中小企業省力化投資補助金の対象は?業種・規模・経費の条件をわかりやすく解説

2024年度から始まった中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等が省力化につながる設備やシステムを導入する際に、費用の一部を補助する制度です。
本補助金の活用に際し、「自社は中小企業省力化投資補助金の対象になるのか」「対象業種や対象製品はどう確認すればよいのか」と迷う事業者の声をしばしば聞きます。
そこでこの記事では、中小企業省力化投資補助金の対象事業者、対象業種、対象製品、補助対象となる経費、個人事業主・小規模事業者の扱いについて、すぐに判断できるようにわかりやすく解説します。
当社・中小企業経営支援事務所は、経営に関する専門知識や支援実績が一定以上あると国が認める「認定経営革新等支援機関」として、補助金の申請支援のトータルサポートを行っています。
省力化投資補助金の申請ポイントや採択を勝ち取るための事業計画のコツが知りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。豊富な経験を持つスタッフが、懇切丁寧にアドバイスいたします。初回相談は無料です。
目次
中小企業省力化投資補助金の対象を早見表で確認
中小企業省力化投資補助金の対象となる事業者や業種、導入できる製品・経費は、「カタログ注文型」と「一般型」で異なります。
表で全体を把握しておきましょう。
| 項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象事業者 | 中小企業等 | 中小企業者・小規模企業者・小規模事業者等 |
| 対象業種 | 製品カテゴリごとに設定 | 導入内容に応じて判断 |
| 対象製品・設備 | カタログ掲載製品 | 個別現場に合わせた設備導入・システム構築 |
| 対象経費 | 製品本体価格・導入経費 | 機械装置・システム構築費など |
| 申請方法 | 販売事業者と共同申請 | 補助事業者が申請 |
カタログ注文型は、公式カタログに登録された省力化製品を導入する類型です。まずは導入したい設備やシステムがカタログに掲載されているかを見て、カタログ注文型で申請できる可能性があるかを確認します。
カタログ掲載製品だけでは自社の業務に合わない場合や、個別の現場に合わせた設備導入・システム構築が必要な場合は、一般型を検討します。
ただし、どちらの類型も「中小企業等であれば必ず対象になる」というわけではありません。
自社の業種や導入したい設備によって、向いている類型や対象可否は変わります。
中小企業省力化投資補助金の対象となる事業者の条件
カタログ注文型・一般型のどちらを検討する場合でも、まず自社が補助対象となる事業者に該当するかを見る必要があります。
ここでは、業種ごとの資本金・従業員数の基準と、個人事業主・小規模事業者が対象になるケースを確認します。
業種別の資本金・従業員数の目安
補助金対象となるには、まず中小企業等に該当するかを確認する必要があります。
該当するかどうかは、業種ごとに定められた資本金または常時使用する従業員数をもとに判断します。
主な業種区分ごとの目安は以下のとおりです。
| 業種区分 | 資本金または出資総額 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
たとえば同じ「中小企業」であっても、製造業と小売業では基準が異なります。
自社が対象になるかを見る際は、業種区分と、資本金または従業員数が基準に当てはまるかを整理します。
なお、上記は代表的な業種区分の目安です。ゴム製品製造業、ソフトウェア業・情報処理サービス業、旅館業など、一部の業種では別の基準が設けられている場合があります。
また、補助金の申請では、事業者の規模だけでなく、人手不足の状態や最低賃金、補助金の重複に該当しないことなど、ほかの要件も確認されます。
個人事業主・小規模事業者が対象になるケース
個人事業主や小規模事業者も、要件を満たせば中小企業省力化投資補助金の対象になります。
法人か個人事業主かで類型が決まるわけではなく、導入したい製品・設備の内容によって検討する類型が変わります。
対象になるかどうかは、主に以下の点です。
- 自社の業種や事業内容が対象に含まれるか
- 導入したい製品・設備が補助対象になるか
- カタログ注文型の場合、対象業種と製品カテゴリが一致しているか
- 一般型の場合、自社の現場や事業内容に合わせた省力化投資として説明できるか
- 申請時点で必要な事業者要件を満たしているか
また、個人事業主の対象範囲は、公募回や制度改定によって見直されることがあります。
たとえば、第6回公募からは、個人開業の歯科医院も補助対象事業者に加わりました。
中小企業省力化投資補助金の対象業種と導入できる省力化製品
自社が対象事業者に該当する場合でも、導入したい製品・設備が補助対象になるとは限りません。
とくにカタログ注文型では、製品カテゴリごとに対象業種や対象業務が定められています。
公式カタログに掲載されている製品カテゴリをもとに、業種別に導入を検討しやすい省力化製品の一例を紹介します。
| 業種 | 導入を検討しやすい省力化製品の例 |
|---|---|
| 製造業 | 無人搬送車、自動倉庫、検品・仕分けシステム、マシニングセンタ、自動裁断機など |
| 建設業・自動車整備業など | 測量機、建設現場作業ロボット、溶接関連機器など |
| 飲食サービス業 | 配膳ロボット、券売機、自動精算機、スチームコンベクションオーブンなど |
| 宿泊業 | 清掃ロボット、自動チェックイン機、配膳ロボット、スチームコンベクションオーブンなど |
| 卸売業・小売業 | 自動倉庫、検品・仕分けシステム、自動精算機、飲料補充ロボットなど |
| 印刷・関連業 | デジタル印刷機、紙面色校正装置、インキ自動計量装置、断裁・加工関連機器など |
たとえば、飲食サービス業では配膳ロボットや券売機、宿泊業では自動チェックイン機、製造業では無人搬送車やマシニングセンタなど、業務の省力化につながる製品が対象になり得ます。
ただし、同じ製品カテゴリであっても、すべての業種で利用できるとは限りません。対象可否は、製品カテゴリと業種の組み合わせによって変わります。
対象製品を調べたい場合は、公式サイトの「製品カタログ(カタログ注文型)」から検索できます。
- 参照:製品カタログ(カタログ注文型)
補助対象となる経費の範囲
カタログ注文型・一般型のどちらでも、補助金の対象になるのは補助対象経費(補助事業実施期間中に発生した経費)として認められた費用です。
補助金額は、補助対象経費に補助率をかけて算出されます。たとえば、補助対象経費が600万円で補助率が2分の1の場合、補助額の目安は300万円です。ただし、実際に受け取れる金額は、従業員数ごとの補助上限額の範囲内となります。
カタログ注文型では、主に以下の経費が対象です。
- カタログに登録された省力化製品の製品本体価格
- 設置作業・運搬費・動作確認などの導入経費
一般型では、機械装置・システム構築費が必須です。これに加えて、事業内容に応じて以下のような経費が対象になり得ます。
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費 など
なお、交付決定前に発注・契約・購入した経費や、省力化投資との関係が明確でない経費は補助対象外となる場合があります。
対象経費の範囲は類型や公募回によって異なるため、申請前に最新の公募要領を確認しましょう。
自社の業種や設備が対象外か迷ったときの確認ポイント
カタログに似た製品があっても、自社の業種や使い方が対象に合うか迷うケースがあります。そのような場合は、次の2点が判断の目安になります。
カタログ注文型は対象業種と製品カテゴリの一致を見る
カタログ注文型では、製品カテゴリごとに対象業種や対象業務が定められています。
導入したい製品がカタログに載っていても、自社の業種や使い方が対象に合っていなければ、申請が難しくなります。
見るポイントは、たとえば次のような点です。
- 自動精算機
飲食店の会計で使うのか、美容室やサービス業の受付・会計で使うのか - 配膳ロボット
飲食スペースで使うのか、宿泊施設内の食事提供で使うのか - 清掃ロボット
宿泊施設、商業施設、工場など、どの場所・業務で使うのか - 自動倉庫や検品・仕分けシステム
製造工程で使うのか、卸売・小売の在庫管理で使うのか
複数業種を営む場合は実際に使用する事業で判断する
複数の事業を営んでいる場合は、会社全体の業種名だけでなく、導入する製品をどの事業で使うのかが重要です。
たとえば、小売店にカフェを併設している事業者が自動精算機や配膳ロボットを導入するなら、物販の会計で使う設備なのか、飲食スペースの注文・配膳で使う設備なのかで、対象業種の見方が変わることがあります。
「うちの業種でも使えるのか知りたい」「この設備が補助金の対象になるのか不安」という場合は、中小企業経営支援事務所へご相談ください。
事業内容や導入したい設備をお聞きしたうえで、使える可能性のある補助金や申請方法を一緒に検討します。
中小企業省力化投資補助金とは?知っておきたい基本情報
最後に制度の基本情報として、2つの類型や補助上限額や申請スケジュールをおさらいします。
2つの類型:カタログ注文型と一般型の違い
補助金には、大きく分けて「カタログ注文型」と「一般型」があります。
大きな違いは、導入する製品・設備が「あらかじめ登録された汎用製品」か、「個別の現場に合わせた設備・システム」かという点です。
| 【カタログ注文型】 省力化効果が認められた製品をカタログから選び、販売事業者と共同で申請する仕組み 清掃ロボット、配膳ロボット、自動精算機、自動倉庫など、対象製品がカタログに掲載されている場合に検討しやすい類型 |
| 【一般型】 個別の現場や事業内容に合わせた設備導入・システム構築を支援する類型。 既製品を導入するだけではなく、業務フローに合わせて機械装置やシステムを組み合わせるような、省力化投資が対象 |
事例としては、製造ラインの自動化、在庫管理システムの構築、検品・搬送作業の効率化などがあります。
関連記事:中小企業省力化投資補助金の一般型とは?カタログ注文型との違いや第6回公募の詳細、採択率アップのコツを解説
類型に迷う場合は、導入したい製品がカタログ掲載製品に当たるかが一つの判断材料になります。
| 検討したい内容 | 向いている類型 |
|---|---|
| カタログに掲載されている省力化製品を導入したい | カタログ注文型 |
| 販売事業者に相談しながら申請を進めたい | カタログ注文型 |
| 対象製品や対象業種をカタログ上で確認したい | カタログ注文型 |
| 自社の現場に合わせた設備導入を行いたい | 一般型 |
| 業務フローに合わせてシステムを構築したい | 一般型 |
| カタログ掲載製品だけでは課題解決が難しい | 一般型 |
なお、カタログ注文型と一般型の詳しい違いや申請の流れについては、以下の記事でも解説しています。
補助上限額・補助率・公募スケジュール
補助率や補助上限額は、カタログ注文型・一般型のどちらで申請するか、従業員数が何人かによって異なります。
ここでは、類型ごとの補助上限額と補助率、申請スケジュールを確認していきましょう。
カタログ注文型の補助上限額
カタログ注文型は、2026年3月19日の制度改定により、従業員20人以下の補助上限額が引き上げられました。
改定後の補助上限額は以下のとおりです。
| 従業員数 | 通常 | 大幅な賃上げ時 |
|---|---|---|
| 5名以下 | 500万円 | 750万円 |
| 6〜20名 | 750万円 | 1,000万円 |
| 21名以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
カタログ注文型の補助率は、補助対象経費の2分の1以下です。
申請受付期間は2026年3月19日の制度改定により延長され、2027年3月末頃まで随時公募が行われる予定です。
一般型の補助上限額
一般型は、カタログ注文型よりも補助上限額が大きく、個別の現場に合わせた設備導入・システム構築を行う場合に検討しやすい類型です。
| 従業員数 | 通常 | 大幅な賃上げ時 |
|---|---|---|
| 5名以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20名 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50名 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100名 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101名以上 | 8,000万円 | 1億円 |
一般型の補助率は、原則として中小企業が2分の1、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者が3分の2です。
なお、補助率や補助上限額の扱いは、事業者区分や賃上げ要件などによって変わる場合があります。
一般型は、カタログ注文型のような随時受付ではなく、公募回ごとに申請期間が設けられています。第7回公募は2026年6月5日(金)に公募開始、2026年7月上旬に申請受付開始、2026年7月下旬に申請締切予定です。
申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。アカウント取得には一定の期間がかかります。
一般型の公募スケジュールは、公式サイトの「一般型スケジュール」ページでも確認できます。
参考:一般型スケジュール
中小企業省力化投資補助金の申請をお考えの方は中小企業経営支援事務所にご相談ください
中小企業省力化投資補助金は、対象事業者や対象設備・経費の確認に加え、カタログ注文型と一般型のどちらで申請するかの判断も重要です。
自社の状況に合う申請方法を整理したうえで、早めに準備を進めましょう。
当社・中小企業経営支援事務所は、補助金申請件数累計約270件、補助金額累計約166億円の支援実績があります。
事業内容や投資計画を丁寧に伺い、中小企業省力化投資補助金を活用できる可能性や、申請に向けて準備すべき内容を整理します。
初回相談は無料です。中小企業省力化投資補助金の申請をご検討の方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
株式会社中小企業経営支援事務所
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