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最終更新日 

投稿日 2026.05.18

ものづくり補助金の返還事例12選!対策を専門家がわかりやすく解説

ものづくり補助金は、中小企業の革新的な製品・サービス開発や生産性向上のための設備投資を支援する補助金です。原則として返還不要ですが、賃上げ目標の未達や虚偽申請、事業化状況報告の未提出など、一定の条件に該当した場合には補助金の返還が求められます。

この記事では、ものづくり補助金の返還が発生する主なパターンと具体的な返還額のシミュレーション、返還が免除される例外条件、そして返還リスクを減らすためのポイントをわかりやすく解説します。

なお、ものづくり補助金は第23次公募をもって終了し、2026年6月頃からは後継制度「新事業進出・ものづくり補助金」の公募が開始される予定です。新制度でも賃上げ要件や補助金返還に関する仕組みは引き継がれる可能性が十分にあり、新制度への申請を考えている事業者様もご参考となる内容かと思いますので、ご活用いただけますと幸いです。

当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、各種補助金の申請をトータルでサポートしております。経験豊富な中小企業診断士や経営コンサルタントが事業計画書の作成から採択後のフォローまで丁寧に支援いたします。

初回相談は無料ですので、ものづくり補助金の返還事例について不安や疑問がある方はぜひお気軽にご相談ください。

目次

ものづくり補助金は基本的に返還不要 ただし場合によって返還が必要になる場合あり

ものづくり補助金は、原則として返済や返還の義務がありません。

ただし、一定の条件に該当した場合には、補助金の全部または一部の返還が求められます。代表的なケースとしては、賃上げ目標(1人あたり給与支給総額の年平均成長率や事業所内最低賃金)の未達、虚偽申請や補助金の目的外使用、事業化状況報告の未提出、処分制限財産の無断処分などが挙げられます。

返還が生じた場合のデメリットは金銭面だけにとどまりません。基本要件を達成できなかった事業者は、次回以降のものづくり補助金申請時に減点対象となるとされています。ものづくり補助金は23次で終了となり、新事業進出・ものづくり補助金という新たな制度となりますが、こちらの補助金にも影響が出る可能性は十分に考えられます。

また、賃上げ加点を受けて採択されたにもかかわらず要件を達成できなかった場合は、未達が報告されてから18ヶ月間、ものづくり補助金だけでなくIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金など中小企業庁が所管する他の補助金の申請においても大幅に減点されます。

加えて、虚偽申請が発覚した場合は、事業者名・代表者名を含む不正内容が公表される可能性があるほか、次回以降の公募への申請が一切できなくなるリスクもあります。

ものづくり補助金の返還が求められる主なパターン一覧

ものづくり補助金は原則として返済不要の補助金ですが、公募要領に定められた要件を満たせなかった場合や、不正・違反行為があった場合には、補助金の全部または一部の返還が求められます。

返還が発生する主なパターンを、23次公募の公募要領をもとに詳しく解説します。

1人あたり給与支給総額の年平均成長率が目標値に届かなかった場合

ものづくり補助金の基本要件②「賃金の増加要件」では、補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率(CAGR)を3.5%以上増加させることが求められています。申請者は自ら3.5%以上の目標値を設定し、交付申請時までに全従業員および従業員代表者に対して表明しなければなりません。

事業計画期間の最終年度において、この目標値を達成できなかった場合、補助金交付額に未達成率を乗じた額の返還が必要になります。なお、年平均成長率がゼロまたはマイナス成長の場合は、補助金の全額返還となる点に特に注意が必要です。

事業所内最低賃金が目標値を下回った場合

基本要件③「事業所内最低賃金水準要件」では、事業計画期間中、毎年、補助事業の主たる実施場所における最低賃金を、事業実施都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準に維持することが求められます。

1人あたり給与支給総額の要件が事業計画期間の最終年度にのみ判定されるのに対し、事業所内最低賃金の要件は毎年3月末時点で判定される点が大きな違いです。いずれかの年に目標値を下回った場合、その年ごとに「補助金交付額÷事業計画期間の年数」の返還が求められます。

大幅賃上げ特例の目標値を達成できなかった場合

大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例を利用した事業者には、通常の基本要件に加えて、より高い賃上げ目標が課されます。

具体的には、「1人あたり給与支給総額の年平均成長率について、基本要件の3.5%にさらに+2.5%を上乗せした合計6.0%以上」、かつ「事業所内最低賃金を地域別最低賃金について、基本要件の+30円にさらに+20円を上乗せした+50円以上」とすることが必要です。

いずれか一方でも達成できなかった場合、まず各補助対象事業枠の通常の補助上限額との差額(補助上限額引上げ額)は全額返還となります。さらに、補助金交付額から引上げ額を差し引いた部分についても、未達成率に応じた返還が求められます。

虚偽申請や補助金の目的外使用が明らかになった場合

申請時に虚偽の内容を提出した場合や、補助金を交付決定された目的以外に使用した場合は、交付決定の取消しおよび補助金の全額返還が求められます。公募要領では、虚偽の内容で故意または重過失により申請した場合、次回以降の公募への申請が一切できなくなると明記されています。また、事業者名・代表者名を含む不正内容が公表される可能性もあります。

補助金の目的外使用とは、補助事業により取得した財産を本補助事業以外の用途に使用することを指します。目的外使用と判断された場合は、残存簿価相当額等の国庫納付が必要となります。例えば、補助事業専用として導入した機械装置を、申請した事業とは異なる既存製品の製造に転用した場合などが該当します。

また、他の法人・事業者と同一または類似した内容の事業計画を故意または重過失により申請した場合も、採択決定の取り消しや補助金返還の対象となります。この場合、1回目は次回・次々回公募の申請が不可、2回目以降は次回公募以降4回分の公募の申請が不可となり、段階的にペナルティが重くなる点にも注意が必要です。

なお、支援を受けた事業計画書作成支援者(認定経営革新等支援機関など)の情報を申告しなかった場合も、申請にかかる虚偽として不採択や採択決定取消し、補助金返還の対象となるため注意が必要です。

事業化状況報告を期限内に提出しなかった場合

補助事業が完了した日の属する会計年度の終了後5年間、毎会計年度終了後60日以内に「事業化状況・知的財産権等報告書」を提出する義務があります。この報告書を期限内に提出しなかった場合は、補助金の返還を求められることがあります。

さらに、事業化状況報告が未提出のままでは、次回以降のものづくり補助金への申請自体ができなくなります。

また、事業化状況報告書を提出した場合であっても、その内容に虚偽の報告が含まれていた場合には、補助金の返還を求められることがあります

処分制限財産を無断で処分した場合

補助事業により取得した財産のうち、単価50万円(税抜き)以上の機械等の財産(処分制限財産)は、処分制限期間内に事務局の事前承認なく処分することが禁じられています。ここでいう「処分」には、売却や廃棄だけでなく、補助金の交付目的に反する使用、譲渡、交換、貸付け、担保に供する行為なども含まれます。

無断で処分した場合は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)により、当該処分財産に係る補助金交付額を限度として国庫納付が求められます。

善管注意義務違反で事業継続が困難になった場合

補助事業者は、補助金等適正化法に基づき、善良な管理者の注意をもって補助事業を行わなければなりません。たとえば、補助事業者の不注意によって機械装置等を焼失・紛失し、事業の継続が困難になった場合は、故意や重過失がなくても善管注意義務違反として交付決定の取消しや補助金返還に至る可能性があります。

誓約事項に違反した場合

補助事業者は、補助金等適正化法および「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金交付規程」を遵守する義務があります。これらの規程に違反する行為があった場合は、交付決定の取消しおよび補助金の返還が求められます。

具体的な誓約事項としては、賃金引上げ計画の誓約や補助経費に関する誓約などがあります。たとえば、基本要件②および③について、交付申請時までに従業員等に対して設定した目標値の表明を行う必要がありますが、この表明がなされていなかった場合は、交付決定取り消しおよび補助金返還の対象となります。

補助対象外の経費を計上していたことが後から判明した場合

交付決定後であっても、補助対象外の経費を計上していたことが判明した場合は、当該経費が補助対象から除外されます。悪質なケースでは交付決定の取り消しや補助金返還に至る可能性もあります。

補助対象外となる経費の例としては、工場建屋や構築物の取得費用、設置場所の整備工事や基礎工事の費用、事務所の家賃・水道光熱費、自動車等車両の購入費、汎用性があり、目的外使用になり得るもの(事務用パソコン・タブレット端末等)の購入費などが挙げられます。また、同一代表者・役員が含まれている事業者や資本関係がある事業者への支払いも補助対象外です。

加えて、交付決定日よりも前に発注・契約・購入を行った経費は、いかなる理由があっても補助対象外となります。

会計検査院の調査や実地検査で問題を指摘された場合

補助事業の実施中および終了後に、会計検査院や事務局等が抜き打ちで実地検査に入ることがあります。この検査により、経費の不正計上や補助金の不適切な使用などの問題が指摘された場合は、補助金返還命令等の指示に従わなければなりません。

また補助事業者は、本補助事業に係る経理について、収支の事実を明確にした証拠書類を整理し、交付年度終了後5年間保存する義務があります。証拠書類の不備や帳簿類の不整合が発覚した際も、補助金の返還が求められる可能性があります。

複数の補助金で重複して交付決定を受け、補助金を受領していた場合

ものづくり補助金では、申請締切日を起点にして16ヶ月以内に以下の補助金の交付決定を受けて補助事業実施中の事業者は、補助対象外となります。

  • 中小企業新事業進出促進補助金
  • 中小企業等事業再構築促進補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

複数の補助金に同時期に応募申請すること自体は可能ですが、複数の補助金に採択された場合は、交付を受ける補助金を1つだけ選択して交付申請を行わなければなりません。

複数の補助金で交付決定を受け、補助金を受領していたことが発覚した場合は、交付決定日が遅い方の補助事業の交付決定が取り消され、補助金の返還が求められます。

収益が発生した場合(最新のものづくり補助金は対象外)

過去のものづくり補助金(一部の公募回)では、補助事業の成果によって収益が発生した場合に、補助金額を限度として収益の一部を国庫に納付する「収益納付」の制度が設けられていました。これは、補助金で得た成果から利益が生じた場合に、その利益の一部を国に返す仕組みです。

ただし、第23次公募をはじめとする最新のものづくり補助金の公募要領では、収益納付に関する規定は設けられていません。そのため、現行のものづくり補助金においては、補助事業の成果から収益が発生したことのみを理由として補助金の返還を求められることはありません。

とはいえ、過去の公募回で採択された事業者については、当該公募回の交付規程に基づき収益納付の義務が課されている場合がありますので、該当する事業者は自身が採択された公募回のルールを改めて確認しておくことをおすすめします。

賃上げ未達による返還額はいくらになる?具体的なシミュレーション

ものづくり補助金の賃上げ要件を達成できなかった場合、具体的にいくら返還しなければならないのでしょうか。ここでは、公募要領に記載された計算式に基づき、3つのパターンについてシミュレーションを行います。

1人あたり給与支給総額の年平均成長率が目標値に届かなかった場合の返還額

基本要件②「賃金の増加要件」では、事業計画期間の最終年度において、1人あたり給与支給総額の年平均成長率(CAGR)が目標値に届かなかった場合、以下の計算式で返還額が算出されます。

<計算式>
補助金返還額 = 補助金交付額 ×(1 -(実績の年平均成長率 ÷ 目標値の年平均成長率))

【シミュレーション例】

  • 補助金交付額:1,000万円
  • 1人あたり給与支給総額の年平均成長率の目標値:4.0%
  • 実績の年平均成長率:2.0%

この場合の返還額は以下のとおりです。

返還額
= 1,000万円 ×(1 -(2.0% ÷ 4.0%))
= 1,000万円 ×(1 – 0.5)
= 1,000万円 × 0.5
= 500万円

つまり、目標値の半分しか達成できなかった場合は、補助金交付額の半分を返還する必要があります。

なお、実績の年平均成長率がゼロまたはマイナス成長の場合は、補助金の全額返還となる点に特に注意が必要です。上記の例では1,000万円全額の返還が求められます。

事業所内最低賃金が目標値を下回った場合の返還額

基本要件③「事業所内最低賃金水準要件」は、1人あたり給与支給総額の要件とは異なり、毎年3月末時点で判定されます。目標値を下回った年があれば、その年ごとに返還が発生します。

<計算式>
補助金返還額 = 補助金交付額 ÷ 事業計画期間の年数

【シミュレーション例】

  • 補助金交付額:1,000万円
  • 事業計画期間:5年間
  • 事業所内最低賃金の目標値:地域別最低賃金+35円
  • 3年目に目標値を下回った(地域別最低賃金+20円にとどまった)

この場合の返還額は以下のとおりです。

返還額
= 1,000万円 ÷ 5年
= 200万円

仮に5年間のうち2年間で目標値を下回った場合は、200万円 × 2年分 = 400万円の返還が必要です。1人あたり給与支給総額の要件が最終年度のみの判定であるのに対し、事業所内最低賃金は毎年判定されるため、年度ごとに返還リスクが積み重なる点を十分に認識しておく必要があります。

大幅賃上げ特例の目標値を達成できなかった場合の返還額

大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例を利用した場合、通常の基本要件よりも高い賃上げ目標(1人あたり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上、かつ事業所内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上)が課されます。いずれか一方でも達成できなかった場合、まず補助上限額の引上げ分は全額返還となり、さらに残りの部分についても未達成率に応じた返還が求められます。

返還額の計算は、達成できなかった目標値の種類によって異なります。

<1人あたり給与支給総額の目標値が未達の場合の計算式>
補助金返還額 = 補助上限額引上げ額 +((補助金交付額 – 補助上限額引上げ額)×(1 -(実績の年平均成長率 ÷ 特例目標値の年平均成長率)))

<事業所内最低賃金の目標値が未達の場合の計算式>
補助金返還額 = 補助上限額引上げ額 +((補助金交付額 – 補助上限額引上げ額)×(1 -(特例目標値を達成した年数 ÷ 事業計画期間の年数)))

【シミュレーション例】

  • 補助金交付額:2,000万円(うち補助上限額引上げ額:1,000万円)
  • 事業計画期間:5年間
  • 特例1人あたり給与支給総額の年平均成長率目標値:6.0%
  • 実績の年平均成長率:3.0%
  • 特例事業所内最低賃金の目標値:達成(5年間すべて達成)

この場合、事業所内最低賃金は達成していますが、1人あたり給与支給総額の目標値が未達のため、返還が発生します。

返還額
= 1,000万円 +((2,000万円 – 1,000万円)×(1 -(3.0% ÷ 6.0%)))
= 1,000万円 +(1,000万円 ×(1 – 0.5))
= 1,000万円 + 500万円
= 1,500万円

なお、両方の目標値が未達の場合は、達成度の高い方の未達成率を採用して計算します。また、1人あたり給与支給総額の年平均成長率がゼロまたはマイナス成長の場合は、補助金の全額返還となります。

このように、大幅賃上げ特例を利用した場合は、引上げ分の全額返還に加えて通常部分の返還も発生するため、返還額が非常に大きくなるリスクがあります。

ものづくり補助金の返還が免除される3つの例外条件

ものづくり補助金では、賃上げ要件(基本要件②・③)や大幅賃上げ特例の目標値を達成できなかった場合でも、以下の3つの条件のいずれかに該当するときは、補助金の返還が免除されます。

付加価値額が増加しておらず、かつ事業計画期間の過半数が営業利益赤字の場合

事業計画期間中に付加価値額(営業利益 + 人件費 + 減価償却費)が基準年度から増加しておらず、かつ企業全体として3〜5年の事業計画期間の過半数の年度で営業利益が赤字であった場合は、補助金の一部返還が免除されます。

つまり、賃上げに取り組む意思があったものの、事業環境の悪化により企業の業績自体が低迷し、賃上げの原資を確保できなかったと認められる、ということです。

ただし、大幅賃上げ特例を利用した場合、各補助対象事業枠の補助上限額との差額(補助上限額引上げ額)部分については、この免除の対象外となり返還しなければいけません。

また、事業所内最低賃金の要件については、企業全体として「当該事業年度」が営業利益赤字であることが条件となります。

天災など事業者の責めに負わない理由がある場合

地震・台風・洪水などの天災や、その他事業者自身の責任によらないやむを得ない事情により、賃上げ目標の達成が困難になった場合も、補助金の返還が免除されます。

公募要領では具体的な事例の列挙はされていませんが、事業者の経営努力では回避できない外的要因によって目標未達となったケースが想定されています。

再生事業者に該当する場合

中小企業活性化協議会等から支援を受けて再生計画を策定している事業者など、公募要領の別紙4で定義される再生事業者に該当する場合は、賃上げ目標が達成できなかった場合であっても補助金の返還は求められません。再生事業者は経営再建の途上にあり、通常の事業者と同じ基準で賃上げを求めることが困難であるためです。

上記の3つの免除条件のうち、「付加価値額が増加しておらず、かつ営業利益赤字の場合」と「天災など事業者の責めに負わない理由がある場合」は、賃上げ要件(基本要件②・③)および大幅賃上げ特例の目標値未達に対する返還に適用されます。

「再生事業者に該当する場合」は、賃上げ要件(基本要件②・③)の未達に対する返還に適用されます。再生事業者はそもそも大幅賃上げ特例の適用対象外であるため、大幅賃上げ特例との関係は生じません。

なお、その他の返還事由(虚偽申請や目的外使用など)には、いずれの免除条件も適用されないと規定されています。

ものづくり補助金の返還リスクを減らすためのポイント

ものづくり補助金の返還リスクを最小限に抑えるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

実現可能性の高い賃上げ目標を設定する

賃上げ目標(1人あたり給与支給総額の年平均成長率・事業所内最低賃金)は、基準値以上であれば自社で自由に設定できます。

ただし高すぎる目標を掲げると未達リスクが高まるため、昇給・減給や残業時間の増減といった給与変動要因もあらかじめ考慮したうえで、達成可能な水準を設定することが重要です。特に大幅賃上げ特例は返還額が大きくなるため、慎重に判断しましょう。

交付決定前の発注・契約を絶対に行わない

交付決定日より前に発注・契約・購入した経費は、いかなる理由があっても補助対象外となり、。補助事業の開始を急ぐあまり先走ってしまうケースは少なくありませんが、発覚すれば補助金返還につながります。交付決定通知を受け取ってから発注を行うことを徹底しましょう。

補助対象経費のルールを正確に把握する

補助対象外の経費(汎用性のあるパソコン・車両・建屋・基礎工事費用など)を誤って計上すると、後から補助対象外と判定され、悪質な場合は交付決定取消しや補助金返還に至る可能性があります。同一代表者・役員が含まれる事業者や資本関係のある事業者への支払いも対象外です。

経費計上のミスを防ぐためには、交付申請の前に公募要領の「補助対象経費」と「補助対象外となる経費」の一覧を必ず確認し、計上予定の経費を一つひとつ照合することが重要です。特に、補助事業専用で使用する設備であっても、汎用性があると判断されれば対象外となるケースがあるため、「その設備が補助事業以外にも使用できるかどうか」を基準にチェックしましょう。また、外注先や購入先と自社との間に資本関係や共通の役員がいないかも事前に確認してください。

事業化状況報告を期限内に必ず提出する

補助事業完了後5年間、毎会計年度終了後60日以内に事業化状況報告書を提出する義務があります。未提出の場合は補助金返還を求められるだけでなく、次回以降のものづくり補助金への申請自体ができなくなります。

事業化状況報告は補助事業の完了直後は意識していても、2年目・3年目と時間が経つにつれて報告を失念するケースが少なくありません。提出期限(会計年度終了後60日以内)を社内カレンダーやタスク管理ツールに登録し、経理担当者や顧問税理士とともに提出漏れを防ぐ体制を整えておくことをおすすめします。

処分制限財産の取り扱いに注意する

単価50万円以上の機械装置等は、事務局の事前承認なく売却・廃棄・目的外使用・貸付けなどを行うことが禁じられています。処分が必要な場合は必ず事前に承認を得るようにしましょう。

証拠書類を適切に整理・保管する

補助事業に係る収支の証拠書類は、交付年度終了後5年間保存する義務があります。会計検査院等の実地検査で帳簿類の不整合が発覚した場合も返還リスクにつながるため、日頃から適切な経理管理ができているか確認することをおすすめします。

事業計画書作成支援者の情報を必ず申告する

外部の支援者から事業計画書の作成支援を受けた場合、その情報を申告しないと虚偽申請として補助金返還や事業者名公表の対象となります。支援を受けた場合は必ず正確に申告しましょう。

補助金申請の専門家のサポートを受ける

ものづくり補助金の返還リスクを減らすうえで効果的な方法の一つが、補助金に精通した専門家のサポートを受けることです。

公募要領のルールは多岐にわたり、賃上げ目標の設定や補助対象経費の判断、事業化状況報告の対応など、事業者が自力で全てを正確に把握・管理することは容易ではありません。補助金の申請段階から専門家の支援を受けることで、無理のない事業計画の策定や経費計上の誤りの防止につながり、結果として返還リスクを大幅に低減できます。

当社・中小企業経営支援事務所では、補助金の申請支援はもちろん、補助事業や実績報告に関するサポートも実施しています。ものづくり補助金の返還リスクへの対応にお悩みの方は、中小企業経営支援事務所にお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

ものづくり補助金の返還についてよくある質問

ものづくり補助金を返還する義務はありますか?

ものづくり補助金は原則として返済不要の補助金ですが、賃上げ目標の未達、虚偽申請や補助金の目的外使用、事業化状況報告の未提出、処分制限財産の無断処分など、一定の条件に該当した場合には返還義務が生じます。

ものづくり補助金の返還事由は?

主な返還事由は以下のとおりです。

  1. 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が目標値に届かなかった場合
  2. 事業所内最低賃金が目標値を下回った場合
  3. 大幅賃上げ特例の目標値を達成できなかった場合
  4. 虚偽申請や補助金の目的外使用が明らかになった場合
  5. 事業化状況報告を期限内に提出しなかった場合
  6. 処分制限財産を無断で処分した場合
  7. 善管注意義務違反で事業継続が困難になった場合
  8. 誓約事項に違反した場合
  9. 補助対象外の経費を計上したことが後から判明した場合
  10. 会計検査院の検査や実地検査で問題を指摘された場合
  11. 複数の補助金で重複して交付決定を受け、補助金を受領していた場合
  12. 収益が発生した場合(最新のものづくり補助金は対象外)

ものづくり補助金の返還の経理処理は?

ものづくり補助金の返還が生じた場合、返還額は会計上「補助金返還損」などの科目で特別損失に計上するのが一般的です。補助金受給時に収益として計上し圧縮記帳を適用していた場合は、返還に伴い圧縮記帳の修正処理が必要になることがあります。

具体的な経理処理は個々の状況により異なるため、顧問税理士や公認会計士に相談されることをおすすめします。

ものづくり補助金の収益納付とは?

収益納付とは、補助事業の成果によって収益が発生した場合に、補助金額を限度として収益の一部を国庫に納付する制度です。

過去の一部の公募回では収益納付の規定が設けられていましたが、第23次公募をはじめとする最新のものづくり補助金の公募要領には収益納付に関する規定はありません。

このように公募回によって異なりますので、自身が採択された公募回の公募要領を見て、「収益納付」と検索をかけるなどしてチェックすることをおすすめします。

ものづくり補助金についてお困りでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

ものづくり補助金は原則返還不要ですが、賃上げ目標の未達や虚偽申請、事業化状況報告の未提出など、さまざまな場面で返還リスクが生じます。返還が発生すれば金銭的な負担だけでなく、次回以降の補助金申請における減点や申請資格の喪失といった深刻な影響を受ける可能性もあります。

中小企業経営支援事務所は、ものづくり補助金を始めとする各種補助金の申請支援のエキスパートです。厳格な要件を満たした2名体制のコンサルタントが、事業計画書の作成だけでなく、採択後の交付申請・実績報告まで一貫してサポートしています。

ものづくり補助金の返還リスクへの対応にお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料となっています。

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