【2026年最新】中小企業省力化投資補助金とは?要件と申請ポイント

中小企業においては人手不足が深刻化しており、生産性向上や業務効率化が喫緊の課題です。中小企業庁では、そうした課題に立ち向かう中小企業を支援するため、さまざまな補助金制度を設けています。
「中小企業省力化投資補助金」は、中小企業等がIoT、ロボットなどの導入を通して生産性向上を図る際に、その費用の一部を補助する制度です。
この記事では、中小企業省力化投資補助金について、制度の概要から申請方法、採択されるためのコツまでを、「中小企業省力化投資補助金のWebサイト」で公表されている各資料をもとに解説します。
当社・中小企業経営支援事務所は、認定経営革新等支援機関として、各補助金のトータルサポートを行っています。
本補助金の内容や事業計画の策定に不安や疑問があれば、以下のメールフォームからぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
要件の内容から事業計画の策定方法、採択率を高めるポイント、制度活用のコツまで、懇切丁寧に解説いたします。

目次
中小企業省力化投資補助金とは
中小企業省力化投資補助金とは、人手不足に悩む中小企業等の売上拡大や生産性向上を支援することを目的とした補助金制度です。
具体的には、清掃ロボットや自動券売機、無人搬送車など、人手不足解消に効果がある製品の導入に係る費用の一部を補助します。これにより、中小企業等の付加価値額や生産性の向上、従業員の賃上げを支援します。
本補助金には、事前にカタログに登録された汎用製品の導入に係る費用が対象となる「カタログ注文型」と、個々の環境にあわせてオーダーメイドで作られた製品やシステムの導入に係る費用が対象となる「一般型」の2種類があります。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の詳細
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)とは
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、中小企業等が生産性向上に効果的な汎用製品を導入するために係る費用の一部を補助するものです。中小企業等の付加価値や生産性向上、賃上げにつなげることを目的としています。
カタログ注文型は、あらかじめリスト化された「製品カタログ」から省力化製品を選ぶ仕組みとなっているため、「省力化を進めたいが、製品選定に要する時間や手間が気になる」中小企業に適しています。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の補助対象者
カタログ注文型の補助対象者は、交付申請時点で日本国内で法人登記等がされ、日本国内で事業を営む中小企業等です。
ここで中小企業等とは、「中小企業者(組合関連以外)」「中小企業者(組合・法人関連)」「『中小企業者等』に含まれる『中小企業者』以外の法人」であり、それぞれいずれかの要件を満たせば対象となります(個人事業主含む)。
中小企業者(組合関連以外)
中小企業者(組合関連以外)は、下表の数字以下になっている法人・個人を指します。
| 業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
| その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
中小企業者(組合・法人関連)
中小企業者(組合・法人関連)は、下記のような組織に該当する法人のことです。
- 企業組合
- 協業組合
- 事業協同組合/事業協同小組合/事業協同連合会
- 商工組合/商工組合連合会
このほか、水産加工業協同組合/水産加工業協同組合連合会、生活衛生同業組合/生活衛生同業小組合/生活衛生同業組合連合会などが該当します。
「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人
以下のいずれかに当てはまる法人も補助対象です。
- 以下の要件をすべて満たす特定非営利活動法人(NPO法人)
・中小企業一般の振興・発展に直結する活動を広く行っていること
・従業員数300人以下であること
・収益事業を行うこと
・認定NPO法人でないこと
・経営力向上計画の認定を受けていること - 以下の要件をすべて満たす社会福祉法人
・所管庁の認可を受けていること
・従業員数300人以下であること
・収益事業の範囲内で補助事業を行うこと
補助対象外となる者
大企業やみなし大企業(大企業が実質的に支配している企業)は補助対象外となります。また、同一法人とみなされる親会社・子会社からの複数申請も認められません。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の補助対象要件
補助対象要件
補助対象者がカタログ注文型を利用したいときは、下記をすべて満たす必要があります。
- 導入する省力化製品に紐付けられた業種のうち、少なくとも1つ以上が中小企業等の営む事業の業種と合致すること
- 補助事業の終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率3.0%以上、2回目以降の申請を行う場合は年平均成長率4.0%以上向上させる事業計画を策定し、実行すること
- 賃上げによる補助上限額の引き上げを希望する場合は、補助事業実施期間終了時点で、申請時と比較して事業場内最低賃金を45円以上増加させ、かつ給与支給総額を6%以上増加させることを達成する見込みのある事業計画を策定し、従業員に表明した上で、実現に向けて取り組むこと
- 省力化製品を登録されている業種・業務プロセス以外の用途に使用しないこと
- 合理的に目標達成が可能な事業計画に沿って実施すること
- 効果報告期間中は、補助事業者が自然退職や自己都合退職以外の解雇を積極的に行わないこと
- 補助額が500万円以上の場合は、所定の保険への加入を行うこと
- 2回目以降の交付申請を行う場合は、申請時に賃上げに取り組む旨を宣誓すること
2と3に関しては達成できなかった場合、事務局への補助金の減額・返還が求められます。
補助対象外要件
以下のような事業は補助対象外となります。
- 不動産賃貸等の実質的な労働を伴わない事業
- 1次産業(農業・林業・漁業)
- 日本国外で実施する事業
- 公序良俗に反する事業
- 法令違反の恐れがある事業
このほか、制度趣旨や公募要領にそぐわない事業も対象外です。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の補助率・補助上限額
補助率
カタログ注文型における補助率は、一律1/2です。
補助上限額
補助上限額は従業員数によって変動します。
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 大幅賃上げ時の補助上限額 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 200万円 | 300万円 |
| 6~20人 | 500万円 | 750万円 |
| 21人以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の補助対象経費
補助対象経費
カタログ注文型の補助対象経費は、製品本体価格と導入経費の2つがあります。
| 経費区分 | 内容 | 留意点 |
|---|---|---|
| 製品本体価格 | ・機械装置 ・工具や器具 ・専用ソフトウェアや情報システム | ・製品カタログの事前登録価格が上限 ・単価50万円以上 ・補助事業専用であること |
| 導入経費 | ・設置作業費 ・運搬費 ・動作確認費用 ・マスタ設定などの導入設定費用 | 製品本体価格の2割が上限 |
補助対象外経費
一方、以下のような経費は対象外となります。
- 顧客負担費用が含まれるもの
- 無償提供品
- 中古品
- 交付決定前の購入製品
- 交付決定前の費用や補助事業期間外の費用
- 過去購入品の作業費や非補助対象品の費用
- 製品導入と無関係の作業費
- 試運転に伴う原材料費/光熱費
- 通常業務に対する代行作業費
- 移動交通費/宿泊費
- 委託外注費
- 交付申請時に金額が未確定なもの
- 補助金申請の代行費
- リース契約時の金利や保険料
- 公租公課(消費税)
なお、ポイント還元や払い戻しによる製品本体価格の実質的な引き下げや、導入経費の不当な減額や無償化などが疑われる場合、事前連絡なしの立入調査が行われ、調査結果によっては交付決定取消、事業者名の公表等の措置が取られます。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の公募スケジュール
カタログ注文型は、2024年6月25日(火)から随時受付中となっています。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の基本的な流れ
カタログ注文型では、以下のような流れで進みます。
事業計画を策定する
公募要領に目を通した上で、事前準備として販売事業者と共同して事業計画を策定します。具体的な手順は以下のとおりです。
- 省力化製品・販売事業者を選択する
事務局のWebサイトにある「製品カタログ」ページから省力化製品と販売事業者を選び、販売事業者に本補助金の交付申請を行いたい旨を連絡する - 人手不足の状態にあることを確認する
以下のいずれかから当てはまるものを選択し、省力化が必要なことを示す
①残業時間30時間超
②従業員5%以上減少
③求人未充足
④その他(例外的な扱いになるため、追加書類の提出が求められる可能性があり、採択通知が大幅に遅れる場合がある - 事業計画を作成する
・カタログから選んだ製品で事業要件である「労働生産性の向上目標」(3年間で年平均成長率3.0%以上)が達成する計画を作成する
・「導入製品の使用方法」「期待される省力化効果」「抽出される時間や人員の使途」の3点の説明を盛り込む
・賃上げ要件を満たしたい場合は、事業場内最低賃金を45円以上増加させ、かつ給与支給総額を6%以上増加させる内容を計画内に盛り込み、従業員に表明する - 保険に加入する
補助額が500万円以上となる場合、保険金額が補助額以上である保険、または共済に加入する(500万円未満の場合でも加入が強く推奨されている)
なお、リース取引や賃貸借契約による導入を検討する場合は、追加の要件や手続きが必要となるため、事前にリース会社かリース事業協会へ確認することをおすすめします。
事務局に交付申請する
事業計画書を作成したら、公募期間中に電子申請システムを通じて申請します。なお、カタログ注文型の場合、申請フォームにアクセスするには販売事業者からの招待を受ける必要があります。申請フォームが公開されているわけではありませんので注意しましょう。
また、「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要になるため事前に済ませておきます。
事務局が審査を実施して採択事業者を決定する
事務局が提出書類をもとに審査を行います。採択されると、電子申請システムを通じて交付決定の通知が事業者に届きます。
なお、事務局のサイトに事業者の名称、法人番号、所在地(市区町村まで。個人事業主の場合は都道府県まで)、申請年度を公表する同意が事前に求められます。また不採択となった場合でも、EBPM(客観的な根拠にもとづいて政策立案をする手法)に関する協力の要請にはできるかぎり応じる必要があります。
補助事業を実施する
事業計画書の記載内容に沿って、補助事業を実施します。事業実施期間は、交付決定日から原則12ヶ月以内です(交付決定日は交付決定通知書に記載)。
補助事業では、事業計画に基づいてカタログに登録されている省力化製品を購入し、販売事業者と協力して導入・業務プロセスの改善に取り組みます。
事務局に実績報告をする
補助事業が完了したら、事務局へ実績報告を行います。賃上げによる補助上限額の引き上げを適用している場合は、賃金引き上げ実績が確認できるまで実績報告を行うことはできません。
事務局による補助額確定後、補助金を受け取る
事務局が実績報告をもとに補助金を確定したら、事務局に支払請求を行い、補助金を受け取ります。
補助事業完了後3年間、効果報告を事務局に行う
カタログ注文型では、補助事業完了後から3年間の効果報告が義務付けられています。毎年度、事務局が定める期限までに以下の項目について報告を行う必要があります。
- 省力化製品の稼働状況
- 事業計画の達成状況(省力化の効果、賃上げ実績)
「労働生産性の向上目標」の達成状況は、効果報告で判断されます。
なお、省力化を理由とした人員整理・解雇の実施した場合、事業者の故意や過失によって目標未達となった場合、賃上げによる補助上限額の引き上げ適用後に賃金を引き下げた場合、補助事業によって収益が発生した場合は、補助金の返還や収益納付が求められる可能性があります。
また、効果報告期間中は実地検査も行われ、省力化製品の設置・使用状況が確認されます。使用状況が確認できない、別の補助金事業に使用しているなどが確認された場合、交付決定が取り消されるため注意が必要です。
このほか、立入検査や会計検査院への対応が実施された場合は、誠実に対応する必要があります。
補助事業完了後、取得した省力化製品を適切に管理する
補助事業で取得した省力化製品は、効果報告期間が終わっても法定耐用年数が経過するまでは厳格な管理が必要です。
例えば、製品の売却・転用・破棄などの財産処分を行う場合は、事前に事務局の承認を得なければなりません。承認後は、残存簿価相当額または時価(譲渡額)を補助金額を上限として納付する必要があります。無断で貸付や転売等を行った場合は、交付決定が取り消されるため注意しましょう。
なお、財産処分に関する申請や納付は、その財産の所有者が行います。ファイナンス・リース取引で導入した場合は、所有権を持つリース会社が手続きを行う必要があります。
中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の主な提出書類
カタログ注文型の補助金を受け取るには、以下のような書類を提出する必要があります。なお、指定様式については、事務局のWebサイトにある「資料ダウンロード」ページから取得できます。
申請時
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全事業者共通 | ・従業員名簿 【指定様式】(中小企業判定用) ・損益計算書(前期・前々期分) ・貸借対照表(前期・前々期分) |
| 法人 | ・履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内) ・法人税の納税証明書(その2)(直近3期分) ・役員名簿 【指定様式】 ・株主・出資者名簿 【指定様式】 |
| 個人 | ・確定申告書の控え 第一表(直近1期分) ・所得税の納税証明書(その2)(直近1期分) |
| 人手不足に関する書類 | いずれかひとつ ・時間外労働時間 【指定様式】 ・従業員減少の確認用 【指定様式】 ・求人サイトのキャプチャなど |
| 賃上げに関する書類 | 事業場内で働く最低賃金者の賃金台帳 |
| 事業計画に関する書類 | 省力化効果判定シート 【指定様式】 |
| リース取引の場合に必要な追加書類 | ・リース料軽減計算書 ・リース取引に係る宣誓書 |
実績報告時
実績報告時には、補助事業が適正に実施されたことを証明するため、複数の書類提出が必要です。
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全事業者共通(必須) | ・契約書 ・納品書 ・検収書 ・請求書 ・支払いの証明書類 ・取得財産等管理明細表 ・省力化製品の写真(またはアプリURL) ・補助金の交付を受ける口座情報 ・確認テストの修了証 |
| 補助額500万円以上の事業者に必要な追加書類 | 保険の加入証明書(付保証明書または保険証券) |
| 交付申請時に賃上げ宣誓をした事業者に必要な追加書類 | 賃金台帳 |
| リース取引の場合に必要な追加書類 | ・リース契約書 ・物件借受書 ・リース料軽減計算書(変更がある場合) |
中小企業省力化投資補助金(一般型)の詳細
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは
中小企業省力化投資補助金(一般型)とは、人手不足に悩む中小企業等がIoTやロボットなどのデジタル技術を活用した専用設備(オーダーメイド設備)を導入する際の費用の一部を補助する制度です。
事業者の個々の業務や事業所のレイアウトに応じて専用で設計された機械装置やシステムの導入を支援し、省力化による生産性向上と賃上げを実現することを目的としています。
カタログ注文型と違ってカスタマイズされた設備の導入が対象となる分、より高度な省力化効果や革新性が求められ、審査項目も多くなっているのが特徴です。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助対象者
一般型の補助対象者は、応募申請時点で日本国内に法人登記等がされ、日本国内で事業を営む中小企業等です。
ここでいう中小企業等とは、「中小企業者(組合関連以外)」「中小企業者(組合関連)」「小規模企業者・小規模事業者」「特定事業者の一部」「特定非営利活動法人(NPO法人)」「社会福祉法人」であり、それぞれいずれかの要件を満たせば対象となります(個人事業主含む)。
中小企業者(組合関連以外)
中小企業者(組合関連以外)は、以下の数字以下となる会社または個人を指します。
| 業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
| 卸売業 | 1億円 | 100人 |
| サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
| 小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
| ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
| その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
中小企業者(組合関連以外)の要件
中小企業者(組合関連)
企業組合、協業組合、事業協同組合、商工組合、水産加工業協同組合、生活衛生同業組合、酒造組合、内航海運組合、技術研究組合などが該当します。
小規模企業者・小規模事業者
製造業その他・宿泊業・娯楽業では20人以下、商業・サービス業では5人以下の常勤従業員数の会社・個人事業主が該当します。
特定事業者の一部
製造業、建設業、運輸業では500人以下、卸売業では400人以下、サービス業または小売業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)では300人以下、その他の業種では500人以下の常勤従業員数の会社または個人のうち、資本金10億円未満の会社が該当します。
また、直接または間接の構成員の2/3が、常時規定の人数以下の従業員を使用し、10億円未満の金額をその資本金の額、もしくは出資の総額とする一部の組合も対象となります。
特定非営利活動法人(NPO法人)
中小企業振興に関わる活動を行い、従業員300人以下、収益事業を行う認定NPO法人以外で、経営力向上計画の認定を受けている法人が対象です。
社会福祉法人
所轄庁の認可を受け、従業員300人以下で、収益事業の範囲内で補助事業を行う法人が対象です。
補助対象外となる者
みなし大企業(大企業が実質的に支配している企業)や、同一法人とみなされる親会社・子会社からの複数申請は認められません。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助対象要件
一般型の補助対象要件は、大きく「基本要件」と「その他の要件」の2つがあり、それぞれすべて満たす必要があります。
基本要件
- 事業計画期間(3~5年)において、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率4.0%以上向上させる事業計画を策定し、実際に取り組む
- 事業計画期間終了時点で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させる計画を策定し、従業員に表明した上で実際に達成する
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金を毎年、事業実施都道府県の最低賃金+30円以上の水準とする(最低賃金引き上げ特例適用事業者の場合は除く)
- 従業員21名以上の場合、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」に交付申請時までに公表する
2と3が未達の場合、事務局への補助金の減額・返還が求められます。
その他の要件
- 業務量が削減される割合を示す省力化指数を計算した事業計画を策定する
- 根拠資料とともに投資回収期間を提出する
- 事業計画期間内に、設備投資前と比較して付加価値額が増加する計画を策定する
- 人手不足解消に向けて、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムの導入計画を策定する。汎用設備でも、導入環境によって周辺機器や構成する機器の数等が変わる場合、組み合わせることで高い省力化効果を生み出す場合は対象
- 資金を金融機関から調達する場合は、金融機関による事業計画の確認書の提出が必要です。
特例措置要件
【最低賃金引き上げ特例】
- 2024年10月~2025年9月の間で、地域別最低賃金以上~2025年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員数の30%以上である月が3ヶ月以上
【大幅賃上げ特例】
- 事業計画期間終了時点で、1人当たり給与支給総額を年平均成長率+6.0%以上増加させる事業計画を策定し、目標値を達成する
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上の水準とする
- 事業計画書に、上記2点の達成に向けた具体的かつ詳細な取り組み内容を記載する
補助対象外要件
以下のような事業は補助対象外となるので注意しましょう。
- 公募要領にそぐわない事業
- 主たる課題の解決を他者へ外注、または委託する事業
- 購入した設備を特定の第三者に長期間賃貸させる事業
- 本補助金の要件や目標の達成のために従業員の解雇などを行う事業
- 公序良俗に反する事業
- 法令違反の恐れがある事業
このほか、国の別の助成制度と重複している場合、事業計画に無理がある事業の場合、経費の大半が補助対象外経費である事業なども対象外となります。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助率・補助上限額
一般型では、事業者の規模や要件に応じて、以下の補助率・補助上限額が設定されています。
補助率
| 補助対象者 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2(2/3)※1 |
| 小規模企業者・小規模事業者 | 2/3 |
| 再生事業者※2 | 2/3 |
※1 カッコ内は最低賃金引き上げ特例適用時の補助率
※2 再生事業者は基本要件未達の場合の返還要件が免除される
補助上限額
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 大幅賃上げ特例適用時の補助上限額 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助対象経費
一般型の補助対象経費は、機械装置・システム構築費を必須とし、その他の経費については上限が設定されています。
補助対象経費
| 経費区分 | 内容 | 留意点 |
|---|---|---|
| 機械装置・システム構築費(必須) | ①専用の機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用 ②専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用 ③改良・据付けに要する経費 | ・単価50万円(税抜)以上が必須 ・リース・レンタルは補助事業期間分のみ対象 ・システム構築は仕様書等の提出が必要 |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等 | ・購入時の機械装置運搬料は機械装置費に含める |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入費用 | ・上限:補助対象経費総額の1/3 ・書面契約が必要 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権取得の弁理士手続代行費用等 | ・上限:補助対象経費総額の1/3 ・特許庁手数料は対象外 |
| 外注費 | 専用設備の設計等の外注費 | ・上限:補助対象経費総額の1/2 ・機械装置の製作は機械装置費に計上 |
| 専門家経費 | 専門家への依頼経費 | ・上限:補助対象経費総額の1/2 ・1日5万円が上限 |
| クラウドサービス利用費 | クラウドサービスの利用料 | ・専用利用のみ対象 ・サーバー購入費は対象外 |
※機械装置・システム構築費以外の経費は総額500万円(税抜)が上限
補助対象外経費
以下のような経費は補助対象外となります。
- 交付決定前に発生した経費
- 汎用性のある機器(事務用PC、プリンタ、スマートフォン等)
- 中古品購入費
- 不動産取得費用、建物・構築物の費用
- 自社の人件費・旅費・交際費
- 消費税等の公租公課、各種保険料
- 振込手数料、借入金の支払利息
ほかにも、事務所等の家賃や保証金、金券、事務用品等の消耗品代、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費なども認められません。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の公募スケジュール
一般型は、2026年1月13日現在、第5回公募が2025年12月19日(金)から始まっています。申請受付の開始日は2026年2月上旬予定、公募締切日は2月下旬予定です。採択発表日は未定となっています。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の基本的な流れ
一般型の申請から補助金受領までの流れは、以下の8つのステップで進められます。
事業計画を策定する
補助金申請の第一歩として、省力化指数、投資回収期間、労働生産性向上(年平均4.0%以上)などの要件を満たす3〜5年の事業計画を策定します。
金融機関から資金調達を行う場合は、金融機関による事業計画の確認書も必要となります。
事務局に交付申請する
事業計画を策定した後は、GビズIDプライムアカウントを取得し、電子申請システム「jGrants」を通じて必要書類を事務局に提出します。
事務局が審査(書面審査・口頭審査)を実施して採択事業者を決定する
書類を提出すると、外部有識者からなる審査委員会が厳正な書面審査を行います。一部の事業者に対してはオンラインによる口頭審査も実施される場合もあります。
審査の結果、補助金交付候補者として採択されると、事務局から採択が通知されます。また採択後は事業者名、法人番号、所在地、事業計画名等が公表されます。
事務局に交付申請を行う
採択の通知を受けたら、採択発表日から2ヶ月以内に、「jGrants」を通じて交付申請を行います。
特段の事情により期限内の申請が困難な場合は、事前に事務局への相談が必要です。連絡なく期限を過ぎると、採択が取り消される可能性があります。
交付申請を行い、問題がなければ事務局から交付決定通知書が送られてきます。
補助事業を実施する
交付決定通知を受けたら、補助事業を始めます。事業実施期間は交付決定日から18ヶ月以内(採択発表日から20ヶ月以内)です(交付決定日は交付決定通知書に記載)。
この期間内に、設備の契約(発注)・納品・検収・支払い等のすべての手続きを完了させる必要があります。
事務局に実績報告をする
補助事業完了後、30日以内または事業完了期限日のいずれか早い日までに実績報告書を提出します。導入した設備の証憑書類や効果測定データなどが必要です。
事務局による補助額確定後、補助金を受け取る
事務局による実績報告の審査が完了し補助金額が確定すると、補助金確定通知書が交付されます。その後、事務局に支払請求書を提出すると、精算払いにより補助金が支払われます。
補助事業完了後5年間、効果報告を事務局に行う
事業計画期間終了後も5年間、毎年効果報告を行う義務があります。労働生産性や賃上げ目標の達成状況を報告し、未達成の場合は補助金返還が求められる可能性があります。
補助事業完了後、取得した省力化製品を適切に管理する
補助事業で取得した省力化製品は、事業完了後も法定耐用年数が経過するまで厳格な管理が求められます。
例えば、処分制限期間(法定耐用年数)内は、取得した機械装置等を無断で売却・譲渡・貸付・廃棄などの処分を行うことはできません。やむを得ず処分する必要がある場合は、事前に事務局の承認を得る必要があり、承認後は残存簿価相当額または時価のいずれか高い額を、補助金額を上限として国庫に納付しなければなりません。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の主な提出書類
一般型においては、事業者は以下のような書類を提出する必要があります。なお、指定様式については、事務局のWebサイトにある「資料ダウンロード」ページから取得可能です。
申請時
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全事業者共通 | ・損益計算書(直近2期分) ・貸借対照表(直近2期分) ・事業計画書(その1・その2)または関税影響申請者用事業計画書【指定様式】 ・事業計画書(その3)【指定様式】 ・1人当たり給与支給総額の確認書【指定様式】 |
| 法人 | ・履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内) ・納税証明書(その2)直近3期分 ・法人事業概況説明書 ・役員名簿【指定様式】 ・株主・出資者名簿【指定様式】 |
| 個人 | ・確定申告書の控え(第一表) ・納税証明書(その2)直近1年分 ・所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書 |
| 複数の実施場所がある場合の追加書類 | 事業実施場所リスト【指定様式】 |
| 最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例を適用する場合の追加書類 | 地域別最低賃金引き上げに係る要件確認書【指定様式】 |
| 他の助成制度を過去に利用したまたは利用している場合の追加書類 | 他の助成制度の利用実績確認書【指定様式】 |
| 金融機関から借り入れを受ける場合の追加書類 | 金融機関確認書【指定様式】 |
| 事業承継またはM&Aを実施した事業者に対する加点を希望する場合の追加書類 | 事業承継またはM&Aの確認資料 |
| 地域別最低賃金引き上げに係る加点を希望する場合の追加書類 | 地域別最低賃金引き上げに係る要件確認書【指定様式】 |
| 事業場内最低賃金引き上げに係る加点を希望する場合の追加書類 | 事業場内最低賃金引き上げに係る要件確認書【指定様式】 |
| 任意書類 | ・導入予定機器のカタログや説明資料 ・サプライチェーン関連企業との取引実績書類 ・サプライチェーン省力化への寄与を証する書類 |
このほか、任意書類として導入予定機器のカタログや説明資料、サプライチェーン関連企業との取引実績書類、サプライチェーン省力化への寄与を証する書類が挙げられます。
交付申請時
交付申請時には、応募申請で提出した書類に加えて、採択後に追加で以下の書類の提出が求められます。提出期限は、採択発表日から2ヶ月以内です。
書類に不備や不足がある場合には交付決定されないため、事前によく確認しておきましょう。
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全事業者共通 | ・見積依頼書 ・見積書 ・賃金引き上げ計画の表明書【指定様式】 ・不動産登記事項証明書や賃貸借契約書等 ・研修動画の修了証 |
| システム構築費を含む事業者に必要な追加書類 | システム構築費の明細 |
| 特定非営利活動法人(NPO法人)に必要な追加書類 | 経営力向上計画の認定書 |
| 再生事業者に必要な追加書類 | 再生事業者の確認書類 |
なお、全事業者共通である見積書については、契約先または発注先1者あたりの見積額の合計が50万円(税抜)以上の物件等の場合、同一条件による相見積もりを取得することが原則です。最低価格を提示した者を選定しない場合は、その選定理由を明らかにした理由書と価格の妥当性を示す書類が必要となります。
実績報告時
実績報告時には、補助事業の適正な実施と経費支出を証明するための書類提出が必要です。
実績報告は、補助事業完了日から30日以内、または交付決定通知書記載の完了期限日のいずれか早い日までに、申請システムを通じて行います。提出書類は経費区分別・発注先別に整理し、見積から支払いまでの一連の流れが確認できるよう準備する必要があります。
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 全事業者共通 | ・補助事業チェックリスト ・補助金の受取口座情報 ・労働者名簿(小規模事業者の場合) |
| 機械装置・システム構築費を証明するのに必要な書類 | ・本見積書 ・契約書等 ・納品書・検収書 ・請求書 ・支払いを証明する書類 ・機械装置・システムの写真 ・保険への加入証明書 ・取得財産等管理明細表(50万円以上) |
| 運搬費を証明するのに必要な書類 | ・本見積書 ・契約書 ・納品書または運搬報告書・検収書 ・請求書 ・支払いを証明する書類 |
| 技術導入費を証明するのに必要な書類 | ・本見積書 ・契約書等(知的財産権取得の場合) ・請求書 ・支払いを証明する書類 ・指導契約書・専門家業務報告書(技術指導の場合) |
| その他経費を証明するのに必要な書類 | 各経費区分に応じた証憑書類一式 |
なお、書類は原本を5年間保管する義務があり、確定検査時の現地調査では設備の稼働状況や管理状態も確認されます。不備があると補助金交付が受けられない可能性があるため、十分な準備が必要です。
中小企業省力化投資補助金を活用するメリット
中小企業省力化投資補助金を活用すると、以下のようなメリットが得られます。
| メリット | 説明 |
|---|---|
| 設備投資に必要な資金が調達できる | 自己資金が不足している場合でも設備投資を行いやすくなる |
| 融資が受けやすくなる | 補助金事業に採択されることで事業の信頼性が高まり、金融機関からの融資を受けやすくする効果が期待できる |
| 客観的な自社分析ができる | 補助金申請に必要な事業計画書の作成を通して、自社の強みや弱み、事業環境などを分析する機会が得られる |
これらのメリットを活かすことで、中小企業は生産性向上や競争力強化を図り、持続的な成長を実現できる可能性が高まります。
中小企業省力化投資補助金の採択率を上げるコツ
中小企業省力化投資補助金では、採択に至らなければ具体的な資金援助を受けることができません。採択率を上げるには、以下のポイントが重要となるでしょう。
「審査の着眼点」を把握しておく
本補助金の採択審査では、公募要領の要件を満たしているかに加えて、以下の要素をふまえて総合的に判断するとされています。
- 投資による労働生産性向上の効果が合理的に説明されているか
- 単なる工数削減以上の付加価値増加が期待できるか(省力化により新しい取り組みを行う、高付加価値業務へシフトするなど)
- 賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるか(事業場内最低賃金を地域別最低賃金に比べて一定水準まで引き上げる取り組みを考慮)
審査の着眼点は、採択率を上げる重要な鍵です。意図をしっかり汲み取った上で事業計画に盛り込むようにしましょう。
補助金申請支援の専門家に相談する
補助金申請支援の専門家に相談するのもひとつです。補助金制度に関する深い知識と豊富な経験を持っているため、的確なアドバイスやサポートを受けられます。例えば、企業の事業内容や設備投資計画が補助金の要件を満たしているかのチェックや、採択率を高める効果的な事業計画書の作成支援などです。
専門家はさまざまな肩書の人がいますが、おすすめは中小企業診断士です。
中小企業の経営課題に常に向き合っている中小企業診断士は、事業者の経営状態を客観的に観察し、その上で現実的な施策を提示することを得意としています。そのため、中小企業診断士に相談すれば、本補助金の審査員も納得するような説得力のある事業計画を立てられるでしょう。
中小企業省力化投資補助金の申請をお考えでしたら中小企業経営支援事務所にご相談ください
当社・中小企業経営支援事務所では、本補助金をはじめ、さまざまな補助金・助成金の申請支援を行っています。採択率を上げるためのアドバイスだけでなく、採択後の事業実施や、さらにその後の事業運営までといったトータル支援も得意としています。
初回相談は無料ですので、まだ明確に利用するか決まっていない事業者様も、ぜひ一度ご連絡いただけましたら幸いです。

株式会社中小企業経営支援事務所
私たちは、経営者の皆様が抱える課題を根本から考え、あらゆる角度から、最善の解決方法をコンサルティングしています。事業拡大のための補助金活用支援や経営改善支援、事業承継支援(M&A・親族内承継)まで、経験豊富な中小企業診断士がしっかり伴走していきます。