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最終更新日 

投稿日 2026.01.09

健康経営優良法人認定制度とは?メリットや認定基準、認定の流れを解説

現代社会において、従業員の健康管理に対する企業の取り組みは、企業の持続的な発展や競争力強化に欠かせない重要なテーマとなっています。

こうした背景のもと、経済産業省は従業員の健康管理を経営的な視点で戦略的に実践する「健康経営」を推進しています。その一環として、健康経営に優れた取り組みを行う企業を顕彰する「健康経営優良法人認定制度」が2016年度に創設されました。

健康経営優良法人認定制度の認定を取得すると、補助金申請の加点措置が受けられたり、投資を受けやすくなったりするメリットがあります。

この記事では、健康経営優良法人認定制度の概要から、認定を受けることで得られるメリット、大規模法人部門・中小規模法人部門それぞれの認定基準や申請の流れについて、経済産業省の「健康経営優良法人認定制度」ページや、健康経営優良法人認定事務局のポータルサイト「ACTION!健康経営」の公開情報をもとに詳しく解説します。これから健康経営に取り組もうとしている企業担当者の方や、認定取得を検討されている方はぜひ参考にしてください。

当社・中小企業経営支援事務所は、補助金申請支援のトータルサポートを行っています。

健康経営優良法人認定制度の認定取得をした上で補助金の採択を勝ち取りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

健康経営優良法人認定制度とは

健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営を実践している企業を「見える化」するために、日本健康会議が認定する顕彰制度です。2016年に経済産業省によって創設されました。

健康経営優良法人認定制度により認定を受けることは、「健康経営につながる取り組みを確かに行っている」と国が認めたことを意味し、関係企業や金融機関・投資家、求職者、従業員関係企業、金融機関などからの社会的評価がより高まるメリットがあります。

本制度は、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」と、大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」の2つの部門で構成されています。認定を受けるには申請が必要で、中小規模法人部門では健康経営優良法人認定申請への回答、大規模法人部門では健康経営度調査への回答が求められます。

なお、申請後の審査において特に優れた取り組みを行う法人に対しては、特別な冠を付与しており、中小規模法人部門の上位500法人には「ブライト500」、501~1500位法人には「ネクストブライト1000」、大規模法人部門の上位500法人には「ホワイト500」の冠が付加されます。

認定を受けると、Webサイトなどに専用のロゴマークを掲載できるようになります。

出典:健康経営とは 顕彰制度について|ACTION!健康経営

出典:同上

健康経営優良法人認定制度の普及状況と認定法人一覧

健康経営優良法人認定制度は、2016年度の創設以来、着実に認定法人数を増やし続けています。2025年の認定では、中小規模法人部門で19,796法人、大規模法人部門で3,400法人が認定され、合計23,196法人が健康経営に取り組む優良企業として認定されました(参照:健康経営優良法人認定制度 2.「健康経営優良法人2025」の認定について|経済産業省)。

認定法人の一覧は、健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」で公開されており、業種別・地域別に検索することが可能です(参照:認定法人一覧|ACTION!健康経営)。認定期間は2025年3月10日から2026年3月31日までの約1年間となっています。

健康経営優良法人認定制度のメリット

健康経営優良法人認定制度の認定を受けることで、企業は多面的なメリットを享受できます。

補助金の加点措置が受けられる

健康経営優良法人認定を取得していると、国や自治体が実施する各種補助金の申請時に「従業員の健康管理に力を入れている企業」として評価され、採択率を上げる加点措置を受けられる場合があります。例えば以下のような補助金です。

健康経営優良法人認定の取得を始めとする加点措置は、採択を約束するものではありません。しかし、例えばものづくり補助金の採択データによれば、加点措置が多いほどに採択されやすい傾向があります。補助金を狙うのであれば、ぜひ検討してみてください。

当社・中小企業経営支援事務所では、補助金申請支援のエキスパートとして、事業計画の策定や加点措置に関するアドバイスを行っています。初めて補助金申請に挑戦する事業者様や手続きに少しでも不安を感じている事業者様は、ぜひご相談ください。初回相談は無料です。

取引先との関係がより良好になる

健康経営優良法人の認定を取得すると、取引先に対して「従業員の健康に配慮し、持続可能な経営を行う企業」というポジティブなイメージを与えることができます。

取引先との信頼関係は一朝一夕で築けるものではありませんが、健康経営優良法人認定という客観的な評価を得ることで、取引先に対する説得力が増し、良好なビジネス関係を築く後押しとなるでしょう。

資金調達を実行しやすくなる

健康経営優良法人に認定されると、社会的信用度の向上から、金融機関の融資が受けやすくなるメリットがあります。

また、近年、投資家の間ではESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した投資が拡大しています。健康経営は「社会(S)」の観点から従業員を大切にする企業姿勢を示すものであり、ESG投資の評価対象となります。そのため、エクイティ・ファイナンス(株式発行による資金調達)においても有利に働く可能性があります。

採用活動を優位に進められる

健康経営優良法人認定制度の認定取得は、採用活動においても大きな優位性を発揮します。

健康経営優良法人の認定取得を就職先を決めるときの重要な決め手のひとつとする求職者や、働く職場に望むものとして「従業員の健康に配慮している」ことを挙げる求職者は少なくありません。採用競争力を強化したいと考えている企業にとって、認定は大きく寄与するでしょう。

従業員満足度の向上につながる

従業員の満足度が向上しやすくなるのも、健康経営優良法人認定制度の認定取得のメリットです。

認定を取得し、従業員の働きやすさや健康への取り組みが可視化されることで、結果として従業員が「会社から大切にされている」と感じやすくなります。これにより、モチベーションが高まり、主体的に業務へ取り組むようになったり、離職率が低下したりといった効果も期待できます。

健康経営優良法人認定制度のデメリット・注意点

健康経営優良法人の認定を目指す際には、いくつかのデメリットや注意点を把握しておくことが重要です。

まず、認定取得のためには申請書類の作成や社内体制の整備など、一定の時間と手間がかかります。特に中小企業では、専任の担当者を設けることが難しく、日常業務との両立が課題となる場合があります。加えて認定申請料の支払いも必要です。また、認定は毎年更新が必要であり、その都度申請手続きや認定申請料が求められます。

健康経営優良法人認定制度については「取得したけど意味ない」としばしば言われますが、さまざまなコストが必要ながら、取得しても大きな変化にすぐにつながるとは限らないためです。上記で示したメリットを享受するには、認定を取得しただけにとどまらずに、社内の課題解決に粘り強く取り組む必要があります。

これらの点を踏まえ、自社の経営課題や人的リソースを十分に検討したうえで、認定取得を目指すかどうかを判断することをおすすめします。

健康経営優良法人認定制度の詳細【中小規模法人部門】

それでは、健康経営優良法人認定制度の詳細を見ていきましょう。まずは中小規模法人部門から紹介します。

中小規模法人部門とは

中小規模法人部門とは、健康経営優良法人認定制度において、中小規模の企業等を対象とした認定部門です。業種や法人の種類によって、従業員数や資本金等の基準が異なります(参照:健康経営優良法人申請区分|ACTION!健康経営)。

(※)従業員数は「常時使用する従業員」を基準とし、労働基準法第20条に基づく「解雇予告を必要とする者」が対象です。日雇い労働者や2ヶ月以内の短期雇用者、試用期間中の者(14日以内)は原則除外されますが、所定期間を超えて継続雇用される場合は含めます。出向社員については、自社が健康診断実施義務を負う者を含める必要があります。

会社法上の会社・士業法人の場合

会社法上の会社や士業法人は、業種ごとに従業員数と資本金(または出資金額)のいずれかの基準を満たす必要があります。業種の分類は、日本標準産業分類に従って判断します。

業種従業員数資本金または出資金額
卸売業1人以上100人以下1億円以下
小売業1人以上50人以下5,000万円以下
サービス業1人以上100人以下5,000万円以下
製造業その他1人以上300人以下3億円以下
会社法上の会社・士業法人の場合の基準

なお、従業員数が大規模法人部門に該当し、資本金または出資金額が中小規模法人部門に該当する場合は、いずれかの部門を選択して申請可能です(両部門への同時申請は不可)。

会社法上の会社・士業法人以外の場合

会社法上の会社・士業法人以外の場合は、従業員数のみで部門が区分されます。

法人分類従業員数
特定非営利活動法人1人以上100人以下
医療法人、社会福祉法人、健保組合等保険者1人以上100人以下
社団法人、財団法人、商工会議所・商工会1人以上100人以下
地方公共団体1人以上300人以下
地方公共団体以外の公法人、特殊法人1人以上300人以下
会社法上の会社・士業法人以外の場合の基準

中小規模法人部門の認定要件

中小規模法人部門の認定要件は、大きく5つに分類されます(参照:健康経営優良法人2026〈中小規模法人部門〉認定要件|ACTION!健康経営)。

1.経営理念・方針

中小規模法人部門の認定要件における「経営理念・方針」では、健康宣言の社内外への発信経営者自身の健診受診が必須項目として求められます。これは、経営トップが健康経営へのコミットメントを明確に示し、組織全体で取り組む姿勢を内外にアピールするための基盤となる要件です。

評価項目認定要件
健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受診小規模法人・中小規模法人ともに必須
経営理念・方針の評価項目と認定要件

2.組織体制

「組織体制」では、健康経営を推進するための社内体制の整備が求められます。具体的には、健康づくり担当者の設置と、40歳以上の従業員の健診データ提供(求めに応じて)が必須項目となっています。担当者を明確にすることで、継続的な健康施策の実行と従業員への浸透が可能になります。

評価項目認定要件
健康づくり担当者の設置小規模法人・中小規模法人ともに必須
(求めに応じて)40歳以上の従業員の健診データの提供小規模法人・中小規模法人ともに必須
組織体制の評価項目と認定要件

3.制度・施策実行

「制度・施策実行」は、認定要件の中で最も評価項目が多い領域です。「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」「健康経営の実践に向けた土台づくり」「従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策」の3つの中項目で構成され、それぞれ小項目が設けられています。

「制度・施策実行」の項目は、小規模法人と中小規模法人によって、満たす要件が異なります。

【小規模法人の場合】

中項目小項目評価項目認定要件
(1)従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討健康課題に基づいた具体的な目標の設定健康経営の具体的な推進計画健康経営の具体的な推進計画~左記③のうち2項目以上
健康課題の把握①定期健診受診率(実質100%)
②受診勧奨の取り組み
③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
(2)健康経営の実践に向けた土台づくりヘルスリテラシーの向上④管理職または従業員に対する教育機会の設定左記④~⑩のうち2項目以上
ワークライフバランスの推進⑤適切な働き方実現に向けた取り組み
⑥仕事と育児または介護の両立支援の取り組み
職場の活性化⑦コミュニケーションの促進に向けた取り組み
仕事と治療の両立支援⑧がん等の私病に関する復職・両立支援の取り組み(⑮以外)
性差・年齢に配慮した職場づくり⑨女性の健康保持・増進に向けた取り組み
⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み
(3)従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策具体的な健康保持・増進施策⑪保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み左記⑪~⑰のうち2項目以上
⑫食生活の改善に向けた取り組み
⑬運動機会の増進に向けた取り組み
⑭長時間労働者への対応に関する取り組み
⑮心の健康保持・増進に関する取り組み
感染症予防対策⑯感染症予防に関する取り組み
喫煙対策⑰喫煙率低下に向けた取り組み
受動喫煙対策に関する取り組み必須
制度・施策実行の評価項目と認定要件 小規模法人の場合

【中小規模法人の場合】

中項目小項目評価項目認定要件
(1)従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討健康課題に基づいた具体的な目標の設定健康経営の具体的な推進計画必須
健康課題の把握①定期健診受診率(実質100%)左記①~③のうち2項目以上
②受診勧奨の取り組み
③50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
(2)健康経営の実践に向けた土台づくりヘルスリテラシーの向上④管理職または従業員に対する教育機会の設定左記④~⑩のうち2項目以上
ワークライフバランスの推進⑤適切な働き方実現に向けた取り組み
⑥仕事と育児または介護の両立支援の取り組み
職場の活性化⑦コミュニケーションの促進に向けた取り組み
仕事と治療の両立支援⑧がん等の私病に関する復職・両立支援の取り組み(⑮以外)
性差・年齢に配慮した職場づくり⑨女性の健康保持・増進に向けた取り組み
⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み
(3)従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策具体的な健康保持・増進施策⑪保健指導の実施または特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み左記⑪~⑰のうち4項目以上
⑫食生活の改善に向けた取り組み
⑬運動機会の増進に向けた取り組み
⑭長時間労働者への対応に関する取り組み
⑮心の健康保持・増進に関する取り組み
感染症予防対策⑯感染症予防に関する取り組み
喫煙対策⑰喫煙率低下に向けた取り組み
受動喫煙対策に関する取り組み必須
制度・施策実行の評価項目と認定要件 中小規模法人の場合

なお、「ブライト500」「ネクストブライト1000」の冠認定を目指す場合は、①~⑰のうち16項目以上の達成が求められます。

4.評価・改善

「評価・改善」では、健康経営の取り組みに対するPDCAサイクルの実践が求められます。単に施策を実行するだけでなく、その効果を定期的に検証し、改善につなげる仕組みを構築しているかが評価されます。具体的には、取り組みの成果を測定・分析し、次年度の計画に反映させることが必要です。

評価項目認定要件
健康経営の取り組みに対する評価・改善小規模法人・中小規模法人ともに必須
評価・改善の評価項目と認定要件

5.法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)

「法令遵守・リスクマネジメント」は、健康経営優良法人認定における必須の自主申告項目です。申請時に誓約書を通じて、法令遵守状況を自己申告する必要があります。

主な評価項目認定要件
定期健診の実施小規模法人・中小規模法人ともに必須
50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施小規模法人・中小規模法人ともに必須
労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと小規模法人・中小規模法人ともに必須
法令遵守・リスクマネジメントの評価項目と認定要件

中小規模法人部門の申請から認定までの流れ

全国健康保険協会(協会けんぽ)、健康保険組合に加入している事業者は、健康宣言事業へ参加した上で、「ACTION!健康経営」ポータルサイトの申請申込ページにアクセスし、「健康経営優良法人(中小規模法人部門)認定申請書」に自社の取組状況を記載してアップロードします。

国保組合、共済組合、その他に加入している事業者は、保険者での健康宣言事業実施の有無をまず確認します。実施している場合は健康宣言事業へ参加した上で、実施していない場合はそのまま「ACTION!健康経営」ポータルサイトの申請申込ページにアクセスし、認定申請書に自社の取組状況を記載してアップロードします。

アップロード後は認定委員会において審議が行われ、審査をクリアすると日本健康会議によって「健康経営優良法人」として認定されます。

参照:申請について 中小規模法人部門 申請から認定までの流れ|ACTION!健康経営

中小規模法人部門の認定申請料

中小規模法人部門の認定申請料は、1件あたり16,500円(税込) です。

申請受付期間に申請を完了すると、マネーフォワードケッサイ株式会社から請求書が届きます。届いた請求書に記載された口座へ振込を完了する必要があります。

なお、振込手数料は申請者の負担となります。

参照:申請について 中小規模法人部門 認定申請料|ACTION!健康経営
参照:健康経営優良法人申請の請求に係るQ&A|ACTION!健康経営

中小規模法人部門の申請ポイント

健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定申請を行う際には、申請書の記載ミスや回答漏れによる不認定を防ぐため、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。以下に、申請時に特に注意すべき項目を紹介します(参照:健康経営優良法人認定2026 中小規模法人部門 申請のポイント|ACTION!健康経営)。

記載項目留意点
法人情報(法人名・住所)法人名は「株式会社」等の法人格を含む正式名称を記載し、「㈱」等の略語は使用しない。法人番号は国税庁の法人番号公表サイトで確認する
担当者連絡先メールアドレスの記載は必須。未記載の場合、認定結果や認定証を受け取れない。請求書送付先が異なる場合は別途正確に記載する
誓約事項誓約日は申請期間中の日付を記載する。誓約者は法人の代表者、従業員代表は36協定に準じる者(管理監督者・役員を除く)を記載する。代表者と従業員代表が同一人物の場合は申請不可
Q1:加入保険者協会けんぽの場合は都道府県支部名と健康保険証の記号を正確に記載する。健康保険組合の場合は正式名称・連合会名・保険者番号を記載する
Q4:従業員数経営者・役員は含めない。従業員が0名の場合は申請不可。申請区分(中小規模法人部門該当)の自動判定を必ず確認する
Q6:健康宣言加入保険者が実施する健康宣言事業への参加が原則必須。協会けんぽ・健康保険組合の場合、自社独自の健康宣言では不適合となる
Q9:保険者へのデータ提供40歳以上の従業員の健診データを保険者に提供しているか確認する。不明な場合は加入保険者に問い合わせる
Q10:具体的な推進計画他法人と著しく類似した記載や代理申請は認定されない。課題・取り組み・目標・指標は具体的かつ客観的に測定可能な内容を記載する。科学的根拠のない取り組み(電子たばこへの切り替え等)は不可
Q11:定期健診受診率年度をまたいだ集計は不可。対象除外人数や退職者数を正確に入力する
Q13:ストレスチェック全事業場で労働安全衛生法に基づくストレスチェックを実施していることが要件。Webでの個別セルフチェック等は該当しない
Q22:高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み高年齢従業員は、状況に応じた年齢を自社で定義可能。高年齢従業員が働く職場において、事業者と労働者に求められる具体的な取り組みについては、厚生労働省の「エイジフレンドリーガイドライン」も参照する
Q23,24:保健指導と特定保健指導保健指導は労働安全衛生法第66条の7にもとづき、事業者において実施している場合が対象。特定保健指導は40歳以上75歳未満の生活習慣病の高リスク者に対して行うものであり、実施している場合は取り組み内容を記載
Q31:受動喫煙対策全事業場の禁煙状況を確認し、健康増進法の区分に従って回答する。非喫煙者や外部の方が利用する場所への喫煙所設置は要件を満たさない
申請書記載時の主な留意点

申請書のアップロード前には、「認定基準適合書&申請にあたって保存すべき資料」タブで適合状況を必ず確認してください。ただしこれは簡易評価であり、認定を保証するものではありません。

また、回答した各項目の取り組みを説明できる資料(健康宣言書の写し、健診実施の請求書、ストレスチェック費用の領収書等)は申請期間最終日から2年間保存し、事務局からの追加確認依頼があった場合は1週間以内に提出する必要があります。

健康経営優良法人認定制度の詳細【大規模法人部門】

大規模法人部門とは

大規模法人部門とは、健康経営優良法人認定制度において、一定規模以上の従業員数を有する企業等を対象とした認定部門です。業種や法人の種類によって基準となる従業員数が異なります(参照:健康経営優良法人申請区分|ACTION!健康経営)。

(※)「常時使用する従業員」は、労働基準法第20条に基づく「解雇予告を必要とする者」が対象です。日雇い労働者や2ヶ月以内の短期雇用者、試用期間中の者(14日以内)は原則除外されますが、所定期間を超えて継続雇用される場合は含めます。出向社員については、自社が健康診断実施義務を負う者を含める必要があります。

会社法上の会社・士業法人の場合

会社法上の会社や士業法人は、業種ごとに定められた従業員数の基準を満たす必要があります。業種の分類は、日本標準産業分類に従って判断します。

業種従業員数
卸売業101人以上
小売業51人以上
サービス業101人以上
製造業その他301人以上
会社法上の会社・士業法人の場合の基準

会社法上の会社・士業法人以外の場合

会社法上の会社・士業法人以外の場合は、従業員数のみで部門が区分されます。

法人分類従業員数
特定非営利活動法人101人以上
医療法人、社会福祉法人、健保組合等保険者101人以上
社団法人、財団法人、商工会議所・商工会101人以上
地方公共団体301人以上
独立行政法人、公社、公団等301人以上
会社法上の会社・士業法人以外の場合の基準

大規模法人部門の認定要件

大規模法人部門の認定要件は、大きく5つに分類されます(参照:健康経営優良法人2026〈大規模法人部門〉認定要件|ACTION!健康経営

1.経営理念(経営者の自覚)

大規模法人部門の「経営理念(経営者の自覚)」では、経営トップが健康経営へのコミットメントを明確に示し、社内外へ発信することが求められます健康宣言や推進方針の浸透に加え、従業員パフォーマンス指標の開示が必須です。また、ホワイト500認定には、健康経営の普及活動への取り組みも必要となります。

小項目評価項目認定要件
健康経営の戦略、社内外への情報開示健康宣言の社内外への発信(アニュアルレポートや統合報告書等での発信)大規模・ホワイト500ともに必須
健康経営の推進方針の浸透ホワイト500のみ必須
従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示ホワイト500のみ必須
自社従業員を超えた健康増進への取り組み①トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいることホワイト500:必須(※回答結果公表追加)
大規模:①~⑰のうち14項目以上
経営理念(経営者の自覚)の評価項目と認定要件

2.組織体制

「組織体制」では、健康経営を推進するための経営層のコミットメントと実施体制の整備が求められます。健康づくり責任者を役員以上とすること、産業医・保健師の関与、保険者との連携が必須です。ホワイト500認定には、経営レベルの会議での議題化・決定も必要となります。

小項目評価項目認定要件
経営層の体制健康づくり責任者が役員以上ホワイト500・大規模ともに必須
健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・決定ホワイト500のみ必須
実施体制産業医・保健師の関与ホワイト500・大規模ともに必須
健保組合等保険者との連携健保組合等保険者との協議・連携ホワイト500・大規模ともに必須
組織体制の評価項目と認定要件

3.制度・施策実行

「制度・施策実行」は、大規模法人部門において最も評価項目が多い領域です。「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」「健康経営の実践に向けた土台づくり」「従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策」の3つの中項目で構成され、それぞれ詳細な小項目が設けられています。

中項目小項目評価項目認定要件
従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討健康課題に基づいた具体的な目標の設定健康経営の具体的な推進計画ホワイト500・大規模ともに必須
健診・検診等の活用・推進②定期健診受診率(受診率100%)ホワイト500:②~⑰のうち14項目以上
大規模:①~⑰のうち14項目以上
③受診勧奨の取り組み
④50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施
健康経営の実践に向けた土台づくりヘルスリテラシーの向上⑤管理職または従業員に対する教育機会の設定(※参加率・実施率の測定が必要)
ワークライフバランスの推進⑥適切な働き方実現及び育児・介護の両立支援の取り組み
職場の活性化⑦コミュニケーションの促進に向けた取り組み
仕事と治療の両立支援⑧がん等の私病等に関する復職・両立支援の取り組み(⑮以外)
性差・年齢に配慮した職場づくり⑨女性の健康保持・増進に向けた取り組み
⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み
従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策保健指導⑪保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み(※参加率・実施率の測定が必要)
具体的な健康保持・増進施策⑫食生活の改善に向けた取り組み
⑬運動機会の増進に向けた取り組み
⑭長時間労働者への対応に関する取り組み
⑮心の健康保持・増進に関する取り組み
感染症予防対策⑯感染症予防に関する取組
喫煙対策⑰喫煙率低下に向けた取り組み
受動喫煙対策に関する取り組みホワイト500・大規模ともに必須
制度・施策実行の評価項目と認定要件

大規模法人部門では、「健康経営の具体的な推進計画」と「受動喫煙対策に関する取り組み」が必須項目となっています。それ以外の評価項目については、大規模法人は①~⑰のうち14項目以上、ホワイト500は②~⑰のうち14項目以上を満たす必要があります。なお、⑤と⑪については参加率(実施率)を測定していることが求められる点に注意が必要です。

4.評価・改善

「評価・改善」では、健康経営の取り組みに対する効果検証の実施が求められます。施策を実行するだけでなく、その成果を定量的・定性的に分析し、PDCAサイクルを回すことが重要です。検証結果を次年度の計画に反映させ、継続的な改善につなげる仕組みの構築が必須となっています。

小項目評価項目認定要件
健康経営の推進に関する効果検証健康経営の実施についての効果検証ホワイト500・大規模ともに必須
評価・改善の評価項目と認定要件

5.法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)

「法令遵守・リスクマネジメント」は、健康経営優良法人認定における必須の自主申告項目で、法令遵守状況を誓約書を通じて自己申告する必要があります。

主な評価項目認定要件
定期健診の実施ホワイト500・大規模ともに必須
50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施ホワイト500・大規模ともに必須
労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないことホワイト500・大規模ともに必須
法令遵守・リスクマネジメントの評価項目と認定要件

大規模法人部門の申請から認定までの流れ

大規模法人の場合は、「ACTION!健康経営」ポータルサイトの申請申込ページにアクセスし、「健康経営度調査票」(従業員の健康に関する取り組みについての調査)に自社の取組状況を記載してアップロードします。

アップロード後は認定委員会において審議が行われ、審査をクリアすると日本健康会議によって「健康経営優良法人」として認定されます。

参照:申請について 大規模法人部門 申請から認定までの流れ|ACTION!健康経営

大規模法人部門の認定申請料

大規模法人部門の認定申請料は、1件あたり80,000円(税込88,000円) です。グループ会社と合算で申請する場合は、申請主体となる法人の88,000円(税込)に加え、同時認定の対象となる合算1法人あたり16,500円(税込)が加算されます。

申請受付期間に申請を完了すると、マネーフォワードケッサイ株式会社から請求書がメールまたは郵送で届きますので、記載された口座に期日までに振り込みます。振込手数料は申請者負担です。

参照:申請について 大規模法人部門 認定申請料|ACTION!健康経営
参照:健康経営優良法人申請の請求に係るQ&A|ACTION!健康経営

大規模法人部門の申請ポイント

大規模法人部門の申請にあたっては、健康経営度調査票の正確な記載と回答ルールの理解が重要です。

まず、法人情報は法人格を含む登記上の正式名称を記入し、法人番号は国税庁の法人番号公表サイトで確認します。担当者のメールアドレスは必須で、未記入の場合は評価結果のフィードバックや認定証を受け取れません。

回答範囲については、法人単体での回答のほか、複数法人を合算した回答も可能です。ただし、健康管理・労務管理が異なる別法人を含めることはできません。また、一部事業所のみでの回答では認定申請ができないため注意が必要です。原則として全社・全従業員を対象とした制度・施策について回答します。

資料の保存も重要なポイントです。回答した各項目の取り組みを説明できる資料(情報開示のPDF、会議資料・議事録、健診機関からの請求書など)は、申請期間最終日から2年間保存し、認定事務局から求められた場合は1週間以内に提出する必要があります。

参照:令和7年度健康経営度調査【サンプル】|ACTION!健康経営
参照:令和7年度 健康経営度調査に関するQ&A|ACTION!健康経営

健康経営優良法人認定制度に関してよくある質問

健康経営優良法人に認定されることのメリットは?

健康経営優良法人に認定されると、企業は多面的なメリットを得られます。主なメリットとしては、補助金の加点措置が受けられる、取引先との関係が良好になる資金調達を実行しやすくなる、採用活動を優位に進められる、従業員満足度の向上につながる、といった点が挙げられます。

健康経営優良法人になるにはいくらお金がかかる?

健康経営優良法人の認定申請に必要な費用は、申請する部門によって異なります。中小規模法人部門の場合、認定申請料は1件あたり16,500円(税込)です。大規模法人部門の場合は、1件あたり88,000円(税込)となります。なお、大規模法人部門でグループ会社と合算申請する場合は、合算1法人あたり16,500円(税込)が追加で必要です。

申請完了後に届く請求書に従って振込を行いますが、振込手数料は申請者の負担となります。

健康経営優良法人認定制度や補助金申請に関してお悩みでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

健康経営優良法人認定の取得は、企業に多くのメリットをもたらします。しかしそれを享受するためには、専門的な知識と十分な準備が必要です。

特に補助金の加点措置として認定取得を目指すのであれば、補助金の公募要領の内容を把握し、健康経営の取り組みと連動した事業計画を策定することも求められます。

当社・中小企業経営支援事務所は、国から「認定経営革新等支援機関」として認定されており、健康経営の導入支援から認定取得のサポート、さらには補助金申請のアドバイスまで幅広くご相談を承っております。

初回相談は無料ですので、健康経営優良法人認定の取得方法や補助金申請のポイントについて疑問・不安がある事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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