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最終更新日 

投稿日 2026.02.26

新製品・新技術開発助成事業とは?申請要件から採択率を上げるポイントまで徹底解説

新製品・新技術開発助成事業は、東京都中小企業振興公社が実施する、都内中小企業の研究開発を支援する助成金制度です。製品化・実用化のための試作品開発や、新たなサービス創出に向けた技術開発に取り組む企業を対象としています。

この記事では、本事業の概要から申請要件、助成対象となる事業内容、申請から受け取りまでの流れ、そして採択率を高めるためのポイントまで徹底的に解説します。令和8年度の申請受付期間は令和8年3月27日から4月17日までとなっていますので、申請を検討されている人は早めの準備をおすすめします。

当社・中小企業経営支援事務所は、経営に関する専門知識や支援実績が一定以上あると国が認める「認定経営革新等支援機関」として、補助金や助成金の申請支援のトータルサポートを行っています。

本助成金のポイントや採択を勝ち取るための事業計画のコツが知りたいとお考えでしたら、ぜひ以下のメールフォームからお気軽にご相談ください。豊富な経験を持つスタッフが、懇切丁寧にアドバイスいたします。初回相談は無料です。

目次

新製品・新技術開発助成事業とは

新製品・新技術開発助成事業とは、東京都中小企業振興公社が実施する助成制度で、都内の中小企業者等が行う実用化の見込みのある新製品・新技術の研究開発に対し、経費の一部を助成するものです。本事業の目的は、中小企業の技術力強化と新分野開拓を促進し、東京の産業活性化を図ることにあります。

助成限度額は最大2,500万円で、助成率は助成対象経費の1/2以内です。ただし、賃金引上げ計画を策定・実施した場合は、中小企業者で3/4以内、小規模企業者で4/5以内まで引き上げられます。

助成対象期間は最長1年9ヶ月で、原材料費、機械装置費、委託・外注費、直接人件費などが助成対象経費となります。

なお前回までの採択企業の一覧は、公社の採択企業一覧ページで見ることができます。

令和8年度の新製品・新技術開発助成事業のスケジュール

令和8年度の新製品・新技術開発助成事業は、以下のスケジュールで進行します。申請を検討している方は、各期限に遅れないよう計画的に準備を進めましょう。

段階時期内容
事前準備申請前までGビズIDプライムアカウントの取得、申請書様式のダウンロード
申請書類提出令和8年3月27日(金)~4月17日(金)17時Jグランツによる電子申請
一次審査(書類審査)~令和8年6月下旬書面による技術審査、結果はJグランツで通知
追加書類提出一次審査通過通知後~令和8年7月9日(木)12時確定申告書、登記簿謄本、納税証明書等の提出
二次審査(面接審査等)令和8年7月下旬資格審査・経理審査・面接審査の実施
総合審査令和8年8月上旬審査会での審議により助成事業者を決定
交付決定令和8年9月1日審査結果(採択結果)をJグランツで通知
助成対象期間令和8年9月1日~令和10年5月31日最長1年9ヶ月間で研究開発を実施
遂行状況報告令和9年6月1日~6月15日令和9年5月末までの事業実施状況を報告
中間検査遂行状況報告書提出後公社担当職員による進捗確認
実績報告事業終了後15日以内実績報告書の提出
完了検査実績報告書提出後成果物・購入物・経理帳票等の確認
助成金交付請求後約1ヶ月以内指定口座への振込
令和8年度の新製品・新技術開発助成事業のスケジュール

新製品・新技術開発助成事業の申請要件

新製品・新技術開発助成事業では、以下に示す事業者要件・組織形態要件などをすべて満たすことで申請できます。

なお、以下で示す基準日は、最新の令和8年度の場合は令和8年3月1日となります。

事業者要件

新製品・新技術開発助成事業に申請するためには、事業者として以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

中小企業者(会社及び個人事業者)

中小企業者とは、以下の表に該当する事業者のうち、大企業が実質的に経営に参画していないものを指します。

業種資本金および従業員
製造業、建設業、運輸業、情報通信業(ソフトウェア業、情報処理サービス業を含む)、その他の業種3億円以下または300人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤ製造業およびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く)3億円以下または900人以下
卸売業1億円以下または100人以下
サービス業(旅館業以外)5,000万円以下または100人以下
旅館業5,000万円以下または200人以下
小売業5,000万円以下または50人以下
中小企業者の要件

なお、「大企業が実質的に経営に参画」とは、以下のいずれかに該当する場合を指します。

  • 大企業が単独で発行済株式総数または出資総額の1/2以上を所有・出資している
  • 大企業が複数で発行済株式総数または出資総額の2/3以上を所有・出資している
  • 役員総数の1/2以上を大企業の役員または職員が兼務している
  • その他、大企業が実質的に経営に参画していると考えられる場合

中小企業団体等

中小企業等協同組合法に基づく組合(事業協同組合等)や、中小企業団体の組織に関する法律に基づく中小企業団体(協業組合等)で、構成員の半数以上が都内に実質的な事業所を有する中小企業であるものが該当します。

創業予定者

基準日現在で、東京都内での創業を具体的に計画している個人も申請可能です。交付決定後は速やかに開業届を提出する必要があります。

中小企業グループ(共同申請)

本助成事業の申請要件を満たす複数の中小企業者等で構成されるグループも申請できます。代表企業を設定し、グループ構成企業間に資本関係や役職員の兼務がないことなどが条件となります。共同申請の場合は専用の申請書様式を使用する必要があるため、事前の問い合わせが推奨されています。

組織形態要件

新製品・新技術開発助成事業に申請するためには、事業者要件に加えて、組織形態に関する要件も満たさなければいけません。組織形態は「法人」「個人事業者」「創業予定者」の3つに分類され、それぞれに求められる条件が異なります。

法人(中小企業団体等を含む)の場合

法人として申請する場合は、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  1. 登記要件:基準日現在で、東京都内に登記簿上の本店または支店があること
  2. 事業活動要件:基準日現在で、直近の引き続く1年以上、東京都内事業所で実質的に事業を行っていること。または、東京都内で創業し、引き続く事業期間が1年に満たないこと(この場合は「未決算法人」として扱われます)

個人事業者の場合

個人事業者として申請する場合は、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  1. 届出要件:基準日現在で、税務署に提出済みの「個人事業の開業・廃業等届出書」の写しにより、納税地・主たる事業所等の都内所在等が確認できること
  2. 事業活動要件:基準日現在で、直近の引き続く1年以上、東京都内事業所で実質的に事業を行っていること。または、東京都内で創業し、引き続く事業期間が1年に満たないこと(この場合は「未決算個人事業者」として扱われます)

創業予定者の場合

創業予定者として申請する場合は、以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  1. 計画要件:基準日現在で、東京都内での創業を具体的に計画していること
  2. 開業届出要件:交付決定後速やかに開業し、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)または税務署に提出済みの「個人事業の開業・廃業等届出書」の写しにより、開業する事業の納税地・主たる事業所等の都内所在地が確認できること

なお、「実質的に事業を行っている」とは、登記簿謄本や開業届に記載された都内所在地において、客観的に都内に根付く形で事業活動が行われていることを指します。申請書、納税状況、ホームページ、看板や表札、電話等連絡時の状況、事業実態や従業員の雇用状況等から総合的に判断されます。

事業所要件

新製品・新技術開発助成事業に申請するためには、以下のすべてに該当する場所を有しており、助成事業の実施場所とする必要があります。

  • 自社の事業所、工場等である
  • 原則として東京都内である
  • 申請書に記載した購入予定の物品、開発人員、当該助成事業の成果物等が確認できる

そのほかの要件

上記のほか、以下のすべてを満たせば申請することが可能です。

  • 同一テーマ・内容で、公社・国・都道府県・区市町村等から助成を受けていない(他の公的機関との併願申請は可能だが、両方採択された場合は一方を辞退する必要がある)
  • 本助成事業の同一年度の申請は、一企業につき一件である
  • 同一テーマ・内容で公社が実施する他の助成事業に申請していない(ただし、過去に採択されたことがない場合は申請可能)
  • 事業税等を滞納(分納)していない
  • 東京都および公社に対する賃料・使用料等の債務の支払いが滞っていない
  • 申請日までの過去5年間に、公社・国・都道府県・区市町村等が実施する助成事業等で不正等の事故を起こしていない
  • 過去に公社から助成金の交付を受けている場合は、「企業化状況報告書」や「実施結果状況報告書」等を期限内に提出している(未提出がある場合は、報告期間満了の翌年度3月31日まで申請不可)
  • 民事再生法または会社更生法による申立て等、事業継続性について不確実な状況が存在しない
  • 助成事業の実施に必要な許認可を取得し、関係法令を遵守する
  • 東京都暴力団排除条例に規定する暴力団関係者ではない
  • 公社所定の「反社会的勢力排除に関する誓約事項」を遵守している
  • 風俗関連業、ギャンブル業、賭博等、社会通念上適切でない業態を営んでいない
  • 連鎖販売取引、送り付け商法、催眠商法、霊感商法など、公的資金の助成先として不適切な業態を営んでいない
  • 申請に必要な書類をすべて提出できる
  • その他、公社が公的資金の助成先として適切でないと判断する事業者ではない

賃上げ特例要件

新製品・新技術開発助成事業では、賃金引上げ計画を策定・実施する場合、通常の助成率(1/2以内)よりも高い助成率が適用される「賃上げ特例」が設けられています。特例が適用されると、中小企業者は3/4以内、小規模企業者は4/5以内まで助成率が引き上げられます。

賃上げ特例の適用を受けるには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 事業者要件:中小企業者または小規模企業者であること。なお、小規模企業者とは、製造業・その他の業種で常時使用する従業員数が20人以下、卸売業・小売業・サービス業で5人以下の事業者を指す
  2. 従業員要件:常時使用する従業員が1名以上いる
  3. 賃金引上げ計画の策定・実行:次の2点を満たす賃金引上げ計画を策定し、実行すること
    給与等総額の増加:賃金引上げ計画期間(助成事業完了日の翌月から最大12ヶ月間)において、常時使用する従業員の給与等総額を、基準期間(令和8年3月1日の前月から遡る12ヶ月間)と比較して2.0%以上増加させる
    最低賃金の引き上げ:助成事業実施場所内の最低賃金を、地域別最低賃金+30円以上の水準に設定する

また、特例適用を希望する場合は、申請時に「賃金引上げ計画書」の提出が必須です。

なお、以下に該当する場合は、賃上げ特例の適用対象外となりますのでご注意ください。

  • 中小企業団体等
  • 創業予定者
  • 中小企業グループ(共同申請)
  • 基準日現在で引き続く事業期間が1年に満たない者(未決算法人・未決算個人事業者を含む)

新製品・新技術開発助成事業の助成対象事業

新製品・新技術開発助成事業では、以下の2つの分野のいずれかに該当する研究開発を助成対象としています。

製品化・実用化のための研究開発

製品化および実用化につながるハードウェア・ソフトウェアの試作品の設計、製作、試験評価が該当します。

要件

  • 研究開発の主要な部分が自社開発であること
  • 開発した最終成果物(試作品)の製品化および実用化を目的とすること
  • 特定の顧客向けではなく、汎用性を有すること

事例: 次世代照明機器の開発、遠隔ロボット操作システムの開発、高性能計測器の開発など

出典:令和8年度新製品・新技術開発助成事業【募集要項】 p.9

新たなサービス創出のための研究開発

サービスを実現する手段としてのハードウェア・ソフトウェアの試作品の設計、製作、試験評価が該当します。

要件

  • サービス創出の主要な部分は申請者が担うこと
  • サービスの仕組みに技術開発要素を含むこと
  • 最終成果物(試作品)を自社利用したサービスの提供を目的とすること
  • 創出するサービスは一定の新規性があり、市場で相当程度普及していないものであること

事例: 独自の集計ツールの開発、AIを活用したビジネスマッチングサービスの仕組みの開発など

出典:同上 p.10

助成対象とならない事業の例

以下のような事業は助成対象外となります。

  • 設備投資を目的とした生産・量産用の機械装置・金型の導入
  • 技術的な開発要素がない事業
  • 研究開発の主要部分が自社開発ではない事業
  • 申請時に研究開発がおおむね終了している事業
  • 特定顧客向けで汎用性のない事業
  • 既製品の模倣に過ぎない事業

新製品・新技術開発助成事業の助成上限額・助成率

新製品・新技術開発助成事業では、助成限度額は最大2,500万円、助成率は助成対象経費の1/2以内となっています。ただし、賃金引上げ計画を策定・実施した場合は、助成率が引き上げられます。

区分助成率
通常1/2以内
賃金引上げ計画実施(中小企業者)3/4以内
賃金引上げ計画実施(小規模企業者)4/5以内
新製品・新技術開発助成事業の助成率

新製品・新技術開発助成事業の助成対象経費

新製品・新技術開発助成事業では、助成対象事業として決定を受けた研究開発に必要な経費の一部が助成されます。対象となるのは、助成対象期間内に発注・契約、取得・実施、支払いがすべて完了し、帳票類で確認できる経費です。

助成対象経費一覧

経費区分内容
原材料・副資材費研究開発や試作品に直接使用・消費される原料・材料等(例:鋼材、機械部品、化学薬品など)
機械装置・工具器具費研究開発に直接使用する機械装置等の購入・リース・レンタル費用(例:試作金型、計測機械、ソフトウェアなど)
委託・外注費自社で実施できない研究開発の一部を外部に依頼する経費、共同研究費、ユーザーテスト費用など
産業財産権出願・導入費特許・実用新案・意匠・商標の出願費用、他者からの権利譲渡・ライセンス料など
専門家指導費外部専門家からの技術指導に要する謝金・相談料等
直接人件費研究開発工程に直接従事する者の人件費(上限1,000万円)
助成対象経費一覧

経費計上時の注意点

  • 原材料等は助成事業中に使い切る必要最小限の数量とし、未使用残存品は対象外
  • 機械装置等で1件100万円(税抜)以上の購入品は、原則2社以上の見積書が必要
  • 委託・外注費で1契約100万円(税抜)以上の場合も、同様に見積書が必要
  • 直接人件費は、設計・製作・検査工程に直接従事した時間のみが対象

助成対象経費として認められるには、使途・単価・規模が明確に確認でき、本助成事業に係るものとして区分できることが条件となります。

新製品・新技術開発助成事業の申請から受け取りまでの流れ

新製品・新技術開発助成事業は、申請から助成金受け取りまで複数のステップを経て進行します。ここでは、全体の流れをステップごとに解説します。

ステップ1:事前準備

申請前に、電子申請システム「Jグランツ」を利用するための「GビズIDプライム」アカウントを取得します。国の審査によりアカウント発行まで時間がかかるため、余裕を持って準備することが重要です。あわせて、公社ホームページから申請書様式と電子申請マニュアルをダウンロードしておきましょう。

ステップ2:申請書類の提出(電子申請)

申請受付期間内に、申請書や補足説明資料などの必要書類をJグランツからアップロードして提出します。アクセス集中により手続きが滞る可能性があるため、期限に余裕を持って申請することをおすすめします。なお、持参・郵便・メール等による提出は受け付けていません。

ステップ3:一次審査(書類審査)

提出された申請書類に基づき、書面による技術審査が行われます。新規性・優秀性・市場性・実現性・妥当性などの視点から審査され、結果はJグランツで通知されます。

ステップ4:追加書類の提出

一次審査を通過した場合は、確定申告書・登記簿謄本・納税証明書などの追加書類を期日までにJグランツから提出します。組織形態(法人・個人事業者・創業予定者)によって必要書類が異なるため、募集要項を確認のうえ準備してください。

ステップ5:二次審査(面接審査等)

一次審査をクリアすると、二次審査(資格審査・経理審査・面接審査)が行われます。面接審査は公社が定める日時に対面で実施され、プレゼンテーションと質疑応答が行われます。日時の変更はできないため、スケジュールを確保しておく必要があります。

ステップ6:総合審査・交付決定

二次審査後に総合審査が行われ、助成事業者が決定します。審査結果(採択結果)がJグランツで通知され、交付決定となります。なお、審査の結果、助成予定額が申請額から減額となる場合があります。

ステップ7:助成事業の開始・事前支援

交付決定後、助成事業を開始します。開始から1~2ヶ月以内に公社担当職員が事業実施場所を訪問し、開発内容の確認や事務処理の説明などの事前支援が行われます。

ステップ8:遂行状況報告・中間検査

一定期間を超えて事業を継続する場合は、期日までに遂行状況報告書を提出します。報告書に基づき、公社担当職員による中間検査が実施され、進捗状況や購入物、経理帳票などが確認されます。

ステップ9:助成事業の終了・実績報告

助成事業終了後は15日以内に、実施内容や事業の成果、経費の支出状況などを記載した実績報告書や、達成目標の証明資料や経費の支払確認資料などを提出します。

ステップ10:完了検査

実績報告書の提出後、公社担当職員による完了検査が行われます。検査では、事業の実施状況や達成目標の実現状況、研究開発物(試作品)、購入物、経理帳票などが確認されます。申請書に記載した達成目標をすべて達成したことが確認できた場合に、事業完了となります。

ステップ11:助成金額の確定

完了検査後、公社職員により実績報告書の精査が行われます。助成事業が適正に行われたと認められた場合、助成金の額が確定し、Jグランツで通知されます。助成金額は実績に基づいて算出されるため、交付決定時の助成予定額から減額となる場合があります。

ステップ12:助成金の請求・交付

助成金確定通知を受けた後、Jグランツの所定フォームから助成金を請求します。請求後、約1ヶ月以内に指定の銀行口座へ助成金が振り込まれます。

ステップ13:企業化状況報告

助成事業が完了した後も、事業化の状況について報告する義務があります。助成事業が完了した日の属する会計年度の終了後、翌年度から5年間、毎年度終了時に企業化状況報告書を提出する必要があります。

賃上げ特例を適用した場合の追加ステップ

賃金引上げ計画を策定し、特例助成率の適用を受けた事業者は、上記のステップに加えて以下の手続きが必要です。

まず、助成事業終了後に通常の助成率(1/2以内)で算出された1回目の助成金が交付されます。その後、助成事業完了日の翌月から最大12ヶ月間の賃金引上げ計画期間において、計画を実行します。

計画完了後または計画期間終了後15日以内に、賃金引上げ計画達成報告書を提出します。公社による達成確認後、特例助成金額(助成率3/4または4/5で算出した金額と1回目交付額との差額)が2回目の助成金として交付されます。

新製品・新技術開発助成事業の申請方法

新製品・新技術開発助成事業の申請は、国が提供する電子申請システム「Jグランツ」でのみ受け付けています。持参・郵便・電子メール等による提出は不可です。

Jグランツを利用するには、事前に「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要となります。GビズIDに関する不明点は「GビズID ヘルプデスク」に問い合わせましょう。

申請時の注意点として、申請の作業者および連絡担当者は申請事業者の代表者または従業員に限られます。また、マイナンバーが記載された書類は受領できないため、確定申告書や開業届等でマイナンバーが記載されている場合は黒塗りやマスキング処理を施してから提出してください。

Jグランツにアップロード可能なファイル容量は1ファイルあたり16MBまでです。提出書類に不備・不足がある場合は差戻しとなり、公社が示す期限までに修正できなければ審査不通過となる場合があります。提出書類の控えとバックアップは必ず保管しておきましょう。

新製品・新技術開発助成事業の必要書類

申請書類

申請には以下の書類が必要です。なお、申請様式については、公社ホームページからダウンロードできます。

書類名補足ファイル名
申請書公社指定様式(Excel)。必須提出01 申請書(事業者名).xlsx
賃金引上げ計画書賃上げ特例の適用を受ける場合のみ提出必須01-2 賃金引上げ計画書(事業者名).xlsx
補足説明資料企画書・仕様書・図面等(A4用紙30ページ以内)。任意提出02 補足説明資料(事業者名).pdf
見積書機械装置・工具器具費で1件100万円(税抜)以上の購入品、または委託・外注費で1契約100万円(税抜)以上の場合に提出必須。原則2社以上
※見積書が1社分しか用意できない場合は、その理由を申請書に記載
03 見積書(支出番号)(事業者名).pdf(zip)
特許等公報申請書の産業財産権欄で「はい」を選択した場合のみ提出必須04 特許等公報(事業者名).pdf
新製品・新技術開発助成事業の申請書類

一次審査通過後の必要書類

一次審査を通過した場合、確定申告書や登記簿謄本、納税証明書などの追加書類を提出する必要があります。

必要書類は組織形態(法人・個人事業者・未決算法人等)によって異なります。以下の表を参考に、該当する書類を準備してください。

法人の場合

書類名補足ファイル名
履歴事項全部証明書【原本】書類提出日時点で発行後3ヶ月以内のもの。中小企業団体等の場合は定款・組合員名簿・総会の議事録の写しを提出1-1 履歴事項全部証明書(事業者名).pdf
確定申告書直近2期分(税務署提出済のもの)。法人税申告書別表1~2、決算報告書、勘定科目内訳書、法人事業概況説明書を含む1-2-1 前期確定申告書(事業者名).pdf(zip)
1-2-2 前々期確定申告書(事業者名).pdf(zip)
法人事業税納税証明書【原本】直近年度分(都税事務所発行)1-3 法人事業税納税証明書(事業者名).pdf
法人都民税納税証明書【原本】直近年度分(都税事務所発行)1-4 法人都民税納税証明書(事業者名).pdf
賃金台帳の写し(該当者のみ)賃上げ特例適用希望の場合に提出必須。基準日の前月から遡る12ヶ月間の全従業員分1-5 賃金台帳(事業者名).pdf
一次審査通過後の必要書類(法人の場合)

個人事業者の場合

書類名補足ファイル名
開業届の写し都内所在地等が確認できるもの(税務署提出済)。マイナンバー記載部分はマスキング処理が必要2-1 開業届(事業者名).pdf
確定申告書直近2期分(税務署提出済のもの)。所得税及び復興特別所得税の確定申告書第1表、収支内訳書または青色申告決算書を含む2-2-1 前期確定申告書(事業者名).pdf(zip)
2-2-2 前々期確定申告書(事業者名).pdf(zip)
個人事業税納税証明書【原本】課税対象の場合は都税事務所発行、非課税の場合は税務署発行の所得税納税証明書(その1)2-3 事業税納税証明書(事業者名).pdf
住民税納税証明書【原本】課税対象の場合は区市町村発行の納税証明書、非課税の場合は非課税証明書2-4 住民税納税証明書(事業者名).pdf
賃金台帳の写し(該当者のみ)賃上げ特例適用希望の場合に提出必須。基準日の前月から遡る12ヶ月間の全従業員分1-5 賃金台帳(事業者名).pdf
一次審査通過後の必要書類(個人事業者の場合)

未決算法人・未決算個人事業者・創業予定者の場合

書類名補足ファイル名
登記簿謄本等未決算法人は履歴事項全部証明書【原本】(発行後3ヶ月以内)、未決算個人事業者は開業届の写し、創業予定者は採択後に提出3-1 登記簿謄本等(事業者名).pdf
所得の証明代表者の直近の源泉徴収票、または所得税納税証明書(その2)【原本】のいずれかを提出3-2 所得の証明(事業者名).pdf
月次資金繰り表任意様式。助成対象の全期間について月単位で記載。前月繰越・収入・支出・次月繰越の項目は必須3-3 資金繰り表(事業者名).pdf
所得税納税証明書【原本】直近年度分の所得税納税証明書(その1)(税務署発行)。未決算法人の場合は代表者のものを提出3-4 所得税納税証明書(事業者名).pdf
住民税納税証明書【原本】課税対象の場合は区市町村発行の納税証明書、非課税の場合は非課税証明書。未決算法人の場合は代表者のものを提出3-5 住民税納税証明書(事業者名).pdf
残高証明書事業遂行を裏付ける資金保有の状況がわかるもの。助成事業者名および発行元の記載が必要3-6 残高証明書(事業者名).pdf
一次審査通過後の必要書類(未決算法人・未決算個人事業者・創業予定者の場合)

遂行状況報告のときの必要書類

一定期間を超えて事業を継続する場合は、遂行状況報告書の提出が必要です。遂行状況報告書は以下の資料で構成されます。

書類名補足
報告書公社指定様式。実施内容や事業の成果、経費の支出状況、資産表等を記載
達成目標の証明資料各目標の達成状況、助成事業の開発成果を証明する資料(仕様書、試験報告書、設計書、図面、写真、ソースコード等)
支払総括表公社指定様式。各経費の支払金額の合計表
経費区分別支払明細表公社指定様式。経費毎に取引した実績の詳細を記載
経費の支払確認資料見積書、契約書、納品書、請求書、振込控等。経費区分ごとに必要書類が異なる
直接人件費関係資料公社指定様式、全体工程表等。直接人件費を計上する場合に必要
遂行状況報告のときの必要書類

提出された遂行状況報告書をもとに中間検査が行われ、担当職員が訪問して進捗状況・購入物・経理帳票等の確認を実施します。

実績報告のときの必要書類

助成事業が終了したときは、事業終了後15日以内に実績報告書を提出する必要があります。実績報告書の資料構成は、遂行状況報告と同じです。

提出された実績報告書をもとに完了検査が行われ、担当職員が訪問して完了状況・成果物・購入物・経理帳票等の確認を実施します。申請書に記載した達成目標をすべて達成したことが確認できた場合に、事業完了となります。

新製品・新技術開発助成事業の審査内容

一次審査

一次審査は、提出された申請書類に基づき書面で行われる技術審査です。一次審査では、以下の5つの観点から評価されます。

審査の視点評価のポイント
新規性従来にない新しい開発であるか
優秀性創造的・技術的・利便的に優れているか
市場性市場動向や販売見込みが適切か
実現性開発を遂行する能力があるか
妥当性事業目的との合致性、計画の整合性があるか
一次審査の観点

二次審査

二次審査は、一次審査を通過した申請者を対象に実施され、「資格審査」「経理審査」「面接審査」の3つで構成されます。

資格審査・経理審査

資格審査・経理審査は、申請書類、追加提出された書類(確定申告書、登記簿謄本、納税証明書など)に基づき、書面によって行われる審査です。追加書類の提出受付後から令和8年7月下旬までに実施されます。

本審査の視点は以下の2つです。

資格審査・経理審査の視点評価のポイント
申請要件等申請資格を有しているか、その他適格性があるか
財務内容・事業予算等自己資金の調達状況、企業内容の堅実性、事業予算の適正性など
資格審査・経理審査の視点

面接審査

面接審査は東京都中小企業振興公社(東京都千代田区神田練塀町3-3 大東ビル4階)で行われます。申請者はプレゼンテーションと質疑応答を行い、以下の視点から評価されます。

面接審査の視点評価のポイント
新規性従来にない新しい開発であるか
優秀性創造的・技術的・利便的に優れているか
市場性市場動向や販売見込みが適切か
実現性開発を遂行する能力があるか
妥当性事業目的との合致性、計画の整合性があるか
面接審査の視点

なお、面接審査については、日時の変更ができません。

経営コンサルタントや顧問など、申請事業者以外の入室は不可です。

使用可能な資料は、原則として申請時に提出した申請書・補足説明資料のみですが、模型や従来製品等のサンプル、ソフトウェア開発の場合はパソコン等によるサンプル画面の提示はOKとされています。

なお、二次審査のみの結果通知は行われず、総合審査後に採択結果として通知されます。

総合審査

総合審査は、二次審査(資格審査・経理審査・面接審査)の結果を踏まえて行われる最終段階の審査です。審査会での審議により、助成事業者が決定されます。

一次審査で評価された新規性・優秀性・市場性・実現性・妥当性に加え、二次審査で確認された申請要件の適格性や財務内容、面接でのプレゼンテーション内容など、すべての審査結果を総合的に判断します。

審査結果(採択結果)はJグランツを通じて通知され、採択された場合は事前に決められた日に交付決定となります。なお、審査の結果、助成予定額が申請額から減額となる場合があります。

新製品・新技術開発助成事業に関する注意点

新製品・新技術開発助成事業を活用するにあたっては、申請要件や経費の取り扱いだけでなく、事業実施中から完了後までの運用面にも注意が必要です。以下に、見落としやすい重要なポイントを整理します。

申請要件は助成対象期間終了まで維持が必要

申請時点で要件を満たしていても、助成対象期間の途中で要件を満たさなくなった場合は、支援が打ち切られることがあります。都内での事業実態や事業所要件など、継続的に維持できるかを事前に確認しておきましょう。

達成目標は申請後に変更できない

申請書に記載した達成目標は、提出後の変更が一切認められていません。完了検査で目標がすべて達成されたと確認できなければ、助成金は交付されません。目標設定は現実的かつ明確に行うことが重要です。

助成事業完了前の販売は交付取消の対象

助成事業の成果を活用した製品の販売や営業行為は、完了検査日の翌日以降に限られます。完了前に販売を行った場合は、助成金交付決定が取り消されるため注意してください。

経費の支払方法に制限がある

支払いは原則として助成事業者名義の口座からの振込払いです。手形・小切手・電子記録債権による支払いは一切認められません。また、ポイント取得・使用分やキャッシュバック分も助成対象外となります。

関係書類と取得財産は5年間保管義務あり

助成事業に係る帳票類や取得財産は、事業完了年度の翌年度から5年間の保管義務があります。財産を処分する場合は事前に公社の承認が必要で、収入が生じた場合は助成金の一部返還を求められることもあります。

企業化状況報告の提出義務がある

事業完了後も、翌年度から5年間にわたり毎年度「企業化状況報告書」を提出する必要があります。報告書には、助成事業の成果を活用した製品・サービスの売上状況や事業化の進捗などを記載します。

なお、助成事業完了後5年間において、当該助成事業の事業化により相当の収益を得た場合や、産業財産権の譲渡・実施権設定により収益が生じた場合は、その収益の一部を納付しなければいけません。ただし、納付額は助成金の交付額が上限となります。

新製品・新技術開発助成事業を活用するメリット

新製品・新技術開発助成事業を活用することで、都内の中小企業は研究開発に取り組む際の資金面・事業面で複数のメリットを享受できます。

最大2,500万円の助成で開発資金を確保できる

本事業の助成限度額は最大2,500万円と高額であり、新製品・新技術の研究開発に必要な原材料費、機械装置費、委託・外注費、直接人件費など幅広い経費をカバーできます。通常の助成率は1/2以内ですが、賃金引上げ計画を策定・実施すれば、中小企業者で3/4以内、小規模企業者で4/5以内まで引き上げられるため、自己負担を大幅に軽減しながら開発に着手できます。

最長1年9ヶ月の助成期間で本格的な研究開発に取り組める

助成対象期間は最長1年9ヶ月と長期にわたるため、短期間では実現が難しい本格的な研究開発プロジェクトにも腰を据えて取り組むことができます。試作品の設計から製作、試験評価まで一貫して行う時間的余裕が確保でき、開発の完成度を高められます。

採択実績が企業の信頼性向上につながる

本事業に採択されると、事業者名や申請テーマが公表されます。公的機関からの採択実績は取引先や金融機関に対する信頼性向上に寄与し、事業化後の販路開拓や資金調達においてもプラスに働く可能性があります。

新製品・新技術開発助成事業の審査をクリアするためのポイント

新製品・新技術開発助成事業では、一次審査(書類審査)と二次審査(面接審査等)を経て採択が決定されます。審査をクリアするためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

審査の5つの視点を意識した申請書作成

申請書を作成するときに、審査の観点である「新規性」「優秀性」「市場性」「実現性」「妥当性」を意識することが審査をクリアする大きな鍵です。

例えば新規性をアピールする際は、「従来技術では〇〇が課題だったが、本開発では△△の手法により解決する」といった形で、既存技術との違いを具体的に示しましょう。市場性については、ターゲット市場の規模や成長率、想定顧客からのヒアリング結果など、客観的なデータを用いて説得力を高めることが効果的です。

達成目標の適切な設定

達成目標は申請後に変更できないため、現実的かつ明確に設定することが極めて重要です。「処理速度を向上させる」ではなく、「従来比150%の処理速度を達成する」のように、数値で測定可能な目標を設定してください。

また、助成事業期間内に達成できる内容であることも必須条件です。目標未達成の場合は助成金が交付されないため、技術的な難易度と期間のバランスを慎重に検討しましょう。

面接審査への万全の準備

二次審査の面接では、プレゼンテーションと質疑応答が行われます。想定される質問(開発リスクへの対応策、競合との差別化、事業化後の販売戦略など)への回答を事前に準備し、技術面・事業面の両方から説明できるようにしておきましょう。社内で擬似面接を行い、練習しておくのもひとつです。

申請支援の専門家への依頼

採択率を高めるためには、助成金申請の実績が豊富な専門家に支援を依頼することも有効な選択肢です。中小企業診断士や行政書士などの専門家は、審査員の視点を踏まえた申請書のブラッシュアップや、面接審査の模擬練習などをサポートしてくれます。

特に初めて申請する場合や、過去に不採択となった経験がある場合は、第三者の客観的な視点を取り入れることで、申請内容の完成度を大きく向上させることができます。

新製品・新技術開発助成事業の申請を検討していたら中小企業経営支援事務所にご相談ください

新製品・新技術開発助成事業は、最大2,500万円の助成を受けられる魅力的な制度ですが、申請書類の作成や審査対策には専門的な知識が求められます。書類の不備や審査ポイントの理解不足により、本来採択されるべき優れた事業計画が不採択となるケースも少なくありません。

中小企業経営支援事務所では、助成金申請に関する以下のサポートを提供しています。

  • 申請要件の確認と適合性診断
  • 事業計画書・申請書類の作成支援
  • 面接審査に向けたプレゼン対策
  • 採択後の遂行状況報告や実績報告のフォロー

これまで多くの中小企業の助成金申請をサポートしてきた実績があり、各企業の強みを最大限に引き出す申請書類の作成をお手伝いします。初回相談は無料ですので、申請をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧にご説明いたします。

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