中小企業省力化投資補助金はリースも対象?利用条件と仕組みを解説

補助金は後払い制度のため、「補助金を活用して省力化製品を導入したいけれど、初期費用が重すぎて踏み切れない……」という声が少なくありません。
中小企業省力化投資補助金では、購入だけでなくリースでの導入も対象としています。リースを活用すれば、初期負担を抑えて設備導入を進めることが可能です。
ただし、本補助金においてリースを活用する場合、通常とは異なる手続きが必要となります。
そこでこの記事では、リースの活用を検討している方に向けて、以下のポイントをわかりやすく解説します。
- 対象になるリース・ならないリースの種類
- 補助金が還元される仕組みと購入との違い
- 利用するための具体的な条件
リースならではのメリットと注意点を正しく理解し、自社に最適な導入方法を選ぶためのヒントとしてぜひ最後までご覧ください。
当社・中小企業経営支援事務所は、経営に関する専門知識や支援実績が一定以上あると国が認める認定経営革新等支援機関として、補助金の申請支援のトータルサポートを行っています。
省力化投資補助金の申請における留意点や採択を勝ち取るための事業計画のコツが知りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。豊富な経験を持つスタッフが、懇切丁寧にアドバイスいたします。初回相談は無料です。
目次
中小企業省力化投資補助金ではリースを利用できる ただし一部のみ
中小企業省力化投資補助金では、設備導入においてリースを利用することができます。
ただし対象となるリースの種類には条件があり、すべてのリース契約が使えるわけではありません。
まずは、どのようなリースが対象になるのかを確認していきましょう。
補助対象になるのはファイナンス・リース取引のみ
本補助金でリース導入が認められるのは、「ファイナンス・リース取引」に限られます。オペレーティング・リース取引は対象になりません。
ファイナンス・リースは、リース会社が購入した製品を長期間にわたって借り受ける、実質的に購入に近い契約です。
一方のオペレーティング・リースは、中途解約も可能な、使用期間を限定した貸借契約を指します。
なお、ファイナンス・リースであっても、セール・アンド・リースバックや転リースなど一部の取り引きは対象外です。
対象外となる取り引きの詳細は、後ほど解説します。
オペレーティング・リースは対象外で今後も予定がない
オペレーティング・リースが対象外である点は、カタログ注文型・一般型それぞれの公式FAQで明記されています。
これは、本補助金が製品を一定期間保有し続けることを前提としているためと考えられます。中途解約が可能なオペレーティング・リースは、この前提になじみません。
あわせて、今後オペレーティング・リース取引を対象とする予定はない旨も記載されているため、リースでの導入を検討する際は、ファイナンス・リースを前提に進める必要があります。
- 参照:よくあるご質問(カタログ注文型)
- 参照:よくあるご質問(一般型)
カタログ注文型と一般型のどちらもリースに対応する
カタログ注文型・一般型のいずれでも、ファイナンス・リースによる導入が可能です。
ただし、補助上限額や申請の進め方は型によって異なります。
型ごとの違いは、後述の「カタログ注文型と一般型でリース活用するときの違い」で解説します。
中小企業省力化投資補助金におけるリース利用の仕組み
中小企業省力化投資補助金においてリースを利用する場合、申請の進め方やお金の流れは、製品を購入する場合と大きく異なります。
中小企業がリース会社と共同で申請し、補助金もリース会社に交付されるという独特の仕組みです。順番に見ていきましょう。
対象リース会社と共同で申請する
本補助金においてリースを利用する場合、中小企業が単独で申請するのではなく、対象リース会社と共同申請を行います。
共同申請に関わる主体は、型によって異なります。
- カタログ注文型は、中小企業・販売事業者・対象リース会社の三者で共同申請
- 一般型は、販売事業者が関与せず、中小企業と対象リース会社の二者で共同申請
申請手続きそのものは、いずれの型でも中小企業が電子申請システムを通じて行います。
対象リース会社は、共同申請にあたって必要となる追加書類の提出などを担います。
補助金は対象リース会社に交付される
リースの場合、補助金の交付先は中小企業ではなく対象リース会社です。製品を購入するのがリース会社であるため、その購入費用に対する補助金もリース会社に交付されます。
購入で導入する場合は、補助金が中小企業に直接交付されます。リースではこの流れが異なり、中小企業の口座に補助金が入るわけではない点が大きな違いです。
補助金相当分がリース料から減額される
リースの場合、補助金相当分がリース料から減額され、中小企業は軽減されたリース料を支払います。リース会社に交付された補助金が、中小企業の支払うリース料に反映される仕組みです。
ただし、補助の対象になるのはリース料そのものではなく、製品の本体価格と導入経費です。これに対する補助金相当分が、リース料の減額というかたちで還元されます。
なお、リース料が減額されるのは、補助金の額が確定したあとです。
中小企業省力化投資補助金においてリースを利用するメリット
中小企業省力化投資補助金においてリースを利用する場合には、購入にはないメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
購入に比べて初期費用を抑えて導入しやすい
リースの利点は、まとまった資金を用意しなくても省力化製品を導入できることです。
リースでは製品を購入するのはリース会社であり、中小企業はその費用を月々のリース料として分割で支払います。初期の一括負担がないため、手元資金に余裕がない場合でも導入に踏み出しやすくなります。
ただし、契約内容によっては保証金や手数料が生じる場合もあります。初期費用が完全にゼロになるとは限らないため、契約前に費用の内訳を確認しておくと安心です。
補助金による負担軽減を毎月の支払いで実感できる
もう一つの利点は、補助金による軽減を毎月の支払いで実感できることです。
購入では補助金が入金されるまで製品代金を立て替える必要があり、手元資金が一時的に圧迫されます。
リースなら、補助金相当分が最初から差し引かれたリース料を支払うだけなので、立て替えの負担がありません。
導入直後から支払いが軽く、資金繰りの見通しも立てやすくなります。
中小企業省力化投資補助金においてリースを活用するデメリット
初期費用を抑えやすい一方で、リースには購入にはない注意点もあります。総支払額が割高になりやすいことと、契約上の制約があることの2点です。
総支払額は購入より割高になりやすい
リースでは、リース会社の手数料などのコストがリース料に含まれるため、総支払額は購入する場合よりも割高になりやすい性質があります。
リース料は、おおまかに次のように決まります。
- 月額リース料 = 物件価格 × リース料率
- 総支払額 = 月額リース料 × リース回数
たとえば物件価格500万円・料率1.7%・5年契約の場合、総支払額は次のようになります。(補助金による減額を考慮せず、リース自体にかかる費用の差を示しています)
| 項目 | 金額(例) |
|---|---|
| 物件価格 | 500万円 |
| 月額リース料(500万円 × 1.7%) | 約8.5万円 |
| リース回数 | 60回(5年) |
| 総支払額(8.5万円 × 60回) | 約510万円 |
| 購入との差額 | 約10万円 |
この例では、購入に比べて、総額で約10万円多く支払う計算になります。
料率や期間が変われば差額も変わるため、実際の金額は見積りで確認しておくと安心です。
原則中途解約できず、所有権もリース会社にある
ファイナンス・リースには、原則として「中途解約ができない」という制約があります。
契約期間中はリース料を支払い続ける必要があり、途中で不要になった場合でも簡単には契約を終えられません。
また、リース期間中の製品の所有権はリース会社にあるため、自社の判断で売却したり、担保に入れたりすることができません。
設備を自社の資産として自由に活用できず、契約満了後も所有権が移らないタイプでは手元に残らない場合がある点は、購入と比べたデメリットでしょう。
なお、本補助金においてリースで利用する場合には、契約のタイミングやリース期間について制度固有のルールもあります。
購入とリースのどちらが自社に合うか判断に迷う場合は、認定経営革新等支援機関である中小企業経営支援事務所にお気軽にご相談ください。
中小企業省力化投資補助金においてリースを利用するための条件
中小企業省力化投資補助金においてリースを利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
申請前に確認しておきたい主な条件を見ていきましょう。
交付決定後にリース契約を結ぶ
リース契約は、必ず交付決定を受けた後に結ぶ必要があります。交付決定前に締結したリース契約は、理由を問わず補助の対象外です。
ここで押さえておきたいのが、採択と交付決定は別の段階だという点です。
一般型では公募で採択されたあとに交付申請を行い、その審査を経て交付決定がなされます。採択された時点ではまだ契約を結べず、交付決定を待つ必要があります。
「採択されたから」と早まって契約すると対象外になりかねないため、注意が必要です。
- 参照:よくあるご質問(一般型)
リース期間を財産処分制限期間以上にする
リース期間は、財産処分制限期間以上に設定する必要があります。
財産処分制限とは、補助金で取得した財産を一定期間は自由に処分(売却・廃棄・転用など)できないという制限のことです。
中小企業省力化投資補助金では、補助事業の終了後であっても、製品の法定耐用年数を経過するまでこの制限が課されます。
リース期間がこの期間より短いと、制限期間が残っているうちにリース契約が満了します。
契約のタイプによっては、このタイミングで製品の所有権がリース会社から事業者へ移る場合があります。処分制限期間内の所有権移転は、有償・無償を問わず認められていません。
これを避けるため、リース期間は法定耐用年数(財産処分制限期間)以上に設定し、制限期間が満了するまで契約が続くようにしておく必要があります。
対象リース会社を通じて契約する
リースで本補助金を利用できるのは、対象リース会社を通じて契約する場合に限られます。どのリース会社でもよいわけではない点に注意が必要です。
利用しようとするリース会社が対象に該当するかどうかは、リース会社やリース事業協会に確認できます。また、1つの共同申請で関われる対象リース会社は1社です。
なお、リース会社の側が扱える案件の件数には制限がないため、同じリース会社が複数の中小企業の申請に関わることは問題ありません。
セール&リースバックや転リース・割賦契約は利用しない
ファイナンス・リースであっても、一部の取り引きは補助の対象外です。次のような契約は利用できないため、申請前に契約形態を確認しておく必要があります。
これらに該当する場合は補助の対象にならないため、検討しているリースがいずれにも当てはまらないか、契約前に確認しておくと安心です。
リース料軽減計算書を提出する
リースで本補助金を利用する場合、補助金相当分をリース料からいくら減額するかを示す「リース料軽減計算書」の提出が必要です。
この書類は対象リース会社が作成し、リース事業協会の確認を受けたうえで中小企業に交付されます。中小企業は、その計算書を補助金の申請書類に添付して提出します。
様式や記載方法は、リース事業協会が公開する「リース料軽減計算書確認の手引き」で確認できます。
作成を担うのはリース会社で、確認に時間を要する場合があります。申請スケジュールに余裕を持てるよう、早めに依頼しておくとよいでしょう。
・参照:補助金制度(リース事業協会)
カタログ注文型と一般型でリース活用するときの違い
リースはカタログ注文型・一般型のどちらでも利用できますが、対象になる製品や補助上限額、申請の進め方は型によって異なります。
まずは主な違いを表で確認しましょう。
| 項目 | カタログ注文型 | 一般型 |
|---|---|---|
| 対象になる製品 | カタログに掲載された汎用製品 | 個別に設計した専用設備・システム(オーダーメイド) |
| 補助対象経費 | 製品本体価格 + 導入経費 | 機械装置・システム構築費など |
| 補助上限額 | 従業員規模に応じて最大1,000万円(賃上げ時 最大1,500万円) | 従業員規模に応じて最大8,000万円(賃上げ時 最大1億円) |
| 補助率 | 1/2以下 | 1/2以下 (小規模・再生事業者は2/3) |
| 申請方式 | 随時受付 | 公募回制 |
これらの数値は2026年6月時点の公募内容にもとづいています。
最新の公募回では変わる場合があるため、申請前に公式サイトでご確認ください。
対象になる製品と補助対象経費が異なる
両者のもっとも大きな違いは、対象になる製品の範囲です。
カタログ注文型は、事務局が用意したカタログに掲載されている汎用製品の中から選んで導入する仕組みで、対象はカタログ掲載製品に限られます。
一方の一般型は、事業者の現場に合わせて個別に設計した専用設備の導入や、システムの構築まで対象になります。
カタログにない設備を導入したい場合や、複数の設備を組み合わせて高い省力化効果を目指す場合は、一般型が選択肢になります。
補助上限額と補助率が異なる
補助上限額は、いずれの型も従業員規模に応じて段階的に設定されています。
一般型は5段階で、賃上げに取り組む場合は最大1億円まで引き上げられます。カタログ注文型は賃上げ時で最大1,500万円です。
どちらも通常時と賃上げ時で上限額が変わる点に注意が必要です。
なお、カタログ注文型の上限額は2026年3月19日の改定後の値です。改定によって従業員規模別の金額が見直されているため、改定前の情報を参照しないよう注意してください。
補助率は、カタログ注文型が一律1/2以下、一般型は1/2以下(小規模事業者・再生事業者は2/3)です。
申請方法と公募の受付方式が異なる
申請の受付方式にも違いがあります。
一般型は公募回制で、定められた公募期間内に申請する必要があります。受付期間が限られるため、スケジュールを意識した準備が欠かせません。
カタログ注文型は随時受付で、公募期間に縛られずに申請できます。導入したい製品がカタログにある場合は、比較的タイミングを選びやすい方式といえます。
中小企業省力化投資補助金の申請を検討していたら中小企業経営支援事務所にご相談ください
中小企業省力化投資補助金は、ファイナンス・リースであればリースを利用でき、初期費用を抑えて省力化製品を導入できます。
一方で、購入時にはない手続きが加わり、誰がどの書類を担うのか、いつ契約を結ぶのかといった役割分担やスケジュールの設計でつまずきやすいのも事実です。
交付決定前に契約すると対象外になるなど、タイミングを誤ると補助金を受けられなくなる点にも注意が必要です。
中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として省力化投資補助金の申請を支援しています。
リースと購入のどちらが自社に合うかの検討から、共同申請の進め方やスケジュールの組み立てまでサポートいたします。初回相談は無料ですので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
株式会社中小企業経営支援事務所
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