する制度です。全国中小企業団体中央会が公表している「グッドプラクティス集」から、実際に補助金を活用して成果を上げた事例をご紹介します。

株式会社山から(山形県) は、和菓子店から洋菓子製造へ転換し、看板商品「かみのやまシュー」の増産に課題を抱えていました。補助金を活用して大型ミキサーや包餡機、自動整列機を導入した結果、製造時間を従来比約3割削減1日あたりの生産能力が4,000個から6,000個以上へ向上し、省人化によって新商品開発にも人員を充てられるようになりました。

トラックや建設機械部品の金属プレス加工を手がける有限会社武居製作所(栃木県 は、補助金を活用して200トンプレス機を導入したことで、従来対応できなかった厚板加工や複雑な部品の内製化を実現。建設機械向け燃料タンクカバーなど約15部品の新規受注を獲得し、同業他社に対する優位性を確保する効果を見込めるようになっています。

都市鉱山リサイクル事業を展開する株式会社浜屋(埼玉県) は、グローバル展開型の補助金を活用して大型破砕機を導入し、廃基板の加工業へ進出しました。従来の商社機能から付加価値の高い加工業へ転換を図り、モンゴルや中央アジアからのグローバル調達体制も構築しています。

豊田プレス工業株式会社(愛知県) は、自動車部品製造において協働ロボットを導入。溶接工程の自動化により生産能力を2倍以上に向上させ、元の工程だと4,800個の部品を生産するのに13.2時間かかっていたところ、8時間で10,000個生産できるようになっています

参照:令和6年度ものづくり補助金成果事例集|ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト

ものづくり補助金の補助対象事業

ものづくり補助金の補助対象事業は、大きく分けて「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの申請枠があります。

補助対象事業枠

製品・サービス高付加価値化枠

製品・サービス高付加価値化枠は、中小企業・小規模事業者が革新的な新製品・新サービス開発に取り組む際の設備・システム投資等を支援する申請枠です。単なる機械装置の導入や既存製品・サービスの生産プロセス改善は対象外であり、顧客に新たな価値を提供する開発が求められます。

項目内容
対象事業革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資等
補助上限額従業員数1~5人:750万円
従業員数6~20人:1,000万円
従業員数21~50人:1,500万円
従業員数51人以上:2,500万円
補助率中小企業:1/2
小規模企業・小規模事業者・再生事業者:2/3
補助事業実施期間交付決定日から10ヶ月(ただし採択発表日から12ヶ月後の日まで)
補助対象経費機械装置・システム構築費(必須)
技術導入費
専門家経費
運搬費
クラウドサービス利用費
原材料費
外注費
知的財産権等関連経費
製品・サービス高付加価値化枠の概要

グローバル枠

グローバル枠は、海外事業を実施し、国内の生産性を高めるときに必要な設備・システム投資等にかかる費用の一部を支援する申請枠です。海外への直接投資、輸出、インバウンド対応、海外企業との共同事業など、多様な海外展開を対象としています。

項目内容
対象事業海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等
補助上限額3,000万円
補助率中小企業:1/2
小規模企業・小規模事業者:2/3
補助事業実施期間交付決定日から12ヶ月(ただし採択発表日から14ヶ月後の日まで)
補助対象経費機械装置・システム構築費(必須)
技術導入費
専門家経費
運搬費
クラウドサービス利用費
原材料費
外注費
知的財産権等関連経費
海外旅費※
通訳・翻訳費※
広告宣伝・販売促進費※
グローバル枠の概要
※海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費は「海外市場開拓(輸出)に関する事業」のみ対象

特例措置

本補助金では、基本要件に加えて適用できる2つの特例措置が設けられています。これらは一定の条件を満たす事業者が、補助上限額の引上げや補助率の引上げを受けられる制度です。

大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例

大幅な賃上げに取り組む事業者に対して、補助上限額を引き上げる特例措置です。ただし、各申請枠の補助上限額に達していない場合や、再生事業者、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例を申請する事業者は適用できません。

従業員数補助上限引上げ額
1~5人最大100万円
6~20人最大250万円
21~50人最大1,000万円
51人以上最大1,000万円

最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例

最低賃金の引上げに取り組む中小企業を支援するため、一定の要件を満たす事業者は補助率が2/3に引き上げられます。なお、小規模企業・小規模事業者、再生事業者、大幅賃上げ特例を申請する事業者は適用されません。

補助対象外となる事業

以下のような事業は補助対象外となります。

  • 公募要領の目的に沿わない事業
  • 事業の主たる部分を他者に外注・委託し、企画だけを行う事業
  • 公序良俗に反する事業や法令に違反する事業
  • 風俗営業等に関する事業
  • 他の補助金との二重受給となる事業

ほかにも、実質的な労働を伴わない事業や資産運用の性格の強い事業、事務局側で事業の遂行が困難だと判断された事業なども対象外となります。

ものづくり補助金の補助対象者

ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所(工場や店舗等)を有し、応募申請時における常時使用する従業員数が1人以上の事業者です。具体的には、以下の5つのカテゴリーのいずれかに該当する必要があります。

中小企業者

中小企業等経営強化法第2条第1項に規定される「中小企業者」が対象です。業種ごとに資本金と従業員数の基準が定められています。

業種資本金従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業、その他3億円以下300人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く)3億円以下900人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
ソフトウェア業、または情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
小売業5,000万円以下50人以下

また、企業組合、協業組合、事業協同組合などの組合・連合会も対象となりますが、財団法人、社団法人、医療法人、法人格のない任意団体は対象外です。

小規模企業者・小規模事業者

製造業・宿泊業・娯楽業・その他では従業員20人以下、商業・サービス業では従業員5人以下の会社または個人が該当します。

特定事業者の一部

中小企業等経営強化法第2条第5項に規定される「特定事業者」の一部も対象です。従業員数が中小企業者の基準を超えていても、資本金10億円未満であれば申請可能な場合があります。

特定非営利活動法人

特定非営利活動促進法に基づくNPO法人で、従業員数300人以下、法人税法上の収益事業を行っており、交付決定時までに経営力向上計画の認定を受けていることが条件です。認定特定非営利活動法人は対象外となります。

社会福祉法人

社会福祉法に基づき設立された法人で、従業員数300人以下かつ法人税法上の収益事業を行っている法人が対象です。

補助対象外となる事業者

以下に該当する場合は補助対象外となります。

  • 申請締切日から16ヶ月以内に、本補助金や中小企業新事業進出促進補助金等で採択された事業者
  • 過去3年間に本補助金の交付決定を2回受けた事業者
  • みなし大企業(大企業が発行済株式の2分の1以上を所有している場合など)
  • 課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
  • 暴力団関係者
  • みなし同一事業者(親会社と子会社、代表者が同じ複数法人など)

ほかにも、申請時に虚偽の内容を提出した事業者や、GビズIDを他者に貸し出すといった事業の遂行に主体的でないと判断される事業者も対象外となります。

ものづくり補助金の補助対象要件

ものづくり補助金の交付を受けるためには、補助事業終了後3〜5年間の事業計画を策定し、以下の基本要件を全て満たす必要があります。また、グローバル枠への申請や特例措置の適用を希望する場合は、追加の要件も求められます。

基本要件(全申請者が満たすべき要件)

①付加価値額の増加要件

事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年平均成長率を3.0%以上増加させる事業計画を策定することが必要です。申請者自身で基準値以上の目標値を設定し、事業計画期間の最終年度に達成しなければなりません。

②賃金の増加要件【目標未達の場合、補助金返還義務あり】

従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させることが求められます。また、目標値は交付申請時までに全従業員および従業員代表者に表明しなければいけません。事業計画期間最終年度に目標を達成できなかった場合、および表明していない場合は補助金の返還が求められます。なお、給与支給総額には役員報酬や福利厚生費、退職金は含まれません。

③事業所内最低賃金水準要件【目標未達の場合、補助金返還義務あり】

補助事業の主たる実施場所における事業所内最低賃金を、毎年、事業実施都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準に維持することが必要です。こちらも目標値の従業員等への表明も求められます。目標値を達成できなかった場合、表明していなかった場合、補助金の返還対象となります。

④従業員の仕事・子育て両立要件(従業員数21名以上の場合のみ)【応募時要件】

次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、厚生労働省「両立支援のひろば」に公表することが求められます。交付申請時までに有効な計画を公表している必要があります。

グローバル要件(グローバル枠申請者のみ)

グローバル枠に申請する場合は、基本要件に加え、以下のいずれかに該当し、海外事業の実現可能性調査の実施および専門人材の確保または外部専門家との連携が必要です。

  • 海外への直接投資に関する事業:補助対象経費の2分の1以上が海外支店または海外子会社に関する経費であること
  • 海外市場開拓(輸出)に関する事業:製品等の最終販売先の2分の1以上が海外顧客であること
  • インバウンド対応に関する事業:販売先の2分の1以上が訪日外国人であること
  • 海外企業との共同事業:外国法人との共同研究・共同事業開発を行い、成果物の権利が補助事業者に帰属すること

特例措置要件

大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例を適用する場合は、1人あたり給与支給総額の年平均成長率を合計で6.0%以上(基準値3.5%+追加2.5%)、事業所内最低賃金を地域別最低賃金より合計50円以上(基準値30円+追加20円)高い水準に設定することが求められます。いずれか一方でも目標未達の場合、従業員への表明をしていなかった場合は補助金返還の対象となります。

最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例を適用する場合は、2024年10月から2025年9月までの間で、補助事業の主たる実施場所において「地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上である月が3ヶ月以上あることが条件です。なお、本特例を適用する場合は「基本要件③:事業所内最低賃金水準要件」が免除されます。

補助対象要件未達の場合の補助金返還

基本要件②(賃金の増加要件)や基本要件③(事業所内最低賃金水準要件)を達成できなかった場合、補助金の一部または全額の返還が求められます。

ただし、付加価値額が増加しておらず、かつ事業計画期間の過半数で営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合は返還が免除されることがあります。また、再生事業者については目標未達でも返還は求められません。

ものづくり補助金の補助対象経費

補助対象経費

ものづくり補助金では、革新的な新製品・新サービス開発に必要な経費の一部が補助されます。ただし、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等の設備投資が必須となっており、この設備投資を行わない事業は補助対象となりません。

経費区分内容上限額等
機械装置・システム構築費(必須)機械・装置、工具・器具の購入・製作・借用、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用、改良・修繕・据付け
運搬費運搬料、宅配・郵送料等
技術導入費知的財産権等の導入に要する経費補助対象経費総額の1/3
知的財産権等関連経費特許出願の弁理士費用、翻訳料等補助対象経費総額の1/3
外注費加工・設計・検査等の外注経費補助対象経費総額の1/2
専門家経費専門家への謝金・旅費等補助対象経費総額の1/2
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用料
原材料費試作品開発に必要な原材料・副資材
海外旅費※海外渡航・宿泊費補助対象経費総額の1/5
通訳・翻訳費※通訳・翻訳の依頼費用補助対象経費総額の1/5(最大30万円)
広告宣伝・販売促進費※海外展開向け広告作成・展示会出展等補助対象経費総額の1/2
補助対象経費一覧
※海外旅費・通訳翻訳費・広告宣伝販売促進費はグローバル枠(海外市場開拓事業)のみ対象

なお、補助対象経費として認められるには、以下の点に注意する必要があります。

  • 機械装置・システム構築費以外の経費は、総額500万円(グローバル枠は1,000万円)が補助上限
  • 交付決定日より前に発注・契約・購入した経費は全て対象外
  • 支払いは原則として銀行振込のみ(現金払い・クレジットカード払いは原則不可)
  • 単価50万円以上の物件は、原則として2者以上からの相見積りが必要
  • 中古設備は、3者以上の中古品流通事業者から相見積りを取得した場合のみ対象
  • 補助対象経費(税抜)は、事業に要する経費(税込)の2/3以上であることが必要

補助対象外経費

以下の経費は補助対象外となりますので、申請時に注意が必要です。

  • 工場建屋、構築物、簡易建物(ビニールハウス、コンテナ等)の取得費用
  • 自動車等車両の購入費・修理費・車検費用、不動産の購入費
  • 事務用のパソコン・プリンタ・タブレット端末・スマートフォン・デジタル複合機、家具等の汎用性のあるものの購入費用
  • 家賃、保証金、敷金、仲介手数料、水道光熱費、電話代、インターネット利用料金といった事務所経費
  • 事業に係る自社の人件費
  • 税理士・公認会計士への税務申告費用、弁護士費用

このほか、消費税等の公租公課、各種保険料、借入金の支払利息、収入印紙、振込手数料、飲食・接待費用なども補助対象外です。

また、同一代表者・役員が含まれている事業者や資本関係がある事業者への支払いも補助対象外とされており、これらの事業者を相見積り先とすることも認められていません。

ものづくり補助金の申請から受給後までの大まかな流れ

ものづくり補助金の申請から受給後までの流れは、大きく6つのステップに分かれます。

事前準備

まず、GビズIDプライムアカウントを取得します。アカウントの発行には一定期間を要するため、早めの準備が必要です。また、補助対象要件や必要書類を確認し、事業計画書の作成を進めます。

申請(電子申請)

公募期間内に電子申請システムから申請を行います。23次公募では、2026年4月3日17時から申請受付が開始され、2026年5月8日17時が締切となっています。申請内容や提出書類に不備があると審査対象外となるため、十分な確認が必要です。

審査・採択

外部有識者による書面審査が行われ、経営力・事業性・実現可能性などの観点から評価されます。一定基準を満たした事業者には口頭審査が実施される場合もあります。23次公募の採択結果は2026年8月上旬頃に公表予定です。

交付申請・交付決定

補助金交付候補者として採択された後、原則として採択発表日から2ヶ月以内に交付申請を行います。事務局が経費内容を精査し、適切と認められれば交付決定となります。なお、交付決定日より前に発注・契約した経費は補助対象外となるため注意が必要です。

補助事業の実施・実績報告

交付決定後、補助事業実施期間内(製品・サービス高付加価値化枠は10ヶ月、グローバル枠は12ヶ月)に設備投資等を実施します。事業完了後30日以内または実施期間終了日までに実績報告書を提出し、確定検査を経て補助金額が確定します。

補助金の受給・事業化状況報告

補助金額の確定後、請求を行い補助金を受領します。受給後は、補助事業完了年度の翌年度から5年間、毎年度の事業化状況や賃上げ目標の達成状況を報告する義務があります。目標未達の場合は補助金返還が求められる場合があるため、継続的な取り組みが重要です。

ものづくり補助金の必要書類

ものづくり補助金の申請には、電子申請システムを通じて以下の書類を提出する必要があります。申請内容や提出書類に不備・不足がある場合は審査対象外となるため、事前に十分な確認が必要です。

全事業者が提出する書類

書類名内容
基本情報事業者情報、従業員数、補助金等交付実績、事業内容、経費明細、資金調達計画、加点申請項目等を電子申請システムに入力
事業計画書参考様式を踏まえて作成し、電子申請システムに入力。補足の図や画像はA4サイズ5ページ以内のPDFで提出
補助経費に関する誓約書電子申請システムにて誓約
賃金引上げ計画の誓約書電子申請システムにて誓約
決算書等【法人】直近2期分の貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費明細書等をPDF形式で提出
【個人事業主】直近2期分の確定申告書(第一表~第五表)をPDF形式で提出
従業員数の確認資料【法人】法人事業概況説明書の写し
【個人事業主】収支内訳書または青色申告決算書の写し
【共通】労働者名簿の写し
ものづくり補助金の申請において全事業者が提出する書類

該当者のみが提出する書類

書類名対象者内容
次世代法一般事業主行動計画公表の確認従業員数21名以上の事業者厚生労働省「両立支援のひろば」に掲載されている一般事業主行動計画のURLを入力
再生事業者に係る確認書再生事業者再生事業者であることを証明する書類をPDF形式で提出
大幅な賃上げ特例に係る計画書大幅賃上げ特例申請者所定様式により計画書を作成しPDF形式で提出
最低賃金引上げ特例に係る確認資料最低賃金引上げ特例申請者指定様式による確認書および該当月の賃金台帳をPDF形式で提出
資金調達に係る確認書金融機関から資金調達する事業者所定様式により作成しPDF形式で提出
海外事業の準備状況を示す書類グローバル枠申請者海外子会社の事業概要・財務諸表、海外市場調査報告書、共同研究契約書等をPDF形式で提出
加点関係資料加点項目申請者経営革新計画承認書、事業継続力強化計画の受付番号、賃金台帳等の該当資料
ものづくり補助金の申請において該当者のみが提出する書類

なお、提出書類は全てPDF形式で、決められたファイル名を付けて提出する必要があります。公募要領に詳細が記載されていますので、よく確認します。

なお、パスワード設定等により、内容確認ができない場合は審査対象外となります。

ものづくり補助金の採択率の推移

ものづくり補助金の採択率は、過去の公募では40~60%台で推移していました。1次公募では約62%、8次公募では約60%と比較的高い水準を維持していた時期もあります。

しかし、直近の21次公募(2025年1月発表)では、申請者数1,872件に対して採択者数638件となり、採択率は約34.1%まで低下しています。枠別では、製品・サービス高付加価値化枠が約34.8%、グローバル枠が約21.9%という結果です。

このように、近年は採択率が低下傾向にあるため、申請すれば採択されるという状況ではなくなっています。採択を勝ち取るためには、革新性や実現可能性を明確に示した質の高い事業計画書の作成が重要です。

ものづくり補助金の採択率を上げるためのポイント

ものづくり補助金の採択率は近年低下傾向にあり、直近の21次公募では約34.1%となっています。採択を勝ち取るためには、審査の仕組みを理解し、戦略的に申請準備を進めることが重要です。ここでは、採択率を上げるための5つのポイントを解説します。

書面審査項目を把握する

ものづくり補助金の審査では、「補助事業の適格性」「経営力」「事業性」「実現可能性」「政策面」の5つの観点から評価が行われます。事業計画書を作成する際は、これらの観点を意識して記載することが重要です。

具体的には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 補助事業の適格性:対象者・対象事業・対象要件を満たしていることがはっきりわかるように記載する
  • 経営力:外部環境(市場・顧客動向)と内部環境(自社の強み・弱み)を分析し、本事業が経営戦略の中でどのような位置づけにあるかを示す
  • 事業性:顧客ターゲットを具体的に特定し、競合他社との差別化ポイントや優位性を定量的なデータで説明する
  • 実現可能性:事業に必要な技術力や社内体制、資金調達計画、具体的なスケジュールを明示する
  • 政策面:地域経済への波及効果や、デジタル技術・低炭素技術の活用など、政策的な貢献をアピールする

事業計画書は本文を電子申請システムに入力し、補足の図や画像はA4サイズ5ページ以内のPDFにまとめます。5ページを超えると審査対象外となるため、簡潔かつ具体的に記載することを心がけましょう。

事業計画書の作成に不安を感じていたら、専門家のサポートを受けるのもひとつです。なお、作成支援を受ける場合は、支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間を申告する必要があります。

加点項目を積極的に獲得する

公募要領には複数の加点項目が設定されており、最大6項目まで申請可能です。加点を獲得することで、審査において有利になります。

主な加点項目は以下の通りです。

加点項目概要
経営革新計画申請締切日時点で有効な「経営革新計画」の承認を取得している事業者
パートナーシップ構築宣言「パートナーシップ構築宣言ポータルサイト」において宣言を公表している事業者(応募締切日前日時点)
再生事業者公募要領別紙4に定める再生事業者
DX認定申請締切日時点で有効な「DX認定」を取得している事業者
健康経営優良法人認定「健康経営優良法人2025」に認定された事業者
技術情報管理認証申請締切日時点で有効な「技術情報管理認証」を取得している事業者
J-Startup/J-Startup地域版「J-Startup」または「J-Startup地域版」に選定された事業者
新規輸出1万者支援プログラム「新規輸出1万者支援プログラムポータルサイト」において登録が完了している事業者(グローバル枠のみ対象)
事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画申請締切日時点で有効な「(連携)事業継続力強化計画」を取得している事業者
地域別最低賃金引上げに係る加点2024年10月から2025年9月までの間で、地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3ヶ月以上ある事業者
事業所内最低賃金引上げに係る加点2025年7月と応募申請直近月の事業所内最低賃金を比較し、全国目安で示された額(63円)以上の賃上げをした事業者
被用者保険従業員規模50名以下の中小企業が被用者保険の任意適用(短時間労働者を被用者保険に加入させること)に取り組む場合
えるぼし認定「えるぼし認定」を取得している事業者
くるみん認定「くるみん認定」を取得している事業者
事業承継/M&A申請締切日を起点にして、過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により経営資源を引き継いだ事業者
成長加速マッチングサービス申請締切日時点において、中小企業庁「成長加速マッチングサービス」で会員登録
ものづくり補助金の加点項目一覧

上記の中で特におすすめなのが、「事業継続力強化計画」「パートナーシップ構築宣言」「成長加速マッチングサービス」の3つです。これらは比較的短期間で取得・公表が可能なため、申請準備と並行して進めてみてはいかがでしょうか。

減点項目に該当しないようにする

加点項目がある一方で、以下に該当する場合は減点対象となります。

  • 過去3年間に本補助金の交付決定を1回受けている
  • 過去に交付決定を受けたが、賃金の増加要件や最低賃金水準要件を達成できなかった
  • 中小企業庁所管の補助金で賃上げ加点を受けて採択されたにもかかわらず、要件を達成できなかった(18ヶ月間大幅減点)
  • 過去に採択された他の補助事業で事業化が進展していない

これらの減点項目に該当しないよう、過去の補助金利用状況を事前に確認しておきましょう。特に、賃上げ要件については目標未達の場合に補助金返還が求められるだけでなく、今後の申請でも減点対象となるため、実現可能な計画を策定することが重要です。

口頭審査への対策を行う

書面審査で一定の基準を満たした事業者には、外部有識者による口頭審査が実施されます。オンライン(Zoom等)で所要時間は30分程度です。参加するのは申請事業者自身(法人代表者)のみで、支援者・コンサルタント等の同席はできません。

口頭審査では、事業計画の内容を自分の言葉で説明できることが求められます。事業計画書作成を外部に依頼した場合でも、計画の内容を十分に理解し、想定される質問への回答を準備しておきましょう。例えば、「なぜこの設備投資が必要なのか」「競合他社との違いは何か」「売上目標の根拠は何か」といった質問に対して、具体的に回答できるよう練習しておくことが大切です。

補助金申請の専門家に相談する

ものづくり補助金の申請には、事業計画書の作成、必要書類の準備、電子申請システムへの入力など、多くの作業が発生します。また、公募要領は毎回改訂されるため、最新の要件を正確に把握することも重要です。

自社だけで申請準備を進めることに不安がある場合は、補助金申請の専門家に相談することをおすすめします。認定経営革新等支援機関や中小企業診断士などの専門家は、審査項目を踏まえた事業計画書の作成支援や、加点項目の取得に向けたアドバイスを提供してくれます。

ただし、公募要領では不適切な支援業者への注意喚起がなされています。実際のコストと乖離した高額な成功報酬を請求する業者や、申請者が内容を理解しないまま申請を進める業者には注意が必要です。支援を依頼する際は、料金体系や支援内容が明確であるか、実績が十分にあるかを確認したうえで、信頼できる専門家を選びましょう。

当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として多くの事業者様を支援しています。事業計画の策定から申請手続き、採択後のフォローアップまで、きめ細やかなサポートを提供いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。初回相談は無料です。

ものづくり補助金に関してよくある質問

ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金の両方に申請できますか?

両方の補助金に応募申請することは可能です。ただし、どちらも採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して交付申請を行う必要があります。選択せずに両方の補助金を受領していたことが発覚した場合は、交付決定日が遅い方の補助事業の交付決定が取り消され、補助金の返還を求められます。

補助事業で取得した設備を売却・廃棄することはできますか?

単価50万円(税抜き)以上の機械等の財産(処分制限財産)は、処分制限期間内に処分(譲渡、交換、貸付け、担保提供、廃棄等)する場合、事前に事務局の承認を受ける必要があります。財産処分する場合は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)により、当該処分財産に係る補助金交付額を限度に国庫納付が必要となります。

補助事業終了後にはどのような報告義務がありますか?

補助事業完了後、会計年度(4月〜3月)の終了後5年間、毎年度終了後60日以内に「事業化状況・知的財産権等報告書」を提出する義務があります。この報告では、事業化の進捗状況や賃上げ目標の達成状況を報告します。報告を怠った場合や虚偽報告があった場合は、補助金返還を求められることがあります。

補助金は課税対象になりますか?

補助金は経理上、支払を受けた事業年度における収入として計上するものであり、法人税等の課税対象となります。補助金の受給にあたっては、税務上の取り扱いについて税理士等の専門家に事前に相談することをおすすめします。

事業計画書の作成を外部に依頼した場合、申告は必要ですか?

必要です。認定経営革新等支援機関等の外部支援を受けている場合は、事業計画書作成支援者の名称・支援内容・報酬・契約期間を必ず電子申請システムで申告してください。支援を受けているにもかかわらず申告しなかった場合は、虚偽申請として不採択や補助金返還、事業者名の公表等の措置が取られます。

ものづくり補助金の申請を検討していたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

ものづくり補助金の申請には、公募要領の正確な理解や事業計画書の作成、必要書類の準備など、多くの工程が伴います。初めての申請で不安を感じる方や、採択率を少しでも高めたいとお考えの方は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

中小企業経営支援事務所では、ものづくり補助金をはじめとする各種補助金の申請支援を行っております。事業計画のブラッシュアップから申請書類の作成、口頭審査への対策まで、採択に向けたトータルサポートが可能です。

23次公募の申請締切は2025年5月8日(金)17時です。余裕を持ったスケジュールで準備を進めるためにも、早めのご相談をお待ちしております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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