バリューアップ支援事業とは?対象や補助内容をわかりやすく解説

バリューアップ支援事業(早期経営改善計画策定支援、Vアップ事業)とは、資金繰り管理や採算管理など、基本的な経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者を支援する制度です。
事業者が認定経営革新等支援機関の支援を受けながら売上や利益、資金繰りなどの経営状況を分析し、課題の整理や改善計画の策定を行った際に要した費用を、国が一部補助します。
この記事では、バリューアップ支援事業の概要や対象者、補助内容、申請の流れ、申請時の注意点についてわかりやすく解説します。
当社・中小企業経営支援事務所では、中小企業診断士や経営コンサルタントが、経営改善計画の策定から制度活用に関するご相談まで幅広くサポートしています。
バリューアップ支援事業の活用をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。初回相談は60分無料です。
目次
バリューアップ支援事業とは
バリューアップ支援事業とは、資金繰り管理や採算管理などの基本的な経営課題を抱える中小企業・小規模事業者を対象に、早期の経営改善に向けた計画策定を支援する事業です。中小企業活性化協議会が経営改善計画策定支援事業のひとつとして実施しています。
本事業を活用すると、「認定経営革新等支援機関のサポートを受けながら、経営改善計画を策定したときにかかった支援の費用」の一部について補助が受けられます。これにより中小企業等の経営改善を促すのが、本事業の目的です。
バリューアップ支援事業と405事業の違い
経営改善計画策定支援事業には、バリューアップ支援事業のほか、405事業(経営改善計画策定支援事業)があります。
バリューアップ支援事業が経営課題の早期改善を目的としているのに対し、405事業は金融支援を伴う本格的な経営改善や事業再生を目的としています。
両制度の主な違いは以下のとおりです。
| 比較項目 | バリューアップ支援事業(早期経営改善計画策定支援) | 405事業(経営改善計画策定支援) |
|---|---|---|
| 対象事業者 | 資金繰り管理や採算管理など、基本的な経営改善に取り組みたい事業者 | 借入金の返済負担など財務上の課題があり、本格的な経営改善が必要な事業者 |
| 目的 | 早期の経営改善 | 経営改善・事業再生 |
| 金融支援 | 不要 | 金融支援を伴う |
| 計画策定費用補助 | 上限50万円 | 上限200万円(通常枠) |
| 伴走支援費用補助 | 上限30万円 | 上限100万円(通常枠) |
| 補助率 | 2/3 | 2/3 |
| 特徴 | 経営課題の早期発見・改善を支援 | 金融機関との調整を含む本格的な再建支援 |
両制度は対象となる事業者や支援内容、金融支援の有無などが異なるため、自社の状況に応じて適切な制度を選択することが大切です。
なお、405事業の最新公募の詳細については、下記記事で解説しています。
バリューアップ支援事業の対象・申請類型
バリューアップ支援事業は、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握など、基本的な経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者を対象としています。
本事業には、金融機関が支援する場合と、金融機関以外の認定経営革新等支援機関が支援する場合の2つの申請類型があります。
金融機関が支援する場合は、原則として事業者のメインバンク(または準メインバンク)が早期経営改善計画の策定を支援します。
一方、金融機関以外の認定経営革新等支援機関が支援する場合は、中小企業診断士や税理士、公認会計士などの認定経営革新等支援機関が計画策定を支援します。この場合、事業者は事前に主な取引先である金融機関へ制度利用について相談した上で、支援機関と連名で利用申請を行います。
バリューアップ支援事業の補助対象となる費用と補助率
バリューアップ支援事業では、認定経営革新等支援機関に支払う計画策定支援費用や伴走支援費用について、中小企業活性化協議会が3分の2(各費用の補助上限額の範囲内)を負担します。
また、事業承継先探索に伴う企業概要書作成費用や、経営者保証解除に向けた金融機関交渉費用も、該当する場合は補助対象となります。
| 補助対象費用 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 計画策定支援費用 | 2/3 | 50万円 |
| 伴走支援費用 | 2/3 | 30万円 |
| 企業概要書作成費用 | 2/3 | 10万円 |
| 金融機関交渉費用 | 2/3 | 10万円 |
バリューアップ支援事業を利用するメリット
バリューアップ支援事業を利用する主なメリットは、専門家への依頼費用の自己負担を抑えながら、経営改善計画の策定から実行までの支援を受けられる点にあります。
専門家費用の3分の2が補助され、自己負担を抑えられる
経営改善計画の策定を専門家に依頼する場合、通常は費用の全額を自社で負担する必要がありますが、バリューアップ支援事業を活用すれば、計画策定支援費用は上限50万円、伴走支援費用は上限30万円まで、それぞれ3分の2が補助されます。
例えば、計画策定支援費用が75万円かかった場合、補助額は50万円となり、自己負担は25万円に抑えることが可能です。
費用面がネックで専門家への相談をためらっていた事業者にとって、本事業は専門家の力を借りるきっかけとなる制度といえます。
中小企業活性化協議会による計画内容の確認を受けられる
本事業では、策定した経営改善計画案を中小企業活性化協議会に提出し、内容の確認や助言を受けることができます。認定経営革新等支援機関の支援に加えて、第三者的な立場からのチェックが入るため、計画の実効性や妥当性を高めやすくなります。
専門家と事業者だけで完結するのではなく、公的な機関の関与がある点は、本事業ならではの特徴です。
事業承継や経営者保証の解除に向けた取り組みにも活用できる
バリューアップ支援事業では、経営改善計画の策定支援に加え、事業承継先の探索や経営者保証の解除に向けた取り組みについても補助の対象となっています。
例えば、後継者が不在で事業承継先を探したい場合や、経営者保証の解除に向けて金融機関と交渉を進めたい場合に、経営改善の取り組みと並行して専門家の支援を受けることができます。
これらの課題を経営改善と一体的に取り組める点も本事業のメリットです。
バリューアップ支援事業の申請の流れ
バリューアップ支援事業を利用する際の手続きは、大きく7つのステップに分かれます。以下では、ステップごとに概要を解説します。
認定経営革新等支援機関へ相談する
認定経営革新等支援機関へ相談し、自社が制度の対象となるかや、どの申請枠を利用するかを確認します。
認定経営革新等支援機関は、中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムから探すことが可能です。
なお、バリューアップ支援事業の活用を検討している方は、当社・中小企業経営支援事務所でもご相談を受け付けています。
制度の対象要件や申請手続き、認定経営革新等支援機関の選び方などについてお気軽にお問い合わせください。
利用申請を行う
申請枠に応じて、事業者の所在地を管轄する各都道府県の中小企業活性化協議会へ利用申請を行います。
金融機関が支援する場合は、支援を行う金融機関と連名で申請します。
金融機関以外の認定経営革新等支援機関が支援する場合は、事前に主な取引先である金融機関へ制度利用について相談し、それを証明する確認書類を添付したうえで、支援を行う認定経営革新等支援機関と連名で申請します。
中小企業活性化協議会による確認
中小企業活性化協議会が申請内容を確認し、対象要件を満たしているかを審査します。また、実務指針等に基づく計画策定の留意事項等の説明を行い、必要に応じて助言を行います。
内容確認の結果、費用負担が適切と判断された場合は、認定経営革新等支援機関へ通知が行われ、認定経営革新等支援機関が承諾書を提出したうえで計画策定へ進みます。
経営改善計画を策定する
認定経営革新等支援機関の支援を受けながら、経営改善計画を作成します。
計画策定では、現状分析や経営課題の整理を行い、ビジネスモデル俯瞰図、アクションプラン、実態貸借対照表や損益計算書等の計数計画、資金繰表(実績・計画)などを作成します。
計画策定や伴走支援にかかる費用は、原則として事業者が認定経営革新等支援機関へ支払いを行います。
計画案を中小企業活性化協議会へ提出する
作成した計画案を中小企業活性化協議会へ提出し、内容の確認や助言を受けながら必要に応じて修正を行います。
金融機関へ計画を提出する
完成した経営改善計画を金融機関へ提出し、経営課題や改善方針を共有します。
伴走支援を受けながら計画を実行する
進捗状況を確認しながら経営改善に取り組み、必要に応じて改善策の見直しを行います。
支援完了後は実績報告を行い、確認後に補助対象経費について補助金が交付されます。
バリューアップ支援事業の申請書類
バリューアップ支援事業では、利用申請時だけでなく、計画策定後や伴走支援後にも書類の提出が必要です。
| 手続きの段階 | 主な必要書類 |
|---|---|
| 利用申請時 | 早期経営改善計画策定支援事業利用申請書 申請者の概要 業務別見積明細書 履歴事項全部証明書(法人)または開業届・確定申告書(個人事業主) 認定経営革新等支援機関であることを証する書類 見積書および単価表 直近3年分の申告書写し 事前相談書(金融機関以外の認定経営革新等支援機関と申請する場合) |
| 計画策定後の費用支払申請時 | 早期経営改善計画策定支援事業費用支払申請書 早期経営改善計画書 業務別請求明細書 従事時間管理表 実施確認表 契約書 請求書類 費用負担額の支払を示す証憑類 金融機関への提出を証明する書類 |
| 伴走支援後の費用支払申請時 | 早期経営改善計画策定支援事業伴走支援費用支払申請書 伴走支援報告書 業務別請求明細書 従事時間管理表 実施確認表 契約書 請求書類 費用負担額の支払を示す証憑類 伴走支援レポート |
事前相談書の取得・添付が必要となるのは、金融機関以外の認定経営革新等支援機関と連名で申請する場合に限ります。
金融機関が認定経営革新等支援機関として連名で申請する場合は、利用申請時の事前相談書の提出は不要です。
バリューアップ支援事業を利用する際の注意点
バリューアップ支援事業は、専門家の支援を受けながら経営改善に取り組める制度ですが、利用する際にはいくつか注意点があります。
伴走支援への継続的な対応が必要
バリューアップ支援事業では、計画策定後最初の決算時から3年間にわたり伴走支援を受ける必要があります。
伴走支援では、計画と実績の差異を確認しながら経営状況を振り返り、その結果を金融機関へ共有します。また、決算期を含めて年2回以上のモニタリングが行われます。
そのため、本事業を利用する際は、計画策定後も経営状況の確認や資料の準備、報告などに対応することが求められます。
専門家によって支援内容が異なる
バリューアップ支援事業では認定経営革新等支援機関の支援を受けますが、支援機関ごとに対応分野や支援内容は異なります。
例えば、当社・中小企業経営支援事務所は、経営課題の整理や事業計画の策定、資金繰り改善など、中小企業の経営全般に関する支援を行っています。
一方、税理士事務所は、財務分析や損益計画、資金繰り表の作成など、会計・税務の専門知識を活かした支援に対応している場合が多く見られます。
支援機関を選ぶ際は、認定経営革新等支援機関検索システムで所在地や支援機関の種別を確認したうえで、各支援機関のホームページや相談時の説明を参考に、自社の課題に合った支援機関を選びましょう。
金融機関との情報共有が求められる
バリューアップ支援事業では、利用申請時の事前相談から、計画の提出、伴走支援中の進捗報告まで、各段階で金融機関との情報共有が求められます。計画策定時だけでなく、その後の伴走支援期間中も継続的に対応する点があることに注意しましょう。
現状の経営状況を整理しておく
バリューアップ支援事業では、資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図、アクションプランなどを作成しながら早期経営改善計画を策定します。
そのため、売上や利益の推移、資金繰りの状況、主な取引先や事業内容など、自社の現状をあらかじめ整理しておくと、その後の計画策定を進めやすくなります。
また、現在の課題や今後取り組みたい内容を整理しておくことで、認定経営革新等支援機関との相談を円滑に進めやすくなります。
バリューアップ支援事業を検討していたら中小企業経営支援事務所にご相談ください
バリューアップ支援事業は、認定経営革新等支援機関の支援を受けながら、早期経営改善計画を策定できる制度です。
経営改善に取り組みたいが専門家への依頼費用がネックになっている方は、本事業の活用をおすすめします。
当社・中小企業経営支援事務所では、認定経営革新等支援機関として、バリューアップ支援事業の活用支援を行っています。中小企業診断士や経営コンサルタントが、現状分析から経営改善計画の策定、計画実行後の伴走支援まで一貫してサポートします。
バリューアップ支援事業の利用をご検討中の方や、自社に適した活用方法を知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。初回相談は60分無料です。
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