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ローカル10,000プロジェクトとは?対象事業や要件、申請方法、採択事例を解説

ローカル10,000プロジェクトの概要

地方自治体が直面するさまざまな公共的課題の解決に向けて、地域の民間事業者を支援する「ローカル10,000プロジェクト」が注目されています。

本制度は、地方創生を目指す事業者や、地域資源から新たなビジネスチャンスを見出したい事業者にとって強力な味方となる支援策です。

この記事では、ローカル10,000プロジェクトの概要から申請方法、採択事例まで詳しく解説します。

当社・中小企業経営支援事務所は、中小企業経営のトータルサポートを行っています。ローカル10,000プロジェクトの申請に不安や疑問があれば、ぜひ以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。事業計画立案のポイントや地方自治体・金融機関とのコミュニケーションの取り方など、採択率を上げるためのポイントを懇切丁寧に解説いたします。

目次

ローカル10,000プロジェクトとは

ローカル10,000プロジェクトとは

ローカル10,000プロジェクトとは、総務省が設けた「地域経済循環創造事業交付金」の通称で、産官学⾦労⾔(産業界・行政・学界・金融界・労働界・言論界)の連携によって、地域資源を活用した起業や新規事業の立ち上げを行う民間事業者を支援する制度です。

具体的には、地方自治体が国や地域の金融機関などと協調しながら、「地域密着型である」「地域課題への対応している」など規定の要件を満たす事業にかかる初期投資費用(施設整備・改修費、機械装置費、備品費など)を補助します。地域に根ざした事業活動で課題が解決されることに加えて、その活動で生まれた収益が地域内で再投資されるという「地域内での経済の循環」を促すことを目的としています。

参照:ローカル10,000プロジェクト -地域密着型の起業や新規事業を支援します!|総務省

本制度については毎月申請受付が行われており、申請から交付決定までも原則2ヶ月です。スピーディーな事業展開を目指せるのも特徴として挙げられます。

ローカル10,000プロジェクトは、国が民間事業者への交付金の一部を担うことから国庫補助事業の一つです。この国庫補助事業に準ずる地方自治体の単独事業に対して特別交付税措置を行う制度(地方単独事業)もあります。

政策名ローカル10,000(国庫補助事業)ローカル10,000(地方単独事業)
補助率1/20.5(措置率)
国・地方負担割合原則:国1/2 地方1/2
【条件不利地域】
財政力0.25以上:国2/3 地方1/3
財政力0.25未満:国3/4 地方1/4
【重点支援事業】
デジタル技術活用:国3/4 地方1/4
脱炭素:国3/4 地方1/4
女性・若者活躍:国3/4 地方1/4
上限額2,500万円(融資額等/交付額 1~1.5)
3,500万円(融資額等/交付額 1.5~2.0)
5,000万円(融資額等/交付額 2.0~)
200万円(融資額等/交付額 ~0.5)
800万円(融資額等/交付額 0.5~1.0)
1,500万円(融資額等/交付額 1~)
対象経費施設整備費・改修費、機械装置費、備品費など施設整備費、機械装置費、備品費、広告宣伝費、商品開発費など
要件①地域密着型
②地域課題への対応
③地域金融機関からの融資等
④新規性
⑤モデル性
①地域密着型
②地域課題への対応
③融資または民間クラウドファンディングなど
④新規性
ローカル10,000プロジェクト 国庫補助事業と地方単独事業の違い 参照:ローカル10,000プロジェクト等について p.2、3|総務省
出典:ローカル10,000プロジェクト等について p.2丨総務省

ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)は、産官学⾦労⾔の連携を通じて地域密着型事業の創業や新規事業の立ち上げを支援する制度です。具体的には、民間事業者の初期投資費用の一部を公費(国費+地方費)で補助します。

国庫補助事業は、以下のような特徴があります。

  • 補助上限額は最大5,000万円
  • 事業要件は地域密着型、地域課題への対応、地域金融機関からの融資等、新規性、モデル性の5つ
  • あらゆる産業分野で活用できる
  • 毎月交付申請が可能
  • 申請から交付決定まで基本2ヶ月と比較的早い
  • 交付を受けるためには、有識者(総務省)による事業要件に関する審査をクリアする必要がある

ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)は、民間事業者への交付金のうち、その半分を国がまかなう設計となっています(※)。さらに地方費に関しても特別交付税で半分まかなわれるため、実質的な負担は最大で交付金全体の1/4であり、地方自治体にとって負担の少ないスキームとなっています。

※原則1/2となっているが、以下のような例外がある

  • 条件不利地域:財政力0.25以上 2/3、財政⼒0.25未満 3/4
  • 生産性向上に資するデジタル技術の活用に関連する事業 3/4
  • 脱炭素に資する地域再エネの活用等に関連する事業 3/4
  • 地域の女性や若者の活躍に関連する事業 3/4
出典:ローカル10,000プロジェクト等について p.3丨総務省

ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)は、国庫補助事業に準ずる市町村の地方単独事業に対して、特別交付税措置を実施する制度です。民間事業者の初期投資費用の一部を公費で補助する点は国庫補助事業と同じですが、その公費に国費が含まれない点が大きな違いです。

また、以下のような違いもあります。

  • 補助金上限額が最大1,500万円と、国庫補助事業より少額
  • 事業要件は地域密着型、地域課題への対応、融資等、新規性の4つ。これらの要件を満たせば、地方単独事業として地方自治体が自由に補助制度を設計できる
  • 地方単独事業は先行事例の横展開などを推進するため、国庫補助事業の要件である事業のモデル性(詳細後述)を問わない
  • 広告宣伝費や商品開発費が中心となる事業でも対象になる
  • 交付を受けるためには、市町村における有識者の審査、あるいは商工会議所の確認を経て、交付事業が規定の要件に該当することを認められる必要がある

この記事では、主に「ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)」について解説しますが、地方単独事業との違いも適宜補足します。

ローカル10,000プロジェクトの対象となるための要件

ローカル10,000プロジェクトの対象となるためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

事業構成が地元産品など地域資源を使ったものになっている必要があります。地域の特産品、自然資源、文化資源などを活用した事業展開が求められます。

当該の事業が、地域課題の解決につながっていることも必須です。交付金事業を実施することで、例えば少子高齢化の歯止めや地元雇用の創出、観光拠点化などの地域活性化を推進につながるなどの説明ができなければいけません。

地域金融機関からの融資等を受けることも要件の一つです。具体的には以下のいずれかを実施している場合に対象となります。

  • 地域金融機関(第一地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合等)、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、奄美群島振興開発基金からの融資
  • ふるさと融資を活用する場合の地方自治体からの融資
  • 地域活性化ファンドによる出資
  • 民間クラウドファンディング

地域金融機関等からの融資は無担保が条件です。ただし、交付金事業によって取得する財産の担保は例外的に認められています。

また、地域活性化ファンドによる出資や民間クラウドファンディングによる資金のみを活用するときは、当該地域の商工会議所等に事業採算性の確認を取る必要があります。

事業者にとって新規事業であることが必要です。既存事業の拡張ではなく、新たな分野への挑戦が求められます。

地域の中で前例がなく、他地域への波及効果が期待できる先進的なモデルとなる取り組みであることも求められます。なお、ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)では、先行事例の横展開などを推進する理由から、モデル性については問わないとしています。

ローカル10,000プロジェクトの対象経費・対象外経費

ローカル10,000プロジェクトでは、民間事業者の初期投資費用に対して補助を行います。対象となる経費は施設整備・改修費、機械装置費、備品費、調査研究費の4つです。

費用項目対象内容具体例
施設整備・改修費事業に必要な建物の新築・改修・改装費用・古民家の再生工事
・製造工場の新築
・飲食店舗の内装改装
・事務所の改修工事
機械装置費事業運営に必要な機械や装置の購入・設置費用・製造ライン設備
・食品加工機械
・業務用冷凍冷蔵庫
・油脂搾油機
・食品乾燥装置
備品費事業に直接使用される備品の購入費用・専用工具類
・専門機器
調査研究費地域の大学との連携による調査研究費用・産学連携による技術開発調査や、地域資源活用に関する研究費用
ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)の対象経費

なお、ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)については、広告宣伝費、商品開発費、事業分析・再構築費などのソフト経費も1事業あたり上限200万円まで対象となります。

ローカル10,000プロジェクトの対象外経費

振込手数料、各種申請手数料・収入印紙、各種保険料、事業に直接使用したと特定できない一般事務用品などは対象外です。

ローカル10,000プロジェクトの経費に対する留意点

ローカル10,000プロジェクトの場合、新規事業のみが対象となるため、メインとなる事業とかけ合わせた複合事業を新しく行うときは、メインの事業以外の部分にかかる経費が対象となります。例えば宿泊事業者が宿泊と飲食を合わせた新規事業を実施するときは、飲食事業部分のみにかかる経費が対象になるといった具合です。

ローカル10,000プロジェクトの交付上限額

ローカル10,000プロジェクトの交付額の上限額は、地域金融機関から受ける融資額などが、交付額に対して何倍なのかに応じて決まります。

融資額等が交付額の1倍~1.5倍未満上限2,500万円
融資額等が交付額の1.5倍以上2倍未満上限3,500万円
融資額等が交付額の2倍以上上限5,000万円
ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)の交付上限額

例えば、融資額または出資額が交付額の1倍~1.5倍未満のとき、上限は2,500万円です。そのため、2,500万円の交付金を受け取りたいときは、融資額または出資額は2,500万円(2,500万円×1倍)以上であれば問題ありません。

一方、3,000万円を受け取りたい場合は、上限額を引き上げる必要があり、そのためには「融資額等が交付額の1.5倍以上」である必要があります。そのため、4,500万円(3,000万×1.5倍)以上の融資または出資を受けていなければいけません。

なお、ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)の場合は、以下のように上限額が大きく異なります。

融資額等が交付額の0.5倍未満上限200万円
融資額等が交付額の0.5~1倍未満上限800万円
融資額等が交付額の1倍以上上限1,500万円
ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)の交付上限額

ローカル10,000プロジェクトの申請から事業開始までの流れ

ローカル10,000プロジェクトの申請から事業開始までの流れは以下のとおりです。

ローカル10,000プロジェクトの申請は、事業実施場所を管轄する地方自治体に相談することから始まります。

具体的にはまず地方自治体のWebサイトで、ローカル10,000プロジェクトの募集が行われているか、地方自治体がローカル10,000プロジェクトの予算の確保(予算措置)をしておらず、公募をしていない場合があるためです。ただし予算の確保については、交付が決定してから行われるケースもあるようです。

また、募集が行われている場合、申請期限についても確認をします。総務省では申請期限を毎月末としていますが、これはあくまで地方自治体が総務省に書類を提出する期限であり、地方自治体のほうで独自に申請期限を設けています。この申請期限に間に合わない場合、活用ができません。

上記2点が問題なければ、地方自治体の窓口にローカル10,000プロジェクトを活用したい旨を伝えます。以下、各地方自治体の窓口一覧です。

【北海道・東北】北海道
青森
岩手
宮城
秋田
山形
福島
【関東】茨城
栃木
群馬
山梨
長野
埼玉
千葉
東京
神奈川
【東海・北陸】静岡
岐阜
愛知
三重
新潟
富山
石川
福井
【近畿】滋賀
京都
奈良
和歌山
大阪
兵庫
【中国・四国】鳥取
島根
岡山
広島
山口
徳島
香川
愛媛
高知
【九州・沖縄】福岡
佐賀
長崎
熊本
大分
宮崎
鹿児島
沖縄
自治体の窓口丨総務省

なお、申請前に地域金融機関などからの融資了解を得る必要があります。融資は原則として無担保融資が対象です。保証は設定可能ですが、経営者保証は認められていません。

ローカル10,000プロジェクトへの申請を進めることになったら、事業計画の素案を作成し、地方自治体や金融機関と調整を行いながら地域経済循環創造事業実施計画書(別記様式第1号-1、別記様式第1号-2)を作成します。

地域経済循環創造事業実施計画書の様式は、下記サイトでダウンロードできます。記載例もありますので、参考にしてみましょう。
ローカル10,000プロジェクト Webサイト|総務省
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/local10000_project.html

地域経済循環創造事業実施計画書の記載例 実施計画証言者 記載例|総務省から一部抜粋

なお、後ほど説明するように、ローカル10,000プロジェクトでは地方自治体や総務省の方で事業に対する審査が行われます。審査をクリアできるかどうかは実施計画書の内容にかかっており、魅力的な実施計画書を作成するには素案のクオリティが鍵を握ります。

もし実施計画の策定に少しでも不安を感じていたら、地方自治体に素案を提出する前に、一度事業計画の策定支援の専門家に相談するのも一つです。

当社・中小企業経営支援事務所でも、中小企業の経営支援に精通している機関であると国が認める「認定経営革新等支援機関」として、手厚いサポートを行っています。初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

地域経済循環創造事業実施計画書を作成したら、地方自治体に交付対象経費の根拠となる見積書、事業内容がわかる説明資料などとあわせて、地方自治体経由で総務省に提出します。

書類を提出すると、外部有識者による審査が行われます。5つの要件(地域密着型、地域課題への対応、地域金融機関からの融資等、新規性、モデル性)を満たしているかが評価されます。

総務省による交付審査の結果は、基本的に申請の翌々月下旬(申請から約2ヶ月)に出されます。ただし、状況によってそれ以上かかる場合もあるようです。

地方自治体経由で交付決定の通知を受けたら事業を開始します。事業実施期間は交付決定を受けようとする年度含めて最大2年です(ただし交付決定は単年度ごとに実施)。この事業実施期間中にかかった経費が交付金の対象となります。

なお、以下の事情の場合は、交付決定前着手届を提出すると交付決定前でも事業に着手できるとされています。

  • 改修対象の建物について競合他社がおり、交付決定を待っていると事業が実施できなくなる場合
  • 導入する機械装置等が海外からの輸入品で、交付決定後の発注だと年度内に完了することが難しくなる場合

ローカル10,000プロジェクト採択事例3選

ローカル10,000プロジェクトは、平成24年度から令和6年度までの間に250を超える事業が採択されています。事業内容も古民家や廃校の再生、地域特産品を活用した6次産業化、観光拠点整備、醸造所・ワイナリー建設など、飲食業から製造業、観光業までと幅広いのが特徴です。

ここでは、実際に採択された代表的な3つの事例を紹介します。

新幹線駅未整備により商店街の空洞化が進んだ小諸市で、観光名所懐古園と商店街を結ぶ動線上にある本陣主屋を活用した事業です。小諸の歴史を伝承する飲食施設として整備し、地域の野菜やワインなどの地域資源を提供しています。公費交付額は2,720万円で、このほかに八十二銀行から4,080万円の融資がありました。

観光客の利便性向上と地域活性化を目的として、休業していたガソリンスタンドを再整備した事業です。美馬町内で唯一の日曜営業ガソリンスタンドとして復活させ、地域の観光情報発信、特産物販売所、コミュニティ施設を併設。地元の道の駅やキャンプ場と連携した観光拠点として機能しています。公費交付額2,500万円、四国銀行による融資2,500万円で実現しました。

人口減少と高齢化が進む宇陀市で、日本酒文化を体験できる酒蔵見学施設を道の駅前に建設した事業です。観光客向けに酒蔵体験を提供し、地産地消商品を取り扱うマルシェを定期開催することで地域振興を図っています。公費交付額2,500万円、南都銀行と大和信用金庫による協調融資3,000万円により、新たな観光拠点として整備されました。

北海道留萌市では、近年減少傾向にある漁獲量の課題に対し、「獲る漁業」から「つくり育てる漁業」への転換を目指す「北海道ウニ完全閉鎖型循環式陸上養殖による地域ブランド創出事業」が採択されました。この事業は、石炭荷役を主業務とする実施主体が、ゼロカーボン社会への移行を見据え、従業員の雇用維持と事業継続のために、ウニの陸上養殖に挑戦するものです。北海道大学水産学部と連携し、開発された人工餌料を用いて高品質なウニを生産・販売することで、新たな地域ブランドの創出を目指します。公費交付額は4,500万円、北海道銀行からの融資予定額は9,000万円となっています。

岐阜県瑞穂市では、地域課題として「商品開発から実売までできる企業が存在しないことによるふるさと納税の低迷」と、「IT人材不足およびDX推進の遅れ」が挙げられていました。この事業では、これらの課題解決のため、1階に体験型ふるさと納税アンテナショップ(物販・カフェ併設)を新設し、購買や試飲ができる拠点とします。2階にはIT人材育成やDX推進を担う人材が集まるコワーキングスペース(共有スペース、サテライトオフィス、セミナールーム)を設け、3階にはふるさと納税の企画・開発・マーケティング・EC販売を担うオンラインインフラ整備事務所を新設。この事業により、ふるさと納税の活性化、地産地消の推進、市内のDX推進人材の育成、そして市内企業のブランド化支援を目指します。交付予定額は5,000万円、融資予定額は1億円で、岐阜商工信用組合が連携します。

ローカル10,000プロジェクトと他の補助金制度との違い

ローカル10,000プロジェクトは、他の主要な補助金制度と比較して、独自の特徴を持つ制度です。以下の表で主要な違いを整理しました。

制度名ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)新しい地方経済・生活環境創生交付金ものづくり補助金小規模事業者持続化補助金
特徴産官学⾦労⾔の連携で地域密着型の新規事業を支援地方創生のために地方自治体が独自に実施する取り組みを支援革新的な新製品・新サービスの開発を支援小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を支援
申請主体地方自治体地方自治体民間事業者民間事業者
補助率1/21/21/2~2/32/3~3/4
上限額最大5,000万円最大15億円最大3,500万円最大250万円
融資等の要件地域金融機関からの融資等が必須なしなしなし
対象経費施設整備費、機械装置費、備品費など主にハード経費機械装置・システム構築費など機械装置費、新商品開発費、広報費など
ローカル10,000プロジェクトと他の補助金制度との違い

ローカル10,000プロジェクトは地方自治体が申請主体となり、民間事業者への補助を行う仕組みです。これに対し、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金は民間事業者が直接申請します。

また、ローカル10,000プロジェクトは、地域金融機関からの融資等が必須要件となっている点も、ほかの制度とは大きく異なる点です。融資額と公費の比率により交付上限額が決まる独特な仕組みを採用しており、民間資金の活用を重視しています。

ローカル10,000プロジェクトの採択率を高めるポイント

ローカル10,000プロジェクトの採択を確実にするためには、5つの要件を満たしつつ、審査で高い評価を得られる実施計画書の作成が重要です。

参照:ローカル10,000プロジェクト等について p.1|総務省
参照:地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)について(R6.12改正)|総務省

ローカル10,000プロジェクトの採択率を上げるには、地域資源の活用について具体的に明示することが重要です。

具体的には、地元の人材・資源を継続的に活用する計画を示し、地域経済への循環効果を数値化して提示する必要があります。

特に、地元産業への直接効果として「地元産品購入額の累計÷補助額」などの指標を用いて、補助額に対する地域経済への波及効果を明確に示すことが採択への近道となります。

雇用創出効果についても、単に「雇用を創出する」という抽象的な記載では不十分であり、具体的な数値目標と計画を示すことが採択への鍵となります。

まず、事業実施により創出される地域人材の新規雇用数を具体的に記載する必要があります。「○名を新規雇用予定」といった明確な数値を示し、さらに職種(製造スタッフ、販売員、事務職など)や雇用形態(正社員、パート等)まで詳細に記載して、事業計画の具体性と実現可能性を示しましょう。

特に重要なのは「人的投資効果」の算出です。これは「地元雇用人件費の累計(事業継続期間)÷公費による交付額」で計算され、原則として1.0倍以上となる計画を策定する必要があります。例えば、交付額2,500万円の事業で、融資期間7年間の地元雇用人件費累計が2,500万円以上となるよう、年間約360万円以上の地元雇用を計画に盛り込む必要があります。

また、地域の雇用環境改善への貢献も重要です。若者の地元定着、女性の活躍推進、高齢者の継続雇用など、地域が抱える雇用課題の解決にどのように寄与するかを明記することで、公共的課題解決効果も同時にアピールできます。さらに、賃金水準についても地域の平均賃金を上回る設定や、将来的な賃上げ計画を示すことで、地域経済への波及効果をより強く訴求できるでしょう。

ローカル10,000プロジェクトの審査では、事業の実現可能性を証明するために、マーケティングの基本フレームワークである4P分析を用いた具体的な説明が求められます。

4Pの各項目内容具体例・ポイント
プロダクト
(商品・サービス)
・地域資源を活用した差別化された商品・サービスの提供
・競合他社との優位性の明確化
・地域特産ブドウを使用したワインの品質特性
・地元産野菜を活用したメニューの独自性
・具体的な商品設計の記載
プライス
(価格戦略)
・ターゲット顧客の購買力を考慮した適正価格設定
・収益性の確保
・地域の競合価格調査結果
・原価計算に基づく価格設定の妥当性
・数値での提示が重要
プレイス
(販路・立地)
・事業実施場所の選定理由
・商圏分析に基づく集客見込み
・観光動線上の立地優位性
・地域住民のアクセス利便性
・立地の強みを具体的に説明
プロモーション
(宣伝戦略)
・ターゲット顧客への効果的な情報発信方法・SNS活用
・地域メディアとの連携
・観光施設との相互送客
・費用対効果の高い集客施策で事業の持続可能性を提示
4Pの内容と具体例・ポイント

これら4つの要素を体系的に整理し、相互の整合性を保ちながら説明すると、審査員に事業の実現可能性と成功への道筋を明確に伝えられます。

ローカル10,000プロジェクトの申請には、地域資源の活用方法や事業の実現可能性について、詳細かつ説得力のある実施計画書の作成が求められます。それには事業計画の素案の作り込みが重要となるため、専門家に先に相談するのも一案です。

中小企業診断士などの補助金申請に精通した専門家は、以下のような支援を提供できます。

  • 地域資源の発掘と活用方法の具体化
  • 事業計画の収益性・実現可能性の検証
  • 申請書類の作成アドバイス
  • 地域金融機関との連携サポート

特に、地域の特性を理解し、過去の採択事例にも詳しい専門家からのアドバイスは、事業計画の質を大幅に向上させることができます。

また専門家への相談は、単に書類作成の支援を受けるだけでなく、事業計画そのものをブラッシュアップする機会にもなります。採択後の事業実施を見据えた、実効性の高い計画づくりにつながるはずです。

当社・中小企業経営支援事務所でも、補助金申請支援のエキスパートとして、事業計画の立案のアドバイスを行っています。初回相談は無料ですので、専門家をお探しの事業者様はぜひ一度ご連絡ください。

ローカル10,000プロジェクトでよくある質問

ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)とは、産官学金労言(産業界・行政・学界・金融界・労働界・言論界)が連携し、地域資源を活用した民間事業者の起業や新規事業立ち上げを支援する制度です。

地方自治体が主体となり、地域金融機関からの融資等を条件に、施設整備費や機械装置費などの初期投資費用を最大5,000万円まで補助します。地域密着型事業による地域課題解決と、事業収益の地域内再投資による経済循環の創出を目的としています。

ローカル10,000プロジェクトは、平成24年度(2012年度)から始まった制度です。平成24年度から令和6年度までに、250以上の事業が交付決定しています(参照:ローカル10,000プロジェクト交付決定事業一覧|総務省)。

ローカル10,000プロジェクトの補助額は、融資額と交付額の比率によって上限が決まります。国庫補助事業の場合、融資額等が交付額の1~1.5倍なら上限2,500万円、1.5~2倍なら上限3,500万円、2倍以上なら最大5,000万円まで補助を受けられます。

一方、地方単独事業では補助額の上限が異なり、融資額等が交付額の0.5倍未満で上限200万円、0.5~1倍で上限800万円、1倍以上で最大1,500万円となります。

ローカル10,000プロジェクトの申請期限は、各地方自治体によって異なります。総務省では毎月末を申請期限としていますが、これは地方自治体から総務省に申請書類を提出するときの期限です。

民間事業者においては、各地方自治体が独自で設けているローカル10,000プロジェクトの申請期限を守る必要がありますので、地方自治体のWebサイトを確認するか、窓口に問い合わせて事前に確認するようにしましょう。

交付決定を受けようとする年度を含めて最大2年まで可能です。ただし、交付決定は単年度ごとに行われるため、2年目については改めて申請・審査が必要となります。

やむを得ない事情がある場合に限り、交付決定前着手届を提出することで事業開始が可能です。例えば、改修対象建物に競合他者がいるため早期購入が必要な場合や、海外輸入機械の納期が長く年度内完了のため早期発注が必要な場合などが該当します。ただし、総務省への事前相談が必須です。

対象経費の一部をリース資機材で調達する場合、地域のリース会社と共同申請を行うことで、そのリース額を地域金融機関からの融資相当額とみなされます。ただし、地域金融機関等の融資などは必須であり、全額リースによる調達は認められません。

複数の金融機関による協調融資は可能です。また、金融機関の融資とファンドの出資をセットで行うことも認められています。

原則として国の補助金との重複は認められません。ただし、事業として対象経費や収支を完全に切り分けることができる場合は可能です。例えば、同じ施設内でも異なる用途の設備や異なる事業部門であれば、明確に区分できる範囲でほかの補助金との併用が認められる場合があります。

ローカル10,000プロジェクトの申請を検討しているなら中小企業経営支援事務所にご相談ください

ローカル10,000プロジェクトは、地域資源を活用した新規事業の立ち上げにおいて手厚い支援を受けられる魅力的な制度です。しかし、必須要件を満たしつつ、審査で高い評価を得るためには専門的な知識と経験が不可欠です。

中小企業経営支援事務所では、ローカル10,000プロジェクトの申請支援において豊富な実績を有しています。地域資源の活用方法から事業計画の立案、融資条件の調整まで、申請プロセス全体をトータルでサポートいたします。

特に、地域課題解決効果の数値化や雇用創出計画の具体化、4P分析による事業戦略の策定など、採択率向上に直結するポイントを熟知しており、思い描いている事業構想から実現可能な計画にするにはどのような言葉を使って説明する必要があるのか、的確にアドバイスできます。

初回相談は無料ですので、ローカル10,000プロジェクトの活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

【参考資料】いずれも総務省
ローカル10,000プロジェクト -地域密着型の起業や新規事業を支援します!
ローカル10,000プロジェクトパンフレット
ローカル10,000プロジェクトQ&A
ローカル10,000プロジェクトと関係補助金の比較
ローカル10,000プロジェクト活用事例集
交付要綱(別記様式)
申請の流れ、運用事例等
ローカル10,000プロジェクト等について
ローカルスタートアップ支援制度推進要綱
交付団体の決定(自治体向け)第7回(令和7年3月28日)

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