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最終更新日 

投稿日 2026.06.05

新事業進出補助金の口頭審査とは?審査内容や目的、合格のコツを解説

新事業進出補助金は、中小企業等が既存事業とは異なる新たな事業に挑戦し、新市場・高付加価値事業への進出を通じて企業規模の拡大や生産性向上、賃上げの実現を目指すための補助金制度です。

本補助金では、書面審査に加えて「口頭審査」が導入されており、申請者自身が事業計画の内容を十分に理解し、主体的に事業を遂行できるかどうかが直接確認されます。

この記事では、新事業進出補助金の口頭審査の概要や審査の観点、具体的なルール、そして合格に向けた実践的な対策について、最新の公募要領の内容をもとに解説します。

なお、新事業進出補助金自体の解説については、下記で詳しく解説しています。あわせてご参考にしていただけますと幸いです。

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新事業進出補助金の口頭審査とは?

新事業進出補助金の口頭審査とは、書面審査で一定の基準を満たした申請者を対象に、オンライン(Zoom等)で実施される面談形式の審査です。所要時間は1事業者あたり15分程度で、申請された事業計画について「事業の適格性」「優位性」「実現可能性」「継続可能性」などの観点から審査員が質問を行い、申請者が回答する形で進められます。

口頭審査が導入された背景と目的

新事業進出補助金において口頭審査が導入された背景には、補助金申請をめぐる不正・代筆問題の増加があります。公募要領では、事業計画の作成は「必ず申請者自身で作成してください」と明記されており、作成自体を申請者以外が行うことは認められていません。しかし、書面審査だけでは、提出された事業計画を本当に申請者本人が理解・作成しているかどうかを見極めることが困難でした。

こうした課題に対応するため、口頭審査では審査員が申請者に直接質問を行い、事業計画の内容を「自分の言葉」で説明できるかどうかを確認します。これにより、外部のコンサルタントや支援者が実質的に事業計画を代筆し、申請者本人が内容を十分に理解していないケースを除外する狙いがあります。

また、口頭審査には「自社申請の原則」を制度面から担保する意図もあります。公募要領では、事業計画作成支援者がいる場合はその名称や報酬額を申請時に記載することが求められ、口頭審査では申請事業者以外の同席が一切認められていません。審査対応者が申請事業者自身でないことが判明した場合は不採択となるなど、厳格なルールが設けられています。

このように口頭審査は、補助金の公正な運用と、申請者自身が主体的に事業を遂行できることを確認するための重要な仕組みとして位置づけられています。

新事業進出補助金の口頭審査の流れ

新事業進出補助金の口頭審査は、書面審査で一定の基準を満たした申請者を対象に、必要に応じて実施されます。

対象となった場合、事務局から受験日時の予約案内がメールで届きます。予約は先着順で、電子申請を早期に完了した事業者から優先的に日時を選択できます。なお、申請完了が締切間際になると、選択できる日時の候補が少ない場合があります。

口頭審査は、オンライン(Zoom等)で行われ、所要時間は1事業者あたり15分程度です。会議開始5分前から入室し、接続テストを実施します。審査の冒頭では、顔写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)による本人確認が行われます。その後、審査員が事業計画の内容について質問を行い、申請者がそれに回答する形式で進行します。

なお、審査中の音声は録音されますが、審査以外の目的には使用されません。また、公平性の観点から審査委員・事務局側はカメラをオフにして審査を行います。

新事業進出補助金の口頭審査の主な観点

新事業進出補助金の口頭審査では、申請された事業計画について、主に以下の4つの観点から審査が行われます。それぞれの観点について詳しく解説します。

事業の適格性

事業の適格性とは、申請された事業計画が本補助金の補助対象事業としての要件を満たしているかどうかを確認する観点です。

具体的には、新事業進出要件(製品等の新規性・市場の新規性・新事業売上高要件)、付加価値額要件、賃上げ要件、事業場内最賃水準要件などの各種要件を正しく理解し、自社の事業計画がこれらの要件にどのように該当するのかを、申請者自身の言葉で説明できるかが問われます。

書面上では要件を満たしているように見えても、口頭審査で申請者が要件の趣旨や自社の該当性を十分に説明できない場合、事業計画の信頼性に疑問が生じる可能性があります。

事業の優位性

事業の優位性では、補助事業で取り組む新規事業が競合他社と比較して明確な差別化ポイントを持っているかが確認されます。

口頭審査では、競合分析の結果や顧客ニーズに基づいた自社の強み、新製品・サービスが市場においてどのような優位性を発揮するのかについて質問が行われます。

申請者には、単に「差別化できる」という抽象的な説明ではなく、具体的な根拠やデータに基づいて自社の優位性を論理的に説明することが求められます。

事業の実現可能性

事業の実現可能性は、申請された事業計画が実際に遂行できるかどうかを見極める観点です。

審査員からは、事業化に向けた課題の認識やその解決方法、具体的なスケジュール、事業を遂行するための人材や体制の確保状況、資金調達の見通しなどについて質問されることが想定されます。

また、補助対象経費が事業目的の達成のために真に必要な額であるか、第三者に過度に依存した事業計画になっていないかといった点も確認されます。

事業の継続可能性

事業の継続可能性では、補助事業終了後も継続的に売上・利益を確保し、事業を発展させていけるかが審査されます。

補助金はあくまで事業の立ち上げを支援するものであり、補助期間終了後に事業が立ち行かなくなるような計画では、補助金の趣旨に合致しません。

口頭審査では、事業計画期間における収益計画の妥当性、市場の将来性、賃上げ目標の達成見通しなどについて質問されることが考えられます。申請者には、中長期的な視点から事業の持続性を裏付ける根拠を示すことが求められます。

新事業進出補助金の口頭審査におけるルール

新事業進出補助金の口頭審査では、公正かつ厳格な審査を行うために、いくつかの重要なルールが定められています。

審査対応者に関するルール

口頭審査に対応できるのは申請事業者自身に限られます。個人事業主本人、法人代表者、株式会社取締役(社外取締役を除く)、応募時の労働者名簿に記載されている「担当者」もしくは「経理担当者」(勤務実態がない者を除く)が対応可能です。

事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問など申請事業者以外の方の対応や同席は一切認められず、違反が確認された場合は不採択となります。

審査環境に関するルール

審査中はカメラをオンにし、審査対応者の上半身(正面を向いて顔・耳・肩が明瞭に判別できる状態)を映す必要があります。

会社内の会議室など審査に適した環境で受験し、公共スペースでの受験は不可です。カメラに他の人が映り込んだり、マイクに他の人の声が入らないようにしなければなりません。

なお、イヤフォンやヘッドセットの使用は認められず、スピーカーを使用する必要があります。

その他の重要なルール

口頭審査の内容を他者に口外することは禁止されており、違反が判明した場合は不採択や採択・交付決定の取り消し、補助金返還の対象となります。

また、指定日時に審査を開始できない場合や本人確認ができない場合は、申請を辞退したものとみなされ不採択となります。

接続不良等による再審査も行われないため、安定したインターネット環境の確保が不可欠です。

新事業進出補助金の口頭審査を突破するための実践的な対策

新事業進出補助金の口頭審査は、書面審査とは異なり、申請者自身が審査員と直接対話する形式で行われます。限られた15分という時間の中で、事業計画への深い理解と主体的な取り組み姿勢を示す必要があります。

ここでは、口頭審査を突破するために実践すべき4つの対策について詳しく解説します。

事業計画書の要点を「自分の言葉」で語れるようにする

口頭審査が導入された最大の目的は、事業計画を申請者本人が理解し、主体的に作成しているかを確認することにあります。公募要領でも「必ず申請者自身で作成してください」と明記されており、口頭審査ではこの原則が厳しく問われます。

そのため、事業計画書に記載した内容を一字一句暗記するのではなく、審査の4つの観点である「事業の適格性」「優位性」「実現可能性」「継続可能性」に関連する内容の要点を整理し、その上で自分自身の経験や考えに基づきながら、自然な言葉で説明できるよう準備することが重要です。

想定質問リストを作成し模擬面談を行う

口頭審査では、審査員から事業計画の内容について様々な角度から質問が投げかけられます。事前に想定される質問をリスト化し、それぞれに対する回答を準備しておくことをおすすめします。

特に想定される質問としては、以下が挙げられます。

  • 既存事業と新規事業の違いは何か
  • 競合他社と比較した自社の優位性は具体的に何か
  • 事業化に向けた最大の課題は何か、どう解決するのか
  • 補助事業終了後の収益見通しはどうか
  • なぜこの投資額が必要なのか
  • 人材や体制はどのように確保するのか
  • 賃上げ目標を達成できる根拠は何か

回答を準備したら、実際に社内の役員や信頼できる第三者を相手に模擬面談を実施しましょう。15分という限られた時間の中で要点を端的に伝える練習を繰り返すことで、本番での対応力が大きく向上します。

数値・根拠の資料を手元に準備しておく

口頭審査では、事業計画に記載した数値や根拠についてすべての数字を暗記した上で、素早く回答することが望ましいとされています。しかし、緊張からど忘れしてしまうこともあるかもしれません。

そうした万が一のときに備えて、口頭審査本番では収益計画の売上高や付加価値額の算出根拠、競合分析に用いた市場データ、賃上げ目標の達成見通しを裏付ける数値など、事業計画書に記載した重要な数値がわかる資料を、手元に準備しておくと安心です。

ただし、繰り返しになりますが、口頭審査は事業計画を自分の言葉で説明できるかを目的に実施されます。あくまで念のために用意し、基本的には見ないで臨む、という姿勢が重要です。

新事業進出補助金の口頭審査用チェックリスト

口頭審査に向けた準備を「事前準備」と「当日の最終確認」の2つに分けて整理しました。それぞれのチェックリストを活用し、抜け漏れのない状態で本番に臨みましょう。

事前準備用チェックリスト

事前準備は、口頭審査の案内メールが届いてから審査日の前日までに完了させておくべき項目です。

チェック項目確認
審査対応者を決定する(個人事業主本人・法人代表者・取締役・労働者名簿記載の担当者等)
審査の4つの観点(適格性・優位性・実現可能性・継続可能性)に沿って要点を整理する
想定質問リストを作成し、それぞれの回答を準備する
模擬面談を実施し、15分以内で要点を端的に伝える練習をする
当日の万が一のとき用に、収益計画の数値や競合分析データなど、重要な数値がわかる手元資料を用意する
安定したインターネット環境に接続されたPCを用意する
オンライン会議ツール(Zoom等)を最新版にする
PC内蔵または外付けのWebカメラ・マイク・スピーカーを準備する(イヤフォン・ヘッドセットは使用不可)
会社内の会議室など、他の人が映り込まず声も入らない審査環境を確保する(公共スペースは不可)

当日(口頭審査前)チェックリスト

当日は審査開始の5分前までに入室する必要があります。以下の項目を直前に最終確認しましょう。

チェック項目確認
顔写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)を手元に用意した
数値や根拠がわかる手元資料を手の届く場所に置いた
インターネット接続が安定しているか確認した
Webカメラ・マイク・スピーカーが正常に動作するか確認した
カメラに上半身(正面を向いて顔・耳・肩が明瞭に判別できる状態)が映るよう調整した
審査を行う部屋に審査対応者以外の人がいないか確認した
事業計画書作成支援者・コンサルタント・社外顧問等が同席していないか確認した

これらのチェックリストを活用して、事前準備と当日の最終確認を確実に行い、口頭審査に万全の態勢で臨みましょう。

新事業進出補助金の口頭審査でよくある質問

口頭審査は全員が対象になるのですか?

口頭審査は、書面審査で一定の基準を満たした申請者の中から「必要に応じて」実施されるものであり、すべての申請者が対象となるわけではありません。ただし公募要領では、口頭審査の対象となる具体的な基準は公開されていないため、対象となったときに慌てないように準備を進めておくことが重要です。

代表者以外の従業員が口頭審査に対応できますか?

対応可能です。口頭審査に対応できるのは、個人事業主本人、法人代表者、株式会社取締役(社外取締役を除く)のほか、応募時の労働者名簿に記載されている「担当者」または「経理担当者」(勤務実態がある者に限る)も含まれます。ただし、事業計画の内容を十分に理解し、自分の言葉で説明できる方が対応することが前提です。

口頭審査中に事業計画書を見ながら回答してもよいですか?

公募要領上、口頭審査中に事業計画書や手元資料の参照を明確に禁止する規定はありません。ただし、口頭審査の目的は申請者自身が事業計画を理解しているかを確認することにあるため、資料を読み上げるだけの対応では評価が低くなる可能性があります。

連携体で申請した場合、口頭審査には誰が対応するのですか?

公募要領では、口頭審査の対応者は「申請事業者自身」と定められていますが、連携体申請における口頭審査の具体的な対応方法については明確に示されていません。連携体で申請する場合は、代表申請者が対応することを前提に準備を進めつつ、連携体構成員の役割や事業計画全体についても説明できるようにしておくことが望ましいでしょう。

新事業進出補助金の申請を検討していたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

新事業進出補助金の口頭審査は、事業計画の内容を申請者自身の言葉で説明できるかが問われる重要な審査プロセスです。書面審査とは異なり、事業の適格性・優位性・実現可能性・継続可能性について、審査員からの質問にその場で的確に回答する必要があるため、事業計画への深い理解と十分な事前準備が欠かせません。

中小企業経営支援事務所では、新事業進出補助金の申請支援において、事業計画策定の実務経験者と中小企業診断士の2名体制で対応しています。複数回のお打ち合わせを通じて事業内容を深く理解し、事業計画書に落とし込むため、口頭審査においても申請者ご自身が自信を持って事業内容を説明できる状態を目指せます。

また、採択後の交付申請や実績報告といった煩雑な手続きについても、補助金入金まで一貫してサポートしています。

新事業進出補助金の申請をご検討中の方は、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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