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最終更新日 

投稿日 2026.04.27

【2026年4月最新】中小企業新事業進出補助金とは?第4回公募の要件や申請方法をわかりやすく解説

近年、中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。物価高騰やエネルギーコストの上昇、円安といった外部要因に加え、人手不足や賃上げへの対応など、企業が直面する課題は多岐にわたります。こうした状況の中で持続的な成長を実現するためには、既存事業の枠にとどまらない新たな挑戦が求められています。

中小企業新事業進出補助金は、まさにこのような課題に直面する中小企業等を支援するために、既存事業とは異なる新市場への進出や、高付加価値事業への展開を目指す事業者に対し、設備投資等の費用を補助する制度です。

本記事では、中小企業新事業進出補助金の概要や、最新の第4回公募について公募要領をもとに詳しく解説します。補助対象となる要件や申請方法、補助金額、採択率を高めるためのポイントまで、申請を検討している事業者が知っておくべき情報を網羅的にまとめました。新たな事業への挑戦を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

中小企業新事業進出補助金とは

中小企業新事業進出補助金とは

中小企業新事業進出補助金は、「中小企業等が既存事業とは異なる新たな事業に挑戦するために行う設備投資等」を支援する制度です。中小企業等が新市場への進出や高付加価値事業への展開を通じて、企業規模の拡大と付加価値向上を実現し、最終的に賃上げにつなげられるようにすることを目的としています。

本補助金の対象となるのは、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業者や特定の法人です。補助金額は従業員数に応じて最大9,000万円(賃上げ特例適用時)まで設定されており、補助率は原則1/2(地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)となっています。

補助金名中小企業新事業進出補助金
補助金対象者日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業者や特定の法人
補助対象要件【基本要件】
・新事業進出要件(新事業への挑戦)
・付加価値額要件(付加価値額の増加)
・賃上げ要件(一定以上の賃上げ)
・事業場内最賃水準要件(最低賃金の水準向上)
・ワークライフバランス要件(仕事と家庭の両立支援)
【金融機関から資金提供を受ける場合】
・金融機関要件
【補助上限額の引き上げを希望する場合】
・賃上げ特例要件
【補助率の引き上げを希望する場合】
・地域別最低賃金引上げ特例要件
補助上限額従業員数20人以下:2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人:4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人:5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上:7,000万円(9,000万円)
※カッコ内は賃上げ特例適用時
補助率1/2(2/3)
※カッコ内は地域別最低賃金引上げ特例適用時
補助対象経費機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費
補助事業実施期間交付決定日から14ヶ月以内(採択発表日から16ヶ月以内)
中小企業新事業進出補助金の概要

中小企業新事業進出補助金の第4回公募のスケジュール

中小企業新事業進出補助金は2026年4月27日現在、第4回公募が行われています。スケジュールは以下のとおりです。

  • 第4回公募の開始日:2026年3月27日(金)
  • 第4回公募の申請受付日:2026年5月19日(火)
  • 第4回公募の応募締切日:2026年6月19日(金)18時
  • 第4回公募の採択者発表時期:2026年9月頃(予定)

申請締切間際は申請が集中する傾向があるため、時間に余裕を持った準備が推奨されています。

なお、申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要で、発行には1週間程度かかります。また、申請要件のひとつである「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表」の手続きにも1~2週間程度を要するため、早めに準備を進めることが重要です。いずれの手続きについても、遅れによる申請期限の延長は一切認められません。

中小企業新事業進出補助金の第3回公募と第4回公募の違い

中小企業新事業進出補助金の第3回公募と第4回公募では、いくつかの重要な変更点があります。主な違いを以下の表にまとめました。

項目第3回公募第4回公募
公募期間2025年12月23日~2026年3月26日18時2026年3月27日~2026年6月19日18時
補助率1/21/2(地域別最低賃金引上げ特例適用時は2/3)
賃上げ要件以下のいずれかを満たすこと
①一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させること(都道府県ごとに異なる数値)
②給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させること
一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること
地域別最低賃金引上げ特例なしあり(補助率2/3への引上げ、事業場内最賃水準要件の免除)
加点項目9項目11項目(地域別・事業場内最低賃金引上げ加点を追加)
中小企業新事業進出補助金の第3回公募と第4回公募の違い

第4回公募では、地域別最低賃金引上げ特例が新設され、一定の要件を満たす事業者は補助率が2/3に引き上げられます。

また、賃上げ要件についても第3回公募では2つの指標のどちらかを満たす形になっていましたが、第4回公募では「一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上」とシンプルな内容となりました。

加点項目も拡充され、地域別最低賃金引上げや事業場内最低賃金引上げに取り組む事業者への加点が追加されています。

中小企業新事業進出補助金は2026年度にものづくり補助金と統合

中小企業新事業進出補助金は、2026年度からものづくり補助金と一本化され、「新事業進出・ものづくり補助金」という新たな制度に移行する予定です。

この統合により、これまで別々に運用されていた両補助金が一つの制度として整理されます。統合後は、従来のものづくり補助金が担っていた新製品・新サービス開発への支援と、新事業進出補助金が担っていた新市場への挑戦支援が、同一の枠組みで提供されることになります。

統合後の制度では、以下の3つの申請枠が設けられる見込みです。

申請枠補助上限額補助率
革新的新製品・サービス枠5人以下 750万円(850万円)
6~20人 1,000万円(1,250万円)
21~50人 1,500万円(2,500万円)
51人以上 2,500万円(3,500万円)
※カッコ内は大幅賃上げを行う場合
1/2(2/3)
小規模・再生は2/3
※カッコ内は最低賃金引上げ特例適用時
新事業進出枠20人以下 2,500万円(3,000万円)
21~50人 4,000万円(5,000万円)
51~100人 5,500万円(7,000万円)
101人以上 7,000万円(9,000万円)
※同上
1/2(2/3)
※同上
グローバル枠2/3
参照:ものづくり商業サービス省力化・革新的開発・新事業・海外展開促進事業|中小企業庁

この統合に伴い、現行の中小企業新事業進出補助金としての公募は第4回公募が、ものづくり補助金は第23次公募が最後となる見通しです。

今後、新市場への進出を検討している場合や、新製品・新サービス開発の開発を考えている場合は、それぞれの最後の公募申請を視野に入れつつ、統合後の新制度の詳細発表にも注目しておくことをおすすめします。

中小企業新事業進出補助金を活用するメリット

中小企業新事業進出補助金を活用することで、事業者は以下のようなメリットを得ることができます。

大規模な設備投資の負担を大幅に軽減できる

新事業への進出には、機械装置の導入や建物の建設・改修など、大規模な設備投資が必要になるケースが少なくありません。本補助金を活用すれば、これらの費用について、従業員数に応じて最大7,000万円(賃上げ特例適用時は最大9,000万円)の補助を受けることができます。自己資金のみでは踏み切れなかった投資も、補助金の活用によって現実的な選択肢となるでしょう。

新市場への挑戦に伴うリスクを軽減できる

新たな市場に挑戦する際には、売上の見通しが立ちにくいなどの不確実性がつきものです。本補助金による資金的な支援を受けることで、投資に伴うリスクを抑えながら、思い切った事業展開に踏み出しやすくなります。

事業計画の精度が高まる

本補助金の申請時には、新事業進出要件をはじめとする複数の要件をクリアする事業計画が必要です。計画の策定過程では、市場調査や競合分析、収益シミュレーションなどを行うことになるため、自社が置かれた状況を客観的に見つめ直す機会にもなります。

金融機関との関係を強化できる

金融機関から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、金融機関による事業計画の確認が求められます。このプロセスを経ることで、金融機関との信頼関係が構築され、補助事業終了後も継続的な資金調達や経営面でのサポートを受けやすくなるというメリットがあります。

従業員の処遇改善によって持続的な成長につながる

本補助金は、新規事業への進出を通じた企業規模の拡大と賃上げの実現を目的としています。補助事業によって生産性向上や付加価値額の増加を達成して従業員の処遇改善も行えば、従業員のエンゲージメントが向上し、企業はより持続的な成長をすることができます。

中小企業新事業進出補助金の活用例

中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな事業に挑戦する中小企業等を支援する制度です。以下に、本補助金の活用が想定される具体的な事例を業種別に紹介します。

業種既存事業新規事業補助金の活用例
製造業自動車部品の製造医療機器分野への参入精密加工設備の導入、品質管理システムの構築
飲食業飲食店の経営食品製造・販売事業への進出セントラルキッチンの建設、製造ライン・ECサイトの構築
印刷業紙媒体の印刷デジタルマーケティング支援事業への転換映像制作設備、マーケティングツールの導入
卸売業地域農産物の卸売加工食品の製造・販売加工施設の新設、加工設備の導入
建設業住宅建築介護施設向けリフォーム事業への進出バリアフリー対応設備、専用設計システムの導入
小売業実店舗での販売オンライン販売・サブスクリプション事業への展開倉庫設備の改修、受注管理システムの構築
中小企業新事業進出補助金の活用例

このように、本補助金は業種を問わず幅広い事業者が活用できる制度です。既存事業で培った技術やノウハウを活かしながら、新たな市場や顧客層に向けた事業展開を検討している事業者にとって、設備投資の負担を軽減し、挑戦を後押しする有効な支援策といえます。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助対象者

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有し、以下のいずれかに該当する事業者です。

中小企業者

資本金または常勤従業員数が業種ごとに定められた基準以下の会社または個人が対象となります。主な基準は以下のとおりです。

業種資本金常勤従業員数
製造業・建設業・運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人
中小企業者とみなされるための資本金・常勤従業員数の上限

「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人

従業員数が300人以下であり、以下のいずれかに該当する法人も対象となります。

  • 中小企業等経営強化法第2条第1項第6号〜第8号に定める法人(企業組合等)
  • 法人税法別表第2に該当する法人
  • 農業協同組合法に基づく農事組合法人
  • 労働者協同組合法に基づく労働者協同組合
  • 法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人

特定事業者の一部

上記に該当しない事業者であっても、常勤従業員数が業種ごとの基準以下かつ資本金10億円未満の会社・個人は対象となります。製造業・建設業・運輸業は500人以下、卸売業は400人以下、サービス業・小売業は300人以下が基準です。また、一定の要件を満たす生活衛生同業組合や酒造組合、技術研究組合なども対象に含まれます。

対象リース会社

中小企業等がリースを利用して機械装置やシステムを導入する場合、リース会社との共同申請が可能です。この場合、リース料から補助金相当分が減額されることを条件に、リース会社が補助金を受け取ることができます。

補助対象外となる主な事業者

以下に該当する事業者は補助対象外です。

  • 申請締切日を起点に16ヶ月以内に新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金で採択された事業者
  • 従業員数が0名の事業者
  • 創業後1年未満の事業者
  • みなし大企業(大企業が株式の一定割合以上を所有している等)
  • 課税所得の年平均額が15億円超の中小企業者

補助対象者の要件は公募開始日時点で満たしている必要があり、補助金の対象となることのみを目的とした資本金や従業員数の変更は認められません。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助対象要件

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助対象要件

中小企業新事業進出補助金の交付を受けるためには、補助対象者が5つの基本要件を満たす3〜5年の事業計画を策定し、その達成に取り組む必要があります。

【基本要件】新事業進出要件

新事業進出要件は、本補助金の根幹となる要件です。申請する事業が「新事業進出指針」に定める新事業進出の定義に該当する必要があり、以下の3つの要件をすべて満たすことが求められます。

要件詳細
新事業進出要件①製品等の新規性要件補助事業により製造または提供する製品・サービスが、申請事業者にとって新規性を有するものであること
新事業進出要件②市場の新規性要件補助事業により製造等する製品・サービスが属する市場が、申請事業者にとって新たな市場であること
※新たな市場とは、既存事業では対象としていなかったニーズや属性(法人・個人、業種、行動特性など)を持つ顧客層を対象とする市場を指す
新事業進出要件③新事業売上高要件以下のいずれかを満たすこと
①事業計画期間最終年度において、新製品等の売上高が総売上高の10%以上、または付加価値額が総付加価値額の15%以上を占める見込みである
②直近事業年度の売上高が10億円以上かつ新事業進出を行う事業部門の売上高が3億円以上の場合は、当該事業部門の売上高の10%以上または付加価値額の15%以上を占める見込みである
新事業進出要件

新事業進出の定義と考え方については、以下の新事業進出指針、新事業進出指針の手引きでまとめられています。申請事業者は、公募要領とあわせて本資料の熟読が求められます。

【基本要件】付加価値額要件

付加価値額要件は、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定することを求める要件です。

要件詳細
付加価値額要件補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額(または従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること
※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
付加価値額要件

【基本要件】賃上げ要件

賃上げ要件は、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させることを求める要件です。

第3回公募では「①一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させる」「②給与支給総額の年平均成長率を2.5%以上増加させる」のいずれかを満たすこととされていましたが、第4回公募では上述のとおりシンプルな内容になっています。

なお、本要件を満たすためには、目標を達成するだけでなく、交付申請時までに全従業員または従業員代表者に対して設定した目標値を表明する必要もあります。

要件の達成状況は補助事業終了後の事業化状況報告時に決算書・賃金台帳等の提出により確認され、目標未達の場合は未達成率に応じた補助金の返還が求められます。

要件詳細
賃上げ基準・補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること
・交付申請時までに全従業員または従業員代表者に対して設定した目標値を表明すること
賃上げ要件

【基本要件】事業場内最賃水準要件

事業場内最賃水準要件は、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、毎年、事業場内最低賃金が補助事業実施場所都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であることを求める要件です。

要件の達成状況は、事業場内最賃水準と同様、事業化状況報告時に賃金台帳等の提出により確認されます。要件を達成できていない場合は、補助金交付額を事業計画期間の年数で除した額の返還が求められます。

要件詳細
事業場内最賃水準要件補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、毎年、事業場内最低賃金が補助事業実施場所の都道府県における地域別最低賃金より30円以上高い水準であること
事業場内最賃水準要件

なお、後述する地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合は、この事業場内最賃水準要件が免除されます。

【基本要件】ワークライフバランス要件

ワークライフバランス要件は、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」で公表していることを求める要件です。

一般事業主行動計画の公表手続きには1〜2週間程度の期間を要するため、申請締切の2週間以上前には公表申請を行うことが推奨されています。公表手続きの遅れによる申請期限の延長は一切認められていません。

要件詳細
ワークライフバランス要件次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」で公表していること
※一般事業主行動計画とは、従業員の仕事と子育ての両立を支援するための具体的な計画を指す
事業場内最賃水準要件

【金融機関から資金提供を受ける場合】金融機関要件

本補助事業を金融機関等から資金提供を受けて実施する場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受け、応募申請時に「金融機関による確認書」を提出する必要があります。

複数の金融機関等から資金提供を受ける場合は、任意の1者からの確認書で要件を満たすことが可能です。

要件詳細
金融機関要件本補助事業を金融機関等から資金提供を受けて実施する場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受け、応募申請時に「金融機関による確認書」を提出すること
金融機関要件

【補助上限額の引き上げを希望する場合】賃上げ特例要件

本補助金には、大幅な賃上げを目指す事業者をより手厚くサポートするために、補助上限額を引き上げる賃上げ特例があります。

賃上げ特例が適用されると、従業員数に応じて補助上限額が引き上げられます。従業員数20人以下の事業者であれば+500万円(計3,000万円)、101人以上なら+2,000万円(計9,000万円)です。

本特例を受けるためには、補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、「給与支給額の増加」「事業場内最低賃金の引上げ」という2つの要件を満たさなければいけません。

要件詳細
賃上げ特例要件①給与支給総額の増加一人当たり給与支給総額の年平均成長率を基本要件の3.5%に加え、さらに+2.5%(合計で年平均成長率6.0%以上)増加させること
賃上げ特例要件②事業場内最低賃金の引上げ事業場内最低賃金を基本要件の地域別最低賃金+30円に加え、さらに+20円(合計で+50円以上)引き上げること
賃上げ特例要件

なお、どちらか一方の要件でも満たせなかった場合、賃上げ特例の適用による補助上限額引上げ分の補助金全額の返還が求められます。要件の達成状況は、他の要件同様、補助事業終了後の事業化状況報告時に決算書・賃金台帳等の提出により確認されます。

【補助率の引き上げを希望する場合】地域別最低賃金引上げ特例要件 ※第4回公募で新設

「地域別最低賃金引上げ特例」は第4回公募から新設された特例です。一定の要件を満たした場合、補助率が通常の1/2から2/3に引き上げられます。

要件詳細
地域別最低賃金引上げ特例要件2024年10月から2025年9月までの間で、補助事業の主たる実施場所で雇用している従業員のうち、「当該期間における地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が30%以上である月が3カ月以上あること
地域別最低賃金引上げ特例要件

本特例は、地域別最低賃金の引き上げに対応して従業員の賃金を引き上げた事業者を支援する趣旨で設けられています。申請を検討する場合は、対象期間中の賃金台帳を確認し、要件を満たしているか事前に確認しておくことをおすすめします。

なお、本特例が適用された場合、基本要件の「事業場内最賃水準要件」は免除されます。

連携体申請の場合の要件

複数の事業者(最大20者まで)が連携して本補助金に申請することが可能です。連携体申請については、以下のような要件が設けられています。

要件詳細
連携申請要件・連携体を構成するすべての事業者が補助事業に必要不可欠であることを説明すること
・連携体を構成するすべての事業者の取り組みを含む事業計画を1つ策定すること
・代表申請者および連携体構成員それぞれが、新事業進出要件を含む補助対象事業の要件を個別に満たすこと
・金融機関等から資金提供を受ける事業者が含まれる場合、当該事業者はそれぞれ「金融機関による確認書」を提出すること
連携申請要件

このほか、採択後は代表申請者および連携体構成員すべてが個々に交付決定を受け、実績報告等の手続きも個別に行う、といった規定もあります。

補助対象外となる事業

以下のような事業は補助対象外となります。該当すると判明した場合は、採択取消または交付決定取消となるため注意が必要です。

  • 補助事業の主たる内容を他者へ外注・委託する事業
  • グループ会社がすでに実施している事業を行うなど、容易に実施可能な事業
  • 不動産賃貸、駐車場経営、暗号資産のマイニングなど、実質的な労働を伴わない事業や資産運用的性格の強い事業
  • 1次産業(農業、林業、漁業)に取り組む事業
  • 従業員の解雇を通じて要件を達成させるような事業
  • 公序良俗に反する事業や法令に違反する事業
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に定める事業
  • 国庫および公的制度からの二重受給となる事業
  • 同一事業者による複数申請や、他の事業者と同一または類似した内容の事業など、事業計画の重複となる事業
  • 中小企業庁が所管する補助金(中小企業生産性革命推進事業、中小企業省力化投資補助事業等)と同一の補助対象経費を含む事業
  • 申請時に虚偽の内容を含む事業

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助上限額

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助上限額は、従業員数に応じて設定されています。補助上限額は最大7,000万円までとなっており、賃上げ特例の適用を受ける場合は、さらに補助上限額が引き上げられます。

従業員数補助金額賃上げ特例適用時の補助上限額
20人以下2,500万円3,000万円
21~50人4,000万円5,000万円
51~100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円
中小企業新事業進出補助金の補助上限・補助率

なお、補助金額は最低750万円からとなっており、この金額を下回る場合は補助対象外となります。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助率

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助率は、原則として1/2です。ただし、地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける事業者は、補助率が2/3に引き上げられます。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助事業実施期間

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助事業実施期間は、「交付決定日から14ヶ月以内」と定められています。ただし、「採択発表日から16ヶ月後の日まで」という上限も設けられており、いずれか早い日が期限となります。

補助事業実施期間内に、発注から支払い、実績報告書の提出まで全ての手続きを完了させる必要があるため、計画的な事業遂行が求められます。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助対象経費

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の対象経費・対象外経費

補助対象経費

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)では、補助事業の実施に必要な経費のうち、一定の要件を満たすものが補助対象となります。補助対象経費には、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必ず含まれている必要があり、一過性の支出が大半を占める場合は支援対象外です。

以下に、補助対象経費の区分と詳細、注意点をまとめます。

経費区分詳細注意点
機械装置・システム構築費(建物費といずれか必須)機械装置、工具・器具の購入・製作・借用、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用、改良・据付け・運搬に要する経費単価10万円(税抜)以上が対象。車両・船舶・航空機は対象外。中古設備は3者以上の相見積もりが必要
建物費(機械装置・システム構築費といずれか必須)生産施設、加工施設、販売施設等の建設・改修、建物の撤去、付随する構築物の建設に要する経費建物の単なる購入や賃貸は対象外。入札または相見積もりが必要。不動産賃貸等への転用は不可
運搬費運搬料、宅配・郵送料等機械装置等の運搬料は機械装置・システム構築費に含める
技術導入費知的財産権等の導入に要する費用書面による契約締結が必要。外注費・専門家経費と同一事業者への支払い不可
知的財産権等関連経費特許権等の取得に関連する弁理士費用、翻訳料等補助事業期間内に出願手続きを完了していない場合は対象外
外注費(上限:補助金額の10%)検査・加工・設計等の一部を外注する場合の経費書面による契約締結が必要。外注先の選定理由を事業計画書に記載
専門家経費(上限:100万円)専門家への謝金、旅費等1日5万円が上限。技術指導や助言が必要不可欠である理由を記載
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用に関する経費補助事業期間中の利用分のみ対象。パソコン等の本体費用は対象外
広告宣伝・販売促進費(上限:売上高見込み額の5%)広告作成、展示会出展、ブランディング等に係る経費補助事業期間内に広告が使用・掲載されることが必要。複数者からの見積もりが必要

申請にあたっては、各経費が補助事業の目的達成に必要不可欠であることを明確に説明し、適切な見積もりを取得しておくことが重要です。

補助対象外となる経費

中小企業新事業進出補助金では、補助対象経費として認められない経費が明確に定められています。申請前に必ず確認し、対象外の経費を計上しないよう注意が必要です。

補助対象外となる経費には、以下のようなものがあります。

事業運営に関する経費

  • 事務所の家賃、保証金、敷金、仲介手数料、水道光熱費
  • 切手代、電話・インターネット利用料金等の通信費
  • 文房具などの消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
  • 飲食、奢侈、娯楽、接待等の費用
  • 自社の人件費、旅費

汎用性のある機器・設備

  • 事務用パソコン、プリンタ、タブレット端末、スマートフォン
  • デジタル複合機、カメラ、書籍、家具家電
  • 自動車等車両、船舶、航空機の購入費・修理費・車検費用

その他の対象外経費

  • 不動産・構築物・株式の購入費
  • フランチャイズ加盟料、商品券等の金券
  • 販売・レンタル用商品の原材料費や購入費
  • 各種保険料、借入金の支払利息
  • 収入印紙、振込手数料
  • 申請書類作成・提出に係る費用
  • 税理士・公認会計士への税務申告費用、弁護士費用

また、同一代表者・役員が含まれる事業者やみなし同一事業者、資本関係がある事業者への支払いも補助対象外となります。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請から受給後までの大まかな流れ

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請から受給後までの大まかな流れ

中小企業新事業進出補助金は、申請から補助金受給後まで複数の段階を経て進行します。各段階で必要な手続きや期限が定められているため、全体の流れを把握しておくことが重要です。

申請から採択まで

本補助金への申請は、電子申請システムを通じて行います。申請にはGビズIDプライムアカウントが必要となるため、未取得の場合は早めに準備を進めてください。

申請された事業計画は、第三者委員会(審査委員会)によって審査され、評価の高い案件から順に補助金交付候補者として採択されます。なお、一定の審査基準を満たした事業者に対しては、書面審査に加えてオンラインでの口頭審査が実施される場合があります。

採択後から交付決定まで

補助金交付の候補者として採択されたら、事務局主催の説明会に出席します。説明会参加後、採択発表日から2ヶ月以内に交付申請の手続きを行います。この段階で補助対象経費の精査が行われるため、応募時に計上した経費がすべて認められるとは限りません。

補助事業の実施

交付決定を受けた後、補助事業を開始します。補助事業実施期間は「交付決定日から14ヶ月以内」かつ「採択発表日から16ヶ月以内」と定められており、この期間内に契約・発注から支払い、実績報告書の提出まですべてを完了させる必要があります。

なお、交付決定日より前に契約・発注した経費は補助対象外となるため、注意が必要です。

補助事業完了から補助金受給まで

補助事業が完了したら、完了日から30日以内または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告書を提出します。実績報告後は事務局による確定検査が行われ、補助金額が確定します。確定通知を受けた後に補助金を請求し、受給となります。

補助金受給後(事業計画期間)

補助金を受給した後も、補助事業完了年度の終了後から5年間にわたり「事業化状況報告」の提出が義務付けられています。この報告を通じて、付加価値額要件や賃上げ要件の達成状況が確認され、要件を達成できていない場合は交付された補助金額を上限として返還が求められます。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請方法

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請は、電子申請システムのみで受け付けられています。郵送や窓口での申請には対応していないため、必ずオンラインで手続きを行う必要があります。

申請にあたっては、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必須です。アカウントの発行には1週間程度かかることがあるため、申請締切に間に合うよう早めの手続きが推奨されます。取得手続きの遅れによる申請期限の延長は一切認められていません。

なお、公式サイトでは、応募やシステム入力をわかりやすく説明している「応募申請ガイド」や「電子申請システム操作マニュアル」が公開されています。あわせて確認することをおすすめします。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請書類

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の申請にあたっては、必須書類と条件に応じて必要となる書類があります。

必須提出書類

すべての申請者が提出しなければならない書類は以下のとおりです。

書類詳細注意点
決算書【法人】直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細等
【個人事業主】青色申告の場合は青色申告決算書、白色申告の場合は収支内訳書
1期分の決算書類は1ファイルにまとめて添付。2年分の提出ができない場合は1期分で可
従業員数を示す書類労働基準法に基づく労働者名簿の写し申請時点の最新のものを提出
収益事業を行っていることを説明する書類【法人】直近の確定申告書別表一および法人事業概況説明書の控え
【個人事業主】直近の確定申告書第一表および所得税青色申告決算書の控え(白色申告の場合は収支内訳書)
電子申告の場合は日時・受付番号の記載が必要。紙申告の場合は収受日付印または納税証明書が必要
必須提出書類

条件に応じて必要な書類

特定の条件に該当する場合のみ提出が必要な書類は以下のとおりです。

書類詳細注意点
金融機関による確認書金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合所定の様式に必要事項を記載して提出
リース料軽減計算書リース会社と共同申請する場合に必要公益社団法人リース事業協会の確認が必要
リース取引に係る宣誓書リース会社と共同申請する場合に必要共同申請するリース会社が作成
再生事業者であることを証明する書類再生事業者加点を希望する場合に必要中小企業活性化協議会等から発行された確認書を提出
地域別最低賃金引上げに係る要件確認書類地域別最低賃金引上げ特例の適用または加点を希望する場合所定の様式と該当3ヶ月分の賃金台帳の写しを提出
事業場内最低賃金引上げに係る要件確認書類事業場内最低賃金引上げ加点を希望する場合所定の様式と2025年7月・応募申請直近月の賃金台帳の写しを提出
特定の条件のときに必要な提出書類

交付申請時の必須書類

書類詳細注意点
賃上げ計画の表明書賃上げ目標値を従業員等に表明したことを示す書類採択後の交付申請時に提出が必要。所定の様式に必要事項を記載して提出
交付申請時に必要な提出書類

提出時の注意点

添付書類は、公募要領の「ファイル名確認シート」で記載されている命名規則に従い、所定のファイル名をつける必要があります。主なファイル名の例は以下のとおりです。

書類ファイル名
決算書決算書等(申請者名)
労働者名簿の写し労働者名簿の写し(申請者名)
確定申告書別表一の控え直近の確定申告書別表一の控え(申請者名)
金融機関による確認書金融機関による確認書(申請者名)
賃上げ計画の表明書賃上げ計画の表明書(申請者名)
ファイル名の例

なお、書類の内容に誤りや不備があった場合、採択後であっても取消の対象となることがあります。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の補助事業者に発生する義務や注意事項

中小企業新事業進出補助金の交付を受ける事業者には、申請から補助事業終了後まで、多岐にわたる義務や注意事項が課されます。これらを十分に理解せずに進めると、採択取消や補助金返還といった事態を招く可能性があるため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。

採択後から交付申請までの義務・注意事項

本補助金の事務局が、補助金交付候補者として採択された事業者向けに主催する説明会については、必ず出席しなければいけません。最終開催日までに参加しなかった場合、採択は自動的に無効となります。

なお、交付決定前の段階では、事業譲渡や会社分割等による権利の移転、および事業計画の内容変更は一切認められていません。

交付申請から交付決定までの義務・注意事項

交付申請は、採択発表日から2ヶ月以内に完了させる必要があります。この期限を過ぎた場合は採択取消となります。

交付申請時には補助対象経費の精査が行われますが、応募申請時に計上した経費がすべて認められるわけではありません。審査の結果、一部の経費が補助対象外と判断されれば交付決定額は減額されます。減額により補助金額が下限の750万円を下回る場合は、採択取消となります。応募申請時に計上していなかった経費を交付申請時に新たに追加することはできません。

また申請時には、経済性の観点から可能な限り複数の見積もりを取得し、最低価格を提示した業者を選ぶことが求められます。見積額の合計が50万円(税抜き)以上となる場合は、3者以上から同一条件での見積もりを取得することが必須です。

なお、交付決定が下りる前に契約や発注を済ませてしまった経費は、たとえ採択後であっても補助の対象になりません。この点は特に見落としやすいため、発注のタイミングには細心の注意を払いましょう。

補助事業実施期間中の義務・注意事項

補助事業の実施期間は、交付決定日から14ヶ月以内、かつ採択発表日から16ヶ月以内と定められています。この期間内に、契約・発注から納入、検収、支払い、実績報告書の提出まで、すべての手続きを完了させなければなりません。原則として期間の延長は認められませんが、天災など事業者の責任によらない理由がある場合には、例外的に延長が認められることがあります。

交付決定後に補助事業の実施場所を変更することは原則として不可です。経費の配分や内容を変更する場合、あるいは補助事業を中止・廃止・承継する場合には、事前に事務局の承認を得ることが必要となります。

支払いについては、銀行振込のみが認められています。現金払い、相殺による支払い、代引き、手形、小切手、PayPayやPayPalなどの決済サービスによる支払いは補助対象外です。分割払いを行う場合は、すべての支払いを補助事業実施期間内に完了させる必要があり、一部でも期間内に完了していない支払いがあれば当該契約に含まれる経費全額が補助対象外となります。

実績報告から補助金額確定までの義務・注意事項

補助事業が完了したら、完了日から30日以内、または補助事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告書を提出しなければなりません。期限までに提出がなかった場合は交付決定が取り消されます。

なお、補助事業の完了とは、単に建物の建設や設備の導入が終わった状態を指すのではなく、応募申請時に提出した事業計画のスケジュールどおりに事業が進捗していることを意味します。

実績報告後は事務局による実地検査が行われます。検査では取得財産や帳簿類の確認が行われ、確認ができない場合は当該経費が補助対象外となります。また、

補助事業により取得した建物や設備については、事業計画期間終了までの間、自然災害による損害を補償する保険・共済への加入が義務付けられており、実績報告時に加入を証明する書類の提出が求められます。

事業計画期間(事業化状況報告期間)の義務・注意事項

事業化状況報告書の提出

補助金を受け取った後も、補助事業完了年度の終了後から5年間にわたり、事業化状況報告書の提出が義務付けられています。この報告では、付加価値額要件や賃上げ要件などの達成状況が確認されます。報告を怠った場合や虚偽の報告をした場合は、交付決定が取り消され補助金の返還が求められるほか、以降の応募申請も認められなくなります。

実地検査への協力

補助金支払い後も、会計検査院や事務局による抜き打ちの実地検査が行われることがあります。検査への協力は必須であり、正当な理由なく拒否した場合は交付決定が取り消されます。

財産処分の制限

補助事業により取得した財産のうち、取得価格が単価50万円(税抜き)以上のものは「処分制限財産」となり、処分(譲渡、交換、貸付、担保設定、廃棄など)に制限がかかります。処分制限期間内に処分を行う場合は、事前に事務局の承認を得た上で、残存簿価相当額または譲渡額等に基づき補助金の一部を納付する必要があります。

処分制限財産である建物等への抵当権設定は原則として認められません。補助事業遂行のための資金調達に限り、担保権実行時の納付を条件として認められる場合がありますが、根抵当権の設定は一切認められません。

経理処理と証拠書類の保存

補助事業に係る経理については、収支の事実を明確にした証拠書類を整理し、補助金を受給した年度の終了後5年間保存しなければなりません。

知的財産権の帰属

補助事業の実施過程で発生した知的財産権は、補助事業者に帰属します。特許権や商標権などを取得した場合も、その権利は事業者自身のものとなります。

効果検証等への協力義務

本補助金では、EBPM(Evidence-Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)の推進の観点から、採択・不採択にかかわらず、事務局および中小機構(中小企業基盤整備機構)からの求めに応じてデータを提供したり調査に協力したりすることが求められます。

申請時に提出された情報は、事業者間の連携推進や政策効果検証などの目的で、個社情報が特定されないよう処理された上で公開される場合があります。また、補助事業者となった場合には、事業成果の発表や事例集の作成などへの協力を依頼されることがあります。

さらに、事業化状況報告書等の内容をもとに、各金融機関や外部支援者のフォローアップ状況が調査され、支援機関ごとにその結果が公表される場合もあります。

不正行為に対する措置

補助金の申請や事業実施において、虚偽の申請による不正受給、取得財産の目的外利用、補助金受給額を不当に釣り上げて関係者へ報酬を配布するなどの不正行為が判明した場合は、交付決定が取り消されるだけでなく、補助金交付済みの場合は加算金を課した上で返還が求められます。悪質な不正行為については、事業者名や不正を行った時点での代表者名、不正内容が公表されます。

また、交付決定の取消を受けた者は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づき、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方に処せられる可能性があります。

事業計画期間後の義務・注意事項

処分制限財産の処分を制限する期間は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に基づく法定耐用年数が適用されます。事業計画期間(5年間)が終了した後であっても、法定耐用年数を経過するまでは処分に制限がかかり続けるため、長期にわたって財産管理に注意を払う必要があります。

これらの義務や注意事項は多岐にわたりますが、補助金を適切に活用し、事業を成功に導くためには欠かせない事項です。不明点がある場合は、事前に事務局や補助金申請支援の専門家に相談することをおすすめします。

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の採択率を上げるポイント

中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の採択率を上げるポイント

中小企業新事業進出補助金の採択率は第1回公募で約37%であり、3社に1社程度しか採択されない競争率の高い補助金です。採択を勝ち取るためには、審査の仕組みを理解し、丁寧に準備を進めることが欠かせません。

ここでは、採択率を高めるための4つのポイントを解説します。

審査項目を正確に把握して漏れなく対応する

本補助金の審査は、公募要領に明記された審査項目に基づいて行われます。審査項目を正確に把握し、一つひとつに対して漏れなく対応することが、採択への第一歩です。

主な審査項目は以下のとおりです。

審査項目詳細
補助対象事業としての適格性補助対象者・補助対象事業の要件を満たしているか、付加価値額や賃上げの目標値が高く設定され、かつ実現可能性があるか
新規事業の新市場性・高付加価値性新製品等のジャンル・分野の普及度や認知度が低いか、または同一分野内で高水準の高付加価値化・高価格化を図るものか
新規事業の有望度継続的に売上・利益を確保できる市場規模があるか、競合他社と比較して明確な優位性を確立できるか
事業の実現可能性中長期課題の検証ができているか、遂行方法・スケジュール・課題解決方法は明確か、財務状況や資金調達の見込みは十分か、実施体制は確保されているか
公的補助の必要性経済波及効果や雇用創出効果は高いか、費用対効果は適切か、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献するか
政策面日本経済の構造転換に資するか、経済成長やイノベーションを牽引できるか、地域経済の成長を牽引する事業か
大規模な賃上げ計画の妥当性賃上げの取組内容と算出根拠が妥当か、継続的な賃上げ計画となっているか
主な審査項目

事業計画書を作成する際は、これらの項目すべてに対応できているかを確認しながら進めることが重要です。特に「新市場性・高付加価値性」については、客観的なデータや統計を用いて根拠を示す必要があります。また、各項目間の整合性が取れているかも確認しましょう。

加点項目を積極的に獲得する

本補助金では、一定の条件を満たす事業者に対して審査上の加点が行われます。加点項目を多く獲得することで、採択の可能性を高めることができます。

第4回公募における主な加点項目は以下のとおりです。

加点項目内容
パートナーシップ構築宣言加点「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトで宣言を公表している事業者
くるみん認定加点次世代育成支援対策推進法に基づく認定(トライくるみん、くるみん、プラチナくるみんのいずれか)を受けた事業者
えるぼし認定加点女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし1〜3段階またはプラチナえるぼし)を受けている事業者
アトツギ甲子園加点アトツギ甲子園のピッチ大会に出場した事業者
健康経営優良法人認定加点健康経営優良法人2025に認定されている事業者
技術情報管理認証制度加点技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
成長加速マッチングサービス加点成長加速マッチングサービスで会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者
再生事業者加点中小企業活性化協議会等から支援を受け、再生計画を策定中または策定済みの事業者
特定事業者加点公募要領の「特定事業者の一部」に該当する事業者
地域別最低賃金引上げ加点2024年10月〜2025年9月の間で、地域別最低賃金以上〜2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が30%以上である月が3カ月以上ある事業者
事業場内最低賃金引上げ加点2025年7月と応募申請直近月を比較し、全国目安で示された額(63円以上)の賃上げをした事業者
中小企業新事業進出補助金(第4回公募)の加点項目

これらの加点項目のうち、「パートナーシップ構築宣言」や「成長加速マッチングサービスへの登録」は比較的短期間で対応可能です。申請準備と並行して、取得できる加点項目がないか確認し、計画的に準備を進めましょう。

なお、過去に賃上げに関する加点を受けながら要件を達成できなかった場合は大幅な減点対象となります。また、類似テーマへの申請集中による過剰投資と判断された場合や、過去の補助事業で事業化が進展していない場合も減点されるため、注意が必要です。

事業者の思いを事業計画に記載する

審査項目や加点項目への対応はもちろん重要ですが、採択される事業計画書に共通しているのは、経営者自身の言葉で事業への想いが語られていることです。

この事業で何を成し遂げたいのか、地域や社会にどのような価値をもたらしたいのか。こうした経営者の志や覚悟が伝わる計画書は、審査員にとっても説得力のあるものになります。

助金申請支援の専門家に相談する

補助金申請には専門的な知識やノウハウが求められます。特に中小企業新事業進出補助金は、新事業進出要件や付加価値額要件、賃上げ要件など複数の要件を満たす必要があり、事業計画書の作成にも相応の時間と労力がかかります。

採択率を高めるためには、補助金申請支援の実績が豊富な専門家に相談することも有効な選択肢です。専門家を選ぶ際は、以下のポイントを確認しておくとよいでしょう。

確認ポイント内容
採択実績過去の採択率や支援件数を確認する。採択率9割以上の実績がある専門家であれば安心感がある
料金体系着手金の有無、成功報酬の割合など、料金体系が明確になっているかを確認する
専門性本補助金だけでなく、ものづくり補助金や事業再構築補助金など、関連する補助金の支援実績があるかを確認する
サポート範囲申請支援だけでなく、採択後の交付申請や実績報告、事業化状況報告までサポートしてもらえるかを確認する

専門家に依頼することで、自身にはなかった視点から事業計画のブラッシュアップポイントや、申請にあたっての注意点などのアドバイスを受けられます。初回相談を無料で受け付けている事務所も多いため、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

当社・中小企業経営支援事務所でも、認定経営革新等支援機関として、中小企業成長加速化補助金をはじめ、さまざまな補助金の申請支援を行っています。直近の平均採択率は約95.2%です。

初回相談についても無料ですので、もし専門家のサポートを希望されている場合は、当社にお気軽にご相談ください。

中小企業新事業進出補助金に関してよくある質問

中小企業新事業進出補助金の第4回公募はいつから申請できますか?

第4回公募の申請受付は2026年5月19日(火)から開始されます。応募締切は2026年6月19日(金)18時です。採択結果の発表は2026年9月頃を予定しています。

申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必須で、発行には1週間程度かかります。また、ワークライフバランス要件を満たすために必要な一般事業主行動計画の公表手続きにも1〜2週間程度を要します。これらの事前準備が遅れても申請期限は延長されないため、早めの準備が重要です。

中小企業新事業進出補助金は個人事業主も申請できますか?

個人事業主であっても申請は可能です。公募要領上、「会社又は個人」が補助対象者として定められており、個人事業主も対象に含まれます。

ただし、以下の3つの条件を満たしている必要があります。

  • 創業から1年以上が経過していること
  • 常勤従業員が1名以上いること
  • 収益事業を営んでいること

申請時には確定申告書類(青色申告または白色申告)の提出が必要です。また、法人の場合と同じく、新事業進出要件や賃上げ要件といった補助対象事業の各要件を満たす事業計画を策定しなければなりません。

中小企業新事業進出補助金の第4回公募の申請を検討中でしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな市場への挑戦を検討している中小企業等にとって、設備投資の負担を軽減し、事業成長を後押しする有効な支援制度です。

しかし、本補助金の申請には、新事業進出要件や付加価値額要件、賃上げ要件など複数の要件を満たす事業計画の策定が求められます。また、審査項目への対応や加点項目の獲得など、採択率を高めるためのポイントも多岐にわたります。

当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、本補助金をはじめとする各種補助金の申請支援を数多く手がけてきました。当社では、経験豊富なコンサルタント2名体制で支援にあたり、多角的な視点から事業の実態を丁寧に計画書へ落とし込みます。事業計画書の作成支援から、交付申請、実績報告、補助金入金までトータルでサポートしています。

「自社の事業が補助対象になるか確認したい」「事業計画の書き方がわからない」「一度不採択になったが再チャレンジしたい」といったお悩みがありましたら、ぜひ当社にご相談ください。初回相談は無料で承っております。

株式会社中小企業経営支援事務所

私たちは、経営者の皆様が抱える課題を根本から考え、あらゆる角度から、最善の解決方法をコンサルティングしています。事業拡大のための補助金活用支援や経営改善支援、事業承継支援(M&A・親族内承継)まで、経験豊富な中小企業診断士がしっかり伴走していきます。

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